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今年もよろしくおねがいします
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2010年も皆様にとって、素晴らしい年でありますように。

                                    butako
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by butako170 | 2009-12-31 23:36 | 報告
ルネッサンス初期のウンブリア派 『ピエルマッテオ』
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今日紹介したいのは、ウンブリア派の画家 ピエルマッテオ・ダメリア/Piermatteo d'Ameliaです。今年末から来年にかけて、ウンブリア州が彼の絵をプロモーションしていています。

ピエルマッテオなんて、聞いたことがない…という方がほとんどでしょう。
彼は、テルニとオルヴィエートの中間にあるアメリアで1448年に生まれ、1506年に没しています。ほとんど単独で描いた作品を残していないため『作品のない画家』として位置づけられてきました。

彼と同時期に活躍したのが、レオナルド・ダ・ヴィンチやボッティチェリ、フィリッポ・リッピなどがいます。
うーん、そんな輝かしいルネッサンス初期の有名人からしたら、ピエルマッテオは無名に等しい存在ですね。

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(テルニのCAOSに展示中のピエルマッテオのフランチェスコ派の多翼祭壇画)

でも今年と来年は、州を挙げて彼にスポットをあて、盛り上げちゃおうという試み。
テルニやアメリアで展覧会が開かれます。
また彼のフレスコ画が残るアメリア、ナルニ、オルヴィエート、スポレートなどでは、彼の軌跡を追うイティネラリオ(道筋を追うオリエンテーリング)も行っていて、活気付いています。

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ピエルマッテオについては、いずれHPでも詳しく紹介するつもり。
なんせ、スポレートのドゥオーモのフィリッポ・リッピの壁画を、彼も手伝ったのですから、スポレート在住のbutakoにとっても縁のある画家ですからね。

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彼と同時期のウンブリア派としては、
ペルジーノことピエトロ・ヴァンヌッチ、ベノッツィ・ゴッツォーリ、ピントリッキオ、ドメーニコ・ギルランダイオなどがいます。

みなさんは、何人のペルージャ派をご存知?

                                                butako


2009年12月12日~2010年5月2日  
■テルニの美術館CAOS(Centro Arti Opificio Siri)
■アメリアの考古学博物館&絵画博物館(Museo Archeplogico e Pinacoteca)
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by butako170 | 2009-12-29 19:30 | アート・モーダ・インテリア
農業国の救世主は誰だ?!
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お元気ですか?クリスマスの連日にわたる暴飲暴食で、ちょっと胃が弱り気味。
今晩も、義母の家で恒例の聖ステファノのフェスタがあるので、きっとすごく食べるんだろうな。
今日のランチは、なぜかカレーを作りました。たぶん毎日続く濃厚イタリアンご馳走攻めに、少々舌が飽きたのかもしれません。ロベも喜んで食べとりました。。。

そうそう、午前中MSN(hotmail)のニュースを見ていたら、『今年はギャル・大活躍』の見出が気になり、なかを覗いてみました。
そこで見つけたのが『ノギャル』という言葉。皆さんご存知でしたか?
私は、てっきりノダメカンタービレのギャル版かと思いましたが、ノギャル=農ギャル。つまり農業をするギャルということらしいのです。

元ギャル社長の藤田志穂さんが、今年3月に、農業プロジェクトを秋田県大潟村で展開すると発表。
ギャルモデルやギャルたちと、米作りを行い、収穫した米をシブヤ米(品種は秋田こまち)として売り出しています。彼女らがノギャルプロジェクトを行うことで、マスコミに取り上げられ、若者が食や農業に興味を持つキッカケをつくりたい、とはじめたそう。
渋谷に鎮座する忠犬ハチ公の里が秋田だったことから、秋田を米作りの場所に決めたんだって。

