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スロー風土の食卓から
 今回から新聞掲載エッセイを画像ごと載せることにしました★
画像をダブルクリックすると、拡大されて、読みやすくなります。
ある読者さんからの提案で、やってみました。感想、聞かせてください。
           
                                 Butako

2007年10月19日神戸新聞連載
スロー風土の食卓から■イタリア通信■
第14回:パン
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by butako170 | 2008-03-31 05:50 | 神戸新聞 掲載記事
春の散策  銀世界カステッルッチョ
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あいにくの天気だったパスクワ(イースター)も、パスクエッタ(翌日の祝日)も終わり、イタリアに日常が戻ってきました。雨が降り続き、寒々としていましたが、旦那の弟さんが昼食に呼んでくれたり、マンマの家で大夕食会をしたり…と大家族で和やかにイースターを過ごしました。

今週の水曜日は、山の師匠ジョバンニとカステッルッチョCastelluccio村に行ってきました。
スポレートから30kmほど行ったのヴァルネリーナ渓谷の奥手に、ひっそりとたたずむ村。でも夏場は、観光客であふれて返っているそう。その理由は…。

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ノルチャから急な山々を縫うように車を走らせると、(写真はノルチャの街々)

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 突然、ぽっかりと平地が現れました。
標高1000mもある地点に広がるのは、5km四方はある大平原Pian Grande(ピアン・グランデ)です。この平原は初夏にポピーやレンズマメ、その他の花々が一斉に咲き乱れ、高原のお花畑になります。それを一目みようと観光客が全イタリアからやってくるというわけ。Butakoはまだ見たことがないのですが、北海道のラベンダー畑にも勝るとも劣らない美しさ、とのこと。6月頃が開花時期なので、是非見てみたいと思います。
そのピアン・グランデ一体は国立公園になっていますが、平原を突っ切って丘を登りきったところにカステッルッチョ村はあります。

さて、当日はイースターから降り続いた雪のおかげで、銀世界のピアン・グランデ。
今日は、ジョバンニの幼馴染みロマーノさんも同乗します。二人のねらいはスキー。この大平原をトレッキングのスキーで楽しもうというのです。

大平原はすっかり雪に覆われていて、四方に2000M級の山々がそれを取り囲んでいます。小さな湖がところどころにあって、その部分だけ黒い瞳のように、ぽっかりとくぼんでいるのです。小川の割れ目が、白い平原を二分します。太陽でキラキラと反射する雪。青い空…。
しばらくその神秘的な景色に、一同見入ってしましました。

そして、Butakoをピアン・グランの道(舗装道路)の真ん中におきざりにして、二人はあたりを散策…。(もちろん合意のもとですよ!)ノルチャ出身のお二人、雪の中のスキー歩行はお手の物といった感じです。
Butakoはこの壮大な風景を楽しみながら、一直線に続く道をカステルッチョまでウォーキングです。すぐそばにあるように感じた村も、歩くと結構遠くて、1時間少々を要しました。

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 村に到着して、ジョバンニたちと落ち合い、お待ちかねのランチタイムです。彼らのなじみのトラットリアで腹ごしらえ。

カステッルッチョ名物はレンズマメ。凸レンズみたいな形の小粒の豆には、栄養分がたっぷり。なぜここのが珍重されているかというと、冷涼な気候のため、味の凝縮した小粒の実ができるから。しかも寒さで害虫がこないので、無農薬で育てられています。
 プリモは…
・レンズマメのスープにこんがり焼けたブルスケッタを添えて。スポレート産のオリーブ油を垂らして食べると風味が格段にあがります。
・ファッロ(スペルト小麦)をポルチーニ茸と黒トリュフソース、生クリームでリゾットにして。

 セコンドは去勢羊と豚のグリルの盛り合わせを。
去勢羊はクセはないのに旨みは満点で、焼け目こんがりで美味でした。

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 デザートに自家製ビンサント(デザートワイン)と固焼きビスコッティ(トッツェッティ)が出てきましたぞ。頼んでもないのに、このサービス。
ジョバンニたちの常連ぶりが伺えます。
ビスコッティをワインに浸しながら食べると…素朴な菓子と手作りの香り高いワインに、もう、最高!
村人たちもマンマ・シェフもこの輪に入ってきてみんなで、日が傾くまで語りあいました。
次回は花の時期に訪れたいものです。



