人を食らう蛇
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ヴァルネリーナの谷で栄えていた街、チェッレートCerreto。
かつては、免罪符を売ることによって莫大な富を得ていたといいます。

さて、そのチェッレート村の民家の外壁におもしろい紋章がありました。
人を食べている蛇。

素朴で可愛らしい紋章ですが、よく見ると、そう、アレ、お馴染みのイタ車アルファロメオのエンブレムと似てますよね。

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アルファロメオは、1910年ロンバルダ自動車製造株式会社Societa Anonima Lom-barda Fabbrica Automobili=A.L.F.Aとしてミラノで誕生しました。地元ミラノの『白地に赤十字』とミラノ公国ヴィスコンティ家の紋『人を飲み込む竜』を合わせたエンブレムは、あまりにも有名で、日本人にとっては憧れの存在ですよねぇ。

そのヴィスコンティ家ですが、ミラノの貴族の名門です。13世紀には教皇グレゴリウス10世(在位1271-1276年)を輩出し、14世紀には皇帝からミラノ公国の位を与えられます。映画監督ルキーノ・ヴィスコンティもこの一族の末裔だそう。
ミラノで産声をあげたアルファロメオがこの紋章を用いるのも、納得できます。

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(写真:チェッレートの猫たち)

オリジンはマッジョーレ湖周辺にあり、vice contiの名前が示すように領主の補佐役として頭角を現したのが始まりだといいます。そんなヴィスコンティ家の紋章には、こんな伝説が。
その昔、森の中で竜に呑み込まれそうになっている少年をヴィスコンティ家の勇者が助けたという言い伝えによりモチーフとなった、と。

また他の記述によると、1100年頃、ヴィスコンティ・オットーネ1世が、十字軍遠征の際、『蛇に食べられる人』の飾りのついた兜を被るサラセンの武将を殺したことから、そのまま兜の飾りを紋章にした…とあります。(年代や登場人物が明確なので、真相はこちらか?!)

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ちなみにシンボル学的に言うと、蛇も竜も似た性質を持っていることから、同じとみなしてよいようです。

では、チェッレートの街にあったヴィスコンティ家の紋章は、何を示すのでしょうか。
免罪符時代から教会との関係が強かったためそれと関係があるのでしょうか?
それともサラセン人に苦しめられていたので、このシンボルにあやかったのでしょうか?

いろいろと想像を膨らませてみるのもおもしろいものですね。

(写真:チェレート民家に続く小道)


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街の壁には、マルタ騎士団の十字架なんかもあったよ~。

                             butako
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by butako170 | 2011-05-20 20:15 | ウンブリア地元ネタ
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