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農民の知恵 アクア コッタ
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 ミレッラのレシピの所蔵はたくさんあるのですが、そのなかでbutakoが気に入っているのがこちら『クッチーナ ウンブリア』です。本屋に行って探したのですが、英語版しかないとのこと。イタリアのレシピゆえ当然イタリア語版の方が理解が深いだろうと思い、ミレッラからこの本を借りて只今せっせと翻訳中です。(というか今や英語を忘れてしまっているという理由もあり・・・。)

 残り物の固くなったパンを再利用する料理は、たくさんあります。特に中部イタリアはトスカーナ。パンを豆と黒キャベツ、スープで煮込んだリッボリータやパッパ アル ポモドーロ(トマト入りの流動食の意味)、夏にはパンツァネッラにしてサラダ感覚でいただきます。
 ここウンブリアのパンを使った料理といえば『アクア コッタ』。先日この本で見つけたのでミレッラに聞いてみると、『百聞は一見にしかず。今晩はアクア コッタにしましょう。』と言って仕込み始めました。

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 玉ねぎ大1、にんじん小1、セロリ1本はそれぞれみじん切りにし、トマト1は湯剥きじゃがいも共に角切りにする。ビエトラ(なければほうれん草でも可)1束は細かく刻んでおく。豚のラード50g。
①ラードはまな板の上で細かく刻む。
②鍋にオリーブ油に刻んだラードをいれ、野菜を全て入れて混ぜる。
③水を1L加えて、中火で煮込む。
1時間ほど煮込んだら出来上がり。お皿に固くなったパンをスライスしてのせ、たっぷりのスープを注ぎ、摩り下ろしたペコリーノチーズをかけて召し上がれ。パンは野菜スープの旨味をたっぷり吸い込んで柔らかくなっています。熱々を食べれば冬の寒さなど吹き飛んでしまいます。
 
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 ミレッラは言います。『これは冬場野菜が少ない時期に考え出された農民の知恵のスープよ。そして少量のブタの脂を入れることで満腹感も出るし、残り物のパンも効率よく利用できるでしょ。』
なるほど、ウンブリアの貧しい農民たちが考えた知恵の一皿です。
また他のバリエーションとしては、このスープにショートパスタを入れたり、固くなったパスタを削って入れたりして食します。この時期ならではの体にも財布にも有難いスープです。

                                                butako 
by butako170 | 2006-11-23 18:46 | その他
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