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オリーブの収穫を体験
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11月のイタリアはオリーブオイルの最盛期。
オリーブの実を摘み取り24~48時間以内にオイルにします。
昨年オリーブオイルを分けてもらいにおじゃましたカムエラの家に今年も行ってきましたよ。
もちろん今年は、オリーブの実を摘み取りに…。

 カムエラ宅に着くと、旦那さんのビクシオがButakoを待っていました。
「今日は寒いぞ、山に雪が被ってる。しっかり着込んで。」

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オリーブ畑は家からわずか100mほど離れた庭の一角にありました。
まずは大きなネットを木の下に張り巡らせます。
そしてプラスチック製の小ヤツデ(まるで子供のおもちゃみたい)を貸してくれました。
「こうやってオリーブの枝に沿って撫でるようにしごいてみて」。あらあら実のところでヤツデの手の部分が引っかかり、面白いようにオリーブの実が取れます。実はそのまま下に落としてOK。
高いところはハシゴの出番です。

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ハシゴをかける枝を上手く選んで、効率よく狩っていくビクシオ。さすがです。
Butakoも挑戦。「ハシゴがちゃんと掛かってるか最初によーく確かめるんだよ」とビクシオ。
わずか3メートルほどの高さですが、やはり高所は高所。侮ってはなりません。
一本の木を全部刈り終わると、下に張ったネットをたぐり寄せていきます。
みるみるひとところにオリーブの実が集まってきました。
実に紛れた小枝を抜き、一本の木が終了。

午前中は3時間ほどかけて3本半の実を刈り取りました。実を探しつつ体を曲げ、たえず手を動かし…とオリーブ狩りはけっこう重労働。大人一人が一日働いてもわずか6本ほどしか狩れないのだとか。
では広大なオリーブ畑ではどうするのか。最近では木に振動を加えて実を落とす、という機械があるそうです。

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オリーブ畑がどこまでも続くイタリアの田舎。そんなのどかで美しい風景に心和みます。
でも畑の管理は意外と大変。冬には肥料を与え、春先には下草を刈り、剪定。収穫の際の人件費もばかになりません。なかには畑を維持しきれず、放置してしまう農家もあるそうです。手入れしないと、オリーブは実を付けてくれません。

こうして午後も少し手伝って5本の木を刈り取りました。翌日はフラントイオ(オイルの圧搾所)に行って、オイルにするのだそう。もちろんButakoもついて行くつもりです。心地よい疲労と共に、カムエラ宅を後にしました。

                                                    Butako
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by butako170 | 2007-11-28 01:48 | プレシディオ・食材
神戸新聞掲載
「スロー風土の食卓から」 
第10回 ワイン
  
   安くて美味 豊富な銘柄

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 イタリア人の血は、ワインでできてるんじゃないかしら。とにかくワインをよく飲む。一人当たりの年間消費量はおよそ五十㍑で日本人の十倍。トップのフランスに並ぶほど。

 毎日飲むので、こんなシステムも。田舎のワイナリーで大きな空瓶を幾つも抱えたおじさんに出会った。ガソリンスタンドのような機械のノズルを瓶に差込むと、ルビー色の液体が勢いよく飛び出す。ワインの量り売りだ。水と同値の1㍑たったの2ユーロ(約300円)。生産元まで足を運ぶと安くておいしいワインが手に入る。

 イタリアは古代ギリシャ人が「ブドウの大地」と呼んだころからワインの産地だ。ローマ時代は貴族の男しか飲めなかった。十世紀ごろ、修道院で醸造法が進歩し生産量が増えると、庶民にも広がった。
 現在、イタリア全土で多種のワインが作られている。重厚でビロードのような柔らかい口当たりの赤「バローロ」やタンニンの酸味が心地いい「キャンティ」。地元でしか手に入らない銘柄まで無数にある。

 味を決めるのは、ブドウの品種と風土、つまり畑の土質や日照時間の違い。とりわけ重要なのは生産者だ。「ワインは作り手に似る」という。同じ原料でも、作る人の個性ややり方で、いろんな印象に出来上がる。

 以前サルデーニャ島を訪れたとき、民宿で飲んだ農家お手製の赤ワインが忘れられない。ワイングラスでなく、ガラス製のぐい飲みで飲むのが地元流。一口飲んで、ブドウの濃い味と垢抜けない風味に、おや?規格品に慣れた私を驚かせた。しかし、すごい味だった。淡白な前菜から、子豚の丸焼きまで、すべての地元料理に合う。ついにはこれの虜(とりこ)に。注ぎつ注がれつ…。

