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谷のオルガン師オスカルと 悠久の音巡り
ついにページが完成しました。

『ウンブリアの食卓から』
ウンブリア州を代表するオルガン奏者オスカルと共に1日たっぷりとアンティーク・パイプ・オルガンに浸るこのツアー。彼の演奏を聴いていて思わず落涙してしまったくらいすごい迫力と感動もの。
楽譜持って行ったら弾いてくれるかもよ♪

またアナウンスはのちほど致します!
もう、今日は寝よう。

butako
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by butako170 | 2011-01-29 09:00 | ツアーのお知らせ
谷のパイプオルガン
ヴァルネリーナの谷のアンティーク・パイプオルガン。
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天使も耳を澄ませたくなるような、軽やかで時に重厚で、雅な音色を奏でます。
昨日、オルガン奏者のオスカルと一緒に、そんなオルガンたちに会いに、谷を巡りました。

まず、ノルチャとカッシャの間にあるアヴェンディタ(AVENNDITA)村のサン・プロコロ教会にあるオルガン。
村の管理人のイヴァーナさんが約束の時間に鍵を持って来てくれました。
誰もいない教会に足を踏み入れます。
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パイプオルガンのある場所って、ご存知ですか?
教会内でも入り口を入ってすぐの上部にたいていはあります。
そこが一番音が均一に教会内に響くから・・・だそうです。

まぁ、小さい。
村の小さな教会にあるオルガン。当然ミニサイズ。
でも1500年代に作られたとあって、その歴史は半端ではありません。

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まずは仕組みを説明してくれるオスカル。

「パイプオルガンはね、空気を管の中に通すことによって音を出すんだ。
つまり笛と変わらない。ここを見てご覧。
モーターで空気を送っているんだ。現代はこの仕組みでオルガンの音を鳴らしている。
一方、かつてはというと」、

側面の板をはがして、パイプの下の部分を見せながら
「ここから人力で演奏中、ずっと空気を送っていたんだ」。

パイプオルガンの音階は、パイプの長さによって変わります。
低い音ほどパイプは長くなります。

このパイプオルガンの一番低いドの音は、8piedi(オット・ピエディ)。つまり8フィートなのでだいたい2m半かな。

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ドイツのように、高いカテドラルにびっしりとパイプがならんだオルガンと比べたら、サイズは小さいです。
なので当然鍵盤の数も少ない。

「イタリアのパイプオルガンは、えてして小さいものが多いんだ。だからといって、重要度が低いわけではないんだよ」

このパイプオルガンには、よろい戸があって、使わない時は閉めておきます。
その扉がとても美しい。

開けると内側には、ルネッサンス様式で描かれた天使たち。
淡い色使いで、陽気な感じ。

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閉めると、受胎告知を受けるマリアと天使ガヴリエルの姿が、扉いっぱいに描かれています。

楽器ですが、美術品でもありますね。

おもむろに引き始めるオスカル。
バッハの田園曲(Pastorale)が流れた途端、周りの空気が変わりました。
寒かったシンと冷えた氷のような空気が緩んで、牧草を食む羊や春の日差しが。
音色がかわいくアルトリコーダーのような素直な音。
You Tubeで見つけたPastorale。                                             butako
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by butako170 | 2011-01-22 04:58 | ウンブリア地元ネタ
イタリアのサラミ アレコレ
イタリアを代表するサルーミとはなんでしょう?
こんな質問にあなたなら何て答えますか。
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まずサルーミとは、肉加工品全般を指します。
大まかに分けると、
①プロシュットなど塩漬けして乾燥させるハム類
プロシュット、ブレザオラ(牛肉の、スペック(塩漬け豚肉を燻製させたもの)、パンチェッタ、グアンチャーレ、カポコッロ(コッパ、ロンザとも言う)、ラルド(ラード)・・・などでしょうか。


②肉を攪拌してサッカートに詰めるサラミ類
サラミ各種、チャウスコロ(豚脂入りのソフト生サラミ)、コッパ(中部地方の豚のホホ肉や軟骨をゼラチン質で固めたもの)、コテキーノなどですかねぇ。サングイナッチョ(豚血のサラミ)も忘れてはなりませぬぞ


