![]() 最近、晴天が続くウンブリア。 昨日は、イタリアの と誘われ、二つ返事で同行したbutako。 ミンモは、谷にある小さな村ポッジョ・クローチェ出身。12歳の時にローマに移り住んで以来、そこでの生活が長かったのですが、中高年になって故郷の良さに気づき、以来、5月から10月まではこの村で暮らすようになりました。 ヴァルネリーナの谷にはよくある、二重生活。 つまり両親の家をセカンドハウスとして利用して、ローマと谷を行き来する生活です。 ![]() ミンモの家に行く前に、師匠の仕事に同行します。 谷をこよなく愛す師匠は、山岳協会の道しるべに載せる写真を撮影したり、ノルチャのカンファレンスの手伝いをしたり、とPRに努めています。 Cerretoのこの開かずの教会Santa Maria dellibera(15-17世紀)を訪れたのは、Bell’Italiaという旅行雑誌(Mondadori社発行)に投稿するため。自分から積極的に動く師匠に、butakoも確実に感化されています。 教会内の見事なフレスコ画の数々。『慈愛なる聖母(マドンナ・ディ・ミゼリコルディア)』は、butakoが大好きなモチーフの一つです。 聖母の両脇には、聖ペテロ(左)と聖ロッコが描かれています。 ペテロは、天国の鍵を握る…ということでシンボルは鍵。聖ロッコは、ペストから生還した成人なので、太ももにペストの跡が残っています。 ![]() 慈愛なる聖母の図は、完全なるシンメトリー(左右対称)です。神聖を表す青い色のマントを広げ、左右に男女の信者が祈りを捧げています。ペストの聖人ロッコが描かれていることから、ひょっとしたら描かれた時期は、15世紀後半なのかもしれません。なぜならウンブリア一帯にペストが広がり、多くの信者たちは、それが沈静するように祈りを捧げたからです。 (ミゼリコルディアの説明は後ほど) ![]() 後陣のクーポラには、こんな可愛らしいフレスコが。 演奏をする天使たち。楽器の様子からは、ルネッサンスでしょうかね。 ![]() 足元の床をみれば、お墓がいくつかありました。その蓋には、紋章が。↑これって、フリーメーソンの象徴であるコンパスだよね…と師匠。言われてみればそうかも。 ![]() 2階部分へあがります。 面白いフレスコ画が壁の両端に残っていました。 生首を持つ骸骨たち。そこには、Memento Homo Qvod Svm Eris(汝は塵なれば また塵に帰るのみ by 師匠)、という文字が描かれていました。 鮮やかな色彩。骸骨を囲むように描かれる日常のオブジェ。(きっと特別な意味があるに違いない) そして反対側の壁の大理石には、ミゼリコルディアの活動について書かれていました。 病気やけがの際の搬送や死者の埋葬のための移動…そう彼らの活動は『移動させる』こと。地元の教会の慈善事業として行われた『移動ボランティア』は、しばしば、徳を積んでいるところを他人から見られないように、頭巾を被って活動しました。 匿名性をもたせて、高慢の罪から逃れる(徳が自慢になることを嫌ったのです)ためでした。 ミゼリコルディアといえばフィレンツェが有名ですが、中世から各地にあったんですね。 ![]() そして、写真撮影が終わると、ミンモの住むポッジョ・クローチェへ。 途中、早めのランチを食べる羊飼いのオジサンにご挨拶。 パンをナイフで切り取りながら、生ハムと食べていたおじさん。 羊飼いの雰囲気かもしてます~。 そして2年ぶりにミンモに再会。 ジャンニの旧友のロマーノとも、久々です。 ![]() 相変わらず優しくて、気配り上手!菜園や庭から積んできた野の花を、ガラスのコップに活けてくれました。すごくキュート。気の効いた演出に、「今日は若い女の子がいるから、本当、特別扱いしているよな」とジャンニから冷やかされていましたよ。 ちなみにミンモは、ドメーニコの愛称でしたーって、ミンモとドメーニコって全然似てない。 ![]() 今日は天気がいいので、もちろん外で食べましょう。 準備の間も、鳥の巣の解説をしてくれたり、サラダに入れる花を取ってきたりと、忙しくするミンモ。 ![]() この日のランチは、ジャンニが谷で取ってきたキノコのパスタ2種類と、同じソースで作ったブルスケッタ。一皿目の、クリトーチペのパスタが最高に美味でした。 ![]() 大量に採っては、冷凍するジャンニですが、これは去年のもの。半分は冷凍モノ、半分は乾燥したものを使い、クリトーチペの旨みを最大に引き出しています。 お肉が全然入っていないのに、すごくリッチ。薫り高くて最高! 二皿目は、ドゥリーノとトマトです。ドゥリーノは煮込まれてトロリとしていて、半生に仕上げられたトマトの甘みが出て、美味しい。 山の師匠は、実は料理の師匠でもあった!! パスタはもちろんディチェコです。 食にこだわるイタリア人は、たいていディチェコ愛好家ですね。 ![]() 山盛りのサラダは、ミンモが見繕ってきてくれたもの。野草をふくめた10種類以上の葉野菜がミックスされています。タンポポやケシの葉、ルッコラやあとミントの香りのする葉っぱ(でもミントではない)などありました。 最後はロマーノが持ってきてくれたビスケットで〆て、大満足の昼食会でした。 イタリア男子を両手に、butakoはモテモテでしたよ。 次回、また機会があったなら、私も何か手作りのものを持っていこう! お金をかけずとも、谷のもの、家のもので豊かな食卓を作り、楽しい話で盛り上がれるイタリアの生活って、いいなぁ。 butako ■
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by butako170
| 2011-05-26 22:28
| ウンブリア自然・山歩き
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