食い倒れ、ポルケッティアーモ!!
最近、仕事に遊びに忙しいbutakoです。
そういう時は、どうしてもblogのアップがおざなりになるもの…。しかしイタリア豚研究家として見逃せない行事が先週の日曜日にあったので、これはお知らせせねば、と思いPCに向かっております。
d0033983_161443100.jpg

その名も”ポルケッティアーモ”というのですが、中部イタリアに詳しい食いしん坊な貴方ならば、ピンと来るかもしれませんね。
ポルケッタを食べさせるサグラ(村のお祭り)なのです。
なんでも中部イタリアのポルケッタが一同に集まる…というこのサグラは今年で7回目。豚好きbutakoはなんと、行きたいと思いつつも今回が初参加でありました~。

ポルケッタ+ティ・アーモ(愛してる)でポルケッティアーモ。なんとも可愛いネーミングですよね。イタリアも関西人と同じく駄洒落めいた造語を作ります。

会場の町はモンテファルコからトーディへ行く途中にあるサン・テレンツィアーノ。実はこの街は何度か横切ったことがあるのですが、街をきちんと訪れるのは初めてのこと。
d0033983_16152819.jpg

さて、そもそもポルケッタとはどういう食べ物なのでしょうか。
いわゆる豚の丸焼きなのですが、中にローズマリーと塩、コショウ、ニンニクを詰めてじっくりこんがりと8時間以上、ローストしていきます。豚は200kgのものが骨を抜かれて、調理中に水分を失い、最終的には100kgにまでなってしまうそうです。
豪快に頭つきで丸ごと焼かれた姿は本当に圧巻ですよね。
古代ローマ時代いや古代ギリシャにまで起源がさかのぼれる、壮大な歴史とロマンが詰まったものなのです。

会場となるサン・テレンツィアーノの町へと向かいます。
午後には楽しいプログラムが目白押しのようですが、雨マークが予報についていたので、午前中、食事時に滑り込みました。

d0033983_1615593.jpg
どうです、会場にある可愛い仕様車。
ブタ鼻の形、ピンク色…ヒトが豚に惹かれる要素が詰まっていると思いませんか?

会場は2つあるようです。
一つ目の会場は街に入ってすぐ。いきなり、ポルケッタの店が軒を連ねています。
ウンブリア、マルケ、トスカーナ、ラッツィオ、カンパーニャ…ほぼ中部イタリアのみで食べられているポルケッタなので『イタリア中のポルケッタが集まる!』と呼び声高かったものの、とどのつまりは、半径300km近郊の中部地方・仲間内の会のようなもの。
d0033983_16164385.jpg

ポルケッタばかり10軒あったのですが、
でもね、味の違いがやはり歴然としているんです。
私たちの一押しはココ。
d0033983_16171227.jpg

『ポルケッタAllo Stato Brado ~野生のように育てられたブタ~』とでも訳しましょうか。
そこのがすごくおいしかったです。豚は大きくなくてせいぜい180kg規模のものでしょうかね。脂身があまりなくて、さっぱりしているんだけど、コクがある。
さすが放し飼いで、適度に身が引き締まっているだけのことはある?!
d0033983_16175198.jpg
やはり食事時になると行列ができてました。
おいしい店が選ばれ、次第に淘汰されていくってこういう事なのね。

この催し、うれしいのは1ユーロの小パニーノ券が買えるってこと。
小ぶりで5つ口くらいで食べられちゃうこのサイズのおかげで、いろんな店のパニーノが試せるうれしい趣向です。
(ファインダーを向けると途端に変な顔をするロベちゃん)


食事後、お腹もこなれたので、小さな町の路地を歩きます。
ブタの巨大な型紙に、いろんな装飾がされていてキュート。
d0033983_161955100.jpg

d0033983_16201795.jpg
d0033983_16203452.jpg
d0033983_1621419.jpg

あら!地元の子供がブタと戯れて、良い被写体に!
d0033983_16214563.jpg


その路地を抜けた先には、芝生の生い茂る広場がありました。
そこにもポルケッタの店があるじゃないですか!!
ここはポルケッタの応用バージョンが。
たとえば、鯉(こい)のポルケッタは、ペルージャ近郊にあるトラジメーノ湖の名産。ほら見て、こんなに大きい!
d0033983_16284561.jpg