以下は秋田経済新聞からの抜粋です。

 これまでにも「エコ啓発」や「エイズ予防」などの企画を立ち上げてきた藤田さんの新企画のコンセプトは、「イケてる農業」。「若者が農業に携わるきっかけづくり」(藤田さん)にしようと、人気ブロガーでギャルママモデルの板橋瑠美さんと、ギャルモデルの今泉宏美さんの3人で稲作や野菜づくりに取り組むほか、渋谷のギャルやギャルママを中心に「農業体験ツアー」の企画やアパレルメーカーとの提携で、「イケてる農作業着」のプロデュースも行う。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

なーるほど、イケてる農業ねぇ。
3Kと言われる農業のイメージですが、藤田さんがお洒落でカジュアルな服を着て、田植えをしていると、そんなマイナスのイメージも吹っ飛んでしまいますね。

私はこの記事を読んで、ファッション業界で注目を浴びる彼女が、『農業』に注目したことに、びっくり。「ギャルもなかなかやるじゃん!」って感じでしょうか。もちろん、プラスの感情です。
これまで、マジメ~で硬派なイメージだった『農業』が、こんな形でスポットを浴びることになるなんて、これらに大いに関心があったbutakoにとっては、うれしいことです。

でも、なんちゃって農家だから、限界もあるみたいで。
お米の管理は大潟村の有限会社 瑞穂の方が管理をしています。

彼女たちはお米を作る本当の苦労というのはたぶん学べないですね、拠点を東京においている限り。
でも、お米作りに少しでも関わることで、お米や食に対する関心って、随分と違ってきます。
だからこの距離感で十分です。
問題は、このプロジェクトを一過性のもので終わらせないことですね。
ある程度成果が出るまで続けることです。

一応自給率が100%に近いお米ですが、食の多様化で、お米の消費が減り、それに伴い減反政策も余儀なくされてきました。
だからお米の自給率の高さに甘んじずに、是非、お米を食べる機会をもっと増やし、減反させることなく米作りを活性化させていけたらベストなんでしょうね。

そして農家の方々もお米だけに特化せずに、さまざまな農作物を作って、野菜自体の自給率を上げることも大事だと思います。
農家も頭脳勝負。これからはマーケティングの手法も取り入れて、上手な売り込みが必要になってくるのかも。

イタリアには、すでに20年前に、地方の農産物や畜産物を作る生産者を守ろうと、スローフード協会が発足しました。今ではかなり大きな影響力を持っています。このように、ブランド化するのも良いかもしれません。

もしくは、卸や小売店を通さずに、農協や農家が直売する。
これならば、生産者の儲けも確保でき、消費者にも安くで提供できます。

いずれにしろ、自国の安全な産物を適正な価格で売買すること。
それで自国の民が潤うことが大切なのです。

日本の農業を救うのは、いったい誰でしょう。
ノギャルは、あくまでも彼女たちのファッションの一部なので、けっして農業者の生活を救うことはできないでしょう。
大きな課題ですが、今からでも考え始めるのは遅くありません。

(写真は先日訪れた自給自足を営む友人宅。)               butako
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by butako170 | 2009-12-26 22:50 | プレシディオ・食材
クリスマスおめでとう!
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今日ダビデの町で、あなたがたのために、救い主がお生まれになりました。この方こそ主キリストです。
                                     ルカ2章11節


賑やか過ぎるクリスマスは、ちょっと苦手です。
ささやかでも、愛する人たちと囲む食卓で、「クリスマスおめでとう」と挨拶を交わすだけで、ちょうど良いかなぁ、思います。

何かに踊らされている今の世の中。
商業主で、本質が抜け落ちちゃっているクリスマス。
空騒ぎして、ああ、楽しかったでもいいけれど、2000年とちょっと前に、ユダヤの貧しい馬小屋で、小さな嬰児(みどりご)には、背負いきれないほどの宿命を持って生まれたイエス・キリストに、目を向けてみるのも意義深いことですよね。