なぜ、突然にこんな事を言い出したかというと、新しいお仕事で、肉加工品の産地を周遊することになったから。美味しいサルーミを求めて、中北部イタリアを回ります。

行程は、今は秘密ですが、
イタリアの二大ハムと言われているパルマとサン・ダニエーレは必ず行きます。
そして生ハムの王と言われているクラテッロを産み出すジベッロ村にも、ネ。
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今年、イタリアの豚のことをまとめようと思っていたので、butakoとしても、イタリア滞在丸5年の総集編のような旅になる気がしてなりません。

太古から肉の保存のために塩漬けにしていた、食の営みが、どんどん発展して、風土にあった保存技術が開発されていきました。塩漬けにするだけでなく、吊るして熟成させていく。ウマミが倍増し、風味が増していきます。断面から立つ切りたての際の芳香が、その証です。

村の数だけサルーミがある、そう言っても過言でないサルーミ大国イタリアの、ユニークな断面が垣間見れるような旅にしてあげたい、そう思って、パソコンや電話に向かい、資料とにらめっこのここ数日です。

                                               butako
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by butako170 | 2011-01-20 06:24 | プレシディオ・食材
カネデルリ(クヌーデル)
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昨日から、カネデルリの仕込みをしていたら、やけにロベちゃんの機嫌がいいの。
散歩の途中、友人に会うと、「明日はカネデルリなんだ」と言い回っていたよう。
おらが村のスポレート人は、「へぇ!」みたいな反応だったのですが、ドイツ留学の経験のあるバルバラなどは、「あれは、重いから嫌いよ」と。

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私達夫婦の無二の親友フランチェスコは、チロル地方にスキーで毎年行っていたらしく、「まぁ、具にもよるけど美味しいよ」との意見。
そのフランチェスコも交えて、本日はわいわいとカネデルリランチです。

このカネデルリ、なんでもトレンティーノ州のサイトによると、こんな伝説があります。
ランツクネヒト(ドイツの傭兵)が、チロルを通りかかった際に、貧しい農家に押し入った。
農夫の妻と娘たちしか家におらず、彼女らに向かって、「直ちに食べるものを用意しないと、家に火を放つぞ」と脅したそう。
そこで妻と娘たちは、古いパンとスペック、チーズで団子を作り、沸騰した塩水にこの団子入れて即興で一品を作った。
カネデルリは思いのほか美味しく、兵士達は満足し、家は焼き討ちから免れたそう。

しかしランツクネヒトが編制されたのは1490年代なので、もうルネッサンス。。。
それ以前にカネデルリは存在していたので、ちょっと時代が合ってない、よね。

さてさて、実は今回カネデルリが『中世の食事会』で取り上げられたのは、取材旅行で訪れたチロル地方のCastello d'appianoの古い教会の壁画に、団子を食べる下女が描かれていたからです。
イエスが誕生した華々しいシーンなのに、下女は一心不乱に団子を食べてます。
そんなつまみ食いの様子がかわいらしく、是非、カネデルリは、メニューにいれなきゃね、といった流れだったのです。

カネデルリ=クヌーデルはドイツ語で団子という意味なので、団子に丸めた肉などもこの範疇です。
だから肉団子バージョンやジャガイモを使ったニョッキバージョン、中にアンズなどを入れたドルチェバージョンもありなわけ。

d0033983_18103049.jpgそれでは、気になるカネデルリの作り方です。
材料【4人分】
乾燥したパン140g、残り物のチーズ40g、タマネギ中(半分)、バター大1、牛乳70cc、スペック30g、卵2つ、小麦粉60g程度、パセリ大2、ナツメグ少々、塩、コショウ、ブロード1.5L、パルミジャーノ少々

①パンを1cm各に切り、牛乳をしみこませ、20分ほど置いておく。(まだパサパサならば牛乳を足す)
②タマネギはみじん切りにして、バターで炒めて冷ます。
③①にタマネギ、刻んだスペック、パセリ、卵、塩、コショウをして、チーズを加えて、形成して、小麦粉をはたく。熱いブロードで15分ほど茹でる。
④皿に盛り、ブロードをかけてパルミジャーノをふって食べる。

パン粉や日本の食パンで美味しくできましたよ~。
                                                butako
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by butako170 | 2011-01-16 17:54 | イタリアの中世
姑の気遣い
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スポレートに着いて、何はともあれマンマ(義母)宅へと挨拶に行ってきました。
その後、友人HIROMIさんが、タイミングよく自宅に戻ってきていると知り、彼女の自宅のあるバイアーノにも訪問。
土産話に花を咲かせながら、愛犬モモちゃんの散歩に付き合います。

