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夏本番! イタリアのウナギ
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今年は、夏バテを乗り切るためのスタミナ食材『ウナギ』が日本で不足していると聞きます。
イタリアでもウナギって食べるの?
もちろん。
なんと、古代ローマ時代から食べられていました。

イタリア人が食しているのはヨーロッパウナギ
ローマ時代から食卓にのっていました。
近年は乱獲や小川の減少により激減していますが、フェッラーラ県のコマッキオcomacchio渓谷ではローマ時代から現在までウナギの一大漁場として有名です。

わが町スポレートの川魚レストランでも、美味しいウナギ料理のためには、わざわざコマッキオ漁業協会から仕入れるほどです。シェフ曰く「泥臭さがなくておいしいから」。

サルガッソ海で産卵したウナギの卵は、稚魚になって、イタリアにもやってきます。コマッキオの谷には、稚魚が遡上する河川がたくさんあり、ウナギの一大産地となっているのです。自然に出来た入り江やラグーナ(潟)は、自然公園にも指定されるほど、手付かずの自然が残っています。
海に隣接する湖は魚の宝庫。その湖へいくつも伸びる小さな河や沼はウナギが戻る格好の住処となっているのですね。
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美しい映像はこちら
かつてはサリーナ(塩田)もあったそうです。

稚魚のウナギは、6~12年河や潟で育ち、産卵できるまでに成長すると海に戻っていくのです。しかし、コマッキオでは良く出来た仕掛けでもって捕まえちゃうんですよね。
11月から1月にかけてが旬になります。生け捕りにしてメルカートに持って行きますが、漁獲が多いと、伝統的なやり方で酢漬け保存にします。

コマッキオのウナギは、スローフード協会のプレシディオ品にも指定されているほど、稀少で伝統的な食材です。
そのサイトの写真をトップで拝借しました。
くるんと結わって、大量に並べられている図、気持ち悪い!!

ちなみに保存は、まず串でさして焼き、気の箱にならべマリネにします。塩漬けにする調味料は、白ワイン酢1Lにつき、70gのチェルヴィアの塩、そして水1杯を配合し、月桂樹の葉をくわえたもので、マリネするそうです。冬作っておいて、春のイースターのお祭りに食べるらしい。

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日本では平賀源内の発案で、夏に食べる習慣が出来たそうですが、一般的にイタリアではクリスマスに食べます~。理由は2つ。

まずクリスマスイヴには、肉を絶ち魚料理で祝うことから、ウナギも魚の一つとして扱ったことです。(カトリックでは肉は罪を表します)なのでウナギが食べられるのはクリスマスよりもイヴの方が多いです。また年越しのディナーに食べることもあります。

そして二つ目はウナギが悪魔の化身として扱われているため、悪魔を食べることで、邪気払いや厄除けの意味があったのです。また一方で、長い形状から年月や長寿を意味するとも言われています。古代ローマでは農業神サトゥルノ祭(12月 17~25日)の時に食べる習慣があったそうですし、土着とカトリックの文化がミックスして今に至った可能性はあります。

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クリスマス料理の調理法は、ローストトマトと香味野菜と共に煮込むか油で揚げるのが一般的です。揚げたものを酢とオレガノ、月桂樹、ニンニクなどでマリネするバージョンもあります。クリスマス用にカピトーネという太らせた雌のウナギが特に珍重されていますが、そうなるとかなり脂っこいですねぇ。
(butakoがレッチェで食べたのは、揚げて酢漬けにしたものでした。サッパリしてなかなか美味でしたけど)

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もちろん、地域的には日常の食卓に上ります。ポー河流域やヴェネツィア、サルデーニャ、ナポリ、その他各地でその土地ならではの調理法がありますが、たいてい皮を剥ぐか、もしくは剥がずにぶつ切りにして、脂を落としながら炭火焼きにしたり、トマトソースで煮込んだり、フライにします。

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私の通っていた料理学校Italcookでは、ヴェネト州の先生が、土鍋に入れて月桂樹とともに蒸し煮にしていました。泥臭さが消えてなかなか美味でした。脂を落とす処理をしないので、結構、脂ギッシュですね。

プレシディオの記事にあるように、「イースターに食べる」というのは今回、調べていて初めて知りました。所変われば、食べ方も時期も変わるんだなぁ、と関心してしまいますよね。
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写真:Ristorante ComacciaのCarli Massimo氏撮影

