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ヴァチカンと幻の屏風
 帰国時に空港でトラブルがあったことはお伝えしました。ドイツがひどい嵐に見舞われていたため、butakoの乗るローマ発フランクフルト行きの便が出発を見合わせていたのです。
 出発を遅らせる、というアナウンスがあったその直後のことでした。

 ひどくあわてている日本人がいます。スーツを着たビジネスマン風の男性で、年のころは40歳くらいでしょうか。フライトアテンダントに話しかけているのですが、うまく伝わらず困っているようです。そのうち、電子辞書をカバンから取り出し、単語を調べだしました。ピンチのようです。

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 そこでbutakoの出番です。幸いここはローマ。まだ十分イタリア語圏ですから何とかなりそうです。
 おもむろに、席から立ちその男性の傍に行きました。
「お困りのようなので助けましょうか?」
「はい、お願いします」
 どうやら、フランクフルトからの日本への乗り継ぎ便について心配しているようでした。
 それが縁で旅の道中、少しお話をしました。

Aさんは、なんとヴァチカンからの仕事帰りだと言うのです。ヴァチカンへ何のお仕事をしに?butakoの興味に火がつきました。
「織田信長が狩野永徳に描かせた屏風を探しているです。」
え?屏風探しがお仕事なんですか。
「はい、実は安土市が一丸となってこのプロジェクトに取り組んでいるんです。」
 え、市のプロジェクトなの?なぜ織田信長がヴァチカンと関係あるのかしら?

 Aさんは順を追って説明してくれました。
 織田信長が安土城を建てたとき、‘当代随一の絵師’(狩野永徳と推定される)に安土城の威容と城下町をきわめて正確に描かせたそうです。
その後信長は、屏風をイエズス会巡察師ヴァリニャ-ノに贈呈。ヴァリニャ-ノは自ら率いた天正遣欧使節とともにそれをローマに携えて、ローマ法王グレゴリオ13世に献上したそう。法王の死後、屏風は行方が分からなくなり現在に至るといいます。

屏風を探している、とはこういうことでしたか。500年も前の屏風を、古い文章を手がかりに探すなんて!宝探しにも似た夢とロマンのある話ですよね。
このプロジェクトは正式に安土市からヴァチカンに協力を依頼し、今双方が協力して調査を進めているところです。もし屏風のありかを突き止めることができたら、世紀の大発見です。

「見つかるといいですね。」butakoがそう言うと、素直にAさんは頷(うなず)き言葉を続けました。
「例え見つからなくても安土市とヴァチカンの交流によって、得られるものは大きいはずです。」
確かに。琵琶湖のほとりの静かな街がこの一件で活気づき、町おこしにも一役買うことでしょうし、こんなロマンのある事業をやっていること自体が、市民にとっては誇りになるに違いありません。

Aさん、安土市の方々、是非がんばってこのプロジェクト推し進めていってくださいね。
butakoは影ながら応援しています。
もしよかったら特別ゲストとして、ヴァチカンに行く際にはお供させてください。

                                          Butako
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by butako170 | 2007-01-30 22:44 | ヒューマン
20日の午前中帰国しました。
 といっても今回の帰国はちょいと厄介続き。まず、18日ローマは濃霧のため、空港が閉鎖。ルフトハンザを利用していたため、たとえ霧が晴れるのを待っちフランクフルトへ行っても乗り継ぎの便に間に合わないので無理・・・ということで翌日のフライトに振り替えました。Butakoは重いスーツケースを引きずりまた来たスポレートに帰り(ローマで宿を探す元気もお金もなく・・・)翌日出直す羽目になったのです。

 そして19日。チェックインからすべてスムーズに行き、いざ搭乗というところになって、なんとドイツを直撃した嵐により今度はフランクフルト空港はブロック。あちらのコンディションが良くなるまで飛びません・・・とのことで再びガックリ。またしても乗り継ぎ便の関係もあるので「今日も無理かも」とあきらめていたのですが、1時間半後に解除されやっと飛び立つことができました。
そしておしまいに、フランクフルトでの乗り継ぎ時間なんと10分!空港の端から端まであるかと思われるぐらいの長い道のりをひたすらダッシュ!流れる汗を拭きつつなんとか滑り込みセーフ。日本がbutakoの帰国を避けているのか・・・と思わずはいられない出来事でした。
 
 何はともあれ無事帰国です。久々の実家。播磨町。1年半で変わったことと言えば、はす向かいの家が改築したことと、我が家の玄関ブザーが直ったことくらい。
 それでもやはり我が家はいいものですね。
 土産話を家族にしつつ今日はゆっくりと過ごしました。

