谷のパイプオルガン
ヴァルネリーナの谷のアンティーク・パイプオルガン。
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天使も耳を澄ませたくなるような、軽やかで時に重厚で、雅な音色を奏でます。
昨日、オルガン奏者のオスカルと一緒に、そんなオルガンたちに会いに、谷を巡りました。

まず、ノルチャとカッシャの間にあるアヴェンディタ(AVENNDITA)村のサン・プロコロ教会にあるオルガン。
村の管理人のイヴァーナさんが約束の時間に鍵を持って来てくれました。
誰もいない教会に足を踏み入れます。
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パイプオルガンのある場所って、ご存知ですか?
教会内でも入り口を入ってすぐの上部にたいていはあります。
そこが一番音が均一に教会内に響くから・・・だそうです。

まぁ、小さい。
村の小さな教会にあるオルガン。当然ミニサイズ。
でも1500年代に作られたとあって、その歴史は半端ではありません。

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まずは仕組みを説明してくれるオスカル。

「パイプオルガンはね、空気を管の中に通すことによって音を出すんだ。
つまり笛と変わらない。ここを見てご覧。
モーターで空気を送っているんだ。現代はこの仕組みでオルガンの音を鳴らしている。
一方、かつてはというと」、

側面の板をはがして、パイプの下の部分を見せながら
「ここから人力で演奏中、ずっと空気を送っていたんだ」。

パイプオルガンの音階は、パイプの長さによって変わります。
低い音ほどパイプは長くなります。

このパイプオルガンの一番低いドの音は、8piedi(オット・ピエディ)。つまり8フィートなのでだいたい2m半かな。

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ドイツのように、高いカテドラルにびっしりとパイプがならんだオルガンと比べたら、サイズは小さいです。
なので当然鍵盤の数も少ない。

「イタリアのパイプオルガンは、えてして小さいものが多いんだ。だからといって、重要度が低いわけではないんだよ」

このパイプオルガンには、よろい戸があって、使わない時は閉めておきます。
その扉がとても美しい。

開けると内側には、ルネッサンス様式で描かれた天使たち。
淡い色使いで、陽気な感じ。

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閉めると、受胎告知を受けるマリアと天使ガヴリエルの姿が、扉いっぱいに描かれています。

楽器ですが、美術品でもありますね。

おもむろに引き始めるオスカル。
バッハの田園曲(Pastorale)が流れた途端、周りの空気が変わりました。
寒かったシンと冷えた氷のような空気が緩んで、牧草を食む羊や春の日差しが。
音色がかわいくアルトリコーダーのような素直な音。
You Tubeで見つけたPastorale。                                             butako
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by butako170 | 2011-01-22 04:58 | ウンブリア地元ネタ
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