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イタリア古寺巡礼 フィレンツェ→アッシジ 本日発売!
d0033983_713190.jpg今年の3月巡った中部イタリア3州が本になりました。
著者は『イタリア古寺巡礼 ミラノ→ヴェネツィア』でおなじみの金沢百枝さんと小澤実さん。
butakoもちょっぴり関わっています(郷土料理の項、担当しています)。
27日から店頭に並ぶので、興味のある方は是非、手にとって、お買い求め下さい★

新潮社 とんぼの本 『イタリア古寺巡礼 フィレンツェ→アッシジ』


アッシジのサン・フランチェスコ聖堂は、中世最大のアートプロジェクトだった!

フィレンツェでいちばん眺めのよい聖堂は? ピサの斜塔はいつ傾いた? シエナはなぜ「聖母の町」なのか? 世界遺産から知られざる美しい村まで、トスカナ地方の教会をめぐり、郷土料理を味わったあとは、心洗われるアッシジの丘へ――中世ヨーロッパの美術と歴史を案内する好評シリーズ2作目。キリスト教美術ってなんだろう?


butako
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by butako170 | 2011-09-27 07:02 | 報告
ヴィテルボの楽園 i giardini di ararat
昨日は、友人Hiromiさんの息子ニコロくんの洗礼式のため、ヴィテルボに行って来ました。
洗礼式もつつがなく終わり、さて、お待ちかね、大昼食会です。
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もてなし上手でセンスのあるHiromiさんのこと、きっと素敵な所にちがいない。
それがこちら。。。

ヴィテルボ市内から車で15分。
栗林にぽつねんと構える大きくて美しいアグリツーリズモです。
i giardini di ararat アララトの庭・・・ノアの箱舟の上陸地がアララト山なので、熱狂的なクリスチャンであるHiromiさんの義母さんの馴染みの店なのかな?とロベと冗談を言っていたら、やはりそうでした(!)
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まぁ、それにしても美しい。
広い広いお庭。豊かな栗林。
そこから見渡せるローマ方面の海。(この日は残念ながらスモッグで見えず)

d0033983_7424189.jpgここの料理に使われる食材は、ほぼ自前の畑から取れるもの。
それをきっちりアピールするため、エントランスには新鮮な食材が色よく並べられています。
すごく素敵なディスプレイ。
センス、いいなぁ。
食べる前から、期待感が高まります。
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えてして野暮ったくなる田舎家屋の飾りつけも、そのバランスが絶妙に良くて、とっても品よく落ち着いた雰囲気を演出していました。

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さてさて、まずはアペリティーボといきますか。
スプマンテで喉を潤して、胃を刺激し、さぁ、アグリの昼食会のはじまり~♪(すごく食べる気マンマンのヒト)

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まずは、アンティパストの盛り合わせ。
そして揚げたてのフリットでした。
気泡の空いたペコリーノチーズ、2ヶ月くらいの熟成で美味。
野菜のグリルは、自家製だけありウマミが濃縮しています。焼くことで甘みが凝縮。ズッキーニ、ナス、パプリカ・・・どれもおいしい。
もちろん生ハムやサラミなども合格点。

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そしてプリモ2種。
ジャガイモのソースのフェットチーネ!
ねっとりと上等のでんぷん質が舌にまとわりついて、生クリーム&トマトソースと一体になり、美味。ローズマリーが良いアクセントに。ロベルトのお気に入り。

私のヒットはこちら。
Stracci ragu bianco al leprino vitelbese(ヴィテルボ・レプリーノの白いラグーをストラッチに合わせて)
d0033983_7471135.jpgレプリーノは、この地方特産の野ウサギとウサギの掛け合わせ。
肉質が白いのにコックリ野性味があります。
ガツンと濃厚なソースを受け止めているのは、地元のパスタ『ストラッチ』。ヘトヘトになって・・・という意味ですが、小麦粉と水をこねて、グルテンを最大に引き出してから、ちぎったパスタです。
この素朴でモッチリしたパスタと、野うさぎのソースの合うこと!!
絶品でした。

1歳半になるニコロくんも、全部完食!!!
(後で厨房で、あの子供、パスタ全部食べたらしいわよ、と驚かれていたらしい)

