『豚をと殺して、加工する工程を見たい・・・。』
次なるbutakoの願望はこれでした。 思えば大学時代、『ブタと文化』という世界の豚観を比較した卒業論文を(真面目に)書いて以来、butakoはブタに興味がありました。ブタにまつわる、人々の食や文化、宗教について関心をよせていました。 とりわけイタリアはブタ食のメッカ。なかでも、中部以北のイタリアは豚肉製品が盛んで、プロシュートにはじまり、サルシッチャ(ソーセージ)、サラミ、コッパ(茹でた豚の頭部肉、皮、耳などを豚ゼラチンで固めたもの。)などたくさんあります。地方ごとに作り方も違って、とてもバラエティに富んでいるのです。 なので、校長マンチーニにまた、butakoの要望をぶつけてみました。すると、あっさり、『あるよ。再来週豚を解体するところが。』と言われちゃいました。そこで、そのリストランテに行くことにしました。 モンテコーサロは、アンコナから南へ30KMほど行った田舎町です。 チビタノーバから、更にローカル線に乗り換えて向かいました。 『due cigui』という名のリストランテは、モンテコーサロの街の外の新市街にあります。今はフェリエの時期なのでお店はお休み。 でも中には、女性のシェフとそのお母さん、イタリア人コックとそしてなんと日本人コックもいたのでした。レストランは休暇でも昼はこうしてみんなで集まって昼食をとるのだそう。 butakoもご相伴にあずかりました。 シェフのお母さんが作った昼食は、お粥さんと蒸し煮した鶏肉、茹でたチコリア以上・・・。でもすべて最高に美味しいのです。 お粥は、ブロードも入れずに水で炊き、オリーブオイルとチーズをかけただけ。でも、なんでこんなに旨味があるんだろうと思うくらい滋味深いのです。 鶏肉も、柔らかくて、肉の味が強くおいしいし、チコリアもただ茹でただけなのに、ほろ苦くて飽きのこない味。まさにイタリアのお袋の味です。 聞けば、お母さん昔はコックでこの店を、第一線で切り盛りしていたそう。そして、娘さんも母の背をみて、コックになりこの店を引き継いだということでした。 味○、人間関係も○。でもいくつか、希望通りではない点もありました。 もう少し考えてみよう。butakoは修道院行きを断念してから、すこし自分の希望が分からなくなってきていました。 でも、なんだかここで3ヶ月修行するのは、少しイヤかもと直感で思ったのです。 たぶん郊外で何もないところではなく、歴史的に深い街で文化を感じつつ生活したいのかもしれません。 料理を習いに来ているんだろう、といわれればそれまでですが、料理以外にも土地の空気感や、街並みを楽しみたい。これがbutakoの希望でした。もうすこし、スタージ探しを続けよう。焦る気持ちを抑えつつ、こう思ったのでした。 butako
by butako170
| 2006-01-12 08:34
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