 パソコンの故障の関係で記事があまりアップできなかったので、少し遡ってスポレートでの滞在の様子を書くことにしましょうか。とりあえず、今日は帰国のご報告まで。

                                             Butako
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by butako170 | 2007-01-20 21:47 | 報告
イタリアの春の野草
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 年末年始と友達の家にお呼ばれすることが多かったため、butakoの胃は少々疲れ気味。日本では正月7日には七草粥を食べますが、こちらにはそういった習慣はありません。
そんなことを考えているとふと春の七草をイタリアで探してみたくなりました。もちろんすずしろ(大根)の葉なんてこちらにはないので難しいのはわかっているのですが。

 春を呼ぶ野草・・・といえばウンブリアで有名なのはラポンゾロ。別名ラペロンゾロ(日本名:カブラギキョウ)というこの野草は年末年始あたりから八百屋の軒先に並び始めます。大根やブロッコリーの若い苗と同じくらいの大きさ(5cmくらい)。葉は少し先が丸くなっていて噛むと少しカイワレ大根のような辛さが口に残ります。そして細い4cmほどの根があって採取するときは根ごと抜きます。

 この若菜、枯葉を除き泥を洗って調理します。サラダにして生で食するのがいいと聞いたので、水につけてパリッとさせたラポンゾロには塩とレモン、オリーブオイルをかけていただきました。
 葉はシャキシャキ、根はポリポリとしていてなんとも食感の楽しいサラダでした。ほろ苦い葉はまさに春の訪れを感じる味。レモンの清涼感とこの苦さがあいまっていくらでも食べられるサラダです。

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 Butakoはラポンゾロを取っている村人たちを見たことがあります。緩い傾斜のある雑草だらけの畑になぜか囲いが。こんな痩せた土地に杭を打ち、立ち入れないようにしているなんて金塊でも埋まっているのかしらと思っていると、中では村人たちが腰をかがめて作業をしています。なんと出荷用のラポンゾロを取っていたのでした。ラポンゾロは野草なので生育は自然任せ。だからこそ根こそぎとってしまうと翌年収穫できない可能性もあります。村人たちはこうやって自分の畑に生える野草を管理しながら適量を採取しているのでした。

 春の野草ラポンゾロ、機会があったら是非試してみてください。手摘みだけあって、1KG/25€とけっして安いものではありませんが春の訪れを感じること間違えなし。
ほかにも早春の野菜といえば、カルチョーフォ(アーティチョーク)やプンタレッラなどがあります。温暖なカターニアでは早くも11月頃からカルチョーフォが出始めていましたっけ。
ラポンゾロのサラダを食べつつ、春を待ちわびるbutakoなのでした。

                                     Butako
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by butako170 | 2007-01-12 03:14 | プレシディオ・食材
ベファーナ
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1月6日はベファーナの日でイタリアは祝日です。ベファーナの日は救世主の御公現を祝う日。主顕節(Epifania)とも言われます。東方の博士たちがキリストの礼拝にやってきたことを記念するお祭りでクリスマス後の12日目にあたります。

 そのベファーナは子どもたちのフェスタでもあります。
いい子には魔女ベファーナがお菓子をプレゼントしてくれるんですって。なんだかハロウィンのイタリア版みたいですね。

スポレートでもガリバルディ広場にベファーナがやってきましたよ。子どもたちがかわいい声で「ベファーナ!」と呼ぶと魔女は声に応じてお菓子を子どもたちに渡していきます。鉤鼻をした魔女ベファーナは子どもたちを慈しむ良い魔女。フェスタの前夜にお菓子を子どもたちの枕元に届けるのです。
『いい子にはキャンディを、悪い子だと炭を置いていくから、お行儀よくしなきゃだめよ。』なんてイタリアのマンマは子どもたちにこう言ってしつけます。そのためか炭そっくりの砂糖菓子がお菓子屋さんでは売られます。本当によくできていて本物と間違えそう。かじってみると、ガリガリしていてとても硬い代物でしたが。

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子どもたちにとってこの時期はクリスマスにはサンタ クロース、その12日後にはベファーナとプレゼントの多い楽しいシーズンです。この日をもってイタリアのクリスマスシーズンはおしまい。でもベファーナから冬のバーゲンが始まるので、また新たな楽しみが大人たちには待っています。

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by butako170 | 2007-01-08 19:56 | その他
今年もよろしくお願いいたします
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 2007年もよろしくお願いいたします。

 復活したと思ったPCの調子が悪くなかなかメールの返事もままならず、ブログも発信できませんでした。どうやらウィルスのせいではなく本体がダメになってしまったようです。
 ご助力いただいた皆様ありがとうございました。
 帰国の際には新しいPCを買い換えましょう。(このバイオ2年しか使ってなかったのに。きっと酷使し過ぎたのね。)

 さて、このたび日本への帰国日が決定いたしました。1月18日のローマ発のチケットを購入しましたー!片道でも往復でも値段がさほど変わらなかったので、往復チケットを買いました。
皆さまにお会いできる日を楽しみにしていますね。