ここまでは白のigt Rivogli(Lazio Bianco)tenuta casciani 2010 が伴奏してくれました。
そして次からは同社のigt Lazio Rosso 2010がお目見え。
香りはあまりなく、サラリとして程よいタンニンが。モンテプルチャーノ90%、サンジョベーゼ10%。パーティ向きで、割合いろんな肉料理をカバーできるワインでした。

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そしてメインディッシュが、豚のフィレ肉のプルーン煮込み、バルサミコ酢がけです。
いわゆるアグロドルチェの一皿です。
お肉が適度に弾力があり、ソースがかなり濃いのに、それに負けない味わいがあります。
噛みしめるたびに、肉とソースが口の中で合体して、おいしいハーモニー。バルサミコ酢も上質なものを使っているようですね。

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その後、ピスタッキオを使ったムース状のケーキが出てきて、ニコロくんを盛大にお祝いしました。


子供の成長って早いですね。

つい最近生まれたかと思ったら、もう走り回っています。


皆に笑顔を振りまく、ご機嫌ニコロくんでした。それにしても小一時間のセレモニーにも耐えたし、その後も泣いたりぐずったりしなかったし、本当におりこうさんでした。



d0033983_84652.jpg最後にシェフにご挨拶です。
ラウラさんは、笑顔いっぱいの豪快シェフ。
塩味もバッチリだったし、ハーブ使いも良かったし、なかなかの凄腕でございました。
あとでストラッチのレシピを教わる約束をしましたヨ。
ご当地パスタの世界は、裾も奥も深いですよね。

アグリの雰囲気、自然、そして料理と三拍子そろったアグリツーリズモでした。
これから栗とキノコのコース料理も展開するらしく、あぁ、秋到来ですねぇ。スポレートから近ければ行くのですが、車で1時間10分100km離れている所まで、あなたなら食べに行くか?!
悩ましいなぁ。。。

                                butako
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by butako170 | 2011-09-26 07:47 | リストランテ
Veranno 7 giapponesi in Umbria!  一期の企画
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La nostra Associazione ICIGO ha tra i suoi scopi, quello di creare occasioni di scambi culturali tra l'Italia e il Giappone.
Guardate un file che allega.(Chi non puo aprire vedi questo blog. http://butako170.exblog.jp/14621280/ )

Durante il soggiorno dei nostri amici di Osaka, abbiamo pensato, tra le altre attivita' (aperte a chiunque volesse partecipare) di organizzare una cena tipicamente umbra, presso
l'Agriturismo La Pintura (www.lapintura.it)

*Cena per scambio culturale del 2 ottobre 20:00
La cena si svolgera' Domenica 2 Ottobre, sono disponibii 15 posti, il costo e' di 20euro. Per le prenotazioni potete chiamare il numero Cel.349.3095425 oppure scrivere a icigo15@gmail.com entro Giovedi' 29 Settembre.

*Itinerario con Giapponesi 1 ottobre 16:00-17:30
Appuntamento 16:00 in Piazza della Liberta’
collaborazione con Pro Loco di Spoleto gratuito

*Lezione e degustazione erba di campagna 3 ottobre 9:30
Agriturismo “Il Piano” .Paterno,vallo di nera 0743.616300
@25 Euro (massimo 6 persona)
Prenotazioni fino il 28 Settembre   Cel.349.3095425 o icigo15@gmail.com

Vi aspettiamo Tae

ICIGO(一期)と大阪の有機レストラン『レ・コッコレ』のコラボ企画がついに実現します!
10月1日、2日、3日とウンブリアを回り、スポレートやアッシジ観光、ピッシニアーノでの蚤の市、カンティーナ訪問、野草レッスンと料理教室などなど、盛りだくさんの企画です。

2日の夕食は、アグリツーリズモでのICIGOとの合同食事会。有機の日本酒を持参くださり、書道やお茶のお手前もあるらしく。さてさて、どんな交流が生まれるのか、今からとっても楽しみです♪

2日の夕食会や前日の観光ウォーク、3日(月)の野草の昼食会の参加者を募集しています。
スポレート界隈で参加したい方は、icigo15@gmail.comまで。
今週水曜日の夜まで募集、受け付けています。

場所や金額などの詳細は添付の評をご覧下さいね。
                               butako          
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by butako170 | 2011-09-24 03:31 | ウンブリア地元ネタ
パスクワ家のチーズ作り
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カステッルーチョは、標高1600mの村。
一足先に秋が深まっています。

