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カルメロとの再会
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「CIAO!元気だった?」といいながらカルメロと1年ぶりの挨拶を交わしたのはシチリア入りして3日目のことです。厨房でのカルメロはオーケストラの指揮者のよう。オーダーをすべて頭にインプットしたうえで、全体を見ながらタイミング良く指示していきます。厨房の様子も昨日とはうって変わって空気がピンと張り詰めたよう。

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この日は30人のグループが2組、10人のグループが2組プラス通常のお客が入っていたため目の回るような忙しさ。butakoの手も借りざる得ないほどでした。お皿にフィノッキオのサラダを盛り付けるように言われたのですが、30人分を手際よく適切な分量で美しく盛り付けるのがいかに難しいことか・・・。慣れていないので何度も盛ったり減らしたりしていると、カルメロから「一回で適切な量を測りなさい。」と言われてしまいました。(写真はモンテ ネブローディ産の黒豚のステーキ フィノッキオとオレンジのサラダ添え。)

 ザクロの実を出来上がった料理の飾り用に振りかけるのも、やり方が悪いのか実のしぶきでお皿を赤く汚す始末。皿をきれいにする仕事を増やしてしまいました。うむ、手伝っているのか邪魔しているのか・・・。


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カルメロがこの日創作したお皿はこちら。カポーネという魚にピスタッキオをまぶしオーブンで軽く焼き、チーズをベースにしたソースにポップコーンをあしらった一品。魚に塩をしてないのですがポップコーンとソースの塩気が魚の味を引き締めます。ピスタッキオの香ばしさがたまりません。その日ある素材で独創的な皿をひらめくあたりが、さすがカルメロと思わせます。



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メインは牛頬肉のブラザートを特別メニューとして作っていました。牛頬肉はネロ ダーボラ(赤ワイン)でやわらかく煮込まれていて、箸でも切れるくらい柔らかです。ネロ・ダーボラはシチリアを代表するブドウの品種。糖度の高いこのワインでじっくりと煮込まれたブラザートは牛肉の旨味を噛むたびに感じることができます。

 目の回る忙しさも23時過ぎから下火になってきました。今日はたくさん働いたぞ。間近かにカルメロの創り出す皿を見ることができて感激の半日でもありました。さて心地よい疲れのおかげで今夜はゆっくり眠れそう・・・。

                                               butako
by butako170 | 2006-12-25 04:29 | スタージ
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