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夜のヴェネツィア
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 まだ宿が決まってなかったので、お腹も心も満足したところで宿探しです。明朝、日曜にも関わらずキオッジャの魚市場は開いているというのでキオッジャで宿を取りました。

さて、ここまで来てヴェネツィアを見ないわけにはいきません。でもキオッジャからヴェネツィアまではひじょ~に不便。なんと小型船とバスを計5回も乗り継いで3時間も費やし、ヴェネツィアまで行く羽目に。たった30KMしか離れてないのに!!

そしてムラーノ島に着いたのが夕方の6時半。お目当てのガラス細工店はことごとく閉まり、島は閑散・・・。あれ、こんなはずじゃなかったのにね、なんて二人でボヤキながら、ヴェネツィア本島にとんぼ返りします。夕暮れのサンマルコ広場を見るためです。夕日に照らされたサンマルコ寺院のファザードは、金色のモザイクがそりゃぁ見事だと聞いていたから。
でもこれも空振り。広場に着いた時には夕日が沈んだ後でした。残念。

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 実は、butako夜のヴェネツィアは初めてなんです。日が落ちると昼間の暑さがウソのよう。海風が小径を優しく撫でます。Butakoたちが向かったのは地元で愛されるバーカロ『Trattoria Ca'd'Oro(通称、Alla Vedova)』。バーカロとは、立ったままアンティパストやちょっとした小皿をつまみ、ワインを呑む所のこと。一晩に何軒モノバーカロを梯子(はしご)するのがヴェネツィアンスタイルだとか。

ここは料理も美味いと評判。行くとすごい人だかりができていて、楽しそうに飲んでいます。みんな揚げたてのポルペッティーネを片手に、ワインをもう一方の手に持ってだべっています。
Butakoたちはイカのマリネと鰯のサオールを注文。サオールとは弱火でじっくり炒めた玉葱に酢、砂糖、干しブドウを入れマリネ液を作り、揚げた魚や焼いた野菜を漬け込む料理法。玉葱を炒めるので生臭さが無く、まろやかな甘みが楽しめます。
ハウスワインの白をお供に「ボナ・ぺティート!(頂きます)」

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 鰯の美味しいこと!新鮮なため臭みはまったくなく、一口噛むたびに鰯の旨味とマリネした玉葱、干しブドウが口の中で絶妙なハーモニーを奏でます。ゴクリと飲み込んでからも、美味しい後味は続きます。そして白ワインにより口の中がさっぱりしたら、また次の一口が食べたくなる具合。こうして、みるみるうちに鰯は無くなってしまいました。

さて、お腹が落ち着いたので、もう一軒バーカロに行きたかったのですが、どんなに探しても観光客向けのお高いリストランテしか見つかりません。Butakoたちは鰯の余韻を消したくなかったので、下手に知らない店でコジコジ(まぁまぁ)の食事をするよりこのまま帰ったほうが良いと思い、帰路に着きました。

今でもあの鰯を思い出します。本当に美味しいサオール。ロマンチックなヴェネツィアの夜を、完璧に〆てくれた一品です。

Trattoria Ca'd'Oro
CALLE DEL PISTOR(マクドナルドの隣の路地を入って突き当たり)                                                              Butako

 
by butako170 | 2006-06-03 23:50 | 旅行記
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