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1762年からの暦Barbanera(バルバネーラ) の庭に潜入!
d0033983_0534636.jpg1762年から出版され続けている生活歴カレンダー『Barbanera』

月の満ち欠けから種まきの時期、運勢や生活するうえでのアドバイスが細かく記された知恵のカレンダーです。このカレンダーは、イタリアのへそ(中心に位置。日本で言うと西脇市みたいなものかしら)フォリーニョで生まれ、出版されてきました。先日、カンナーラでのタマネギ取材の際、うっかり道を間違え、その出版社の敷地内に進入。好奇心からその敷地内にあるお庭を拝見してきました。今日は、そのご報告!


その前に、現在出版されている生活歴『バルバネーラ』って何だ?!

d0033983_0541152.jpgまず、生活暦(せいかつれき:almmanacco)とは、暦によって配当された月日に生活上で必要な情報を書き込んだものをいう。そこに書き込まれるものは、天体の出没や月齢、日食・月食、気候、占い、年中行事など用途により様々である…とウィキペディアにはあります。

西洋の生活歴は、中世にさかのぼります。1088年に出版された頃のものには、星の動きから導きたした月と週が記されました。その後は、様々な分野の時期(たぶん月齢や日食、農業の時期などでしょうか?)の記された暦が出版されるようになったそうです。

現在、Editoriale Campi社より発行されているバルバネーラには、それらの暦やいろんな時期、星占いや生活の知恵などが、盛りだくさんに記されています。
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月ごとに16ページほど割かれていて、まずは月齢が、そして月のレシピや星占い、その月のトピックスと続き、農業の種まき~刈りいれの時期などが、記されています。

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写真やイラストが満載で、カラフルですよね。

さて、この暦について、少しですが知っていた私は、道を間違えた際に見たBarbaneraの看板に、胸ときめきました。そして敷地の中まで行ってみることにしたのです。

d0033983_0555381.jpg門のところには、Barbaneraと出版社Editoriale Campiの名が。好奇心から中に進入します。松林があって、その先には、工事中のお屋敷と美しい庭が!!

なんとこの庭は、今年2011年1月にイギリス人のガーデニングデザイナーにより設計されたもの。それまでは、古い農家のうらぶれた土地で、美しい葡萄棚が残るだけの新地だったそうです。わずか8ヶ月しか経ってないのに、こんなに美しく手入れされ作りこまれています!

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庭の手入れをしているイタリア人の庭師が、イギリス人のデザイナーの設計のもと、彼が庭を作っています。

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庭は区画分けされており、手前にはハーブが、通路はさんで奥側にはバラが、葡萄棚の反対側には家庭菜園のスペースが広がっています。

(写真:古くからあるぶどう棚。そこから釣り下がる札には『すべてのアートは自然の模倣だ-セネカ』とあります)

ハーブのエリアには、バジルやローズマリー、ミント、セージ、マジョラム、オレガノ、ドラゴンチェッロ(エストラゴン)などが、生き生きと生い茂っていました。思わず、それぞれのハーブの葉っぱに触れて、指で潰し、香りをかぐbutako。ハーブ大好きなんです!!
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庭を喜々として眺めていたら、ここの所有者である出版社Campiの社長夫人登場。彼女の話によると、これから建物裏手に円形の庭を造る予定、と言っていました。また来年はバルバネーラが出版されて250年の記念年になるので、それまでに庭と社屋を完成させたいそうです。

秋になったら訪れてもいいですか?と聞くと快く承諾してくれました。
うっかり道を間違えたばかりに、面白い経験ができた夏の終わりのとある平日でした。

                                 butako
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by butako170 | 2011-08-31 20:02 | ウンブリア地元ネタ
お肉が焼けましたよ~! アルゼンチン肉祭り
先々週の日曜日(21日)、スポレート郊外でアルゼンチン祭りが開催されていて、そちらに参加。
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なんでも、ペットセラピーのアソシエーションを立ち上げた友人チンツィアから、「乗馬馬スタジアム」を建設する資金調達のためのフェスタをするから、是非来て★と言われていたのです。

場所はスポレートの隣町Baianoバイアーノ。
一面の広い新地(さらち)には、囲いがしてあり、馬がたくさん!
皆優雅に乗馬しています。

d0033983_2120178.jpgしかし、私たちの目的は、フェスタの方!
まっしぐらにテッセラ(会員証)10ユーロの手続きをして、その後は、長蛇の列の先っぽに加わります。
会場は、すでに大勢の人が、アルゼンチン産の牛肉のタリアータを食べています。
タリアータとは、ステーキを焼いて、それを薄く切ったもの。通常はこれに、ルッコラやパルミジャーノチーズ、バルサミコ酢などがかけられており、野菜も取れるお肉料理なんです。

しかし、ここはアルゼンチン風。
アルゼンチン料理で有名な〇〇ソースがかけられているのですが…。
ソースについては、後ほどのお楽しみ。

ともかく長~い列を辛抱強く待っている間に、さっそく調理現場に潜入!
調理していたのは、本場のアルゼンチン人です。(見た目は、ラテン系のイタリア人と変わりませんね。)列の隣のスペースで、豪快にわき腹の肉の塊(10kg以上ありそう?)が刺されており、直火で豪快に焼かれています。