そして幼子イエスの寝顔のように、戦争のない平和な日が来ることを願いつつ。

それでは、みなさん、メリークリスマス★

                                              butako
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by butako170 | 2009-12-25 20:09 | サグラ・祭り
義母とクリスマスのトルタ作り
イタリアでクリスマスといえば、『パネットーネ』や『パンドーロ』などの菓子が、どの地域でも見られるようになりました。もともとは、パネットーネはミラノ、パンドーロはヴェローナの北部の地方菓子です。
どちらも天然酵母を使ってフンワリと焼き上げた甘いパンで、イタリアでは、食後にデザートワインやスプマンテ、朝食やおやつにカフェ・ラテに浸して食べられます。

地方の数だけお菓子があるイタリアなので、当然、スポレートにもあるんです、クリスマスの菓子が!
アットルタというこちらの華やかな焼き菓子です

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薄皮のなかには、煮リンゴにカカオ、チョコ、松の実、レーズン、シナモンなどで作った餡が詰められていています。リンゴの程よい酸味とチョコレートの甘さ、ナッツの歯ざわりが楽しいお菓子で、butakoも大好き!

コレを毎年、義母が1ダースほど手作りし、子供や孫に配るんです。
昨日は、そのアットルタ作りが行われました。

当然、嫁の私はお手伝いにかり出されます。
いつもは階上に住む友人のマルチェッラが、生地を打ちに来てくれるんだけど、ご主人の具合が良くないらしくて、今年はパス。butakoが生地担当になりました。

パスタとほぼ同様の生地に、アルケミスというリキュールを入れると、生地は美しいピンク色に染まりました。
それをパスタマシーンで義母と二人がかりで伸ばし、それにリンゴの餡を入れて、巻いていきます。

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義母は生地伸ばしながら餡を包んでいきます。でもちょっと大雑把なのね。
生地を引っ張りすぎて破けちゃった。
それもご愛嬌ということで。

包んだ生地をヘビのようにグルグルと巻いて、高温のオーヴンで40分焼けば出来上がりです。
「アットルタ」は「アットルチェレ=巻く」が変形した言葉だそう。エヴァを誘惑したヘビの形なんですって。

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焼き上がりのものに、アルケミスをたっぷりふりかけ、グラニュー糖でお化粧して出来上がりです。

いつも他愛のない話をしているうちに出来上がるアットルタ。
かつては夫のルーチョと二人で行っていた作業なのだとか。
「もう、50年近く作っているかしらね、このトルタ。
でもルーチョと最初の年に作った時は、お互いの作り方が衝突して、けんかになっちゃったの。
翌年からは、仲良く作れるようになったけど」。

そのルーチョ(義父)も5年前に他界して、その後、butakoが嫁に来てからというものは、butakoとの共同作業になっています。

「こうしてTaeが私のアットルタを習得してくれるから、安泰だよ。
私がいなくなっても、子や孫が代わらずに、この味を口にできるんだもの」

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マンマ、私にとってもあなたのアットルタを覚えることは、喜びですよ。
こうして二人で楽しく作るクリスマス前の恒例行事は、もうしばらくは続けることができるでしょう。
マンマがいなくなる日のことなど、今はこれっぽちも考えたくないけどね。


このトルタが私たち「姑と嫁」の絆なのです。
マンマが私のお手伝いをこれほどまでに喜んでくれることを、誇りに思いました。                                                                  butako
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by butako170 | 2009-12-23 20:29 | イタリア年中行事
JITRAへの連載 12月はテルニ!
イタリア旅情報サイトJITRAにて、12月号の「ウンブリアの風 12ヶ月の歳時記」アップされました。

今回は、butakoが3ヶ月間ソムリエの授業で通ったテルニの町について、書きました。
『愛の聖人サン・バレンティーノ』を祭るテルニのコンナコト、アンナコト。続きはサイトをご覧ください。

さて、最近のbutakoのトピックスといえば、ロベルトとローマに行ってきたことかしら。
そこで友人であるステファノ&パオラご夫妻のご自宅で1泊ごやっかいになりました。

クリスマス一色のローマの町並みを大いに満喫しました。
ローマで見たちょっと変わった風景をアップします!

