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ペルージャ伝統菓子を求めて その2
食後は、腹ごなしも兼ねて、徒歩でお菓子屋さんを行脚します。
ここからはチェントロ周辺にあるお店で、工房もその周辺にあります。
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T子さんご愛顧の店、Cerquigliniでは、ペルージャ菓子(というかパン)Torcolo di San Costanzoトルコロ・ディ・サン・コスタンツォを発見。
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聖コスタンツォは、聖ロレンツォと聖エルコラノとともに、ペルージャの守護聖人となっていますが、この町の最初の司教でした。1月29日に聖人が殉教したことにちなみ、彼のお祭りになっているのですが、その際に供されるのです。

発酵したパン生地のなかには、レーズンや松の実(果実の砂糖漬けが入るものもあり)グルンと丸型のカタチが可愛らしい。
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かたや、こちらはただのTorcoloです。
しっとりミッチリとした、丸いリング型のケーキ(イタリアでいうチャンベッラ)といったところです。
ノーマルなこちらは、紅茶などに合いそう。

語源をたどるとTorcoloは、ラテン語でtorquis, torques(首輪、ねじる), collana(ネックレス), ghirlanda(花輪、リング状のもの)から来ているらしい。torta(一ひねりする、お菓子のトルタと同表記) , strucla(不明), torcere(ねじる) などと同じ語源を持つようです。
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ちなみにここは、オレンジピールのチョコレートがけが美味です!!

気さくな店員さんに別れを告げて、モンテルーチェ教会のロマネスクのファサードを横目に見つつ、
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民家のバルコニーなど観察しているうちに、到着しました、チェントロ・ストーリコ(歴史地区)に!
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さて、こちらは郊外の店に午前中訪れたサンティーノの店舗です。
郊外の店とは全然違うラインナップ。

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これぞペルージャ菓子の代表Torciglioneトルチリオーネは、ウナギの形をしたアーモンド生地のお菓子。クリスマスシーズンに食べるものなのですが、最近は通年、出回っています。
長寿や生命を示すシンボルとして、蛇やウナギは、冬に欠かせないモチーフなのです。
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そしてこちらが、Pesce di Lagoペッシェ・ディ・ラーゴ。かわいい形!つぶらな瞳、愛嬌がありますね。近くにトラジメーノがあるので、ウナギや魚はペルジーノ(ペルージャ人)のマストアイテムと言えるのかもしれません。

次に訪れたのが、かの名店Sandriサンドリです。
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1860年に、スイス人のSchucani家が、当時ペルージャに1軒もなかった舶来モノ(コロニアルが正確な翻訳なので植民地の物)の店を作りました。そこでカフェやチョコレートなどを供し、人気を博しました。
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古い写真を発見。そこはDrogeria,Pasticceriaとあり、スパイスやチョコレート、南国の珍しいものも取り扱っていたに違いありません。

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壁に描かれたフレスコ、重厚で黒光りする木製のガラス棚…内装にうっとりします。
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バリスタの衣装も、150年前と変わっていません。
ここはもう、歴史の紡いできた異空間になっていますよね。

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ここにもありました。トルチリオーネやペッシェ・ディ・ラーゴ!!
お店の個性が出ていて素敵。

いろいろと気に入ったお菓子はあったものの、ご主人が来るのがあと1時間後だそうで、それまで他のパスティッチェリアでも回ることにしましょう。

こちらはCo.Fo.Pa.という協同組合がやっているお菓子屋さん。
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T子さん曰く、お菓子の質はペルージャでも上位クラス、だそうです。
ここでついに発見しました。
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Burstengoloブルステンゴロです!!!!!!!!!!!!!!(真ん中の茶色い穴の開いていないお菓子です)
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Torcoloトルコロもあったし、終わったばかりの全聖人の日にちなんだFave dei Mortiもありました。
そして、イースター用のお菓子なので季節はずれですが、Ciaramicolaチャラミコラもありました。

Butako大興奮!
思わずブルステンゴロとチャラミコラをお買い上げ。

ブルステンゴロはズッシリ重い。
小麦粉でなくトウモロコシ粉を使っており、松の実、レーズン、リンゴ、オリーブオイル、ミストラなどを入れて作ります。外はガリッと、なかはベチョッとしていて、素朴な素朴なお菓子でした。

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チャラミコラは、ピンクのスポンジとメレンゲに振りかけたconfettini colorati mignonというチョコスプレーが目をひきます。

お味の方は?
実はメレンゲが、中がネットリとして、半生でした。
こんなものかしら。そこがすごく甘い、対してスポンジは、ボソボソしていて、もう少し油分がほしいところ。
一切れが結構大きくて、大口開けて食べていると、メレンゲが鼻についてなんだか食べにくい代物でした。

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サンドリのオーナーの約束の時間までまだあったので、街を見ていると、お、子供用のかわいい手編みのセーター売ってるね。
とT子さんに言ったら、これってチャラミコラに似てるよね。

あ、確かに似てる!チョコスプレーとメレンゲの色合いです!!
思わず、チャラミコラに洗脳されたか、と笑い合ってしまいました。
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その後、ユーロチョコレート専門の店舗があるということで、見に行ったところ、修学旅行中の子供たちに遭遇。
手ごろな値段で、面白いチョコグッズがたくさんあったので、お土産にもいいのかも、と思った次第です。

そしてサンドリに戻ります。
しばらくカフェを飲みながら待っていると、やってきました、オーナーのSchucaniさんです。
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そこで探しているドルチェを聞いてみると、Stinchettiを出してきてくれました。
これがそのスティンケッティです。
小さなスティンコ(スネ)の名前の通り、スネの骨の形をしています!
かわいい~!

中には、アーモンドとチョコ、シナモン入りのしっとりとした餡が入っていました。
外を固めているアイシングは、不思議とそんなに甘くない。
非常に上品な味でしたよ。

そしてクリスマスのお菓子、PinocchiataとPinollataも銀のお盆に載せてくれるサービスぶり!!

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(写真は、気を利かせてお盆に載せてくれたバリスタの方。ありがとう!)

スポレートとペルージャ、同じ県内でもこんなに違うものかと、非常に勉強になった一日でした。この経験を、お仕事にも生かせるはず。
ペルージャのパスティッチェリア巡りで充実した一日でした。

でもPammelataを見ていない!!
ライスコロッケに似た、俵型の揚げたドルチェらしい。
これはペルージャ界隈の家庭で作るおやつだそうで、トルジャーノやデルータに行った際に、調べてみようと思いました。

ペルージャ伝統菓子を求めてその1はこちら                                 butako

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by butako170 | 2012-11-11 20:22 | ウンブリア料理
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