パスクワ一家は、今日も羊の乳を搾り、早朝からチーズ作り。

butakoたちが見学のため訪れると、リディアは、ニッコリ笑顔で迎えてくれました。
夏の間中、結局会わずじまいだったから、お互いの元気を確認して。。。
旦那さんのドゥイーリョも、大きな厚い手で握手してくれました。今日はドゥイーリョのお母さんも加勢してくれます。
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羊乳を大きな銅製の鍋に入れて、40℃になるまで加熱します。
そして、そこに子羊の胃袋からとったCaglio(凝乳酵素)を入れて、しばらく待ちます。

およそ15分後。ぷるんぷるんと固まりました~★
それを穴あきレートで静かにひとすくい。
お皿にすーっと入れて、静かに水を注ぎます。
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出来立てのヨーグルト(カリアータと言います)。
ほんのり甘い。
温かい。
世界広しといえども、クール便が北から南から生鮮食品を運んでくれる昨今といえども、できたてのヨーグルトを食べれる人は、そう多くはいません。私たち果報モンです!

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ヨーグルトをチュルンと食べている間に、リディアと義母さんが、凝乳を壊しはじめました。「今日はたくさん乳量があるので、機械で攪拌するわよ」とリディア。
機械で大雑把に壊した後は、ミスティコという突起のついた木の棒で、かき混ぜます。
米粒くらいになるまで、よくかき混ぜた後は、本の少し火を入れたあと、放置します。

10分ほど置いておくと、小さなチーズの固まりが、それぞれくっつきあって、大きな固まりになっていきます。
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それをリディアが、そっと手でまとめて。。。
そろりそろりと、糸で切ります。

その一つの固まりを、木枠にはめていきます。
中の気泡とその中にたまっている水を抜きながら、型に押し込んでいきます。
今朝は、義母さんのほかに、隣のオバアサンとその弟さんも来てくれているから、大勢で作業ができます。
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毎朝のこの作業のおかげで、リディア、肩を壊しているので、助っ人が多ければ多いほど、彼女は助かるのです。
皆で冗談を飛ばしながらする作業は愉し。
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「型に入れるからforma(型)ggioっていうのよ」
名は体を現す。
チーズを凝固させて、型に押して、熟成させる。
お乳は、栄養が凝縮するばかりでなく、長期保存もできるし、持ち運びも簡単。
誰が発明したんだろうね、こんな素晴らしい食べ物を。
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型に入れ終わったチーズは、地下の熟成庫に持っていきます。
塩をチーズの表面に置いていきます。チーズを置く台や熟成のための台は、すべて木製。余分な湿気を木が吸収してくれます。
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一方、チーズを取り出した後の清乳ですが、これは捨てずに、そうリコッタチーズを作ります。
Ri(再び)cotta(熱する)の意味のとおり、再び火にかけます。
45℃くらいまで、熱します。

しばらくすると、段々清乳が分離してきましたよ。
透明な部分と真っ白なモロモロの部分に。
この時点で、火を止めます。あとは、分離が勝手にすすんでいきます。
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それを穴あきレートで、ゆっくりとすくっていきます。
そして網目の細かいザルに静かに入れていきます。

ここで、近所の別のオジサンがやってきました。
「リコッタ、できてるね~」手にはマイ・スプーンが。出来立てリコッタのご相伴に預かろうというのです。
さっきまでいたおじさんは、「これ、パンにかけて食べたらウマイねんで」と教えてくれます。
では、教わったとおりに、パンにかけてみましょう!
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パンが、リコッタの水気でふやけて、ミルク味になってる!
おいしい~。
ツルリとした食感のリコッタは、口の中で優しく溶けていきます。

パスクワ家のペコリーノチーズやリコッタチーズは、ノルチャやスポレート、お隣のマルケ州まで売りに行かれます。また直売もしているので、朝の早い時間に、買いにやって来る人もいます。

