切り絵師 俊寛さんとの出会い
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 5月も前半のこと(1ヶ月余り遅れてのブログの更新、恐縮です。)、アッカディに一人の青年がやってきました。名は俊寛(しゅんかん)。彼はプロの切り絵アーティストです。
年に一回、フィレンツェの貴族が主催する『職人展』ARTIGIANATO E PALAZZOに出品するためと題材探しのため、新緑の季節にこの街にやってきます。今回もそのための滞在。TOSHIさんとは古くからのお付き合いで、アッカディに挨拶しに立ち寄られました。

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その俊寛さんの出ているフィレンツェ職人展に行ってきました。駅からそう遠くないスカラ通りのコルシーニ庭園で開かれる職人展。貴族コルシーニさんがフィレンツェ在住の職人たちの作品の展示とデモンストレーションを目的として5月半ばの週末に開催しています。今年は12日(金)13日(土)14日(日)の3日間。会場は多くの職人たちのブースで賑わっています。それぞれ3メートル四方のスペースが与えられていて、それをどう使ってもよし。天井からシャンデリアを吊るす職人もいれば、壁や戸棚に大理石細工を並べる職人もいて、見ているだけで楽しい展示会です。もちろん、見るだけじゃあなく購入もできるんですぞ。

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 俊寛さんを探します。あ、いたいた。展示会入り口からそう遠くない所にありました、俊寛スペースが。この前会ったとき話には聞いていた切り絵、実物を前にすると圧巻・・・息を呑むほど美しいんです。フィレンツェで活躍している職人をモチーフにした作品は、臨場感と温かみがあります。それが繊細な切り絵の技と微妙な色使いとがあいまって、芸術性の高い作品に仕上がっていました。また今年からナポリを題材にした作品もラインナップされています。

d0033983_23584797.jpg俊寛ブースは人気があるようで、多くのお客が足をとめて行きます。俊寛さんは一人ひとりに丁寧に切り絵の説明。さもなくば、切り絵とは気づかずに『ただの綺麗な絵』だと勘違いされてしまうからです。技法は俊寛さんが独学で習得したもので、この10年間磨きに磨いてきたもの。

俊寛さんは言います。
「だいたい皆あきらめるのが早いよね。一つのことを0(ゼロ)から始めるからには10年間のスパンで取り組まないとダメだよ。2,3年がんばって『もう無理』と投げ出してしまう輩が多すぎる。努力が実を結ぶのにはある程度の時間が必要だよ。」と。

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 彼の絵は去年の職人展で第一位に選ばれました。他にも優れた職人たちがいるなかで、堂々の一位。入場者が投票制で決める賞なので、一番多くの人に感銘を与え、認知された作品であることが証明されました。また、日本で定期的に開いている個展も人気があり、徐々に知名度が上がってきています。即買いするお客さんも少なくはありません。それもこれも、十年間忍耐した努力の結晶。

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 『俊寛さんってアーティストですよね。』butakoがしみじみこう言うと「ただの職人さ。」と答える彼。謙虚なんだか照れているのか・・・。それにしても職人を描く職人っていうのも、ユニークで面白いですよね。取材しているうちに仲良くなって、今では俊寛ファンという職人さんもいるようです。フィレンツェの堅気の職人さんとお友達になれるなんて、羨ましくもあります。
 
 今回の出会い、butakoにとってとても新鮮なものでした。ライターになる・・・という夢は、現時点ではいつ実現するのか不確かです。でも恐れる無かれ。夢は叶えるためにあるものです。そして叶えるために必要な事は努力と忍耐。それを俊寛さんは教えてくれたのでした。

 俊寛さんのHPはこちら。                                   butako                                                                 
 




 
 
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by butako170 | 2006-06-16 23:29 | ヒューマン
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