その手前には、かたまり肉をブロックに切り分けたものが載せられており、じっくりと炭火で焼かれています。

もう、このシーンを見ただけで、気分は盛り上がりますよね。
思わず目に肉マークが点灯しちゃいます。

こうなると、話しかけずにはいられません。
大汗をかいて肉を切るオジサンに、直入に聞いてみます。
「これはアルゼンチンの肉なんですか?」
「そうだよ、アルゼンチンから牛半身を送ってきたモノなんだ。
アルゼンチンの牛はね、放牧されているから赤味がとても多いヘルシーな肉で、噛むほど味わいが出てくるんだよ」

ありがと、オジサン。
もう生唾が止まりません。

赤味が多い、となるとキアーナ牛に似ているのかな。
調べてみるとシャロレー(charolais)という品種。フランス中部のヌーベル地方原産(ローマ人がもたらしたという説もあり)で、イカツイ顔をした白や赤茶色の毛色をしています。有角で大型、元々は役用として発し、次いで役肉兼用とされ、後に肉専用種として改良された。肢の長いものも多い…とウィキには書いてありました。

順番が回ってきたので、タリアータを6切れ、サルシッチャ1切れ分、フライドポテトを入れてもらい、飲み放題のワインをプラスチックのコップに注ぎ、着席します。

d0033983_21212033.jpgしかし、予想を上回る参加者のせいでか、ナイフとフォークのセットがなくなってしまっていた。
…ということで、手づかみで食べることに!!!

しかしなんともそれが良かった。
まるで太古の先祖の記憶をたどるみたいで(どんだけ原始時代やねん!)、ますます肉祭りを自分のなかで盛り上げていく装置となっていたのです。

このお肉、赤身が多くて固いのですが、特別ソース"チミチュリ"がかかっていて、本当にもう、くせになる味わい。ワイン酢の酸味と、パセリやオレガノの風味が見事に溶け合い、お肉がどんどん食べたくなる『危険なソース』です。
アルゼンチン生まれのこのソース、パセリとニンニクのみじん切りを油と酢で和えたものをベースとし、香り付けに、カイエンヌペッパーや、オレガノ、コショウなどの香辛料が加えて作ります。作り方を教えて!ってソースを振りかけているオジサンに聞いたら「秘密」とニッコリ顔で返されちゃいました。

一皿食べ終わる頃には、お腹も程よく膨れていい感じ。
でもちょっと物足りない。。。
当然、わが夫を筆頭とする男子どもは、アンティパストを食べ終わった、くらいの感じで、さらに列に並びなおします。(10ユーロを最初に払うと、何度並んでもOK。まさに肉天国です!)

こうしてbutakoは2人分、ロベちゃんは3人分を平らげ、お代わりフリーの赤ワインもたらふく飲んで、アルゼンチン肉祭りの夜は静かにふけて行きました。
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ちなみに本場アルゼンチンのお肉って、じっくり中まで火を通して焼くそうですね。
冷蔵庫のなかった時代、熟成しすぎたお肉を安全に食べるための現地の知恵だったそう。
このフェスタでは、イタリア人が好きなミディアム・レアの焼き加減でした。

次回は、この日曜日行われたカッシャの『ローマ時代の宴』夕食会の様子。
ペルージャ大学の考古学研究チームが、発掘資金を捻出するためにやってる夕食会です。butako、厨房にまで潜入してきましたよー。

                                butako
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by butako170 | 2011-08-25 07:16 | サグラ・祭り
100%自家発電のアグリツーリズモへ 『大人の遠足』その⑤
そして、別館の大きな棟へと移動します。
ここの1階にフロント兼オフィスがあるのですが、冬の間の暖房は、なんと意外な方法が取られていました!
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部屋の外側には、ブラックボックスが備え付けられており、そのなかには、長く黒い一本の管がグネグネと張り巡らされています。名づけて太陽熱温風システム。管の中で温まった空気は、直接オフィスに送られます。
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ただし、管をオフィスにつなぐだけでは、送風されないので、出口にはモーターをつけ、それでファンを動かし、オフィス内へと温風を送り込むのです。
(写真左:温風を送るモーター 右:オフィス内に引き込まれた赤い管)

d0033983_1759484.jpg「この機械はね、作るのに10ユーロほどしかかからないんだよ。ジュースの空き缶を黒く塗ってつなぎ合わせ、出口に廃パソコンの部品(プロペラ付きモーター)を取り付ければ、完成さ」

手軽にできる温風システム。壁に穴を開けないといけませんし、少々スペースも必要ですが、郊外型の持ち家ならば、問題なさそうです。

他にも、節電の仕組みがたくさんありました。

d0033983_17595334.jpg天井部分を丸く開けて、その側面にアルミを貼り、外の明かりを取り込めば、立派は明かりになります。

夜になると、自然エネルギー由来の電気に切り替わり、人が通る時だけセンサーが感知して点灯するシステム。賢い!

太陽エネルギーで電熱器を発熱し、料理する機械!!!