バイアーノ村ののどかな風景。
澄んだ空気と何にも替えがたい静寂。

やっぱりこの地に戻ってきたんだ。
日本の生活もいいけど、ウンブリアの自然や田舎の風景には、心の底から癒されます。

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実はね・・・HIROMIさんがポツリと漏らしました。
現在は、義理の両親のいるヴィテルボに生活の拠点を移している彼女ですが、少し困ったことがある、というのです。
「ドゥオーモのNew Yearコンサートに義母の薦めで行って来たの。でも楽団の質がすごく悪くて、もう聴くに耐えられなかったのよね。ピアニストが素晴らしかっただけに、すごく残念だったわ」

ピアニストである彼女のことを思い、義母がことあるごとに、コンサートに誘ってくれるのですが、街の楽団のレベルが低く、毎回、お金を払っては、針のムシロに座るごとく、じっとコンサートが終わるのを耐えているといいます。
(街のお抱えの楽団なので、市内のコンサートはいつも同じ奏者だそう)

「今さら楽団が下手なので、コンサートには行きたくありません、とも言えないしねぇ。」

親切心で勧めてくれる彼女の手前、言いづらいのです。

分かるなぁ。
そういえば、butakoのマンマも、私の誕生日やクリスマスプレゼントに、ちょっとコレは~!!と思うような代物をプレゼントしてくれたりします。

今回のクリスマスプレゼントは、塩を保管する陶製の器。(Sale fineとSale grossoの2つ)
こんなもの誰が使うんだろう・・・という少女趣味的な絵柄と、使い勝手の悪い大きさ。
プレゼントしてくれるのは、有り難いのですが、使うに使えない。

意にそぐわないプレゼントを貰い続ける対処法、どなたかご存知ですか?

ちなみに日本同様イタリアも嫁と姑は折り合いが悪い・・・といいます。
"Suocera e nuora,tempesta e gragnuola"
姑と嫁は、嵐と雹

ちなみに我が家は、うまくいっていますが。
お互い言いたいことを言うのが、成功の秘訣かしらネ。
でも、彼女の困ったプレゼントについては、言い出せないbutakoなのでした。

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'cuscino di suocera'(姑のざぶとん) という名のサボテン
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by butako170 | 2011-01-15 18:50
北イタリア中世の宴 を終えて
1月8日(土)17時から、隅田川の見えるギャラリーカワウソで、『北イタリア中世の宴』が開催されました。
企画は、中世美術専門の金沢百枝先生。

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中世好きの方~大学の先生方、歴史家、出版関係者などが集いました。
事前にメニューは知らされていたものの、どんな味だろうと皆さんワクワクされていた模様。
ここで、簡単にメニューの紹介をしますと。。。

*アンティパスト
・中世居酒屋風イワシのスカペーチェ(オニオンのせマリネ)
・オレンジのマリネ(オリーブ油であえた)
・スペックのスライス
・ウナギのパイ


ウナギのパイが感動モノ!
バターと小麦粉で練ったパイ生地に、ペースト(干しイチジク、レーズン、シナモン、ショウガパウダー、サフラン、アーモンドミルク)を敷き、ほうれん草を載せ、ウナギを敷いてパイ生地を被せて焼き上げます。
ペーストには、バラ水も入れています。また焼いている途中にもバラ水とレモン水を振り掛けます。
ウナギの臭みを消すためでしょうか。


ペーストの甘みとウナギのこってりが、見事に融和して、すごく美味しかったです。
パイ生地も綺麗にパリッと焼きあがったし、これは絶品でした。

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>>>アンティパストを食べつつ、ここで池上俊一先生のレクチャーが行われました。

『中世料理の特徴』として4つの点をあげつつ説明して下さいました。なるほど、舌だけでなく、頭でも理解しながらの中世料理。最高のシチュエーションです。



スープ*下仁田ネギのポタージュ*
アーモンドミルクとシナモン、カルダモンなどのスパイスが、どこかオリエンタルな雰囲気でした。

>>百枝先生が、今回のレシピ本の挿絵をプロジェクターで投影しながら、説明をしてくれました。当時の風俗、風習、調理法などが克明に分かり、参加者を中世に誘いました。
◆中世での食卓は、ナイフやフォークが人数分なく、隣の人と共有していたんですって。
◆身分の高い人は、そうでない人の4倍食べる必要があったんですって。偉いとたくさん食べられるなんて、食べ物が豊富になかった時代らしいですよね。
◆かつては今のようにガスコンロがなかったので、火から遠ざけたり近づけたりすることで、火加減を調節していました。火加減には、細心の注意が払われ、担当者が付きっ切りだったようです。