自分たちで羊を飼い、乳を搾り、チーズを作り、売る。
すべて手作り。
365日、休みなく働く彼らを思うと、尊敬の念が湧き上がってきます。
ほとんど街にも出ず、旅行もできないリディア。
それで幸せなのか・・・と他人が容易にジャッジすることは、到底できない話です。
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「若い人の価値観には合わない」と言われる酪農。
家畜と共に生きることは、大きな犠牲を伴うことも事実です。
でも誰かが引き継がなければ、やがて途絶えてしまいます。工場で量産されたチーズだけになってしまいます。
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豊かなイタリアの食を支えるのは、けっして表舞台に出ない農家や酪農家の人たち。
都会の人が、おいしいチーズやハムを享受できるのも彼らのおかげ。
せめて、生産者の苦労を思いながら、ありがたく、美味しく頂くことにしましょう。

私が、お客様を連れて、パスクワ家のチーズ工房を見学することは、実は彼らにとって、すごく誇らしいことだったんだ、とリディアの喜ぶ顔をみて思いました。
                               butako
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by butako170 | 2011-09-22 06:33 | ウンブリア料理
敬老の日 雑記いろいろ
今日は敬老の日・・・でした。
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イタリアに住んでいるため、日本の暦にはすっかり疎いのですが、それを思い出させてくれたのがサカキさんのブログ。岩国出身で東京で活躍されている外食産業のコンサルティングをされています。ロベちゃんとサカキさんの歳が近いこともあって、そして何よりも食いしん坊で、毎食の記録を克明にされているので、私も1日に数回、彼のブログをのぞいています。
この前、コメントを書いたら、丁寧な返事が返ってきて、うれしかった★
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敬老の日。
実家に電話をしようかと、ふと思ったのですが、(彼らにとっての)孫がいるわけでもないし、敬老の日の挨拶に困って、とうとうしそびれてしまいました。

その晩、ふっと映画『おくりびと』のエンディングをYouTubeで聞いていたら、5年前に亡くなったおばあちゃんのことを思い出した。
『おくりびと』で死者にお化粧を施すモックンと、死に化粧をきれいにしてもらったおばあちゃん。
・・・シンクロした。

でも、当時高校生だった従姉妹のした化粧が、頬紅塗りすぎて、口紅もちょっと派手め。なので、眠るおばあちゃんの顔が、ちょっと乙女チックで、思わず微笑んだ私。

なぜか、その出来事を今晩フッと思い出しました。

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もしその時、おばあちゃんがしゃべれたとしたら、すごく喜んだだろうな、と思いました。
「ホンニヨウ」と目を細めて、「タラちゃん(従姉妹の名前)、綺麗にしてくれてオオキニ」と言ったに違いない、と。

そしてあちらの世界のことを少し思いました。
彼岸は、この世を引退した人たちが、毎日ゆったりと暮らしている。
光が燦々と降り注ぐ平和な世界。

いつかは旅立つ時が来るのです。

日々を大切に暮らそう。
いつか呼ばれる日が来るまで、いっぱい楽しい事をして、辛い経験も乗り越えて、自分を取り巻く人々を愛して。

今日はそんなことをチラリと考えた秋の夜でした。
写真
上)早朝のノルチャのマルチータ(湿地帯)。朝靄でかすんでいます               中)赤富士みたい・・・カステッルーチョに行く途中の風景
下)カステッルーチョのピアングランデは、霧のため大平原の底が見えません

いずれも土曜日、Yさんとカステッルーチョにチーズ作りを見に行った時の景色            butako
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by butako170 | 2011-09-20 05:05 | その他
ただいま、ウンブリア・グルメの旅 実施中
イタリアの食…自分の夢を見つけて、日本からやってきたYさま。
butakoの旅で、見聞きし味わったものすべてに、目を輝かせて感激されている様子が印象的です。
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今日はモンテファルコで、ルチャーナの料理教室を行ったあと、一杯になったお腹をさすりながら、市内のワイン祭りへ。
ガイドつきの試飲会も初体験でしたが、とっても楽しかったと言ってくださいました。
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(悪魔を棍棒で追い払う、強いマリア様:市立美術館内。オリーブの木の雑貨屋さんで見つけたブタの爪楊枝入れ)
明朝は、カステッルーチョでチーズ作りを見学。
野草おばあさんのアグリで食い倒れて…明日も充実した一日になりそうです!!
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ミネラルとテーマに5つのワインを試飲。
どれも魅力的でした。

butako
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by butako170 | 2011-09-17 07:19 | 報告
アマトリチャーナの原型パスタ グリーチャを食す
d0033983_723477.jpgグリシャーノの集落のオジサマに教えてもらったこのレストランLa vecchia Ruota 。
アスコリ~リエティ間の国道沿いにあって、山間にしては車の通りも多いほう。そうなんです、ここがかの有名なサラリア街道(Via Salaria)。古代のローマ街道の1つです。
salaria とはラテン語で「塩」を意味しています。ヨーロッパ各地にある古代の塩の道の1つであり、歴史家の中には、サラリア街道と塩の交易がローマという町が誕生する原点だったする者もいる。(ウィキ参照)とあり、古代から重要な道なんですよね。
(地図:サラリア街道はグレーのライン)