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え?別に変わってないですかねぇ。
夜のパンテオンってbutako初めてなんです。

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アンティークショップに年代モノのヴェスパ。
これが不思議としっくり合います。

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ちょっと一瞬、ギョッとしてしまった美容院。なぜか皆さん、表情がクールというよりも暗いわねぇ。
これを見ると宇都宮にあった理髪店“かもしだ”を思い出してしまう。。。

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パンテオンから徒歩5分の精肉店のショーウインドーには、加工した肉類がズラリと並びます。家に帰って、オーヴンに入れるだけの手軽さがウケてる…って分かるなぁ。

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スペイン広場のフェンディ。ビルディングがこんなにカラフルに装っています。
クリスマス気分も大盛り上がり。

こんな感じで、クリスマス前のローマは活気付いていました。
それにしても南部鉄のやかんも売っていたお茶専門店が、クリスマスのプレゼントを買う人々で賑わっていたのが印象的でした。ニッポンブームは息が長いですネ。

                                                butako
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by butako170 | 2009-12-19 20:21 | 報告
良い生き方&死に方
みなさん、お元気ですか。

今日の午前中は、義母の家に掃除のお手伝い。
これからクリスマスシーズンに突入するので、トイレをきれいにしたいのだとか。
今年の夏から右腕を挙げると痛みを感じるようになった彼女にとって、腰を曲げ、腕を酷使するトイレの床磨きは、かなりこたえるのです。
ということで、彼女に代わって嫁のわたくしが、お手伝い差し上げています。

いつも思うんだけど、イタリアのマンマって、掃除に対する情熱がすさまじい。
それは、掃除用具にも現れていて、ともかく、ありとあらゆる洗剤が用途細かく分かれています。

たとえば、便器にはA(マジックリンみたいなやつ)、タイル張りの床はB、タイルでもつなぎ目のない床にはアンモニア水、タイル張りの壁はC、シャンデリアを拭くのにはD…。
いったい、どれだけの洗剤がこの家には存在しているのでしょう!!
それを彼女は逐一説明するので、私も間違えずに言うとおりに使い分けます。

私が掃除している間、義母が買い物で一時外出。
帰ってくるなり、こんな話をしました。

今年100歳になったおじいさんがね、最近亡くなったそうよ。
その3日後に98歳の奥さんも亡くなったんですって。

へぇ~そりゃあ、大往生だ。
大往生ってなんて言うんだろ、イタリア語で。
とりあえず、「それは悪くないことよね。そうやって長生きして、ご夫婦ほぼ同時に天に召されたんだから」
と言いました。


うなずく義母。
きっと彼女は、彼らがうらやましかったに違いありません。
だって、最愛の夫(義父)を5年前に亡くし、平素は充実した毎日を送っているけれど、どこか満たされない寂しさを抱えているから。

相方が亡くなると、不思議と残された方も死が近くなる、ということはよくある話です。
でも、そうでないカップルもたくさんいて、孤独に後生を送っている人も少なくありません。
もしくは片割れが亡くなって、せいせいしているパターンだってあるけれど。

自分で死はコントロールできないから、こればっかりは運ですよね。

年が明けるごとに、年齢を重ねていた日本の昔の風習が染み付いているわけではありませんが、年末ってウキウキと同時に、ちょっと寂しくなってしまうのは、私だけでしょうか。
きっと年が明けるごとに、死に近づいていく、という感覚があるからかもしれません。
でも人間に寿命があるからこそ、悔いのない人生を送らなければ、と思えるのでしょうね。

そんなことを思いつつ、床磨きの手に力を込めました。

                                                  butako
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by butako170 | 2009-12-17 23:50 | 報告
聖人の食卓① チーズを配る聖人?!
カトリック大国のイタリアは、毎日、聖人の日になっています。
12月25日のキリスト降誕日(クリスマス)をはじめ、11月1日「全聖人の日」(イタリア版お彼岸日で、皆お墓参りをします)など…。365日、誰かの聖人の記念日になっているのです。

