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春の野草採り
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 1月は風邪や日本語教室の準備に追われていたButakoですが、先日久しぶりに山歩きに行ってきました。「野草を勉強したい」というButakoの要望に、しなやかに応答してくれる山の師匠ジョバンニ。風邪の後で体力のないButakoのためにチョイスしてくれた場所は、バルネリーナ渓谷の外れにあるオリーブ畑でした。

 マッテレッロ(matterello)という村にある小さなオリーブ畑。
この村の名の由来はマッタレッロ(麺棒)から来ています。
 昔、敵が攻めてきたときに、こん棒として麺棒を活用したそう。そして…外で悪さをして帰ってきた亭主に、灸をすえようと妻が用いたのだとか。
ユーモアを交えながら話してくれるジョバンニです。

 野草はオリーブ畑のあぜ道にありました。
それが探すというよりは、そこらかしこに生えているんです。ジョバンニは草の名前と特徴を説明しつつ手早くナイフで採っていきます。名前をメモしつつ、特徴を必死に覚えるButako。
なんと8種類も自生していました。

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修道士の髭にその形が似ていることから名づけられたバルバ・ディ・フラーティ。
モスグリーンの可愛い形の草は「野ウサギの狩り」という名を持つカッチャ・レープレ
塩茹でやソテーして食べるとおいしいんはスカシレッレグリスピーノです。この地方ではこれらにチコリを混ぜた3種をミックスにして茹でて食べます。
(写真はバルバ・ディ・フラーティ)

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産毛のような繊毛に覆われたボラージネはサラダや茹でて。葉をかじるとキュウリがします。今はちょうど花の時期で、紫の星型をした花が我々を楽しませてくれました。酸で花の色が変わるのでサラダに入れると楽しいですね。
リゾットや卵焼きに入れると美味なのはストリーゴロ。肉厚な葉は加熱料理が向いています。
お馴染み香り高いミント。ジョバンニの故郷ノルチャでは、卵焼きに入れるのがトラディッショナル。
日本人が好きなノビルも発見!
わわ、野生のルッコラもあります。
(写真はボラージネ)

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慣れてくると、Butakoが先頭に立って、野草を採っていきます。でもそれと気づかずに通り過ぎることも多くありました。まだ見分けがつかないのです。
一方ジョバンニは、まるでセンサーでもついているかのように、緑の雑草のなかから、目当ての野草を瞬時に見つけます。
「わしの目は慣れているんだよ、野草に」

小さい頃、おばあちゃん子だったジョバンニ。
そのおばあちゃんは、自然を愛し、いつも顔に微笑をたたえていたといいます。
小さな体を折り曲げ、いつも散歩していました。散歩のあとは、必ずそのポケットに何かしら入っていたそうな。栗の実だったり、野草だったり、野生のリンゴだったり。ジョバンニが野草を覚えたのは、おばあちゃんの影響なのです。

そして彼女はその宝物を洋服ダンスに隠していました(老人特有のクセですね)。だから彼女の部屋からはいつもリンゴのいい香りだったり、木の実の香りが漂っていたそう。
遠い目をしながら、ジョバンニはおばあちゃんの思い出を語ってくれました。
Butakoはおばあちゃんを知りませんがなんだか懐かしくなってきました。

さて、スーパーのビニール袋も野草で一杯になったので、野草狩りはこれでおしまい。ジョバンニお勧めの小さな村があるそうなので、そこを訪れることにしましょう。

                                                Butako
by butako170 | 2008-02-04 02:40 | プレシディオ・食材
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