プリモ*カネデルリ*
チロル地方で今も食べられているパンで作ったお団子です。団子の中には、刻んだスペックとパルミジャーノ、パセリが入っています。
ブロードをかけ、パルミジャーノを削って頂きます。
サルビアで風味を付けた溶かしバターをかけるバージョンもあります。
能楽の演奏者が、グレゴリオ聖歌を披露。和と欧の融合です。

セコンド*ボッリートミスト* 3種のソースで
牛舌、牛スネ、外モモを香味野菜と共に5時間煮込みました。コテキーノも付けました。

①白いアリアータソース(アーモンド、ニンニク、パン、ブロード、塩)
②ボッリートのための緑のソース(ワイン酢、パセリ、丁子粉末、シナモンとショウガ、大粒の塩)
③カメリーニソース(りんご酢、アーモンド、レーズン、パン粉、シナモン、丁子、塩)
リュートを演奏してくださいました。まるで宮廷で食事をしているよう。

チーズ*パルミジャーノ・レッジャーノ*30ヶ月
*アチェト・バルサミコ・トラディツィオナーレ・ディ・モデナ*30年

バルサミコ酢はモデナの作り手Acetaia San Matteoのものを。トロリとしたバルサミコ酢は、酸味がまるくなってお酢というよりもソースです。プルーンのような香りもして、魅惑の味です。

ドルチェ*リンゴのパスティッチョ*
リンゴのトルタ。オリジナルレシピは、洋ナシを丸ごと使います。

皆お腹いっぱいになったかな?心配そうにbutakoが問うと、皆さん満足そうに「もちろん」と。
そして、立ち上がって、butakoに拍手を送ってくれています。
今回、盛り付けを手伝ってくれた真さんも、となりでニッコリ笑っていました。

長い長い準備を経て、中世の宴が終わりました。
前日は、午前2時までかかって百枝先生と調理を行い、当日は、新潮のSさん、カワウソの萬田さん、骨董屋のTさんなどと協力して会場を作り、真さんのヘルプで盛り付けも完璧でした。

参加者の皆さんも、会を盛り上げるべく、中世の衣装で来た方や、演奏を披露した方、飲み物を差し入れた方など、皆の想いが終結した宴でした。
そして一番の功労者は百枝さんです。
企画&準備、本当にお疲れ様でした。
こんなに盛り上がった会になったのも、ひとえに百枝さんの力量と人徳のおかげです!
そしてさりげなくフォローしてくださった新潮社のSさんにも支えられました。

写真がほとんどなくて申し訳ないですが、こんなもんで、大体、分かって頂けたでしょうか~☆
                                             
butako
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by butako170 | 2011-01-13 03:32 | イタリアの中世
イタリアへ帰ってきました
1ヶ月もの日本滞在もあっという間に過ぎ去ってしまいました。
昨日、1月10日にイタリアに戻りました。
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日本滞在中は、遊ぶのに精一杯で仕事はゼロでしたが、これからは通常モードに戻りますね。
今年は執筆にも力を入れたいと思いますし、去年好評だったウンブリアのグルメツアーもますますパワーアップさせて展開したいと思います。

ツアーでは、去年、日本のTVでも取り上げられていた『カステッルーチョの自然』や、またルネッサンス以降に作られた『パイプオルガン』などのアンティーク楽器を巡る旅なども企画したいです。

そして・・・いつまでも健やかに、そして美味しく食べたいから、今年は肉体改造にも挑戦するぞ。
いつも3日坊主で終わっていた意志の弱いbutakoさんが、今年こそはプロポーション豊かで疲れ知らずのボディを手に入れられたら、ともくろんでいます。

なにせ美食の国イタリアに住んでいるので、誘惑は数多です。
でも一方でクッチーナ・ポーベラ(貧しくとも滋味深い農家の食)が、豊かなのもたしか。
クッチーナ・ポーベラも取り入れつつ、うまく肉体改造できればいいと思っています。

それでは、今年もよろしくおねがいします!
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by butako170 | 2011-01-11 20:04 | 報告