ローマ~アドリア海に抜ける道としては、他の街道と比べ最短(242km)ですが、アペニン山脈を横断する標高の高いルートでもあります。

だからローマとアペニン山脈界隈は古くから人やモノが行き来していた道。
いえ、それだけではありません。羊さんも多数。

さてさて、お腹もグゥーと鳴り出したので、それを納めてあげなければ。
「グリーチャお願いします」と言うと、どの麺がいいですか?と訪ねられました。
「どの麺がポピュラーですか?」
そうですね、メッツァ・リガトーニですね。

はい、それに決定。
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周りを見渡すと、南の方言をしゃべる大家族がアマトリチャーナに舌鼓を打っています。
田舎式に大皿で来たのを、皆で分けて食べると、なぜか、いつもよりたくさん食べられる気がします。

さて、お待ちかねのグリーチャ登場。
半人前を注文したのに、どうです、このボリュームは。

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たっぷりすりおろしたペコリーノチーズの濃厚で、少し野趣あふれる香りが、鼻をくすぐります。
リガトーニの麺の溝に、チーズとパンチェッタのエキスが絡み合って、しっかりと麺にまとわりついています。
美味!!
ガツンとくるヘビーな味!

ハウスワイン白の酸味で、口のなかを時々サッパリさせながら、食べ進めます。

『本場の味』と思ったのは、グアンチャーレの取り扱い方法でしょうか。
脂身の多いブタの頬肉なので、脂肪を油で制す!!
つまり、グアンチャーレをオリーブオイルでじっくりと炒ることで、脂肪分とウマミがオイルに溶け出します。グアンチャーレ自体は、カリカリ香ばしくなって、食べた時に良いアクセントになっています。

グアンチャーレは十分炒めること!
これがこのソースの決め手ですね。
麺は、かつては卵を入れない手打ち麺で作っていたのです。
短いリガトーニを使うようになったのは、近年のこと。

グリーチャのこと、もっと知りたいので、本かなにかありますか?
と聞くと、アミーチ・ディ・グリシャーノ協会の作った紹介の紙をもらいました。

斜めに訳すと、
その昔、シチリア公国と教皇領の境目のこの地で、アメリカ大陸が発見される前のこと。つまり、トマトレシピがフランスの美食家Grimondo de la Reyniereによって『Almanach des gourmandes』1807年が著され、トマトソースがイタリア全体を赤く染める以前のこと。

グリシャーノは、古代ローマ街道であるサラリア街道と、アブルッツォからロンゴバルディ公国へ抜ける家畜道(羊などが春と秋に移動する細い道)がちょうど交わる地点にある。こうして、いにしえの時代に、シンプル極まりないパスタが誕生した。

材料は、そう、羊飼いがリュックに入れて容易に持ち運べるチーズとグアンチャーレのみ。
グリーチャは羊飼いがもたらした一品なのだ。


近年、アマトリーチェに負けじと、夏にサグラをはじめた模様です。
地元の人はgriciaグリーチャのことをgrisciaグリーシャと書き、はっきり発音します。村にちなんだパスタであることを、誇りにしているのでしょうね。

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La Vecchia Ruota
in Via Salaria Km 143,800
Grisciano di Accumoli (RI)
tel.0746.80403
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by butako170 | 2011-09-14 07:20 | プレシディオ・食材
アマトリチャーナの元祖 グリーチャについて
d0033983_20351254.jpgローマ料理で有名なアマトリチャーナの発祥の地アマトリーチェ。いつかは訪れたいと思っていたところ、8月20日、21日にフェスタが開催されると知り、行ってみることにしました。

アマトリーチェ…ラッツィオ州にある州ですが、アブルッツォとウンブリア、マルケ州の県境にあります。しかも国立公園内に位置しており、標高855メートル。グランサッシを望む風光明媚な街。
こういった空気感って、行ってみるまで分からないものですねぇ。