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そして聖人は大切な役割を担います。
①ある特定のものを保護する。
目の守護聖人「聖女ルチア」、交通保安官の守護聖人「聖女バルバラ」、拷問中に乳房を切り落とされた「聖女アガタ」は、鐘職人やパン屋の聖人(近代には乳癌患者の守護聖人)など。愛の守護聖人は、かの有名な聖バレンティーノですよね。(写真はマルケ州トレンティーノ市のサンニコーロ教会にある聖ニコロ像)

②イタリアの市町村を保護する。
ローマ市の守護聖人は「聖ピエトロ」と「聖パオロ」、わが町スポレート市は「聖ポンツィアーノ」、イタリアの守護聖人は「聖フランチェスコ」などなど。たとえ人口50人の街でも、守護聖人はいます。

そんなイタリア特有の聖人文化(八百万の神信仰と似てますが)。きっと食べ物とも関わりが深いにちがいない…と思い、聖女にちなむ菓子や、職人を守る聖人など、少し掘り下げてみることにしました。
ちょっと変わった視点で『イタリアの食』を見つめる好機になれば、いいな。
月に一回程度の割合で書いていきたいと思いまーす。

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第一回目のお題は、「チーズの聖人」です。
この聖人との出会いは、食の仕事でパルマのチーズ工房を訪れた時のこと。ほとんどのチーズ工房に、ひげを生やした、ワイルドなオジサンの像が置いてあるな、と思ったのがきっかけでした。

そう、このオジサンが
チーズの聖人「サン・ルーチョ」です。

伝説によると、ルーチョはコモ湖近くの高原で羊飼いをしていました。心優しく、貧しい人を見るたびに、売り物のチーズを施していました。それに腹を立てた雇い主は、彼を解雇すると(当然やん、という気もしますが)、持ち主の領地は枯れてしまいます。

次の雇い主で働き始めたルーチョですが、そこで家畜の数やチーズを増やす奇跡を起こします。それを妬んだ前の雇い主は、彼を連れ出し、殺してしまいます。彼の倒れた所からは清水が湧き出し、その水は病を治すようになりました。不思議なことに、6月12日の聖ルーチョの日になると、湖の水は真っ赤に染まるのだとか。


なるほど。多少つっこみ所のある話ではありますが、チーズを増やすくだりは、パンを増やすキリストに似ていますねぇ。奇跡のパターンって、やはりあるのでしょうか。湖の水の変色は、現在では微生物の影響と言われています。
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彼は、チーズの守護聖人として、ミラノ一体のロンバルディア州で人気を博しました。
パダノ平野伝いのパルマにも、その影響が広がったようです。カザーロ(チーズ職人)たちの信仰の対象となっています。

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そのパルミジャーノ・レッジャーノですが、
料理のアレンジは、自由自在。18ヶ月の長期熟成モノは、かたまりをアチェト・バルサミコに浸して食べるのが、シンプル&最良の食べ方ではないかしら。
トマトソースやトリッパには欠かせないし、ハンバーグにも大さじ1杯入れるとコクが出ます。薄く削ってルッコラを敷いたステーキの上にかけるタリアータは最高ですね。

2年以上熟成させたものは、ラクトーゼが存在しなくなるので、牛乳アレルギーの人にもいいんです。これ、本当ですよ。

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いまや世界中に名が知られ、普及したパルミジャーノ・レジャーノですが、カザーロたちの心のよりどころになるサン・ルーチョの存在はまったくといっていいほど、知られていません。

グルメツアーでパルマのチーズ工房を訪れる機会があれば、柱や入り口近くにひっそりと飾られている「彼」の姿に目を留めてみてはいかがでしょうか。
                                                    粉川 妙
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by butako170 | 2009-12-12 18:04 | 食と聖人シリーズ
梨の酔っ払いコンポート
あぁ、昨日までイタリアは4連休だったので、すっごくのんびり過ごしました。
遅寝遅起きのぐうたら生活。。。
いかーん、こんなことでは!12月を乗り切れないではないですか!!『お正月さん』は真面目にやっている人にだけ、福をもたらすというじゃないの。(って日本の古い風習ですよね)
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月に3回は友人たちと家に招きあってホーム・パーティをしている我が家。
当然、連休の時は、ホームパーティの頻度も激しくなります。
4連休で2回もパーティを開催。でもこの不況下を配慮して、一家に負担がかからないように、一人一皿の持ち寄り形式にしました。