 今でも昔のやり方でワインを作る農家がいる。市場には出てこない素朴な味。やっぱり田舎料理には、これが一番だ。

 (写真)地元のワインとサラミを召し上がれ。ワイナリーのお祭りで=モンテファルコ・ウンブリア州

                                      粉川 妙
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by butako170 | 2007-11-22 01:55 | 神戸新聞 掲載記事
栗の季節
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 味覚の秋。イタリアでは果物や木の実がおいしい季節です。
11月は栗の最盛期。なので今日は栗についてご紹介します。

スーパーや果物屋さんで1kg3~5ユーロで売られている栗。
食べ方としては炒って食べるのが一般的です。

穴の開いた栗専用のフライパンに栗を入れ、ガスコンロで直に暖めます。もちろん暖炉でもOK。


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フライパンをたえず動かしつつ5分…だんだん香ばしい香りが部屋に立ち込めてきましたよ。

栗の大きさにもよりますが10分足らずで出来上がり。
乾いた布の上に置き、布の上を束ね、力をこめてねじります。
すると、栗の皮が適度につぶれて、むきやすくなるのです。

Butakoは焼き栗を多めに作って、それをシロップで煮てみました。
栗の簡単シロップ煮。お菓子や煮物に使えそう。

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トスカーナ地方では栗粉を使ったお菓子『カスタニャッチョ』があります。(今回は写真は無し、後日アップします)
栗粉と水を同量に混ぜ、松の実やローズマリーを散らして焼き上げるのです。
以前、Butakoの誕生日パーティに友人ラウラが持参してくれたんですが、あまり好評ではなかった様子。(残念。Butakoは素朴で美味しいと思ったのですが。)
 かの有名なモンブランは実はイタリア発祥でこちらでは『モンテ ビアンコ』と呼ばれています。

 栗はイタリアの秋には欠かせません。
焼き栗を売り歩くおじさんの姿を見ると、秋の深まりを感じます。

                                           Butako
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by butako170 | 2007-11-20 16:57 | プレシディオ・食材
お知らせ
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 いよいよ一年を通じてJITRAに掲載していた『食い倒れスローフード留学記』が最終回を迎えます。
今回は「イタリアの食生活から学んだこと」と題してスポレートでの研修の様子とこの留学を通して感じたことなどをまとめてみました。
是非ご一読下さい。
 *食い倒れスローフード留学記* 

(すくすく育つ甥っ子ミケーレ。本文とは関係ありません、あしからず。)
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by butako170 | 2007-11-19 00:49 | 報告
師匠との山歩き
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意外にも早く、山の師匠ジョバンニとのトレッキングが実現しました。
週明け、午前10時に連絡があり、「これから仲間と山へ行くけど、一緒に来るか」との誘いが。
もちろんハイと即答して待ち合わせ場所に向いました。

 この日butakoたちが向ったのはマドンナ デッレ ステッレという名の「エレモ」です。
エレモとは隠遁者(修道士)の隠れ家だそう。中世からウンブリアには世を捨てて山の洞穴に住む修道士たちがたくさんいたのです。

向った先はスポレートから車で20分の山深いバルネリーナ地方。人口1000人足らずの小さな村々を縫うように車は走り抜けます。山には紅葉が美しく、何とも心地よいドライブ。
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そのうち一つ、ロッケッタという村に立ちよりました。「この村の教会は、不思議なフレスコ画があるんだ」と師匠。Butakoに壁画を見せるため、寄り道してくれたのです。でも残念ながら教会は閉館。今回は見送らざるを得ません。
壁一面花で覆われた、詩的な美しさのあるフレスコ画なんですって。
でも収穫アリ。なんと教会の向かいの空き地には野草がたくさん生えているではありませんか。
チコーリアが2種類とラパチョーレという俗称の野草。その見分け方、調理法まで教えてくれました。
山々が織り成す景色にしばし呆然。雲からこぼれる光が、幻想的な陰影を作っています。
あら、子馬が野の草を食んでいます。
「絶好のシャッターチャンスじゃ」
一眼レフのシャッターを無心に切るbutako。