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そのアマトリーチェに行く前に、実はどうしても寄ってみたい場所がありました。
アマトリーチェから北へ20km弱にあるグリシャーノGriscianoという小さな村です。
どうもアマトリチャーナの原型であるグリーチャGriciaという料理が生まれた村だというのです。
(foto:Associazione Amicidi griscianoより)

d0033983_20382129.jpgまずグリーチャについて紹介。(地元ではグリーシャGrisciaと呼んでいました)
本来は手打ちパスタで作るプリモピアットです。
グアンチャーレ、ペコリーノに唐辛子と黒コショウ…のみのシンプルパスタ。

もともとローマの羊飼いが、夏の放牧の時期にこの高原にやってきた際に生まれたレシピです。
羊飼いのペコリーノチーズと村人の豚加工品が合わさってできたソース。
伝統的には手打ち麺にあわせるのですが、最近はメッザ・リガトーニ(短いリガトーニ)にあわせるのが主流になっている模様。

さて、さっそくグリシャーノ村へ突撃~♪
8月後半、といっても高原なので、涼しく過ごしやすいのがこのエリアの特徴です。
私が村に着いた時には、午前12時だったにも関わらず、広場に面したバールには、多くの人が椅子に座りおしゃべりに花を咲かせていました。
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カメラを持った東洋人がたった一人、やってきたのが珍しいのか、みんなジーッとbutakoのことを凝視していますよ。

いやぁ、懐かしいなぁ、こういった扱われ方。
よっぽど東洋人が来ない街なんだろうなぁ。

道行く壮年の方にグリーチャについてインタビューしました。
「グリーチャはこの街発祥と聞いたのですが、どなたか詳しく知っている人をご存知ですか」
「ああ、たしかにこの村発祥ですよ。隣のアマトリーチェ(!)では、あたかも自分たちの発明品みたいにいうけどね!昔はトマトなんかイタリアになかったんだもの。」

すごく穏やかなオッチャンだったのですが、アマトリーチェの部分で声がうわずった~!
自分たちの料理を盗作されて怒っているようです!

もう1人聞いてみたけど、やっぱり同じような返答。
そしてグリーチャが食べられるレストランを紹介してくれました。

国道沿いのレストランゆえ、その前に村をぶらりと散策することにします。
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1年分の手製トマトソースを運ぶおじいちゃんと孫。新しい食べ物=トマトもすっかり今では定着(当然か)していますね。
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孫の手洗いを補助するおじいちゃん。この日の村では、老人と孫の組み合わせに、何組か遭遇しました。
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窓辺で太陽の熱でゆっくりと熟すシロップ漬けのビッショレ(野生のサクランボ)。
村で唯一の教会。
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ハロウィンの飾りつけ、そのまま取らないで夏が来ちゃったー。
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昔の洗濯場は、今ではかつての活気もなく、ひっそりとしています。

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バールでたむろする人々に挨拶したら、明るく応じてくれました。
皆さん人なつこくて、親切です。街の住人は131人。夏の間はローマから帰省する人が多いので、人口が増えます(笑)

次回はグリーチャとの対面の記事。
                                       butako


私の記事を見て、取材(TVのプログラムなど)に行かれる方は、butako170@hotmail.co.jpまで一言お伝え下されば幸いです。
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by butako170 | 2011-09-11 20:49 | プレシディオ・食材
ローマ料理の夕べ  @カッシャ
d0033983_7224367.jpg友人シルヴァーナから、8月26日にカッシャでローマ時代のレシピを再現した食事会を行うから、興味があるならどう?と誘われました。
メニューのひとつには、ロヴェイアを使った料理もあるといいます。

面白そうなので参加を決定。
夕食の後は、彼女の家で1泊し、翌日はリエティ県のアマトリーチェで『スパゲッティ・アマトリチャーナ』のフェスタを訪れる…1泊2日の取材プチ旅行をすることにしました。

どうせならば『ローマ時代の夕食会』の主催者やシェフにも会ってみよう!
シルヴァーナの仲介で、当日料理が行われている幼稚園の厨房を訪れました。

シェフは『歴史料理人』で有名なマリーノ・マリーニMarino Marini氏。
歴史料理人という面白いネーミングは、彼が近年、古いレシピを紐解いて再現するところから付いています。

