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アマトリチャーナの原型パスタ グリーチャを食す
d0033983_723477.jpgグリシャーノの集落のオジサマに教えてもらったこのレストランLa vecchia Ruota 。
アスコリ~リエティ間の国道沿いにあって、山間にしては車の通りも多いほう。そうなんです、ここがかの有名なサラリア街道(Via Salaria)。古代のローマ街道の1つです。
salaria とはラテン語で「塩」を意味しています。ヨーロッパ各地にある古代の塩の道の1つであり、歴史家の中には、サラリア街道と塩の交易がローマという町が誕生する原点だったする者もいる。(ウィキ参照)とあり、古代から重要な道なんですよね。
(地図:サラリア街道はグレーのライン)

ローマ~アドリア海に抜ける道としては、他の街道と比べ最短(242km)ですが、アペニン山脈を横断する標高の高いルートでもあります。

だからローマとアペニン山脈界隈は古くから人やモノが行き来していた道。
いえ、それだけではありません。羊さんも多数。

さてさて、お腹もグゥーと鳴り出したので、それを納めてあげなければ。
「グリーチャお願いします」と言うと、どの麺がいいですか?と訪ねられました。
「どの麺がポピュラーですか?」
そうですね、メッツァ・リガトーニですね。

はい、それに決定。
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周りを見渡すと、南の方言をしゃべる大家族がアマトリチャーナに舌鼓を打っています。
田舎式に大皿で来たのを、皆で分けて食べると、なぜか、いつもよりたくさん食べられる気がします。

さて、お待ちかねのグリーチャ登場。
半人前を注文したのに、どうです、このボリュームは。

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たっぷりすりおろしたペコリーノチーズの濃厚で、少し野趣あふれる香りが、鼻をくすぐります。
リガトーニの麺の溝に、チーズとパンチェッタのエキスが絡み合って、しっかりと麺にまとわりついています。
美味!!
ガツンとくるヘビーな味!

ハウスワイン白の酸味で、口のなかを時々サッパリさせながら、食べ進めます。

『本場の味』と思ったのは、グアンチャーレの取り扱い方法でしょうか。
脂身の多いブタの頬肉なので、脂肪を油で制す!!
つまり、グアンチャーレをオリーブオイルでじっくりと炒ることで、脂肪分とウマミがオイルに溶け出します。グアンチャーレ自体は、カリカリ香ばしくなって、食べた時に良いアクセントになっています。

グアンチャーレは十分炒めること!
これがこのソースの決め手ですね。
麺は、かつては卵を入れない手打ち麺で作っていたのです。
短いリガトーニを使うようになったのは、近年のこと。

グリーチャのこと、もっと知りたいので、本かなにかありますか?
と聞くと、アミーチ・ディ・グリシャーノ協会の作った紹介の紙をもらいました。

斜めに訳すと、
その昔、シチリア公国と教皇領の境目のこの地で、アメリカ大陸が発見される前のこと。つまり、トマトレシピがフランスの美食家Grimondo de la Reyniereによって『Almanach des gourmandes』1807年が著され、トマトソースがイタリア全体を赤く染める以前のこと。

グリシャーノは、古代ローマ街道であるサラリア街道と、アブルッツォからロンゴバルディ公国へ抜ける家畜道(羊などが春と秋に移動する細い道)がちょうど交わる地点にある。こうして、いにしえの時代に、シンプル極まりないパスタが誕生した。

材料は、そう、羊飼いがリュックに入れて容易に持ち運べるチーズとグアンチャーレのみ。
グリーチャは羊飼いがもたらした一品なのだ。


近年、アマトリーチェに負けじと、夏にサグラをはじめた模様です。
地元の人はgriciaグリーチャのことをgrisciaグリーシャと書き、はっきり発音します。村にちなんだパスタであることを、誇りにしているのでしょうね。

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La Vecchia Ruota
in Via Salaria Km 143,800
Grisciano di Accumoli (RI)
tel.0746.80403
by butako170 | 2011-09-14 07:20 | プレシディオ・食材
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