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アグリの部屋にあるドライアーは、温度設定と風力を変えています。
1000Wかかるところを250Wに設定。その分、髪を乾かす時間が3分から6分へと倍時間がかかってしまいますが、電力は75%もカットできます。
(アグリの部屋は一つひとつデザインも異なっていて、どの部屋もデザインがお洒落です。)

d0033983_1865087.jpg(写真:アグリ内の会議室。勉強会など開かれます。)

サンドロはいいます。
「今、自然エネルギーが叫ばれているけど、石油エネルギー時代に享受していた消費生活を変えないまま、自然エネルギーに移行してもダメなんだ。まず少ないエネルギーで生活する仕組みを確立してから、自然エネルギーに取り組まなくては。効率の良い石油エネルギーを100%自然エネルギーで代替するのは、とうてい無理な話なんだよ」

まず省エネ生活に切り替える。
たしかに、森の空気を送ったり、太陽熱温風システムを家の仕組みに取り入れてしまえば、今までよりも少ないエネルギーで生活することができますよね。
一理あるよなー。

d0033983_186913.jpgでも、上記システムを個人で行うには限界があるし、第一、都会暮らしでは、森もないし、かなり建物の制約も受けるので、難しいのでは、と思いました。でも少ない電力で暮らしていく工夫、というのは、どこに住んでいても取り組めることではないでしょうか。

来て、見て、触れて…

このアグリツーリズモを作った最大の理由は、自家電力で動く家に滞在し、実際に体験してほしかったから。普通の家に住むのと同じ感覚で、快適に過ごしてもらえることが実感できたら、自然エネルギーに対する理解も得られやすい、と思ったから、とサンドロ。


d0033983_1845215.jpgまた消費電力が一目で分かるパネルが、フロントにあるため、実際、使った電力が『可視化』できるのもユニークです。
そういえば、日本の一般家庭でも、エネルギーの可視化パネルを導入してから、節電を心がけるようになった、という話を聞いたことがあったなぁ。

一目瞭然だと、節電もやり甲斐があるというもの。
ゲーム感覚でできるのもいいですよね。

この土地には、井戸がなく、雨水を利用して畑にしていたのですが、1960年代に持ち主が放棄したため荒れ放題だったそうです。
そこを99年に、サンドロとキアラが買い取り、畑やアグリにしていったのだそう。
サンドロはアフリカで観光業を行っていたので、水のない地域で快適に暮らすノウハウもあり、一方、キアラはシチリアで農学者として働いていたので、灌漑や水の少ない農業の知識などが豊富だったのです。そんな二人が目指した快適で自然に優しいアグリツーリズモ。
数時間の滞在でしたが、とても面白かったです。

Etic Italia Centro Sviluppo Energie RinnovabiliVocabolo Inano - Frattuccia Guardea (TR)
tel/fax : +39 0744 945071

また、最近の電力事情について、サンドロが一言…
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by butako170 | 2011-08-24 04:30 | ウンブリア地元ネタ
100%自家発電のアグリツーリズモへ 『大人の遠足』その④
アメリアの郊外にある農場&アグリツーリズモEtic Italia Centro Sviluppo Energie Rinnovabili 通称Perに来ています。

キアラの夫サンドロが、施設内を案内してくれます。
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まず私たちが向かった先は、小さな泉。
「これは、このアグリの象徴的な泉なんだ」とサンドロは言います。
太陽光パネルを動力として、池から吸い上げられた水が滝のように池に落ちていきます。水がたえず流動して酸素が送られるため、池の水は魚が住めるように浄化されます。
またパネルの上を水が通るため、パネルは冷やされて、太陽光エネルギーの効率を高めているのです。(太陽光パネルは、パネル自体が熱くなると熱発生の効率が下がるんですって。知らなかったー)

d0033983_232568.jpgなので、テクノロジーで起した滝が、自然を潤している。
つまり自然とテクノロジーの融合なんだ。
とサンドロ。

見事なツカミですよねー。それでは、自然とテクノロジーが融合した施設を、拝見することにしましょう!

一軒のログハウス。
ここは実際、アグリツーリズモとして使われている部屋です。
そこは一切自家発電でまかなう超エコなログハウスなのでした。

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<冷房> 森から空気を送る
ログハウスの裏手にある森から新鮮な空気を引き入れます。パイプを森林の中に引き入れます。パイプの入り口①にファンを取り付けて、新鮮な空気をパイプが吸収します。パイプの空気は地中を通り、ログハウスのなか②まで送り込まれます。こうしてマイナスイオンに満ちた新鮮な空気が部屋中を満たします。暑い空気は⑤から温室へ排出されます。
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<暖房> 温室+太陽エネルギー
1)温室の床に黒タイルを敷き、熱吸収を高めます。温まった空気③は、壁上部の穴④から、部屋の中に送り込まれます。冷たい空気が足元の穴⑤から温室へ排出されます。こうして温かい空気が部屋を循環します。
それだけじゃ寒い!でしょうね。なので床暖房も入れましょうか。
2)屋根に取り付けられた太陽熱温水器で温められた水が、⑩のタンクに貯められ、床暖房用に流されていきます。
3)それでも寒ければ、暖炉に火を入れるしかありませんね。

