ローマの伝統料理 コーダ・アッラ・バチナーラ
 先日、旦那ロベルトの友人宅の夕食に招かれました。
その名も『コーダ・アッラ・バチナーラを食べる会』です。
バチナーラはローマの方言で皮なめし職人の意味。
『皮なめし職人風のコーダ(しっぽ)』と名づけられたローマの伝統料理は、牛のしっぽを白ワインと共にコトコトと煮込んだいわゆるオックステール・シチューです。
牛の皮をなめした際ついてきたしっぽを利用したという、労働者のための料理なのです。

 この会の主催者は、ノルチャより20km奥にあるカンピ村に住むロベルトさんです。人口100人ほどの谷に佇む小さく可愛い街。ロベルトさんはスポレートからやってきた私たち10人を笑顔で迎えてくれました。

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食卓に着く前に、まずは設備の整ったキッチンを拝見…そこで鍋一杯に用意されたコーダとご対面!
すごい量に圧倒されるButako。
それもそのはず、15人分のために用意された牛のしっぽはなんと35本!タマネギやセロリのみじん切りを炒めたソフリットにぶつ切りしたしっぽを加え、白ワインを注ぎます。
なんと注いだワインは5L!そしてトマトの水煮を加え、3時間ひたすら煮込むのです。

昨日から友人ロベルトさんは、客人のために仕込みをしてくれたのだとか。
厨房にて笑顔でポーズをとるロベルトさん。
もてなす心に感謝です。

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 夏場はレストハウスとして、旅行者に食事を提供する自慢のサロン。
暖炉の火が赤々と燃え、冷えた体を温めてくれます。卓上には、地元のペコリーノチーズや乾燥サルシッチャ、サラミがズラリ。自家製の赤ワインが注がれたボトルもスタンバイしています。おもわずゴクリと生唾を飲むButako。

全員がそろったところで、乾杯!
まずはアンティパストをいただきます。噛めば噛むほど旨みがでてくるサラミやサルシッチャは、スルメ感覚のつまみ。イタリア人はパンに乗せて、これらの乾き物を食べます。
ペコリーノチーズは地元の生産者が作った逸品。羊の乳から作られた旨みと独特の風味のあるチーズです。うっすら酒かすのような甘みも感じます。

 プリモはコーダを煮たソースで和えたショートパスタです。コーダのダシがしっかり効いていて、うまくないわけはありません。トマトの酸味も手伝って、お代わりに手がのびる美味さ。

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そしてお待ちかね、コーダの登場。長時間煮込まれて、柔らかくなったコーダ。コラーゲンもたっぷりで牛のエキスのつまった食べ応えのある一品です。
でもしっぽの軟骨が邪魔をして、フォークとナイフでは歯がたちません。そのうち皆手づかみで食べ始める始末。気の置けない仲間との食事だから、手でつかみ、歯で肉をしごいてもへっちゃらです。むしろ庶民発祥のこの料理の場合、それが正しい食べ方だと言えます。

何度もワインをお代わりして、付け合せのサラダやジャガイモのオーブン焼(ローズマリー風味)も平らげて…。なんて幸せな夜でしょう。
食後はドルチェとともにスプマンテ(発泡酒)やグラッパをチビリとやりながら、暖炉を囲んで夜更けまで語らいました。暖炉は友人との距離をぐっと縮めてくれます。

カンピ出身のロベルトさんは大のコーダ好き。ローマまで食べに行くには飽き足らず、自宅でも作り始めました。試行錯誤を何度も繰り返し、今のこの味に行きついたのだとか。
ウンブリアの山奥で思いがけずローマの味を堪能した一夜でした。

                                             Butako
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by butako170 | 2008-02-11 01:21 | その他
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