そのレシピに裏づけを与え、この食事会を学術的な面から支えるのが、パオロ・ブラコーニPaolo Braconi教授。ペルージャ大学で古代の農業経済と考古学を専門としています。
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この二人がタッグを組んで、行うメニューは後ほどご紹介するとして。
(写真:左がパオロ教授、右はマリーノシェフ)
売り上げ資金は、カッシャ郊外にあるVilla San Silvestroという村で現在行っている発掘のための資金を捻出することです。
もうかれこれ、資金集めのための大食事会は、今年で4回を迎えるのだとか。

d0033983_728102.jpgペルージャ大学考古学研究所のプロジェクトゆえ、オーガナイズや料理の下ごしらえの手伝いは、すべて学生たちが行います。
皆、屋外での発掘作業のため、真っ黒に日焼けした肌が、若さゆえにツヤツヤと輝いていてまぶしいワ。butakoもこんな時代があったのねぇー、と目を細めてしまった。

厨房に早朝から働きづめのマリーノ氏。
大鍋に炒めたソラマメに、別鍋で茹でたロベイアを一つにまとめて、そこでなにやら回しかけています。
「ニョクマムって知っているかな」
「あぁ、シェフ、もしやガルムのことを言いたいのでは!」
アジアの代表的な魚醤がニョクマムならば、ヨーロッパのそれはガルムですよね。
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このガルムは、僕の手作りさ。
サバの内臓を細かく刻んで、頭の部分も加えて、塩漬けにするんだ。
発酵すると自然にドロドロに解けて、3層に分かれる。一番上澄みの澄んだ液がガルムなんだ。

その手作りガルムを惜しみなくふりかけ、ハチミツを加えます。
豆料理に魚醤と甘味…十分ありえますよね。
和食だって魚ベースのダシに砂糖入れるじゃないの!

また、そう言ったかと思うと、

アピキウスは、本当に狡猾なヤツだよ。
料理のネーミングが実に巧妙なんだ。
わざと皇帝の名前をつけて、料理を壮大なものに見せている!


なーんて、飛ばしたと思うと

そのアピキウスの『料理帖』の著者は1人じゃなかったんだよ。
4人いたんだって~。


なんて驚きの発言をしたりします。
アピキウス(紀元前80年誕生~紀元40年頃没と推定)はかなり食道楽のグルメ野郎だったみたい。彼の書いた『料理帖』は、後世に何度も手が加えられていき4世紀に編纂されました。

一方、パオロ教授は、butakoが聞きたかったブタに関する質問に、すらすらと返答してくれ、思わず感激してしまいました。
私が求めていたのは、まさにこんな師匠!だったのですよ。

さて、午後早い時間に下ごしらえは完了。
butakoもゆで卵の皮をむいたり、リンゴを切ったりしたのですが、少しは役に立ったかな?
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古代ローマの晩餐A Cena con gli Antichi Romaniということなので、当然、給仕してくれる学生さんたちは、コスプレしていますよ★
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第一の皿:まずは、2種類のソースで、パンを食べます。
◆Tracta(Catone"De agricotura"大カトーの『農業論』からのレシピ)は、カルタ・ムージカというサルデーニャのパンで代用。ほぼ同じ作り方なのだそう。
◆Moretum(Virgilioのレシピ)は、リコッタチーズにニンニクなどを加えたソース。
◆Jecur Ficatum(Apicio"De Re Coquinaria"アピキウス『料理帖』)レバーのパテ。レバーの野性的な香りがガツンときて新鮮。

どちらも美味しかったのですが、それにあわせるワインが良くなかった。。。安物過ぎて風味も味もなかったので。。。

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第二の皿:まるでチャーシュー!パワフルなワンプレートディッシュ
◆Libum月桂樹の葉が押された、黄色いパン。ギュッと実が詰まっていてお腹にたまる!チーズ、卵入りのパンです。("大カトー『農業論』) 
◆Porcellum Traianeo ジューシーな豚肉を茹でてハーブをまぶし、燻製にしました。スライスしてモストコットをかけています。柔らかくスパイシーで少し甘みもある絶品豚料理には、トラヤヌス帝の名が付けられています!!(アピキウス『料理帖』)
◆Fave e Roveja Vitelliane ソラマメとロベイアを煮たものに、ガルム、ハチミツで味付けをしました。もう少しハチミツの甘みが強くても良いのでは。
アンチョビペースト入りの豆料理と味は変わらない。おいしかったですよ。上からふりかけているのは、卵の黄身です。きれいでしょ★ (アピキウス『料理帖』)
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第三の皿:ボリューム満点の豚料理
◆Minuto Maziano 茹でた豚、サルシッチャが細かく刻まれており、リンゴの甘い風味とともに煮込まれています。リンゴの甘みが、風味の強い豚を和らげていました。美味。(アピキウス『料理帖』)