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               Butako
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by butako170 | 2008-03-28 02:11 | ウンブリア自然・山歩き
ピッツァ ディ パスクワ(イースターのパン)
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 クリスマス、イースターはイタリア人にとってもっとも大切な年中行事。
その時にだけ食べる菓子や特別な料理が地方ごとにあります。

今日紹介するのは、イースターの時に食べられているピッツァです。
ウンブリアでもペルージャやスポレート近郊(ノルチャやテルニも含め)の地域限定のご当地ピッツァ。
でもピッツァと言ってもいわゆるナポリ風のピッツァを想像してはなりませんぞ。
パン生地にペコリーノチーズを削ったのを入れた、厚みのある食べモノだからです。

今日は、毎年ピッツァ作りに情熱を燃やすパウロさんの宅にお邪魔して、工程の一部始終を見てきました。
ロベルトの友人パウロさんは、ミラネーゼですが、縁あって知り合った地元のピッツァ職人に、秘伝の作り方を教わります。それ以来毎年、イースターの数日前に台所にたち、ピッツァを作るのだとか。スポレティーナの奥さんは、そんな旦那を自慢に思っている…はず。(別に褒めている様子は無かったけれど)

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作り方は簡単。
まずイースト60gを200ccの牛乳(人肌程度)と砂糖を加えて、発酵を促します。
それにサラダ油200cc、卵4つ、塩4つまみ、削ったパルミジャーノチーズ100gとペコリーノチーズ100gを入れ、徐々に小麦粉(800g)を加えていきます。
それを型に入れ、第二次発酵…。
180℃のオーブンで40分過熱し、型をはずしてさらに焼き色が着くまで焼いてできあがり。

秘伝のレシピ…と言っている割には、彼のHPで公開していましたけど。
こんがりした焼色がとてもおいしそう。
切ると中身もほんのり黄色で、食欲をそそります。
こちらの人は、このピッツァに生ハムやサラミをのせて、イースターの朝食に食べるのです。

(写真は奥様。女性の方が写真の見栄えがいいから…と急遽奥様がオーブンからピッツァを取り出すことに)

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え?普段甘いものを朝食に食べるイタリア人なのに…。
そう、ウンブリア州やマルケ州ではイースターの朝にこういったものや、茹で卵などを食べ、ワインを飲むのが伝統なんです。
明日はイースター。Butakoは近郊の村でイースターの朝食をよばれてきます。
小川の流れる村の広場で、村人と食べる朝食はきっと素敵に違いありません。
でも明日の予報は雨(山間部は雪)。
どうなることか分かりませんが、また報告したいと思います。

                                     Butako
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by butako170 | 2008-03-23 06:37 | イタリア年中行事
和食の夕べ
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今週月曜日行われた和食のイベントは、おかげさまで無事終了しました。
当日は12時間ぶっ通しで厨房にたち続けたButako。修行時代から過ぎ去ること2年。その間のブランクをものともせずに、なんとか満足のいく和食が作れたのですが…。
報告しようにも写真がない!!
実は先週末、6年間使っていたデジカメ(キャノンのイクシー)がついに、オシャカになってしまいました。すっかり写真のことまで頭が回らずに、映像無しの報告です。かなしー。
Butakoの和食の盛り付けを参考にしたいとおっしゃっていたmaquineさんの要望に答えるべく、手書きのイラストで解説したいと思います。(稚拙な絵でご免!現物はもう少しマシなのですが、スキャンしたら幼稚園生の落書きみたいになっちまいました。)

今回のテーマはナルト。イタリアで現在、大人気のアニメのタイトルにもなっており、親しみいやすいかなぁ、と思います。春の大潮に鳴門で発生する渦潮をモチーフにしており、多くの皿に渦巻きを意識した料理を取り入れました。
春を感じる皿に出来上がったかな。