道すがら、ジョバンニはいろんな事を教えてくれます。
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「この手前の村はね、昔、免罪符をヨーロッパ中に売って大もうけをしたんだよ。」
「ストランゴッツィ(スポレート近郊の手打ちパスタ)の由来は靴のヒモから来てるんだ。」
「ネーロ川の水源はスケッジーノという小さな村だけど、知ってた?」

 目指すエレモに到着しました。
エレモ(隠遁者の住居)に必要なものは『日光・水源・人里』。
なるほど、山すそには小川が流れています。そして3kmほどのところに村もありました。
そしてエレモのある洞穴には、サンサンと太陽が降り注いでいます。
日当たりが悪いと、寒さで隠遁者が死んでしまうということでしょう。暖房も何もない時代、当然のですよね。村が必要なのは食べ物を施してもらうため。
こうして世を捨て祈りに専念する修道士たちを村人は尊敬し、すすんで施しをしたといいます。


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さてトレッキングも終盤です。
ジョバンニと友人が、米製のGPSでエルモの位置を記録すると、今回のミッションは達成。
こうして大自然を師匠と共に満喫した夢のような一日は、日暮れと共に終わりました。
(⇒エレモの写真を撮るジョバンニ)

                                           Butako
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by butako170 | 2007-11-16 02:01 | その他
山の師匠との出会い
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この日曜日、市が開催する『スポレート物産展』に立ち寄ってきました。
スポレート市の農家や作り手たちが参加しており、会場には搾りたてのオリーブオイルや新ワイン、サフランやブルスケッタ用のソースを売るブースが並んでいます。もちろん試食あり。気に入ったらその場で買うこともできます。マウロの営むチーズ屋も出展してましたよ。
Butakoは実家に送るオリーブオイルを一つお買い上げ。

←会場の一角にはこんなディスプレイが、まるで日本の秋のよう。

 会場のエントランスには巨大モニターが置かれ、美しい写真が上映されていました。
どこまでも続くレンズマメの花畑、力強い野草たち…素朴なウンブリアの自然に、ロベルトとしばらく見とれていました。特に野草はButakoの関心の一つ。見つけたくてもどこを探したらいいか検討もつかず、詳しい友人もおらず、と半ばあきらめていました。
誰が撮った写真なんだろう。…とButakoの隣で来客相手に説明するおじさんがいます。
かなり詳細でマニアックな説明。もしやと思って話してみると、やはり写真の主でした。

 ああ、このおじさんと知り合いになりたい。野草を学びたい。
その一心でいきなり自己紹介。しばらく話すことができました。
おじさんの名はジョバンニ。スポレート近郊の山々が大好きで、仲間とトレッキングによく行く、と言うではありませんか。
「もし機会があったら、私も連れてって下さい」と連絡先を交換。Butakoのこの積極性、営業時代にもっと発揮しておれば…。

 ということで、スポレート物産展で思わぬ人と出会うことができました。
Butakoの山の師匠にふさわしいおじさんです。この先も縁があればいいのですが。

                                               Butako
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by butako170 | 2007-11-14 02:38 | ヒューマン
銀行口座開設…のつもりが
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 先日、家族用の滞在許可も取れ、晴れてスポレートの女性(ヒト)になりました。
ここで生活するにあたって、自分名義の銀行口座を持とう!とまずは郵便局へ向いました。

Butako「口座を開設したいんですが」
職員「あなた、仕事はしているの?」
Butako「いいえ」(え、仕事持ってないと開口できないのかしら。クレジットカードでもあるまいし。)
職員「じゃあ、無理ねぇ。口座を維持するのに毎月これだけのお金がいるの。」
…と彼女はA4の紙にサラサラと書き出しました。
 維持費○○ユーロ  税金○○ユーロ   年間84ユーロ
「働いてないと、これだけのお金払えないでしょ」ですって。

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 口座を作るだけで84ユーロも取られるの?ぼったくりだー。
その代わりね、と職員は続けます。
光熱費を払うときは手数料が要らないし(そう、イタリアの光熱費は払うごとに1ユーロかかるんです)、自分の口座からお金を引き出すのもタダよ。

 でもどう考えたって84ユーロは高すぎます。ちなみにイタリアの貯蓄金に対する利息は3%ほど。
それを踏まえて計算してもマイナスになります。
そもそも口座を維持するのになぜお金がかかるのか不思議です。預けたお金を元手に、郵便局や銀行は運用して儲けることができるのに。