<水>雨水をためるシステムを採用
⑪フィルターを取り付けた管を通り、雨水が貯水タンクへ溜まるシステム。
この施設内に井戸はなく、水がまったくないのだそうです。

<電気>
⑧風車と⑨太陽光エネルギーで、電力を生産します。
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別館には、さらにユニークな仕組みが満載!
続きは次回へ                         butako
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by butako170 | 2011-08-23 23:33 | ウンブリア地元ネタ
AVI公式サイトにて食&ワイン話を発信します
d0033983_33513.jpgイタリアワインを愛する人たちで作るネットワークAVIことAmici Vini Italiani Kansaiのサイト上で、『イタリア現地便り』~ワインの国から届けるおいしい話~と題しまして、現地ならではの食&ワインの話をお届けする運びとなりました。

興味のある方は、是非、のぞいてみてくださいね。
不定期に更新中。週1~2回更新したいと思っています。

「イタリア人のデイリーワイン」というタイトルで、地元ならではの豪快なワインの購入の仕方をアップしました。驚異のコストパフォーマンスが実現できるのも、ワイン大国イタリアならですよね~。

                          butako
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by butako170 | 2011-08-23 03:04 | 報告
ファーヴァ・コットラの現場へ 『大人の遠足』その③
d0033983_18173283.jpg世界広しといえども、たった二つの村でしか取れないソラマメがあるといいます。
名はFava cotto’ra(ファーヴァ・コットラ).
ウンブリア州テルニ県のファットゥッチャ村とコッリチェッロ村です。
このソラマメ、通常のものの半分程度しかありません。
ずんぐりと丸っこい形をしていて、表面はでこぼこしています。色はくすんだベージュで、非常に固い質感をもっていて、まるで小石みたい。

旅の後半は、この生産者でプレシディオの責任者でもあるキアラさんを訪ねました。
車はテルニをぬけ、ナルニ・スカラを降りて西の方向へ。どんどん景色が牧歌的になってきました。寒村ファットゥッチャを通り抜け、舗装もしていない砂利道ゾーンへと突入です。農園の看板の順路どおりに、恐る恐る進みます。

すると、でてきました。
風力発電の現代的で小ぶりな風車、太陽光パネル…そうです、ここが自家発電農家とアグリツーリズモを営むキアラさんのご自宅なんです!
100%自家電力で生活し、そのうえアグリまでその電力で経営している、というウンブリアでもかなーりユニークな施設。(施設の説明はのちほど)

d0033983_18184914.jpgさっそくファーヴァ・コットラについて説明をしてもらうことにしました。
ファーヴァ・コットラは、小粒で非常にたんぱく質の含有量が多く栄養価に優れていながらも、その生産プロセスの煩雑さと調理法の面倒くささから、市場にはほとんど出回りませんでした。ファットゥッチャ村とコッリチェッロ村の家庭菜園で、自分たちの食用だけに、ひそかに作られてきました。

11月に種をまき、翌年の7月に刈り入れを行います。収穫の際は、苗ごと刈り取り、さやから実を出さない状態で1週間乾燥させておきます。(ロベイアと似ていますね)
その後、さやから実を取り出し、仕分けを行います。
仕分けは、すべて手作業で、ここが一番大変なところ。ます、①形がきれいで、商品としてパッケージできるもの…写真上 ②形や色が悪いが、味は別状ないもの(パテに加工)…写真下 ③生育過程でうまく育たず、商品にできないもの の3つに分けます。
③ですが、たとえば実が大きくなる課程で、雹(ヒョウ)にやられたりして、水分の吸収が美味く行かずに小さい豆ができてしまいます。そういうものは、パテにもできません。吸水をまったくしないため、どんなに煮ても固いままだからです。

そしてこのマメ、消費者の手も煩わせます。
皮が非常に固いため、下茹でしなければなりません。まず、他のマメ同様に、24時間水に漬けて吸水させます。それから一度水から火にかけ、沸点に達したら火を止めて、さらに半日置いておきます。それから、普通のマメ同様に、味付けをして2~3時間ほどコトコトと煮込みます。
なので、マメを食べるまで1日半を要する(!)わけです。
特別な技術はいらないのですが、いかんせん時間が必要です。

かつては、村人が、メルカートでファーヴァ・コットラを売ったはいいが、きちんと調理の説明をしなかったばかりに不評をかったことがあったそうです。このソラマメは、ただでさえ面倒くさい豆料理の下ごしらえを、いっそう面倒くさくしているという、忙しい現代人が敬遠するプロダクトなのでした。

キアラは、続けます。
でもね、これまで少量のソラマメを作っていた村人も、今では高齢化してきたのよ。
この村人の多くは大都市テルニの製鉄所で働いていて、定年退職後、自家菜園で小規模に野菜を作っているのね。だから、彼らが絶えてしまうと、このソラマメも作り手がなくなってしまうのよ。(2村で400人の住人のうち、専業農家は5軒だけ。あとの人たちは定年組みだそうです)
またこんなに美味しいソラマメを他の人たちにも、もっとPRしたい、と思いたったのが2007年。
だからプレシディオ品として登録してもらえれば、後継者不足とPRの二つが叶えられる、と思い、まず、この豆を研究しているアンジェリカ女史に連絡して、スローフード・テルニに掛け合ってみたんです。
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アンジェリカ女史は、ソラマメとファーヴァ・コットラの違いを科学的に検証し、論文にまとめたペルージャ大学の研究員です。彼女と結託してスローフード・テルニに話をしたところ、スローフード・ウンブリアを通して協会にアプローチすることができました。協会からは、資料一式を送るように、という依頼があり、そらからしばらくして、プレシディオ認定のための農学者が協会からやってきて、畑を見たり、調理法や味見をして帰っていきました。そして翌年2008年にスローフードのプレシディオ品として認可されました。

