チーズづくしの大昼食会
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大勢で囲む食卓というのは、魅力的。

それも机がいくつも並んでいるのではなくて、ながーいテーブルに皆で腰掛けると、なんだか一つの家族で食べているみたいな気がしてきます。

同じ釜の飯を食べている仲間とでもいいましょうか。

ヴォルテッラDOPの会議の後、生産者やスタッフを交えての食事会はまさにそんな感じでした。

ペコリーノチーズ協会会長のジョヴァンニ・カンナスGiovanni Cannasさんの営むアグリツーリズモ(農家民宿)Lischetoは、ヴォルテッラを望む丘陵地帯にあります。

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アグリからは、100年の歴史を持つ地熱発電の蒸気も見える独特の場所。
そう、ここは火山活動が活発で、独特の生態系を保っているところなのです。
野生のアザミが群生するのは3千年間変わらず、人と自然が共存する地域。

そのアグリの一角で、子豚を焼きます~!!!!!
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それを見てピンときました。
まぎれもなくサルデーニャ名物のポルチェッドゥです。
中部イタリアでは成人の250kg以上の豚を焼いてポルケッタにしますが、サルデーニャでは生後2ヶ月くらいの子豚の丸焼きが珍重されます。
焼いた後はミルトの葉で包み、香りを移すのが、サルデーニャ風。(でもここにはないので割愛)

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やはりサルデーニャ島からの移住者が多いこの地区では、島の風習や食生活が持ち込まれて、現地の文化と融合しています。
1960年代以降、ヴォルテッラも、他のイタリアの町と同じく農業から離れる人が多くなりました。特に休みなしで働く酪農業は、つらい仕事の一つ。
そんな現状を打開するために、サルデーニャ人が海をわたって、この地の酪農業を支えたのでした。

アグリのご主人も従業員の数人もサルデーニャ出身だそう。
ティレニア海まで40kmのこの地で、羊飼いとして伝統を守っているのです。

さて、お待ちかね、アンティパストがこちらです。
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まぁ、なんとチーズの種類が多いこと!!
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中央に鎮座しているのが、リコッタ・アル・フォルノ。
リコッタチーズをオーヴンに入れて乾燥させたもので、焼いた風味も少しあります。
ぽぁん、と鼻に抜けるペコリーノチーズの風味がいいですね。

左側のピンクのハムは、ロンザと言って、豚のフィレで作るサルーミです。
その上が、サラミでこれは野性味あって絶品。
なんでも羊の肉が30%も入っているのだとか。(ベースは豚ね)
お店では買えない、ここオリジナルのものです。地元のワインで、この土地独特の濃いサンジョベーゼがまた合うんだなぁ!

そしてチーズですが、3種類違う作り手のものを並べています。
上のほうは2ヶ月、まん中は3ヶ月、下は4ヶ月熟成でございます!

鼻を近づけると香る草のにおい、青草を乾燥したような香りがします。
みっちりと詰まっている質感で、口に含むと、あら、サッパリとしていますね。
苦味がかすかに感じます。
…これは、独特。
今まで食べたどこのペコリーノチーズとも違う、かすかな苦味は、アザミから来るものでしょう。

ちょうどお花が咲き出す春先に作ったチーズを食べているので、脂肪分もそう高くなく、ミルクの香りも高く、非常に美味でした。

これを3種類の異なる作り手のものを味わえるなんて、素敵!

なんでも、熟成の途中で、オイルを塗りオリーブやトキワガシの灰をまぶすことで、熟成をゆっくりと進めることができます。
だから表面がうっすら灰色なんですねぇ。

そしてズッキーニのカルパッチョ。
これはサラダ仕立てになっていて、美味です。
やはり人生初のズッキーニのカルパッチョは、サルデーニャの友人が作ってくれたもの。
偶然かもしれないけど、サルデーニャ人、とっても身近に感じます。(第一ロベちゃんはサルデーニャの血が半分入っていますから)

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そして右側の写真。
豚の耳や顔の肉をゼラチンで寄せたコッパの美味さは言うにあらず、
人生初のチーズBaccelloneもマイルドで、つるりんとした食感にノックアウトです。

このチーズは、凝固乳を大きめに攪拌し、それを型に入れて固めたもの。
20日以内に消費しないといけないフレッシュチーズです。
トマトがあしらわれていて、夏向きの1品ですよね。

バチェッローネは、なんでもピサ県でしか作られてないそう。
春先は、これにソラマメをあわせて食べるのがピサ流だとか。
ペコリーノにソラマメは定番ですが、まぁ、世界は広いですよねぇ。

私の隣に座っていたトスカーナ州の議員の女性、なんでもチーズが苦手だそうで、「私、無理なの」と言ってよけている姿がかわいそうでした。
ハム類と野菜を食べましょうねぇ。

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そしてプリモは、これぞシンプル・イズ・ベストな一品。
セナトーレ・カッペッリという希少品種の小麦で作られたピチに、ペコリーノチーズと胡椒をたっぷりと。
有名なカーチョ・エ・ぺぺです。
ズズッと豪快に食べると、小麦粉の香りが存分に感じられます。
それを邪魔しない、でもウマミがたっぷりのペコリーノチーズをたっぷりとふりかけ、黒胡椒でピリッとアクセントをつけます。

農省庁の女性お2人は、最初はちょっとしかとらなかったけれども、あまりの美味しさにお代わり!これは大人から子供まで大好きな一皿です。

そして、じゃじゃーん!
お待ちかねのポルチェッドゥが登場です。
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まずはこんがり焼かれた姿をお披露目!
写真を撮るギャラリーたち。
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お肉は、脂肪がほとんどないのでヘルシーです!!
肉質は適度に締まっていて、かみ締めるたびに旨みがしっかり感じられます。

それから羊の肉のミートローフ。
こちらはスパイス入りで、臭みもまったくなしで美味でした。

そしてワインが最高でした。
コックリと力強いメルロー。
熱い大地の力強さを感じることができます。
このあたりのワインは、気候のせいでしょうか、完熟したブドウのフルーツ味と、しっかりしたミネラルを感じることができます。
(ボルゲリも近いんですよね)
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生産者の方も来ていて、一代で開拓してブドウ畑を作った苦労話やワインに込める愛情などを熱く語ってくれました。
Podere Marcampo

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子豚も登場し、何度も乾杯を交わして、宴もすっかりたけなわになりました。
リコッタチーズで作るティラミスは、はちきれそうなお腹でも別腹で、するりと入っていきました。
やっぱり、美味しいものは、いくらでも食べられるものなのね。

これだけの宴から、生産者たちの喜びが伝わってきます。
2004年にペコリーノチーズ協会を立ち上げてから、9年。紆余曲折を経ながらDOP認定まであと1歩のところまでこぎつけたのです。
その喜びといったらないでしょう。

DOPは、認定されてからが出発…こうシンクタンクの友人が言っていました。
認定されたら『おしまい』ではなく、プロモーションをして市場を広げなければなりません。
自分たちのチーズを多く売ろう、と考えた際、「EUのお墨付きのもと、正しい過程で作られた良品だけを流通させ、マーケットを拡大していこうと」、生産者たちは考えたのです。

これも一つの戦略ですよね。
この旅で、本当に多くのことを学ぶことができましたよ!

                           butako

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by butako170 | 2013-07-15 22:55 | プレシディオ・食材
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