BIO(有機栽培)について思うこと
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数日前、TVのドキュメンタリーで有機野菜と地球温暖化についての特集をしていました。
とても深く考えるきっかけになったので、報告しますね。実は主婦としてのButakoは、有機野菜にはあまり興味がなく、せいぜい有機ニンニクくらいしか買っていませんでした。だってスペイン産や中国産ニンニクは味も香りも薄く、変なにおいがするから。






有機野菜はイタリアのスーパーの野菜売り場で買えます。たいてい『BIO:ビオ』と書かれた小さな区画にお行儀よく並んでいます。(ニンジンもズッキーニも5本組みになっていて1本ずつ買えないのが、不満なのですが。)

ドキュメンタリーでは、スーパーで普通に売っている野菜をチェック。
洗ってきれいに千切りしてあるニンジン:200gで2ユーロ弱。
ペルー産のアスパラガス一束:2ユーロ。
刻んで真空パックされたパセリ:50gで1ユーロちょっと。

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パック詰めの野菜、どれも高いですねぇ。ニンジンは1kgあたり19ユーロ(通常1ユーロ)、パセリに関しては、なんと30ユーロ(通常4ユーロ)もかかっています。もちろん、洗ってきれいに切っているので手間賃や人件費、パック代も含まれています。でも切らずに普通に売っているのと比べて10倍以上するのはちょっとおかしいですね。
八百屋に行くと、いろいろ買った後、パセリはおまけでついてきます。つまりコスト0!この差はなんなのでしょう。

次にイタリアの大農場のリポート。そこには化学肥料や農薬を大量に使って栽培されたニンジンくんの姿がありました。曲がった子、形のふぞろいな子は売れないので、化学の力でコントロールしているというわけ。
しかも旬のないニンジンはとても安く、1kgたった7セントの卸値で売買されています。ぼ、暴力商売や・・・(被害者はもちろん農家)
薬漬けのたった7セントのニンジンが、なにくわぬ顔して市場に出回ります。7セントは1ユーロの販売価格が付いています。え、だって輸送費とかパック代がかかるでしょ?でも農家の収入を考えたら、スーパーは儲けすぎじゃないのかしら。

このニンジン農家のオジサンの畑では、有機農法も行っていました。農薬漬けの畑の土と有機の土を比べてみると、色もバクテリアの数も全然違うのです。オジサンは「ニンジン畑の土は、死んでいる。もとに戻すのに10年かかる」と言っていました。ニンジン畑の作業を終えて帰宅すると、すぐにシャワーを浴びるそうです。小さい息子がいるので、なおさら。農薬は毒ですからね。
味も栄養素も安全性も、全然違うこの2つの農法。どっちがいいのか、Butakoも分かってきました。

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旬の野菜を作ると損?現在イタリアでは、旬以外の野菜をビニルハウスで栽培する農家が増えています。なぜって、旬の野菜は市場で叩き売られ安価に買い取られます。そうすると苦労ばかり増えて利益がでないから。旬の前のトマトは出荷しても、旬が来ると畑に放置してしまいます。腐って朽ちても構わないんですよ。商売にならないから…って悲しすぎません?飢えてる国もあるのに。

 人間の便利を追及した果てに
袋詰めの生野菜たち。きれいに切って、乾燥させてあるので、あとは封を開けて食卓に並べるだけ。手間要らず。でもそのための加工をするのにどれだけの水を使い、どれだけのプラスチックを消費しているのでしょう。使用後発生するゴミを処理するにも燃料がかかります。大気も汚します。
50gのパセリには2,5kgのCO2(二酸化炭素)が放出されています。
CO2は温室効果があり、あらゆる燃料(加工、処理、輸送工程)に付随して発生しするものです。このCO2の排出量によって、その製品が環境に優しいか悪いかを図ります。
たとえば、家の庭で取れたパセリは、CO2排出量はゼロに近いですが(輸送代もパック代もない。あるのは使用する肥料が製造工程で発生させたCO2くらいです)袋詰めの切ってあるパセリには2.5kgも発生しています。ペルー産のアスパラガスは輸送に飛行機まで使っていますよね。
複雑な工程をたどり人為的な手間をかければかけるほど、CO2量は増え、温暖化はすすみます。

では車を使って移動したときの排出量は?
(みんなのちょっと便利帳)

 Okm(キロメートル ゼロ)運動そこで産地の野菜を消費し、できるだけCO2量の少ない生産物を購入しようという動きが各地で見られました。イタリア・スローフード協会も地産地消を謳っています。
ユニークな試みはOkm(キロメートル ゼロ)運動。地元のために販売している農家や酪農家、さらにそういった生産物を使って調理するレストランに、称号が与えられ、店にステッカーを貼ることができます。ピエモンテの酪農家は、自分の土地の一角にしぼりたて牛乳の自動販売機を設けました。村民はペットボトルなどの容器を各自持参し、ノズルから牛乳を入れます。1リットルたった1ユーロ。村民はおいしい牛乳が安く買え、生産者は手間要らずで適正価格で売ることができます。
CO2排出量も少ないエコなやり方。
ほかにも農場直売の八百屋。朝取りの野菜が安く買えます。店に並ぶのは旬の野菜のみ。たしかに、冬のトマトなんておかしいですものね。過剰包装もなし。
こうして循環型の地球に優しいおいしい食は、地元で完結します。

以上のお話。Butakoにとっては羨ましくもありました。
スーパーのBIOビオの野菜を買うより、農家が売る無農薬や低農薬の野菜を買いたい。でもそんな小売店をButakoは知りません。安心で美味な食卓を実現するには、地元をもっと知ること。農業の盛んなウンブリアなので、近くに良い店や農家がきっとあるはずですから。


                                             Butako
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by butako170 | 2008-04-16 04:40 | プレシディオ・食材
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