キアラさんは、「でも実は、一番苦労したのは、認定されてからなの」と言います。
認定後、二つの村の農家とリタイアした老人宅を一軒一軒回って、ファーヴァ・コットラを売るために、今年から少し多めに栽培してくれないか、とお願いして回ったそうです。

こうして準備を整え、実に2010年から、120kgもの出荷用のソラマメを作ることができたのです。そのソラマメを持って、各年トリノで開催されるサローネ・デル・グストへ村人たちと連れだって参加しました。商品をサローネの市場に出した結果、成功をおさめました。多くの人が味見をし、商品の売れ行きも上々だったとか。

「こうやって若い子が食の現場で、成功体験をしてくれることが、農業を始める何よりの動機付けになるのよ」。若年層の無職が問題になるのは日本もイタリアも同じこと。なんとかファーヴァ・コットラで、町おこしできないかと、キアラさんたちは、もくろんでいます。

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さて、気になる商品です。売り出しているのは、火を通していない豆、下茹でしたもの、そして茹でて裏ごししたピュレーの3商品あります。ピュレーは、ブルスケッタやパスタに絡ませても美味ですよ、との勧めから、ピュレーを購入しました。
d0033983_18221776.jpg味は、普通のソラマメの風味を強くした感じで、でんぷん質が結構しっかりしていて、ネットリした質感です。
たんぱく質の含有量が普通のソラマメよりも優れているらしいですよ。
少量のオリーブオイルで伸ばして、ブルスケッタにすると美味♪

最後に、なぜこの2村でしか採れないソラマメなのか、聞いてみました。
秘密は『土質』だそうです。ファーヴァ・コットラに適しているのは、この界隈の石灰質が極めて少ない土壌です。石灰質があると、豆は巨大化し、調理しても、煮えないのだそうです。ためしにテルニやスポレートに持っていっても、食べられる豆に育たなかった…とキアラさんは言っていました。

2歳の坊やのママであるキアラさん。
このプロジェクトのために、村人たちとの調和をはかりながら、精力的に活動しています。
女性は種を産み育てるもの…と言ったシルヴァーナの言葉が、ここでも深く胸に刻み付けられました。

さて、次回は、自家発電アグリの全貌をキアラの旦那さんのサンドロに語ってもらった様子をレポートします。エネルギー問題を抱える日本にも、良いサジェスチョンになるかもしれませんよ!

butako
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by butako170 | 2011-08-20 18:26 | プレシディオ・食材
ロヴェイアの現場へ 『大人の遠足』その②
d0033983_1773421.jpgさて、いよいよ待ちに待ったランチの時間です。
まずは、先ほどまで学習していたロヴェイアを頂きます。

小さなお豆はよく煮込まれてほっこり、優しいでんぷん質の甘みが。
でも野生ですから、そのでんぷんを守る皮の部分が分厚く、楽しい食感をうみ出しています。そして噛んでいくうちに、その皮の部分が残るのですが、それは食物繊維が豊富な証拠。
大地の香りがします。

1晩水に浸し、圧力鍋で調理したロヴェイアは、ニンニクとタカの爪、トマトソースで軽く煮込まれています。

「おいしい!」参加者たちは、口々にロベイアのスープに、歓喜の声をあげていました。
本当、素朴で、滋養深く、お腹が落ち着く一皿ですね。

d0033983_1783451.jpgそして、お次は、シルヴァーナ宅へ来たら、いつも振舞ってくれるあの黄金のウフフ。。。分かりますか?
そう、サフランのリゾットです。

サフラン作りを、この谷で先駆けて行い、町おこしの原動力となったのが、何を隠そう、このシルヴァーナなのです。サフラン栽培の様子

その自慢のサフランをふんだんに使ったリゾットは、もう頬っぺたも落ちるくらい。
「1人、花弁3本がリゾットの分量の目安よ」
そのサフランの花弁を少量の水に入れ、1時間以上置いておきます。
そうしてよく色を水に溶けさせるのです。

それを、出来上がり直前のリゾットに投入します。
するとサッと目の覚めるような黄金色に変わるのです。

d0033983_179462.jpg本物のサフランを使ったリゾットは、香りも格別。
なんだか茸のような、ステンレス鍋のゴムが少し焦げたような独特な芳香がするんです。
(香りを知らない人のために、分かりやすく表現してみました)

リゾット用のコメは、有機で育てたCarnaroli種を。
そしてパルミジャーノは、エミリア州当地でも珍重される赤牛のお乳で作ったもの。
健全で希少食材が使われた、こだわりのリゾットです。

d0033983_1711250.jpgさらにメインディッシュへと続きます。
自家製キアーナ牛のポルペッティーネ!

