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炎の料理人 ガルディーノ
      11月30日(水)

  イカ墨スパゲテッィが好きな人は多いはず・・・。
ヴェネツィアを州都とするVENETO州は、ご存知海洋都市で、豊富な魚介類と、スパイスを使うことで有名です。
今日は、そんなヴェネツィアから、情熱を持ったシェフ・ガルディーノがやってきました。

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 まず、食材がユニークだったので紹介します。
 ヴェネッツィア湾で獲れたカラマーリ(イカ)と鰯。とても新鮮です。
そして、なんとウナギ。日本のものと比べて、断然太いのがイタリア産です。少ししつこいくらい脂がのっています。顔も日本のものとは違いますネー。調理法もユニークで、土鍋に月桂樹の葉をたくさん敷き詰めウナギを乗せ、上から葉をかぶせて蒸し焼きにします。適度に脂の落ちたウナギはサッパリしていて美味。脂を落とさず調理したトマト煮込みと食べ比べても脂味の違いが歴然とします。
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 またバカラ(干しダラ)料理もよく作られています。通常バカラと言えば、塩漬けしたタラを指しますが、ヴェネトでは干しダラ(ストッカフィッソ)のことをバカラと呼ぶそうです。(ちょっとややこしい。)

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 そして、野菜。冬しか出回らない種類のラディッキオを持参したシェフ。オリーブオイルと酢でマリネして、焼いたものをアンティパストに食べます。程よい酸味が食欲をそそります。
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 そして、立派なガッリーナ(雌鶏)を4羽も持参してくれました。うち1羽は羽つきのままです。このガッリーナは、オーガニックで育てられています。通常、農場では1M四方に30羽飼育されているのに対して、この鳥は8M四方に1羽の割合で育てられています。
 のびのびと育てられ、たくさん動いているため、肉質は締まっており、噛むほどに旨味がでてきます。こんなに美味しい鶏肉を食べたのは、いつぶりだろう・・・と思うくらい印象に残る味でした。

 ガルディーノは、一つ一つの食材について丁寧に説明してくれます。話す内容をきちんと紙に書いてきているシェフは彼が初めてではないでしょうか。彼は、食材だけでなく、地域ごとの文化や食を取り巻く環境、はては若い同業者の育成についてまで考えています。
 伝統的な食、安全な食を永続していくため、自分達が何をなすべきかを彼はいつも考えています。

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 ガルディーノにbutakoはシェフの経験がないので上手く調理できないことを伝えると、『情熱があればそれで十分。愛する人に喜んでもらうため料理を作れば、誰だってシェフだよ。手順や技術なんかは訓練すれば身につくもの。だから大切なのは心なんだよ。』と励ましてくれました。

 実は、彼自身最初はシェフではありませんでした。もともと水質関係の科学研究所で働いていたのですが、料理好きの母親の影響から、食の道に転換したそうです。研究所を辞めてから、エノテカを開き、数年後ついには念願のリストランテをオープンするまでになりました。
 今ではガンベロ・ロッソにも取り上げられるほど有名なリストランテに成長しましたが、常に基本に忠実に旨い料理を作り続けています。

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 初日の実習が終わった後、ガルディーノは生徒達をITAL.COOK.の地下にある市営のエノテカに連れて行ってくれました。彼はそこでイエジの地ワイン・ヴェルデッィッキオをオーダーし(決して彼の地元のワインではない。)そして生徒達と努めて交流を持ってくれました。
 彼はまさしくスローフードの精神を備えたシェフです。彼の熱い心を伝え広めていくのが、彼の授業を受けたbutakoたちの使命だと感じました。
                               butako
 
by butako170 | 2005-12-05 03:37 | 料理修行 はじめの一歩
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