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前菜三種盛り合わせ
*冷やっこ(アボカドと海老、醤油をゼリー寄せにして上にかけています)
*だしまき卵(のりで渦巻きを表現)
*茄子田楽(赤いのは飾りの韓国唐辛子)


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プリモ:寿司三種盛り合わせ
*ちらし寿司(錦糸卵と花形ニンジン、菜の花のしょうゆ漬け)
*巻き寿司(サーモンとアボカド、ツナとサラダ菜)
*握りずし(海老) 牛肉もしようと思ったのですが、お米が足りなかったので、醤油とオリーブ油、レモンでカルパッチョに。中央にバラの花のように巻いて)

プリモ:焼うどん
手打ちにしました。

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セコンド:豚のしょうが焼き、サラダ

デザート
*抹茶ロールケーキ
*サツマイモのジェラート
*イチゴ




テーブルコーディネートは、センスのあるカメリエーラが美しくしてくれました。
テーブルの上は洒落た和食ダイニングのよう。写真がないのが本当に残念。
さすがに40人分を用意するのは骨が折れました。(もちろんミレッラたちにも手伝ってもらいましたが)。豆腐はペルージャで豆腐を作る日本人から直接仕入れてきました。
いるんですね、豆腐を作る方がペルージャに…。
けっこう凝るほうなので、ちらし寿司の上にのせる菜の花は、すこし花が開くまで、水につけて観察したり、特売日に食材を買ったりと何日も前から、ぼちぼちと用意しました。
でもやはり準備+調理に12時間かかっちゃいましたね。
率直な感想は、寿司は好評でした。特にサーモンとアボカドを裏まきにしたものは、ウケが良かったです。裏まきはお米がボロボロ落ちるので、敬遠していたのですが、今回は見た目重視で作りました。

ドルチェも好評でした。抹茶ロールケーキは、秘伝の作り方で、しっとりふわっとした生地が珍しかったようです。(イタリアのケーキはどれも膨らみが足りないので)
サツマイモのジェラートは、先週の聖歌隊の茶道の説明のとき、スイートポテトとして作ったのが、余ったので、そこに生クリームとメレンゲを入れてリメイクしました。
それが思いのほかおいしくて、反応が良かったのでびっくり。

イマイチだったのが、焼うどん。
うどんじゃなくて、スパゲティですればもう少し軽かったかな。
麺のソースが甘辛いのは、彼らにとっては馴染めなかったよう。潔く讃岐風に卵黄と葱を散らせば良かったかな。
でも生の葱が嫌いなイタリア人は結構いるので、微妙ですね。これも。

そんなことで、好評のうちに終わった一日限りの和食の夕べ。
ミレッラはもう次回の日程を決めようと、鼻息荒くしています。毎週はもうごめんですが、1ヶ月に1回くらいなら、やってもいいかな。

  Butako

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by butako170 | 2008-03-20 04:25 | 報告
Butakoの近況
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久々のブログです。みなさん、お元気でしたか?
今週は何かとバタバタしていました。
Butakoの近況をまとめて報告します。

その1:4月から神戸新聞で食のエッセイを続投することになりましたー。
    タイトルは「マンマの国から-イタリアふるさとの味紀行」です。
    やーめでたい。パチパチ。
   がんばって一年間書いた成果が認められたと理解していいのかしら。

    今回は約700字という字数制限があり(前回は約800字)、限られたスペースの中でいかに表現するかというのが、課題です。
味紀行…とあるので、Butakoが2年間の修行中にフラフラと巡った地の内容がメインになるかな。


その2:今週の水曜日、Butakoが所属する聖リータ教会の聖歌隊で、茶道の講習会を開きました。内容はざっとこんな感じ。
まず茶道の歴史を説明して、お茶をたてるデモンストレーションをした後、手作りスイーツとともに、Butakoのたてたお茶を全員に振舞うというもの。
35人分のお茶をたてましたとも!
 すごく皆興味シンシンで見ていました。すべて終わると、「本当におもしろかった、ありがとう。」
と多くの人に言ってもらえました。
写真を撮ってもらったので、後日、報告したいと思います。