実は10頭足らずのキアーナ牛も飼っているシルヴァーナ。
その自家製の牛肉で作ったポルペッティーネ(肉団子)です。

「みんなと一緒に今日を過ごしたかったから、作り置きできるポルペッティーネを今朝早く準備しておいたのよ」とシルヴァーナ。

柔らかい肉質は、お見事!
冷めても美味しいように、コショウたっぷりで濃い目に味付けしています。
その味が、なんと、お肉屋さんの上質なメンチカツの味付けにそっくりでした。
(すみません、月並みな表現で)

食べ出したら止まらず、4つも食べちゃいました★

その後、カフェを頂き、お腹も心もすっかり満たされた私たち。
シルヴァーナとの別れを惜しみつつ、次の目的地へ向かいます。

d0033983_17113160.jpgえ?次の遠足の場所は?
テルニ県のアメリアの近くにある農家で、ちょっと変わったソラマメを作っているというので、そこへ向かいます。
アグリツーリズモも営んでいるそうで、100%自家発電で運営しているそうですよ!
へぇ、エネルギー問題が切実な、現在の日本(世界も)にとっても、ヒントが隠されているかもしれませぬ。

ではでは、次回をお楽しみに。

                             butako
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by butako170 | 2011-08-19 00:00 | プレシディオ・食材
ロヴェイアの現場へ 『大人の遠足』その①
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先週金曜日、4人のお客さまとともに『スローフード現場視察』をじっくりと1日かけて行いました。

スローフード協会が定めたプレシディオ品に興味があった依頼主のYさんとそのお友だち。
話し合った結果、チヴィタ・ディ・カッシャのロヴェイアRovrja(野生のグリンピース)と、アメリア地区のFava cottòra ファーヴァ・コットラ(ソラマメの一種)の現場を見に行くことにしました。

ロヴェイア生産者は、お馴染みbutakoの親友のシルヴァーナです。

d0033983_2411817.jpgロヴェイアは、ここヴァルネリーナの谷では、重要なタンパク源として古くから作られてきた豆です。1545年Montesanto(Sellano界隈の村)の公文書(Statuto di Montesanto)には、チェーチ(ヒヨコマメ)やファッロ(スペルト小麦)、オルツォ(丸麦)に混じってロヴェイアの名もあり、穀物の作付けに関する取り決めが記されています。

また、ローマ時代にPisello(グリンピース)といえば、この品種を指しており、その歴史はとても古いのです。

しかし近年、収穫に手間がかかるため、すっかり作られなくなってしまったのです。
ロヴェイアの作り方&収穫の様子はこちらから。

そのロヴェイア作りを谷で復活させたシルヴァーナ。
きっかけは納屋で見つけた瓶詰めの豆でした。
種まき用に蒔くつもりだったものが10年以上忘れ去られて、残っていました。

d0033983_2415496.jpgシルヴァーナは母親に、「これ、何の種?」と聞いたところ、
「ああー!それね。それは腰が痛くなる豆だよ。そんなもの、蒔かなくてもよろしい」と言われたそうです。

中腰になって、乾燥したサヤから豆を出さないといけないので、皮肉って言ったのよ、とシルヴァーナ。「でもね、種を産み育てる女の性分から、発芽させずに放置していた種を、そのままにしておくわけにはいかなかったのよ。」

とニッコリ。
その言い方がまた、大きな母性を持った彼女らしい。

それからロヴェイアの文献を探し、ペルージャ大学の農学部に問い合わせたりしながら、数年間、調べに調べたのでした。

そしてついに、種は蒔かれ、ロヴェイア作りがはじまりました。

スローフード協会の『プレシディオ』を申請するにあたって、シルヴァーナがこだわっていたことがありました。
それは、商品にチヴィタの名を入れること。
スローフード協会としては、会員数を増やすためにも、『ヴァルネリーナ』と谷全体の名前をつけたかったそうです。
しかしチヴィタの20戸の住人たちのため、村おこしのために、なんとしてでもロヴェイア・ディ・チヴィタ・ディ・カッシャという名称にこだわったのです。

d0033983_2422073.jpgプレシディオ品とは、滅び行く食べ物を守り、販売促進を図る…というのを目的にしています。そういう意味では、ロヴェイアは一度滅んでしまった食べ物なので、復活させるまでの努力は並大抵のものではありません。

シルヴァーナに、プレシディオ認定のメリットを聞いてみました。
①協会を通してのプロモーションは効果絶大で売り上げが伸びる
②2年に1度トリノ市で行われる食の祭典『サローネ・デル・グスト』に出展し販売する
③テッラ・マードレ(生産者、学術研究者、学生、コックのシンポジウム)の参加

(写真は、サフランの手作りクッキー。サフランの香りと優しい小麦粉がサクサク)

特に②③は、すごいメリットだと言います。
②③は二人まで無料で参加でき、ブース代も無料で、宿泊代も協会が持ってくれます。
③のシンポジウムでは、同じ生産者同士、意見を交換し合ったり、励ましあったりでき、普段、スポットライトの当たらない農民たちが、まさに主役になれる場である、と言います。

「農民の誇りを取り戻し、皆で結束できる」と、自分たちが主役になれたことの素晴らしさを、目を輝かせながら話し聞かせてくれました。

農民や漁師というのは、最終消費者の反応を見ることができないので、得てして自分たちの仕事を過小評価しがちではないでしょうか?

