人気ブログランキング | 話題のタグを見る
サラミ・ディ・ファブリアーノの農家を訪問 その2
さてお待ちかねの試食タイム。
サラミ・ディ・ファブリアーノの農家を訪問 その2_d0033983_20351870.jpg

サラミ・ディ・ファブリアーノはもちろんのこと、何と、この時期はもう販売していないという(家族用の)貴重なソープレッサータも切り分けて下さいました。

サラミ・ディ・ファブリアーノの農家を訪問 その2_d0033983_20362913.jpg

「サラミを切る時はね、表面についているカビをよくふき取ってね。熟成に必要な良いカビなんだけど、食べる時着いてたら口に障るから」
なるほど。

サラミ・ディ・ファブリアーノの農家を訪問 その2_d0033983_20365937.jpg
まずはファブリアーノを。



サクッと容易に噛み切れるほど細かく挽かれた赤み肉のおいしいこと。


上品な味わい。それに大粒のラードが甘味と滑らかな油脂分を加えます。大粒の黒コショウが時々ガリッと刺激的で、これはくせになる!!






サラミ・ディ・ファブリアーノの農家を訪問 その2_d0033983_20375575.jpg
ソープレッサータは、チャウスコロの乾燥バージョン。加工で残った肉の切れ端やラード部分を細かく挽いて、それを腸詰にします。ラード含有量は多め。

つまりファブリアーノが『王様のサラミ』だとすれば、ソープレッサータは『庶民のサラミ』ということ。自家製唐辛子の粉を入れたものは、食欲増進で夏にもぴったり。

肉のうまみを消さない控えめな唐辛子の量がなんとも絶妙。

もう一品は、マッツァ・フェガトと言って、ブタのレバー入り。これは断然ワインの好きなバッボ向けの味ですよ。イカの塩辛にも相通じる内臓系のうま味がたまりません。

サラミ・ディ・ファブリアーノの農家を訪問 その2_d0033983_20383444.jpg
そのワインですが、これもうまかった♪
サンジョベーゼとモンテプルチャーノのブレンドですが、『農家のダシ風味ワイン』そのままのお味でした。

出汁入りとは別に出汁が入っているわけではないのですが、少しイノシン酸(鰹節というか)系のお味がするのです。そして甘み酸味と渋みのバランスはよく、スイスイと飲めちゃうワイン…これが、私の中の『出汁風味ワイン』のカテゴリー。

サラミとこのワインが合わないわけはない!!
聞けば、サンドロさんの叔父さんがワイン用のブドウを育てて醸造もしているそう。

美酒美食に満喫していると、サンドロがなにやらゴソゴソとバックヤードで何かをしています。これ、食べたことある?
サラミ・ディ・ファブリアーノの農家を訪問 その2_d0033983_20482528.jpg
ブタの鼻や顔の肉、皮などをトロトロに煮込んで固めたコッパです。
マルケの人たちはコッパ・デッラ・テスタと言いますが、昔は大きなカップに入れて固めたことから、この名がつきます。
思いのほかさっぱりしていて、プロテインがたっぷり。これはお肌にもよさそう。
もちろんワイン好きの方にも!!実はわが夫ロベちゃんの大好物でもあります。

おそるべし農家!!
グルメの坩堝。ここの子になりたい~!

そのご家族ですが、2世帯で合計15人いるのだとか。
皆でこの農場を切り盛りしており、毎年70頭あまりのブタを解体しています。大規模工場では年間250-300頭なのでかなり少ないですが、手間隙かけてお客さんの好みに応じて加工してくれるので、長年にわたり付き合いのあるお客も多いそうです。
また月に1回は牛を解体し、25kg単位で販売しているそう。1kgにつき10,50ユーロだから安いですよね。大勢で買って分けてもいいですよね。

地に足をつけて生活するサンドロさん一家の一部分を、サラミを通して垣間見ました。今年の秋開催されるサローネ・デル・グストには、コムーネが補助をしてくれないので、行くのが難しいそう、とのこと。サローネは生産者にとっていいPRの場所ですが、100万円以上の出費になってしまうので難しいですよね。食文化の継承のためにも、市町村の理解と助成も必要なんだなぁ、と思いました。
サラミ・ディ・ファブリアーノの農家を訪問 その2_d0033983_20495697.jpg
                       butako
by butako170 | 2012-07-30 00:26 | プレシディオ・食材
<< 近況報告 サラミ・ディ・ファブリアーノの... >>