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ナルニのクリスマス菓子 その1 パンペパート
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クリスマスまでもう秒読みとなりました。
みなさん、いかがお過ごしてしょうか?
12月初旬の寒波はどこへやらで、ウンブリアは暖かいクリスマスになる模様です。
最高気温が16℃とも?!

さてさて、先週と今週の2度にわたり、ナルニ市に住む友人宅を訪れて、地元のクリスマス菓子作りに参加してきました。

まずはパンペパートの報告から。
パンペパートというチョコレート菓子は、butakoは大好きで、以前、このレシピを調べるために、Terniの街を3~4軒のパスティッチェリア(製菓店)をハシゴしたこともありました。
でも、自宅で見せてもらうのは、はじめて。

AISのソムリエ教室に通っていた頃、友達になったLorellaのお宅に、ロベとソムリエ仲間のStefanoと共にお邪魔しました。

まずパンペパートとは、Pan+Pepatoということで、コショウ風味のパン(小麦粉やその他の材料ででできた塊)を意味します。
パネットーネやパンドーロ、パンフォルテなどの他の州のお菓子は、すべてパンのバリエーションなんですよね。

パンペパートはウンブリア州のとりわけテルニ県の伝統菓子です。
クルミなどのナッツ類が入った、コショウをはじめとする香辛料、リキュールをきかせたチョコレート菓子。食べるとピリッとしたコショウの香りが、アクセントになる大人のクリスマス菓子です。

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ロレッラのお宅は3世帯住宅。
毎年、40個以上のパンペパートを作るために、1日、ロレッラと義母、そのお姉さんと女総出で作業にいそしみます。

お邪魔虫な私とロベも参入です。
ロレッラの指定どおり正午に自宅を訪れると、まずは腹ごしらえよ、とランチを用意してくれていました。

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フレッシュバジルの香りがたまらない、手作りジェノベーゼをリングイネとあえて。
いくらでも入りそうな美味しさです。
これにはLivonのソーヴィニオン・ブランを合わせて。
香りって相乗効果もあるのよね。フレッシュバジルのさわやかな香りと、ワインのセージや青草の香り、すっきりした酸がとてもよく合いました。

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そしてメインの鶏肉とペペローニの串焼きには、樽熟成のソーヴィニオンが。
この生産者は何度もVini del mondo で会ったことのある、Ronco di Zeglia社のものです。すごく変わったオーナー!!白ワインなのに樽で10年以上熟成させ、硫黄や変わった匂いのワインを作っているユニークなカンティーナです。

うーん、と唸ってしまうような美味しさ。
ソーヴィニオンの良さは残しつつ、グァバのようなパッションフルーツのような、南国の香りが強烈にしました。
見てください、グラスの周りにできているグリセリンの雫を。アルコールも十分あり、白のわりにはボディがあるので、サービスする温度をやや常温に近づけたほうが、美味しさが引き立つかしら。
もちろん、今日のようなグリルした白身のお肉と良くあいます。


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さすがは、テルニを代表するソムリエLorellaです。
ワインと料理の相性が抜群。貴重な樽熟成ソーヴィニオンを飲めて、ロベもご機嫌です。

その後、半地下になっている作業場に下りて、いよいよ作業開始。
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ロレッラの義母さんとそのお姉さんは、すでにオレンジの皮をハサミで細かく切ったり、ナッツをローストしたりして、準備を始めていました。

私もシトロンの実のシロップ漬けを、包丁で細かく切る作業に没頭します。
その間に、ロレッラは、ナッツ類を計量。
そしてチョコレートを湯せんにかけ始めました。

計ったナッツは、大きなパスタ大の上に広げられます。
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アーモンド、クルミ、松の実、ヘーゼルナッツ…
それぞれがかたまらないように、満遍なく配置していきます。
レーズン、シトロンの砂糖漬け…作業は延々と続きます。

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どれ、ナッツはきちんと煎れているかな?味見に余念が無いステファノ。

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そしてリキュールを上から満遍なく振りかけていきます。
ヴィンコット(ブドウのジュースを煮詰めたもの)を使う家も多いようですが、ロレッラ宅では使いません。家庭ごとにレシピが違うんですねー。

「これは私の義母のレシピだよ!」とロレッラの義母さんはいいました。
毎年変えることなく、作り続ける伝統のレシピです。

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ナッツの周りに小麦粉で堤防を作っていきます。

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そしてナッツを小麦粉とよく混ぜます。

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湯せんでチョコレートを溶かし、黒コショウ、ナツメグ、シナモン、カフェなどをくわえます。
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butakoも加勢します。
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完全に混ぜ合わせるとこんな感じに。
それに湯せんのチョコレートを加えて、均等に混ぜます。
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これは力がいるゾ。
腰を入れて、しっかりと上下をかき混ぜるロレッラ。
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叔母さんと息の合った共同作業。
叔母さんがオイルを塗ったカップにパンペパートを詰め、それをロレッラが形成します。
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テーブルいっぱいに並べられたパンペパート、圧巻です。
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大活躍のロレッラ。
お疲れ様でした。

ロレッラたちの作ったパンペパートは、コショウやシナモンが強めにきいた大人の味。
そしていっぱい入ったオレンジの皮が、とてもよい香りで、くせになる美味しさでした。
なんとこの日は48個のパンペパートを作り、そのうち6つもおすそ分けしてくれました。
1月は日本に帰国する予定なので、実家の父母にも味見をしてもらおう!

ちなみにパンペパートには、複雑な香りと甘みのあるポルトワインやバローロ・キナートが合いますよ。
皆さんは、どんなクリスマスのお菓子を食べますか?
butakoはもちろん、パンペパートとスポレート菓子アットルタです!

                             butako

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詳細は『ウンブリアの食卓から』をご覧下さい。
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by butako170 | 2012-12-24 03:05 | イタリア年中行事
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