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究極の珍味とサルデーニャの友人
旅も終盤です。今回の旅でどうしてもbutakoが叶えたい夢がありました。それは、ペコリーノチーズとそれに生息するウジムシを食べること。
ウジムシを食べるなんて未開の地でもあるまいし、電気もガスも電話もあるサルデーニャにそんな野蛮な食べ物があるのかー?!と思う人もいるでしょう。でも今も密かに食べ続けられているサルデの伝統料理 『カス マルズ』KASU MARZU。

なぜ密かにか・・・というとこのチーズ、今はイタリアの法律で禁止されているということ。きっとウジムシ入りのチーズを許容している国と知れると外交上問題があるからでしょうか。そのため食べさせてくれるレストランは皆無。地元の人に聞いても、よほどの友達でないかぎり食べさせてくれません。
そんな食べるのが至難のカス マルズをbutakoどうしても食べたかったのです。

その理由は『美味しい』らしいから。食べたことのある人に聞くと、異口同音に「美味い。」との返答が帰ってきます。クリーミーな食感らしい・・・辛いらしい・・・美味いらしい・・・butakoの中で妄想はどんどん膨らみます。一体どんな味なんだろう。好奇心は禁止されていることによって倍増します。

友人の親友がカステルサルドに住んでいるということで、聞いてもらうことにしました。でも見つかるかどうか分からない代物。少しの間音沙汰がなかったので、あきらめていました。
サルデーニャを発つ前日のこと。深夜11時、扉をたたく音がするので開けるとその友人が笑顔で立っていました。手にはスーパーの包みを持って。『手に入ったよ。例のものが。』
やりました。念願のペコリーノ。

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早速味見をしてみましょう。見てくれは白味噌のよう。半固形のややクリーミーなチーズです。
それを恐るおそるカルタムージカの上に載せました。するとウジムシが現れてきました。3cm四方に10匹以上。目をつぶってそれを口に入れると・・・なるほどまろやかで豊かなペコリーノの風味が広がった後、舌をぴりぴり刺す辛みが感じられました。

『美味い!!でも辛い。』
この辛味のもとはウジムシがペコリーノを食べて排泄したもの。ウジムシの体内でチーズが化学変化を起こしたものです。要するにウジムシのウンチなのです!(すみません下品で。)

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ウジムシのウンチをウジムシごと食べるとは・・・恐るべしサルデーニャ人。これを最初に食べ始めた人の勇気をbutakoは讃えたい!きっと第一発見者はウジが湧いているとは知らずに食べたはずです。それが思いのほか美味しくて、刺激的だったので、密かにこの食べ方が広がっていったに違いありません。

残念ながらこのウジムシは何の種類のハエかは分かりませんでした。でも、この代物をうっかり放置してしまった友人の話によると小バエの一種だそう。ともかく、ペコリーノに卵を産みつけるなんて、かなりの食通じゃありませんか。

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さてさて、これにてサルデーニャ島でのbutakoの夏休みは終了。8月からはスポレートでスタージを開始します。束の間のリフレッシュでした。やはり夏は海に限るな~。 験の方、是非この島を訪れてください。夢見たいな休暇を過ごせること間違いなしですから。

                                             Butako
by butako170 | 2006-08-12 23:50 | プレシディオ・食材
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