え、Butakoさん、お茶なんてたてれるの?知らなかった。
フフフ、何を隠そう、イタリアに来てからネットを見つつ独学で習得したものなのです。
だから、なんちゃって茶道…。うむむ、次回帰国したときには、是非お茶の教室に行って、本物を学ぶことにしよう。

その3:来週の月曜日、40人分の和食を作りまーーーす。
   おぉ、40人分とは、これまでの最高人数です。
  場所はパンチョッレで。なので他のコックさんたちも手伝ってくれます。安心。
  でもメニューの構成から、皿のコーディネートから、もちろんドルチェもButakoが作ります。
  最近、料理の楽しさに本当に目覚めてしまいました。2年前は猿真似(豚マネ?)だったのが、だんだん板についてきたような。(気がするだけ)

  メニューは前菜3種盛り合わせ(冷やっこ、ダシ巻き卵、ナス田楽)
       寿司三種盛り:にぎり・牛肉(生)、海老/巻き寿司・鮭、シーチキン/ちらし寿司)
       手打ちうどん(焼うどんにするかな)
       豚のしょうが焼き
       抹茶ロールケーキ

 現在これの準備に追われています。
楽しみながら、ぼちぼち準備しています。みんなを楽しませる料理ができますように。

                                          Butako

  (写真:ノルチャのトリュフ祭りの様子。豚の解体ショーを見てきました。)
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by butako170 | 2008-03-15 08:03 | 報告
festa della donna
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 3月8日はfesta della donnaの日。
日頃お世話になっている女性に感謝と愛情を示す日です。
この日を象徴する花はミモザ。男性は女性にミモザの花を贈る習慣があるのです。

夫は妻に、職場の同僚同士で、息子は母に…。
黄色のかわいらしい花は、この日にピッタリですね。春の訪れを感じさせてくれます。

昨日、スポレートの郊外に住む友人HIROMIさんの宅にお邪魔しました。
広々として、整理の行き届いた美しい部屋は、Butakoのあこがれ。
そこで一緒にカレーを作り、楽しいランチを共にしました。金曜の午後は半ドンの旦那様と一緒に3人で楽しい昼食♪

実はButako、カレー作りに並々ならぬ情熱を持っており、その美味しさにかけては自信アリです。日本にいるときは、カレー粉と日本のカレールーを半々に調合して作っていましたが、さすがにイタリアで日本のカレーは高価。すべてカレー粉で作り、ニンニク、ショウガ、クミンシードなどの香辛料も総動員させての本格カレー。

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 HIROMIさんがスポレートのコープで買ってきてくれたア○ヒ・スーパードライと共に食べました。(売ってるんですよ、スポレートにも)
旦那様、美味しいと言ってお代わりしてくれた。うれしー。

食後はHIROMIさんお手製のオレンジケーキ。
オレンジの果汁入りスポンジケーキの上に載っているのは手作りオレンジピール。甘すぎず、オレンジの清涼感がすがすがしい~。うーん幸せ。

そういえば、このケーキ、ミモザの花に似ていると思いませんか。
今の時期にふさわしい可愛くて美味しいケーキでした。

HIROMIさん、また一緒に集まりましょうね。


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by butako170 | 2008-03-09 00:31 | イタリア年中行事
ピッシニアーノでのんびり、まったり
スポレートから車で15分の小さな村、ピッシニアーノ。
この辺りはなだらかな丘が続き、オリーブオイルで有名な場所です。
この日曜日、街の音楽フェスタが行われたので、その様子をレポートします。

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↑ピッシニアーノは丘の上にある村。村まで行くのに細い道を歩いて上ります。
今このへんはアーモンドの花、真っ盛りです。桜に似て可憐で、かわいい薄ピンク色。

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↑ オリーブ畑の一角にも、美しく咲くアーモンド。
春が来ると、その木の存在を知らせてくれます。実もおいしいけど、花も素敵です。


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↑やっと村の入り口に到着。この見晴らしの良さそうな家屋は、レストランとして営業中。
ちょっとお洒落な無国籍料理を出す店だとか。