でも、本音を言えば、やっぱり関西風のウナギの蒲焼とキモのお吸い物に目がありません!!
あ~、大阪に住んでた時に、担当エリアで食べたウナギが忘れられないなー。
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by butako170 | 2012-06-30 23:58 | プレシディオ・食材
カステッルッチョのお花畑満開です
四季折々の表情を見せるウンブリアの自然。
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とりわけシビリーニ国立公園のエリアは、自然が豊かで、高山ならではの独特の景色を楽しむことができます。Butakoが生ハムの街ノルチャとセットでお連れしているのが、Castelluccioカステッルッチョの大平原です。
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カステッルッチョの大平原(Piano grande)で何が有名といえば、6月~7月初旬に咲き乱れるお花畑です。かつては噴火でできた湖だったという大平原には、栄養価の高い土壌と、平原の割れ目を伝って流れる湧水で、植物の宝庫になってます。

水仙、野生の蘭、マーガレット、矢車草、ひなげし、タンポポ、スミレ、クロッカス、忘れな草…ありとあらゆる花が咲くのですが、行く時期によって、色の基調が違っていて面白い。

たとえば、私が行った6月初旬は黄色い花がメインで咲いていました。
花畑の変遷はコチラをご覧下さい。でも年によって気温や気候の違いできっちりと時期が決まっているわけではないので、行った時のお楽しみ。

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カステッルッチョの街がお花畑のかなたに佇んでいます。
冬の間は3,4家族しかいない小さな村も、春先から120人ほどに膨れ上がります。ここの村人はたいていココとノルチャに1つずつ家を持っているので、雪に閉ざされる冬はノルチャの家で暮らすんですね。年間のうち132日が摂氏0℃未満だというので、それはそれは過酷なものです。
なので、カステッルッチョ人の気質は、ちょっと人を寄せ付けない所があったりする、と言われています。

多くの人が、レンズマメをはじめとしたlegumi(豆類)を作っていて、羊飼いもしています。
私の友人のパスクワ家もそんな羊飼い農家。奥さんのリディアが作るリコッタチーズはプルプルで最高に美味!!
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街を訪問。この日は、ライダーがいっぱい来ていました。皆、ボディスーツを着ていてカッコイイ。ツーリングを心から楽しんでいる様子ですねぇ。
カステッルーチョを含むネリーナ谷のルートは、豊かな自然とカーブの多い道がライダーの心を捉えているようです。

街の壁に落書きがあるのも、カステッルッチョの村の特徴。昔、若いカップルがいて、女の子が相手を裏切って、別の男と結婚してしまいました。式の時に、振られた男の子が彼女に対する悪口を思いっきり壁に書きなぐったのが、壁落書きのはじまりだとか。。。今ではゴシップネタが書かれているそう。

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一方、村のなかは、15分もあれば1週できるサイズです。
四方を平原と山に囲まれていて、絶景なのは言うまでもありません。

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そしてレンズマメを売るお店があります。
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ここでできるレンズマメは、高原のため、無農薬。しかも冷涼な気候と土地のおかげで、鉄分ミネラルが豊富に含まれた小粒の実になるんです。

さて、散策ですっかりお腹が減ったので、昼食と行きましょう。
ここLa tavernaは、カステッルッチョの料理を少しお洒落にアレンジして出すお店。アンティパストミストがお勧めですよ~!!
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羊たちが平原を横切るくらいの土地柄ですから、羊料理がお勧め。羊の内臓を小さく切って煮込んだ「コラテッロ」は絶対食べて下さいね。臭みもなくて本当においしんだから。
ワインがすすむ味なんだけど、お客さんが飲まないって言ってるから、butakoもここは我慢。。。

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レンズマメもマストですよ。シンプルにスープで食べるだけ。これ、何か隠し味でも入ってるの?っていうくらい美味。豆自体に香りあるのです。本当にシンプルに煮込んでるだけなんですがねぇ。