 後日銀行に行って聞いてみると、「うちは毎月手数料が1ユーロ、3ヶ月ごとに国に収める税金として8,5ユーロかかります」
うむ、年間あたり46ユーロですな…。
 仕事が見つかるまで口座は開かないでおこう、と心に決めたButakoなのでした。

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ちなみに、ロベに日伊の違いを話し、いかにイタリアの金融機関が暴利をむさぼっているのかを言ってみたところ…
「でもさ、銀行のシステムを考え出したのはイタリア人だぜ」
とButakoの話の真意が分かっていない模様。
「イタリア人が発明しなくても、どこかの国の誰かがやってたわよ!」と反論しましたが、寝耳に水でした。
                                                  Butako
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by butako170 | 2007-11-08 01:18 | その他
キノコづくしのランチ
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10月28日(日)
 秋も深まるこの頃です。
今日は冬時間に切り替える日でした。
10月28日の明け方、午前3時になると時計の針を1時間遅らせます。
その日は1時間朝寝坊しても大丈夫…というわけ。
日本とイタリアの時差も7時間から8時間へと広がります。

 さて、この日親友ルチアとその彼氏パウロがButakoたちをランチに招いてくれました。
向った先は「カモロ」という山合いの小さな村。
10世帯ほどの人々が肩を寄せ合いながら暮らしています。
パウロはこの村にセカンドハウスを持っているので、今日はそちらに招かれました。

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車を走らせ30分。辺りは広葉樹が赤や黄色に衣替えの最中。
野生のバラには真紅の実が成り、目を楽しませてくれます。

到着するとパウロたちが温かく迎えてくれました。
ルチアがいそいそとパスタ用のお湯を仕度しはじめます。そう、今日のプリモはサングイノーシ入りのストランゴッツィです。ストランゴッツィは、スポレート近郊で作られる手打ちパスタ。うどんほどの太さで、強い腰が特徴です。
 それに採ってきたばかりのキノコ:サングイノーシをタップリとトマトソースに加えています。良い香りがプーンと部屋中に広がります。

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「さぁ、たくさん食べてね。」
と笑顔でルチアが、皿にパスタを盛ってくれます。
豪快にぶつ切りにされたサングイノーシは歯ごたえもしっかり残り、噛むたびキノコの香りを感じることができました。かなり食べ応えのある一品。

そしてセコンドには肉とサングイノーシのミックスグリル。こちらはパウロが信頼のおける精肉屋から買った子牛の肉が何とも美味。焼肉でいう「ハラミ」のローストで、適度な脂肪の甘みと肉の柔らかさが楽しめます。
イタリアの肉は固い、という概念を覆すものでした。
そしてウイキョウの種の入ったソーセージ(サルシッチャ)、サングイノーシのグリル。
いわずもがな、納得の味。

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 ワインはイタリア人にしては珍しいオーストラリア産の赤シラーをチョイス。独特の香りと渋みが肉の後味をサッパリと流してくれます。
Butakoが始終大量のサングイノーシに興奮していると、ルチアが「これはうちのお父さんが採ってきたものなの。彼の趣味はキノコ狩りと野生のアスパラ採りだから、山のことは熟知しているわ。でも毎年食べきれないほどのキノコに少々うんざりなんだけどね」。

なんたる贅沢!サングイノーシはスポレートでは稀少品です。それを飽きるまでたべられるなんて、なんてルチアは幸せ者なのかしら。

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「じゃあ、お父さんがキノコ狩りに行くときはお供したいわ」というと、
「うーん、難しいわね…」
そうでした。Butakoが神戸新聞にも書いたように、サングイノーシの在り処は親子であっても教えたがらない、自分だけの秘密ごとなのでした。

ボリュームランチをこなして、Butakoの作ったトルタを食べた後、しばし日光浴。
この家の庭は午後中、温かい日差しが照っていて、日光浴には最適なのでした。

 このランチのお返しは、後日Butako宅で開いた日本食パーティに招待してチャラ。
こうして気の置けない友人たちは、お互いの家に招き、招かれして週末を楽しむのです。

パウロ宅の台所。天井からハーブを吊るしておりオシャレ。↑


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 Butako
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by butako170 | 2007-11-05 06:53 | ウンブリア料理