中に香草を入れて縛って焼くところは、ポルケッタの調理法と同じです。
d0033983_1629821.jpg

こうやってほぐし身にして、パニーノにはさみます。

満腹だったけど、好奇心も手伝ってロベルトと1つを二つに分けて食べました。
確かに少し淡水魚の生臭さはあったけど、ハーブの威力と濃い味付けでポルケッタの味になってる~!
ヘルシーだし、これもありですね。地元のトレビアーノ種の味のきっちりした白ワインと合いますよ。
d0033983_16294067.jpg

そしてフィレンツェ名物ランプレドットのパニーノ。
じっくり煮込んだランプレドットをパンの上に載せて、その上から刻んで行きます。
パセリを主としたさっぱりしたサルサ・ヴェルデと唐辛子オイルをかけて、頂きます!
これは友人Hajimeさんがオーダーしたので、それを一口もらいました。
これとは、キャンティなどのサンジョベーゼ種のおいしいワインが合うよね。

d0033983_1631225.jpg
いやはや、本当に満喫しましたよ。
で、町を後にしようとした時、
butako:この家の庭先に「白雪姫」の変なオブジェがあるね。
Roberto:ああ、ユキオンナね。
Butako:違う、シラユキヒメ。日本酒の白雪に姫をつけたやつ!

と言い合っていると、その庭先で食事をしていた家の主さんから、ちょっと食べて行かんかね、と声がかかりました。もうお腹いっぱいだったので辞退しようとしていたら、ロベがグラッツェ!と近寄っていくではありませんか。

ということで、私たちは昼食の第二段をそのご家庭と友人たちにかこまれて、ご相伴することになったのでした。パスタ2種類とコーティケ(ブタ皮)と豆の煮込みを賞味。
一体、どんだけ食べんねん!!!!!


d0033983_1632734.jpg
しか~し!まだポルケッタ祭りは終わってなかった。
なんとサン・テレンツィアーノから3km離れたグルッティという街で、『中世とポルケッタ』祭を開催していたのです。ポルケッティアーモの日時とあわせて、隣町でもポルケッタが楽しめるという憎い企画です。(結局、好奇心でそこへ向かう私たち)

到着したのが午後3時半。でもなんだかあまりヒトもいないし、寂しい感じ?
と思っていたら小型のポルケッタ登場です。
d0033983_16324266.jpg

油紙でぐるぐるに巻かれています。
それを非常に遠火の炭火で焼きだした。なぜそうするのかを地元の人に聞くと、ポルケッタってじっくりと長い時間をかけて熱を入れていかないと半焼けになるので、このような遠火にするのだとか。また焼いているうちに、皮が乾燥するので、最初は紙をつけて保護し、表面が色づくと紙をはずすそうです。
d0033983_16331647.jpg

今はオーブンですべて温度も湿度も管理できますが、かつてはこうやって焼かれていたんですね。しかしGiro arrosto(回転式肉焼き機)がすごいです。

d0033983_16334297.jpg
ポルケッタ用の特別長いものでしょうね。イタリアは炭火焼き文化が旺盛なので、こうして回転式肉焼き機や炭火専用ロースト機が発達しています。とは言ってもすべて特注のオーダーメイド。レストランや団体などから注文が入ります。まだまだ伝統食が健在ゆえに、職人技が廃れずに残っているのです。

そしてグルッティといえば、ブタ加工(ノルチネリア)で有名なビヨンディーニがあります。かつてハム日和さんのサルーミ研修の際は、ポルケッタ作りの現場にお邪魔して、ダイナミックさに肝を潰したことがあります。
d0033983_16341570.jpg

今日はフェスタだから、と自慢の生ハムやチコーニとよばれるフェンネルと唐辛子で味つけした乾燥肉を振舞ってくれました。

ポルケッタが焼きあがるまであと5時間。
振り出してきた雨を憎らしく思いながら、後ろ髪引かれつつグロッティ村を後にしました。
d0033983_16344117.jpg

しかし、偉大なる中部イタリアのブタ文化を堪能した1日でした。
そして両方の村人たちのホスピタリティも。わずか30kmしか離れていないスポレート人が人見知りなのに対して、サン・テレンツィアーノ界隈の人たちのオープンで人の良いこと!これぞイタリア!的な気質にご近所で触れて、心暖まったことは言うまでもありません。

                                butako
[PR]
by butako170 | 2012-05-24 16:21 | サグラ・祭り
<< モンテファルコのワイナリー M... 南イタリアの旅①パレルモ編 >>