そこでbutakoが作ったのが、梨のコンポート
ロベルトが昔、電子レンジでよく作ったというレシピを、アレンジ。
(我が家には電子レンジがないので鍋で作る)

①赤ワインにシナモンスティック、黒コショウ、ナツメグ、八角と砂糖を入れて沸騰させ、そこに洋梨を入れて煮込みます。②出来上がりをタッパーに入れて、①のワインシロップが梨に被るくらい漬け、2日間寝かせると出来上がり。③手作りのカスタードクリームをつけて、供します。

ここでbutkao、最大の失敗をしてしまいました。
カスタードクリームを作っている際、なんと分離してしまったのです。。。
水分ともろもろの卵が二分化してしまい、とても食べられる代物ではない!
えー、こんな簡単なこと、失敗するなんて。と情けない。

でもね、ネットを調べてみても、どうして分離が起こるのか(どうしたら分離が起こらないのか)の納得のいく説明がないんです。「とにかく分量をきちんと計り、火にかけてからは、すばやく作るべし」とか、心構え的なものはあっても、理論が書いていない。

1回目は、本当に慎重にていねいに(クリームを焦がさない様に弱火で常にかき混ぜる)作ったのですが、それが失敗し、もう面倒くさくなり、2回目は適当に(中火で常にかき混ぜる)作りました。そしたら成功!

そこでbutakoは悟りました。
実は『ミルク卵黄液を火にかけるときの火加減がとっても大事』ということではないかしら。
弱火よりも中火。ちょっときついぐらいで、短時間で固めちゃう。


そういえば、いろんなレシピにも中火で熱するとサラリと書いてある。。。あら、ここ重要だったよう。
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(写真はテルニのクリスマス・メルカート:テルニ市所蔵アルキービオより)

クリームは無事に作り終え、食事会の最後を飾るおいしい大人のデザートになりました。とっても好評だったので、butakoも大満足。
しかその際、イタリア人とちょっとした議論になりました。
失敗の理由を予想してもらうと、
「それはね、妙がミルク卵黄液を一定方向でかき混ぜなかったからだよ」と5人中5人がこの意見。
ものすごーーーくかき混ぜる方向にこだわっているのです。


気の強いルチアなぞは、鬼の首を取ったかのように、
「私の娘はホテル料理学校に通っているけど、そこの教授が『たえず一方方向で』って言っていたから間違えない」というのです。
でもなぜ?と聞くと、「ともかく、教授が言ってたから」と理由は分からないもよう。

たしかに彼らの言う事はまちがいではなさそうだけれど、私は火加減が主たる理由だと思う!…ということで、どなたか正解をご存知の方、知恵をお貸しくださいな。
                                                    butako
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by butako170 | 2009-12-09 20:39 | プレシディオ・食材
『宮城野』という女性の生き方
師も走り回るほど忙しい12月に突入しましたが、みなさん、風邪など引かずに元気にお過ごしですか?私は、今から旬を迎える無農薬のシチリア産オレンジでママレードを作り、毎朝、主人とともに食べてビタミンCの補給をしています。おかげで風邪知らず。

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さてさて、フィレンツェの日本映画祭から1週間経ちますが、実はオープニングの翌日もフィレンツェに居残り、もう一本映画を見ました。
それが山崎達璽(タツジ)監督の『宮城野』です。

なんでも浮世絵で名を馳せた東洲斎写楽をモチーフにした時代モノだとか。

オープニング・セレモニーの際、山崎監督とお話する機会があり、
私が「小学校時代から時代劇が大好きで、NHKの『独眼竜政宗』にハマッテたんです」と言うと、「そうですか。宮城野って今までにない時代劇なんで、きっと斬新に感じると思いますよ」とおっしゃいました。監督の言葉が妙に気になり、翌日、スポレートに帰る予定を無理やり引き伸ばして、興味津々で映画会場の門をくぐったのでした。
(写真:袴姿がカッコイイ、山崎達璽監督*中央)

