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marfugaのフラントイオ・オリーブ畑見学
先日、隣町カンペッロにあるマルフーガ社に見学&meetingに行ってきました。
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マルフーガはグラダッシ家が営むオリーブオイルの老舗。
1817年からオリーブ農家としての歴史を持ち、近年、ウンブリア州を代表する素晴らしい作り手に成長を遂げました。今年も、Slow Food協会のベスト・オリーブオイルの一つに選ばれたりと、非常に高い評価を受けています。
かなり前から料理研究家の有元葉子さんが一押しし、輸入販売も手がけていましたね。

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butakoの家から車で15分。
以前から気になっていたのに、なんとなく、行きそびれていたマルフーガ。
なんとわが親友ルチアがマルフーガの社長フランチェスコと幼馴染だということを知り、盛り上がった話のついでに、先日ルチアと訪問しました。

事務所はフラントイオ(圧搾所)に併設しています。
この日訪れた時は、オリーブオイル絞りの最盛期でした。

フラントイオでは、昔ながらの大臼で挽いているかと思いきや(そんなことないよねぇ)、コンピュータで制御された機械がフル稼働しています!
すべての製造過程において、完全に酸素と熱、そして光を遮断した最新式の機械。

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ご存知、オリーブオイルは、オリーブの実をすり潰してろ過し、それを遠心分離して作ります。過熱工程を経ない唯一のオイルなのです。そう、オリーブの生絞りジュースみたいなもの。
だから風味が生きているわけです。
おいしくて劣化しにくいオイルを作る条件は、上記に示した通り酸素、熱、光を遮断することなんですね。従来の「コールド・プレス法」では、熱が発生し風味を損なうのが欠点でしたが、最新式の「シノレア法」ならば、ほとんど熱が発生しません。実をペースト状にし、それをゆっくりと攪拌することで、 オリーブの水分と油が次第に分かれていきます。比重の軽いオイルとそれより重い水の性質を利用し、上質のオイルだけが抽出できるのです。
マルフーガのは当然シノレア法。フォリーニョに専門に手がける工場があり、今導入しているのは、3ヶ月前に取り付けたばかりのもの!

抽出方法以外に味の決め手になる要素、といえば、実をすり潰す機械の回転数なんかによっても、風味が微妙に違ってくるといいます。その辺は、各フラントイオの腕の見せどころですね。
(上記の写真は、オリーブの洗浄/ペースト状にして/シノレア法で分離させているところ)
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また配合するオリーブの種類によって、味は格段に変わります。
このエリアはDOP(原産地呼称統制)認定地区で、欧州の規定に基づいたオリーブオイルが作られています。アッシジ-スポレート認定地区のオリーブの種類は、モライオーロ種mini60%、フラントイオ種とレチーノ種max30%と規定されています。各農家が好き勝手な配合で、オイルを作ることももちろん可能ですが、DOPとして市場に出す場合は、上記の規定と、さまざまな厳しい取り決めを守る必要があるのです。

(写真は、最後微量に残った水分を分離させるため、遠心分離にかけたもの。フィルターにもかけていないそのままのオリーブのジュースが滴り落ちます。オリーブの入ったタンク。オーダーが入ったら、瓶詰めしていきます。タンク内の空間には二酸化炭素を充満させ、酸化を防いでいます。)

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マルフーガ所有のオリーブ畑には、日の出から日没まで太陽の光が降り注ぎます。
眼下に望むのは、トレヴィの中世の町。

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彼らが拠点を置くトレビからカンペッロ、スポレート一帯は、オリーブオイルの一大産地で、特に風味が高いと珍重されてきました。当たり前にオリーブを栽培し、それでオイルを作れば、当たり前においしい、という恵まれた地区で、さらにその上を行くオリーブオイルを目指した農家、それがグラダッシ家なのです。一家が設立した『マルフーガ社』のオリーブオイルは、香り豊かで、重過ぎず、オリーブの特徴を最大に生かしたオイル。
(写真:収穫は手積みで。サンティーニ氏。収穫後、フラントイオに運ばれ、オイルにします。)
地元のギョットーネ(食いしん坊)たちは、マルフーガのフラントイオに足を運び、新オイルを買い求めます。もちろん、国内外での評価も高く、近年多くの賞をさらっていきました。2009年は、スローフードのオリーブオイル大賞のトレ・オリーヴェに輝いた実力を持ちます。


社長のフランチェスコ氏は、フラントイオでオイル作りについて、熱心にレクチャーしてくれました。40歳過ぎのエネルギッシュな若社長は、代々続くオリーブ農家の革命児でもありました。それまでの石臼で挽く伝統的な作り方を一新し、革新に懐疑的で頑固な地元の反対にも関わらず、率先して機械式を取り入れたのです。

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フランチェスコ氏は、「オリーブオイル作りに必要なのは、情熱と探究心。機械の導入もそうだし、あとL’affioranteの開発もそうだ。これは、数種類のオリーブを混ぜていた従来の作り方を一新し、モライオーロ100%で作ったところにある。しかも風味を生かすために、実が完熟する前、つまり黄緑色の実にうっすら黒いグラデーションが入る10月中旬のものだけを使いオイルにしている」。
モライオーロの実は小粒で、苦味と刺激の強いこの地域の代表品種です。その若い実だけを用いて作ったオイルは、マイルドというよりも深くコクと強い香りを持っています。
そして極めて酸化していない健全なオイルなのです。


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L’affioranteは、非常に高い評価を受け、マルフーガの名前は国内外に広まっていきました。でもあくまでも経営はマイペース。有名になったからといって、畑を極端に広げたり、大工場にする気はないようです。事務所にはフランチェスコのお父さんのエットレ氏も常駐し、35年前のレトロなジープで、オリーブの林やエリア一帯を動き回っています。家庭経営のチームワークの良さ、目の行き届いた小生産者の強みをまざまざと見せつけられました。
信念を貫き、家族を愛し、土地を慈しむ。マルフーガのオリーブオイルからは、芳香とともにグラダッシ家の生き様も感じ取ることができるのです。
(写真:社長のお父さんエットレ氏。オリーブ畑をこんな素敵な格好で見回ります。)

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さて、いよいよマルフーガ・オイルの試食タイム♪
L’affioranteは、シンプルなブルスケッタにして賞味しました。(この食べ方が一番美味)
力強く若々しい味、ピリッと喉に残る刺激、深いコク。もうオリーブの生搾りそのものです。
そのほか、オリーブの実のペーストや乾燥トマトのオイル漬け、どれもマルフーガのものですが、逸品ぞろいでした。アペリティーボに出してくれたアルナルド・カプライ社の白、グレケットも適度なコクとすっきりとした味わいで、もう最高。。。

今年はオリーブの実のつき方が従来の年に比べ4割も少ないそうです。でも味の方は、最高の出来になりました。こうオイシイと、イタリアンだけじゃなくて、お豆腐にもパスタにも何にでもかけたくなりますよね。

マルフーガ社>http://www.marfuga.it/
by butako170 | 2009-11-25 20:08 | プレシディオ・食材
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