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カンティーナ ディ・フリッポ
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先週、東京からJUNKOさんが遊びに来ていたので、彼女の第二の故郷であるスペッロという街に遊びに行きました。スペッロは、小高い丘に立つ中世都市で、町中にお花があふれているこんじんまりした、かわいらしい街です。


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今回は、彼女のステージ先であったレストラン・バスティリャla Bastigliaを訪問しました。
懐かしいマルコシェフやスタッフの方との再会を果たしていました。

まぁ、レストランのオープン席から眺めるウンブリアの丘の素晴らしいこと!
この日は晴天。前日降った雨のせいで空気が澄んでいたので、スモッグもなく、抜群の透明度をもった景色を眺めることができました。

そしてそこのスタッフの一人ミケーレが、彼の叔父さんの営むカンティーナに来ない?と申し出てくれたのです!もちろん!地ワインを深めたいbutakoと、ウンブリアワインを知りたいJUNさんは、二つ返事。

彼らのカンティーナは、玉ねぎで有名な町"カンナーラ"とモンテファルコの東側にある"ベバーニャ"の境にあります。そう、ここも、エリア的にいうと、サグランティーノ圏内なのです。
カンティーナの名前は、Di Filippo。
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ここは1971年に創始し、1994年から有機ワインを造りはじめました。丁寧に手積みされた健全なブドウから作られるワインの味はいかに?
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まず最初に試飲したグレケット:Grechetto (Colli Martani D.O.C.) がすごくフルーティで香りが弾ける感じで、素晴らしかった。2008年ヴィンテージで、輝くような薄い麦わら色。バナナ、パイナップル、パンの焼ける香りなどがして、若々しい酸味がありました。

お次はモンテファルコ・ロッソ(Montefalco Rosso D.O.C) 品名Sallustio
2006年センジョベーゼ60%、バルベーラ25%、サグランティーノ15% のしっかりとバランスのとれたワイン。ゆっくりと香りが開き、グスリやブルーベリーの香り、しなやかで若さあふれるボディです。 アルコールなんと14.5%

そして サンジョベーゼ・コッリ・マルターニ(Sangiovese Colli Martani D.O.C.Riserva) 
品名Propeezio はサンジョベーゼ100%の味わい。2006年。気品があって、渋みもまろやか。

ウンブリアワインのキングとして君臨するMontefalco Sagrantino D.O.C.G. 2005年ヴィンテージ。
チェリーやプラムの少し甘酸っぱい香り、ニッキなどのスパイシーな香りが心地いい。余韻は長く、質のいい強すぎないタンニンが舌を刺激します。

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そしてミケーレの叔母さん手作りのクッキーとともに運ばれてきたのが、"ヴェルナッチャ・ディ・カンナーラ"というパッシート(甘口ワイン)。
ヴェルナッチャと聞いて思わずオリスターノが思い浮かび、「サルデーニャの関係あるの?」と聞いてしまいましたが、関係ないそう。しかもあちらは白ブドウだしね。ここカンナーラの地元のCornetta(Alias Vernaccia Nera)という品種だと言っていました。あとで調べてみたら、Vernaccia Neraは、マルケ州周辺を地産とする黒ブドウです。ならば、こちらのカンナーラは、きっとそれの亜種なのでしょう。

もともとヴェルナッチャという言葉は、本来固有の品種をさすのではなく、その場所のブドウをさしていたそうです。なので、イタリア中にヴェルナッチャが存在しているのは、そういう理由だったのです。

このワインが美味ですねぇ。
干しブドウの入ったオリーブオイルのクッキーを、ワインに浸しながら、食べると天にも昇るおいしさ。
まろやかで蜜のような甘さがあるけど、後味はすっきりしている。
食後に暖炉で、本など読みながら飲みたい 『瞑想のワイン』です。

個人的な好みでいえば、ここではグレケットとヴェルナッチャのパッシートが特に冴えていたように思います。
今までBioワインは独特のビオ臭がするので、好みが分かれるところだな、と思っていましたが、ディ・フリッポのワインはその臭いがしません。こんなにおいしくて、Bio(有機)だなんて、素晴らしい。

オーナーの妹で、ワイン作りに携わるミケーレのお母さんは、これからは、Biodinamico(バイオダイナミック)農法でのブドウ作りに取り組みたい、と言っていました。
日本でも注目されているbiodinamicoワイン。どんな味になるのでしょうね。

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カンティーナ前の畑。かなたにはスバシオ山とアッシジの町が見えます。
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by butako170 | 2009-10-23 02:34 | イタリアワイン
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