「今までにない時代劇」とは、果たしでどんなものだったのでしょう。
ストーリーを簡潔に言えば、1700年代後期の江戸で活躍した写楽にまつわるミステリーです。写楽はわずか10ヶ月の間に百数十点の浮世絵を残して、突如、失踪した…という史実に基づき、謎だらけの写楽の最期に、120%の想像力を膨らませて描いたフィクション。
でも主人公は写楽ではありません。


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写楽の弟子・矢太郎と『宮城野』という娼婦の愛と欲の物語なのです。
矢太郎は、師匠である写楽の絵を模写し、写楽はそれで名声を得ます。でも所詮、写楽の影法師に過ぎない矢太郎は、自我のない絵を描くことにむなしさを覚え、娼婦・宮城野のもとへ通い慰めを得ます。二人は強い絆で結ばれているかのように見えますが、はかなくも終焉。なぜなら、写楽に侮辱され激情した矢太郎は、写楽を殺し、その罪を宮城野に着せてしまうからです


写楽の描いた『宮城野』の絵が、彼女の部屋から出てきたのが“写楽殺し”の動かぬ証拠になりました。もっともこの絵は、矢太郎が宮城野に贈ったものなのですが。
宮城野は愛を貫き、矢太郎のために罪を被り、死刑に甘んじます。一方、矢太郎はかねてから彼に恋焦がれていた写楽の娘おかよと結婚し、そのまま写楽に成りすまして一生を送るのです。

(写真:会場前は、人だかりが。開演を待ちます。)


もともと劇作家・矢代静一氏の作品で、それを山崎監督が映画化しました。

宮城野は、他人からどんなに中傷されても、「そうだよね、あんたの言うことはもっともだ」と悲しく微笑みながら答えます。貧しい家に生まれ、幼少の頃、遊郭に売り飛ばされた宮城野。ともすれば世の中を恨みながら生きるだろうに、彼女は愚直なほどお人よしで、人を悪く言いません。そんな愚かな女を矢代監督の実娘・毬谷友子さんが好演。打算的で、でも苦悩に悶える矢太郎には、歌舞伎俳優の片岡愛之助さんが。まさにはまり役でした。

カトリック信者である矢代監督は、宮城野をマグダラのマリアに具象化したそうです。でも、微妙に違うかなぁ、と私は思います。たしかにマグダラのマリアは娼婦で、イエス・キリストに愛を注いだのだけれど、死までは選びませんでした。自己を犠牲にして矢太郎のために命を捨てたところは、どちらか言えば、キリストに似ているかしら。

宮城野の生き方は、潔くて愛を貫いたのだけれど、残された矢太郎の一生は、果たして幸せなものだったのだろうか。見終わって一抹の切なさが残りました。

私の友達が映画の後に「矢太郎は宮城野を、愛していたのでしょうか?」と質問した際、監督は「愛していました。でも彼は打算的で世渡り上手だったので、おかよとの結婚を選んだのです。宮城野はそれを知っていたけど、全部受け入れた。」と答えたのが印象的。宮城野が救われた気がしました。


物語を際立たせるのに効果的だったのが、屋外でカメラが引くシーンには、江戸時代のペーパークラフト(立版箱:たてばこ)を使っているところ。
また、屋外の背景装置に浮世絵を使ったり、ホンモノの黒子が登場するなど、山崎監督の表現法が光りました。たしかに今までにない時代劇かも。

映画作りに5年もかけたという山崎監督。「製作中はつらくて、もうやめよう、と何度も思いました。でも出来上がったときには、言いようもない喜びが溢れ、すべての苦労が報われるんです」と語った35歳の若き匠です。
伝統文化への造詣とそれを現代と融合させるバランス感覚が優れていて、世界に通用する名監督になる素地は十分あるようにお見受けしました。今後の活躍に大注目です!

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by butako170 | 2009-12-06 00:15 | アート・モーダ・インテリア