こうしてお腹も心も満たされたところで、カステッルーチョの旅は終了。
お客さんが希望していた大平原の一角にあるイタリアの地図も無事に写真に納められました。
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自然を思いっきり楽しむカステッルッチョ&ノルチャ1日コースは、随時受け付けておりますよ~!1グループ250ユーロ~です。
興味のある方は butako170@hotmail.co.jp までどうぞ。
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by butako170 | 2012-06-19 17:15 | ウンブリア自然・山歩き
花の街 スペッロのInfiorateを鑑賞
西方カトリックの大切な行事の一つに『Corpus Domini』(聖体の祝日)と言われるものがあります。この祝日は、最後の晩餐の時にイエスが行った秘蹟(イエスが聖体:キリストの体を象徴するパンを裂いて「取りて食らえ。これ我の体なり」と弟子たちに与えたこと)に結び付いています。
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聖体の祝日は、イタリア中の教会で祝われますが、お花で作った絨毯を敷きつめ、その上を司祭が通る…という儀式を行う街もイタリアでは少なくありません。
そのなかで有名なのが、ウンブリア州のスペッロ(Spello)のインフィオラータです。
2012年は今週の日曜日6月10日に行われたので、その様子をレポートしますね。
まずインフィオラーテは朝早くに行くのが勝負。
地元の人などは「日の出に来るのがベスト」って行ってましたけど。というのも9時を過ぎる頃にはすごい人でごった返すからです。
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Butakoと友人の優子さんが到着したのが、朝の7時。
駅前の駐車場に無事パーキングすることができました。
スペッロの街中に花の絨毯が敷きつめられ、その長さは1400mにも及びます。
これは早朝に出かけなくては、ゆっくりと見れませんよね。

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しかし一部の大作は、まだ最後の作業に追われていました。
こうして直前まで、雨風を避けるためセラーで覆われていて、出来た作品から覆いを取っていきます。
作業に当たっているのは、ほとんどが若い子たち。
夜中、作業に当たっていたのです。

8時半ごろにはすべての作品の覆いが除かれていました。
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子供たちがデザインしたスペッロの街並み。スペッロの街を愛してる…っていう手書きのメッセージが添えられたデザイン。

では、どういう風に花の絵は作られているのでしょうか。
まず数ヶ月前から、花を採取していきます。多くの色を出すためには、新鮮な花だけでなく、乾燥した花も必要だからです。こうして、野山で採取したり購入したりして、乾燥させます。
その一例といいますと…。
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デザインされた下絵。それを原寸大の紙にプリントして、花びらを載せていくのです。各場所にどの色を配置するのかは紙にきちんと書かれているので、作業する人も混乱することはありません。
このように手で丁寧に載せていきます。
昔やった砂絵に似てる?!
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載せ終わった後で、細かい修正を行っていきます。
特に直線が曲がってないか、花びらがはみ出てないか…なんてチェックに余念がありません。

そして聖体の儀式を行う前に、審査員による審査が行われます。
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私が鑑賞中に、ちょうどこの作品が審査中でした。質問も結構飛び交ってましたよ。
製作代表者が、この場面は人間の現在を表していて…などと真剣に説明しておりました。そう、これは神様に捧げるための絵、つまり宗教画なんですよね。
構成される花びらの種類は数知れず。
その一例がこちら。
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左からカルドン、矢車草、マーガレット、ザクロ、イラクサ
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左からカーネーション、ヒマラヤスギ、マーガレット、カーネーション、胡桃の花、マリーゴールド

今年の参加グループは47。
それぞれ個性が光ります。
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目抜き通り沿いの聖アンドレア教会近くにある、インフォメーションセンターでは、インフィオラーテの地図がもらえるので、それを片手に周るのもいいでしょう。でも当日は混雑しているので、それがなくても、花の絨毯を頼りに歩いていけば、すべての作品を見ることができました。
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コンピューターのキャラクターのように可愛くアレンジされた作品。
イエス様もキュートです!!
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壁に描かれたI lave Spelloも真紅の花びらで作られていました。
その前で記念撮影をする観光客多数~。

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途中に点在する教会を訪れたり、見晴台からウンブラの谷を見たり…。
もちろん中世の町を彩る個人宅の花壇を観賞するのも楽しい♪ なんせ花の町スペッロでは、『庭先の花コンテスト』も開催しています。だから個人の庭先が本当に美しい。
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老夫婦が植わっている草花について、あれやこれやと話している姿が微笑ましかった。

スペッロのインフィオラーテの始まりは、1900年代初期にスペッロのある婦人がエニシダとフェンネルの葉で路地を簡素な絵で装飾したのが始まりだといいます。
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来年2013年は6月3日に開催されます。
とっても素敵な催しなので、どなたか見たい方が多数いらっしゃれば、ツアー形式にしても面白いかなぁ、と思っています。
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青い空に鮮やかに映えるザクロの花
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by butako170 | 2012-06-13 22:04 | ウンブリア地元ネタ