第四の皿 〆のドルチェ
◆Piatto dolce di pere カスタードクリームにシロップ漬けの洋ナシを合わせ、最後に黒コショウをふりかけます。黒コショウは挽きたてのものを使ったほうが、さらに良かったでしょう。
でも味は悪くはありませんでした。

d0033983_7272223.jpg会場と予算の関係で4皿しか構成できなかったですが、ローマ時代の料理は最低でも8皿はあるので、1皿に3種類盛りなどを行い、ローマ時代の宴のスピリットを示したかった…とマリーノ氏。

手作りの調味料、未知の料理法への挑戦…昔のレシピの復元は、既成の料理を作るのとは違った別の楽しみが、強いていえば『ロマン』があるのかもしれません。

大成功をおさめた食事会。この軍資金でもって、Villa San Silvestroの発掘作業がうまくすすみますように。ローマ時代の衣装のまま輪になって、ディスコミュージックを踊る学生たちを見て、いまどきなのに、古代を夢見て一生懸命なギャップに、心が愉しく揺さぶられました。

一方、マリアーノシェフと奥様のジッジョさんは、憂いに満ちた表情で作業に向きあっていました。5年間、15歳の息子を交通事故で亡くしてから、生きる喜びを失ってしまった二人。

でも、息子が進みたかった考古学の道を、こういう形でなぞる事によって、失ったものを少しずつでも埋めよう、息子の心境に近づこうとしているんですね。
生きていたら同じ年であろう学生たちの踊る様子を、どんな心境でみていたのでしょうか。

皆のさまざまな夢や想い、ロマンが交錯したカッシャの夏の夜でした。
                              
                                       butako
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by butako170 | 2011-09-07 07:31 | ウンブリア地元ネタ
AVI公式サイト更新 『本場のアマトリチャーナを求めて』
こんにちは。日本は台風が通り荒れ模様だったみたいですね。
まずは、AVI主催で行われる9月半ばのイヴェントの告知から。
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ロンバルディア州を中心とした北イタリアのワインが200種類もそろいます。
関西方面にお住いの方は、是非!事前に予約が必要です。
詳細はAVIのサイトをご覧下さい。

そのAVI(Amici Vini Italiani)の公式サイトで、記事をアップしました。
リンクするので、ご覧下さいね。
公式サイト>イタリア現地便り>アマトリチャーナの本場で

ローマ名物スパゲッティ・アマトリチャーナの故郷、アマトリーチェのサグラ(祭り)を先週末訪れた時の記事です。本当は、もっと裏の話もあったのだけれど、話がものすご~く長くなりそうだったので、割愛しました。

そのうち、こちらのブログで発表したいと思います。
(その前にローマ時代の夕食会のネタ、書かないとね)

モンテファルコのイヴェントのお知らせ
2011年9月14日-18日
Enologica Montefalcoが開催されます。
18日(日)の15時半からは、コムーネ広場で無料のワインお振る舞いがありますよー。
週末も恒例のデグスタッツィオーネが満載!
butakoはお客様と金曜日行きます。
ローマ、ペルージャ界隈の方は、是非!!

明日から、マルケ州のオッフィダという所のワイン祭りに行ってきます。
Di vino in vinoというAISのイヴェント。
ロッソ・コーネロ・スペリオーレ(DOCG)、オッフィダの白、赤各種(DOC)など、種類豊富です。
カンティーナも2軒巡っちゃう!
久々のロベちゃんとの二人旅なので、楽しみ★(そういえば、いつも1人旅か友人と、もしくは仕事だった)
でも口ケンカしないようにしなくっちゃね。
山道2時間半の運転ゆえ、今宵はもう寝ます~。
                                       butako
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by butako170 | 2011-09-03 06:27 | ワイン