作り手が、もっと賞賛されることで、モチベーションが上がり、後継者が増え、食も安全になっていくと思いました。

さてさて、次はお待ちかねのランチタイムの様子です!

butako
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by butako170 | 2011-08-15 18:25 | プレシディオ・食材
ソムリエの第一歩 昨日のイヴェント
d0033983_7144733.jpg昨晩、ワインのプレゼンテーションが無事終わりました。

イタリア全土でやっている8月10日のCalici di Stelle。
星を見ながらワインを傾ける…という趣向で、ペルセウス座流星群にあわせたロマンチックなイヴェントです。

各街では、ワインにちなんだイヴェントが行われていて、お隣のワイン処モンテファルコは、全カンティーナがサグランティーノを持ち寄り、品評会が行われました。

一方、わが町、スポレートは、ProLocoという地元のアソシエーションが、毎年、トレッキングとビュフッェの夕べを行っています。
トレッキングは、スポレート市内の知られざる史跡を巡るのですが、今年はエディーコラ(建物の片隅にマリア像や聖画などを飾っている小さなニッチ)と泉という二つのテーマで、それぞれ50人からなる参加者を伴い、散策していました。毎年このトレッキングは大好評。

そしてビュッフェでは、今年は特別な試みを行いました。もうすぐDOCに昇格するトレビアーノという地場の白ワインを、大々的に盛りたてよう!という企画です。

Cantina Novelliがスポンサーを引き受けてくれ、赤・白・スプマンテの3種類を参加者に振舞います。特にトレビアーノ・スポレティーノで丁寧に作られたスプマンテは、ソムリエによる説明がなされます。
で、このソムリエ…ちゅうのが、ワタクシでありました。

この日のために、Novelliに訪問し、醸造家から話を聞き、テイスティングさせてもらったのですから、当然、抜かりがあっては困ります。
ワインの説明が書かれたカードを事前にもらっていたので、そこに書かれている言い回しを覚えて、万事整えて臨みます。

でも、あれ?
想定外の出来事が発生。

100人分のスプマンテをグラスに注いでいる間、私がワインの説明を行い、それが済んだ時点でグラスを取ってもらうつもりが…皆さん待ちきれなかったのでしょうか。

グラスに注がれるや否や、片っ端からグラスを取っていき、『乾杯』も行わずに飲み始めています。

2時間もトレッキングしたのですから、お腹はぺこぺこ、のどはカラカラ。
ましてや本能に従って生きるイタリア人ですから、コチラの制止などお構いなしに、食事や飲み物などを食べ初めてしまっています。

責任者の顔を見るbutako。
どうすんのよ、説明は…。

しょうがないじゃないか、こんな状況だから。

たしかに、しょうがないよなぁ。

そこでイタリア人の気持ちになって考えてみた。
ここは、一つお腹が膨れて満ち足りるまで食べて頂こう。
そして一息ついたときに、説明をはじめよう。

会場には、プロローコが呼んだバンドのメンバーがポップスを奏でています。

しばらく、ビュッフェの修羅場にて、私はワインをサービスするのに必死になっていました。
会場は涼風が吹いていたので、意外と赤ワインもよくリクエストされました。
年配のご婦人方は、トレビアーノとミネラルウォーターのハーフ&ハーフを頼まれます。サッパリして、ご飯の邪魔をしない点では、焼酎の水割りに似ているかな。

そうして一息ついてから、プレゼンテーションを開始しました。
AISの正装で、声も若干よそいきで高め(単にうわずっていただけ!?)。

覚えたことが、全部ぶっ飛んで。。。結局、トレビアーノ・スポレティーノについての簡単な説明と、メトド・クラッシコとメトド・マルティノッティの違い(メトド・クラッシコはいわゆるシャンパンの製法で、二次発酵を瓶内で行います)、そしてNovelliのスプマンテの評価を…なんやかんやと、10分くらいしゃべっていました。

意外と大きな拍手が聞こえました。恐縮しながら壇上を降りて、バーカウンターでサービスを続けていると、多くの人が一言声をかけてくれました。
「プレゼン、よかったよ」
「どれ、紹介していたスプマンテを頂こうか」
「ワインは僕も大好きで、情熱があるんだ」
「すごいね、ソムリエなんだ」
「スポレートに住んでいるの?」

充実感が体に満ちていくのを感じました。
かならずしも満足した説明ではなかったけれど、地元の人々をはじめとする参加者に受け入れてもらえたことに、心から感激しました。

プロローコのスタッフの皆も、良かった、成功したねと言ってくれました。
とりあえず、ソムリエとしての初めてのお勤めは、終了です。
これからは、ぼちぼちと経験をつんでいき、どんどん成長していけたら、と思いました。

飲んでなんぼ、のソムリエですから、これからもまい進します!(って結局飲む口実なのかしら)

                   butako
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by butako170 | 2011-08-12 07:09 | 報告
Spelloのアグリツーリズモ Le due Torri
d0033983_36759.jpg昨日、スペッロ郊外にあるアグリツーリズモLe due Torriに、行ってきました。ビオダイナミック農法を導入しているここの農園では、ハイシーズンに限り、毎週、農園公開をしているのです。

Le due Torre(二つの塔)の1つ目の塔をまずは見学。アグリツーリズモの敷地内にある900年前に建設された塔の中に入り、ご主人のファビオさんから、塔の歴史やスペッロの街の成り立ちなどをうかがいます。

d0033983_363043.jpgその後、車に分乗して、蜂の巣箱を見に行きました。
巣箱をぐるりと取り囲むトウモロコシ畑(他の人の持ちもの)が、実はクセモノで、4年前、散布した除虫液が、ハチの方向感覚を狂わせて、死滅させて以来、その薬を使うのを見合わせています。
今後、どの薬を使えばよいのか、農家も模索しているそうです。