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↑石畳の坂をひたすら上がって…。
この村は15世帯ほどが暮らしています。どの家の前も現代アートのオブジェが置かれており、斬新で新古のミスマッチが面白い。
実際、村には何人かアーティストも住んでいます。古きに住まい新しきを発信する。


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↑頂上のお城に到着~♪
駐車場から歩くこと20分、結構いい運動になりました。
このお城の空きスペースでミニ演奏会と見世物が行われます。

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↑スタンバイ中のピエロ。開演をいまかと待つ坊や。
二人の間で何やら交わされるヒミツの会話。

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↑お待ちかね演奏会の始まりです。
東欧系のアップテンポの曲に、お客はごきげん。
会場で振舞われたブルスケッタとワインを片手に、のんびりした時を過ごしました。
はじめはちらほらだったお客も、30人以上集まりました。これは多いほう。

その後、ミニサーカス団のパフォーマンスがあった模様ですが、Butakoは途中、眠たくなってしまったので、村の入り口近くのオリーブ畑で野草をつんでいました。
野草が入った袋を片手に、戻ると、催しはすべて終了。おやまあ。

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↑あたりはすっかり夕焼けに染まり、春の野原をオレンジに塗り替えました。
坊やたちもそろそろ家に帰る時間だね。

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その後、村の友人宅の台所を借りて、野草のサラダを作り、皆に振る舞ったButako。
日がどっぷり暮れるまで、飲みしゃべり続けました。
春の日ののどかーな一日でした。

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by butako170 | 2008-03-07 01:23 | ウンブリア自然・山歩き
スロー風土の食卓から  
  Butakoの新聞記事のアップを怠けていたら、スロー風土はこの3月いっぱいで、満期終了を迎えるではありませんか。
全部で24回の連載です。なのにまだ、13回までしかアップできてません。
これから急ピッチで更新したいと思います。
4月から新連載(同紙にて)が始まることですし…★  

13回目 きのこ狩り  心浮き立つ秋の国民的行事


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 イタリアの秋の山は味覚の宝庫だ。クリ、コケモモ、木イチゴなど野生の恵みで満る。早く山へ。心が騒ぎ、とりわけキノコが気にかかる。

 「この夏は雨が多かったから、出来が早いぞ」と話すのは、友人クラウディオ。

中部地方のスポレートではサングイノーシという種類が珍重されている。「血まみれの」という意味で、物騒な名前は、茎を切るとサビのような液が出るために付いた。

イタリア中部全般に生息するが、地質の違いからか、スポレート近郊のものが断然おいしい。松の根元に生えるので見つけやすそうだが、これが難しい。一度発見すると、その在りかは親にも教えないという。

 採れたてのサングイノーシは炭火焼きが格別だ。パセリ、刻みニンニク、オリーブ油を回しかけて焼くと、良い香りが台所中に広がる。かむとうま味を含んだ汁がジュワと口に広がり、病みつきに。刻んだキノコをトマトと一緒に煮込み、生パスタのソースにするのも絶品だ。

 イタリアといえば「キノコの王様」といわれるポルチーニ茸や地中にできる高級種トリュフが有名。ポルチーニは乾燥モノもあるのでお土産にお勧め。水で戻しパスタの具などに使おう。戻し汁に良いエキスが出てくるから、捨てずに利用する。

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 ほかにもラッパ茸や平茸、卵型をしたオーボリ…多種多様で手に負えない。

 そこで秋にはキノコの展示会を行なう街も多い。キノコの現物を飾り「食べられて味も良い/食べられる/食べられない/毒」と表示をする。館内には鑑定士がいて気さくに質問に応じてくれる。

 キノコ狩りの後、薬局や鑑定所に持っていくと無料で鑑別してくれるシステムもある。市民が楽しみにする行事は、こうした市町村のサポートで安全に楽しむことができる。

(写真説明) キノコを片手に説明するクラウディオ(上)
       形がかわいいオーボリ (下)  いずれもスポレートにて

                                        
                                           粉川  妙
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by butako170 | 2008-03-01 23:50 | 神戸新聞 掲載記事