                                             butako
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by butako170 | 2007-01-06 01:48 | その他
カターニアのご当地メニューは馬肉料理!
 イル クチニエレの同僚ロザリオに「もう馬肉料理は食べた?」と問われて、「カターニアの人は馬肉食べるの?」と思わず聞き返してしまったbutako。そうここカターニアは馬肉料理が有名なのです。どこのリストランテやオステリアでも新鮮な魚介を売り物にしているので、1年前に来たときは気づかなかったのですが、その実地元っ子の人気は馬肉料理なのです。

 さてどこのレストランで美味しい馬肉が食べられるのかロザリオに聞いたのにすっかり忘れてしまいましたぞ。おっとあそこの角に肉屋さんが・・・。餅は餅屋と言いますから肉屋のおじさんに聞いてみることにしましょう。すると馬肉料理を始め何を食べても間違えない・・・と折り紙つきのトラットリアを教えてくれました。その名も「カバリエーレ」。なるほど『騎手(カバリエーレ)』と名が付いているあたりが、大穴っぽい感じがします。

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トラットリアの入り口には、魚介をはじめその日の材料がディスプレイされていました。その一角には赤い肉の塊が・・・。「これ、何?馬ですか?」と尋ねると「そうだよ。うちの馬は格別だよ。」とコックらしきお兄さんがニッコリ笑って答えます。店内はガラス張りのテラス席もありとても洒落ています。1922年創業と看板にありました。古くからやっているトラットリアなんだな・・・。
そして禁煙席と喫煙席が分かれているのも喫煙家にはウレシイ配慮かもしれません。なんせイタリアも先進国の例に漏れず飲食店内は全席禁煙になっているものですから。

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テラス席に通されてメニューを拝見。
 butakoがまず頼んだのは海の幸のリングイネと馬肉の盛り合わせです。ワインは軽めのテッレ デッラ バロニアというIGTの赤をお願いしました。
リングイネはムール貝とアサリのエキスをたっぷり吸っていてとても美味。新鮮な魚貝に地元で取れた良質のトマトを使っているので、旨くないわけがありません。リングイネをスープに絡めてサラっと食べられる一品です。そして名脇役はこのワイン。赤なのに海の幸とあわせても全然違和感がありません。むしろさっぱりしたパスタのアクセントになって食がすすみます。

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そしてセコンドは待ちに待った馬肉料理です。馬肉のフィレステーキとポルペッティーネ(肉だんご)をちょっとずつ盛りあわせてもらいました。馬肉のフィレステーキの柔らかいこと!ミディアムレアに焼かれた肉は、切ると断面が桜色です。そして肉汁がジワーとしみでてきます。肉質はやわらかめですが、適度な弾力があります。肉にはもちろん脂も適度にのっているので、かむたびに良質な牛脂にも似た甘くトロッとした脂肪の味を楽しむができます。「美味いっ。美味すぎる。」
以前プーリアで食べた馬肉が硬かったので「馬肉は硬い」と思っていたのですがその思い込みを見事に覆しました。後でご主人に尋ねてみると、生後18-30ヶ月の子馬を使うので肉は適度に柔らかく脂肪も甘いのだとか。一方馬肉の肉団子はスパイシーでワインの友に最適。アラブの香辛料文化の影響を感じました。

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そうこうしているうちに向かいに座っている白髪のシニョーレがbutakoに声をかけてくるではありませんか。「一緒にドルチェでも食べませんか?」誘われるままに相席します。品の良さそうなでもさすがイタリア人と思わせる陽気な3人組は、ローマ銀行のお偉いさん方でした。
そこでフェドラ(fedora)というリコッタチーズにふんだんにアーモンドを散らしたトルタを注文。
アーモンドはカリッと香ばしく、リコッタはほのかに甘くクリーミーです。一口食べるたびに幸せになるドルチェでした。そして勧められるままにグラッパをいただきます。ネロ・ダーボラのグラッパは薄い琥珀色でとても香り高く、飲み干した後も余韻を残す味でした。

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さて馬肉料理を大いに堪能した2日後、イル クチニエレにて仕事を終えたbutakoたちにカルメロがある場所に行こうと誘ってきました。なんと夜通し開いている地元でもローカル度120%のパニーノの屋台です。パニーノ屋のガラスケースに陳列されていたのは馬肉をはじめサルシッチャやモツの数々・・・。
 これを炭火で焼いてパンにはさみ立ち食いするというスタイルです。
なんともカオスの街カターニアらしい風景ではありませんか。深夜25時のパニーノを楽しんだ後、以前よりもカターニアの街が少し分かったような気がしました。路上でひとつ2ユーロの馬肉のパニーノを頬張り、安い赤ワインをすすりながらそこに居合わせた人たちと何気ない会話をする・・・一日の生業を終えた人々を癒す都会のオアシスをそこにみました。

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Trattoria del Cavaliere
住所:via paterno 11 Catania


              

 
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by butako170 | 2007-01-05 01:29 | リストランテ