人気ブログランキング | 話題のタグを見る
カトリックとプロテスタントの違いについて
 カトリックの文化に触れるにつれ、カトリックの教義について無知だった事に気づいたbutako。先日、butakoの恩師であるM牧師にメールを送って、カトリックとプロテスタントの違いについて聞いてみました。
『へぇ~』な内容満載です。今日は、その内容を掲載したいと思います。興味のある方はどうぞ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

プロテスタントでの礼典(サクラメント:宗教的な儀式)は,洗礼と聖餐の2つ/b>です。カトリックのサクラメントはこの2つに5つ加わって,計7つのサクラメント (カトリックでは秘蹟と言います)となります。

1.洗礼(キリスト教徒になるための式)
2.堅信(洗礼の後に聖餐に参加ヘの資格を得るための式)
3.聖餐(キリストのパンとぶどう酒を口にする)
4.告解(洗礼を受けた後に犯した罪を信徒が神と祭司の前で秘密に告白し,祭司が赦しを与える)
5.婚姻,叙階(聖職に任職する式)
6.終油(信者の臨終への塗油を行う)

です。
 プロテスタントが2つに限った理由はわかりませんが,聖書には洗礼と聖餐はイエスに直接に関わることとして記されていますが,他の項目はイエスの生涯とは特に関係ないからであったと,私は考えています。

マリアさんについて。カトリックでは,イエスの母マリアは聖霊によって懐胎したときに,マリアは自身の原罪から自由になったという教理があります(19世紀に正式 に承認されています)。つまり原罪がなくなった,と言う意味です。マリア自身をど のようにとらえるかは,カトリック内部でも議論があるようです。ただどのような場合も,神と同等の扱いはしていないようで,日本語ではマリア崇拝と言う言葉だけなく,マリア崇敬という言葉も使っているようです。

 幼児洗礼については,ローマ・カトリックだけでなくプロテスタントの主流の教会(ルター派や改革派の一部)では行われています。キリスト教会の伝統的な考え方では教会外に救いはないので,洗礼を受けて教会の信者になっていないと救われないということがあります。ですから幼児が死ぬ前に授けてカトリックのメンバーになる必要があったと私は解釈しています。

 聖餐の考え方については,プロテスタント内部でも意見の違いはあります。パンとぶどう酒は聖なるもの変化するというカトリックに近い考えも存在しますし,パンとぶどう酒を象徴としてのみ理解するという立場があります。後者は,キリストの死を記念して行うと言うことです。聖書に残されている最後の晩餐のイエスのことばに「わたし(イエス)をおぼえて」がありますが,それを根拠にしているようです。

 懺悔は告解あるいは悔悛とカトリックでは呼ばれ,洗礼や聖餐と同じレベルとして扱われます。ですから信者は聖職者の前で自らの罪を告白しならないようです。プロテスタントではそのようなことを宗教的な意味では要求はしていません。罪の赦しは、告白ではなく神の赦しによってのみなされると言うのがプロテスタントの立場だと思います。

 ただ牧会上と言いますか,現実的な教会の対応としては,個々の教会の方々の罪の赦しにかかわるために,罪の問題や信仰生活上の問題を処理する必要があります。そのときに,カウンセリング的やその他の方法で対応すると言うことになります。実際,告解の現場は宗教的な罪の赦しの場であると思いますが,昔の人の知恵としてのカウンセリングの場であるとも思います。

 カトリックは長い間,プロテスタント教会を異端としてきましたが,現在は公式には教会として認めています(ただ,まだ偏見が残っていることは事実です)。逆に,プロテスタント教会がカトリック教会を敵視としてきた歴史もあります。プロテスタントはカトリック教会のいくつかの教えを否定してきましたが,同時にそのまま引き継いでいる教え(三位一体など)もたくさんあります。ですから,プロテスタントはカトリックを無視できませんし,ましてや否定できません。否定すれば,自分たちをも否定してしまうことになります。

プロテスタント教会の牧師が書いたものですから,特にカトリック教会について理解の間違いがあればご指摘下さい。ただ,大きな理解の間違いはないと思います。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

とのことでした。我らがM先生、実は吉本好きのコテコテの大阪人です。普段は冗談ばかり飛ばしているのですが、ひとたび教壇に上がると、メッセージは真面目で誠実です。butakoの尊敬する牧師です。先生、このたびはいろいろ教えてくれてありがとう。またそちらの教会に遊びに行くからネ。
                                               butako

 M牧師のブログ 「ベイカー街221Bの居候」
by butako170 | 2006-03-29 00:03 | その他
<< 城壁の街 LUCCAへ トスカーナの春 その② <ボッ... >>