そして一同は、キアーナ牛の飼育所と同じ敷地内にある肥料を作る場所、隣接するブドウ畑へ。

d0033983_371082.jpgキアーナ牛は100頭以上飼っており、この農園の看板商品の一つです。ビオディナミックなので、牛には当然、有機飼料が与えられています。数年前まで、有機で遺伝子組み換えしていない大豆を飼料として使っていましたが、現在、高価で手に入りにくくなったため、大豆のかわりにソラマメを与えています。

牛糞を分解し肥料にするのですが、バクテリアの力で、まったく臭いのない土へと分解されていることに、驚きました。土はサラサラ。一緒に見学していた子供たちは、はじめは「ウンコ、ウンコ」とはやしたてていましたが、無臭になり、形状が変わってしまった牛糞にビックリ!感動していましたよ。
d0033983_374977.jpg
バイオダイナミック農法を1994年から実践しているので、家畜と畑の良いサイクルが構築されています。つまり、1つの農場で肥料作り(土作り)から、農産物の収穫まですべてまかなっているのです。
肥料のなかで、興味深かったのは、『牛角入り牛糞たい肥』。バイオダイナミック農法によれば、たい肥のなかでも効きが格別なんだそう。牛の角に分解前の牛糞を入れ、土に埋めて、分解させて作ります。

•根の形成に助け、土の活動を高める。
•細菌、微生物、地中の無視などの繁殖を助ける。
•肥沃さを増し、繁殖を増す。
•冬の力を運び、新鮮にし、露の沈殿を増す。
•樹液の循環を刺激する。
•その働きは土中の鉱物層を溶かし土中に鉱物質を浸透させる

…などの効能あり。ちょっとアミニズモ(土着信仰)のアイデアが入っているような不思議な感じがします。牛の角に何かが宿っている?面白い考えだなぁ。

d0033983_395916.jpg

ちなみに、牛角牛糞たい肥は、1kgあたり70ユーロします。でも、少しの使用で効き目があるそうですよ。だたし、狂牛病が発生してからは、むやみに牛角を使うことができなくなりました。ファビオさんは、「自社の牛を使いたいのは山々ですが、禁止されているので、牛角を専門に扱う会社から買っています。イタリアでは3社しかありませんが」と言っていました。

d0033983_3104012.jpg

牛舎を後にし、オリーブ畑に向かいます。スペッロから車を10分ほど走らせたところに、オリーブ畑はありました。ウンブラの谷のちょうど中間地点。ここからフォリーニョやモンテファルコの街が望めます。
オリーブ畑の一角に黒トリュフ栽培園がありました。あらかじめトリュフ菌を植え付けてある樫の苗木を敷地内に植え、成長させます。10年ほどたてば、トリュフがなる『金の木』が完成。あとはトリュフ犬に探させます。

d0033983_4245092.jpg
そして、オリーブ林の中にある2件目のアグリツーリズモへ移動。ここには2つめの塔があります。ただ残念なことに、このアグリは修復中のため、使用していないそうです。
(写真:塔の脇から眺めるウンブラの谷)
以上が、本日見学してきたツアーの様子でした。

ここからは、Le due Torreのオーナーのファビオさんと話した内容を書きましょう。
ファビオさんは、1990年に農業とアグリツーリズモを始め、1992年に有機農法を使った商品を売り出しました。1994年には、バイオダイナミック農法に全面的に切り替え、承認機関デメテルにて承認を受けています。*イタリアの有機およびにバイオダイナミック農法は、それぞれ民間の承認機関によって、審査承認されます。

Bio Aguri Umbria の有機食品移動販売システム:この組織は、ファビオ氏が中心となり、2004年に発足しました。Bio Aguri自体は、イタリアの組織です。2001年にピエモンテ支部が発足し、次にウンブリア支部ができました。
2006年9月より、ペルージャとフォリーニョの2箇所に限って、移動販売を開始しました。共同購入のやり方と同じで、それぞれにリーダーを1人たて、メンバーは自分の欲しい物をリストにして、リーダーに伝えます。2週間ごとにそのリストに従って、決められた日(金曜日だった気がします)に、Le due Torre のトラックが、所定の場所に商品を持ってきます。Le due torreの商品は、豆類、オリーブオイル、牛肉などですが、リストには他の商品もあります。顧客は様々な食料リストのなかから、入用のものを買うことができます。

アグリツーリズモLe due Torri 5 Spoghe=5つ麦:という格付け ホテルの星みたいですが、これは、ウンブリア州で独自にアグリツーリズモの格付けを規定したものです。
玉石混交のアグリツーリズモですが、利用者が分かるように麦の穂の数で、レベルを示しています。ただ、州内でもこの規格を採用しているアグリは多いのか、今後の調査が必要ですね。

ちょっと駆け足でしたが、昨日の訪問メモからおこした記事をご紹介しました~★

                             butako
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by butako170 | 2011-08-10 02:41 | ウンブリア地元ネタ