カテゴリ:イタリアの中世( 9 )
ナルニの中世祭り Corsa di Anello
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皆様、ご無沙汰しています。
陽気な新緑の季節とは裏腹に、お腹を壊していたりして、いまひとつ元気がありませんでしたが、ようやく活動的になってきました。

5月12日(日)は、ナルニの中世祭りCorsa di Anelloを見に行ってきたので、その絵巻物のような様子をご覧頂きます~。
コルサ・ディ・アネッロって何?の疑問にもお答えしますね。

ナルニはラテン名をナルニアと言い、ローマ時代からフラミニア街道として栄えた町でした。
小高い丘の上に広がる趣のある古都…といった感じかしら。
『ナルニア国物語』のタイトルにもなったんですよ。
また1960年代に発見された中世~近世の地下牢獄は有名で、宗教裁判が行なわれた場所でもありました。この様子はまた別の機会に。
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人口2万人の町はふだんは静かなのですが、コルサ・ディ・アネッロの開催期間は別。
中世の貴族の格好をした市民たちが、街を練り歩く『コルテオ(行列)』が有名です。
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ナルニの友人ステファノとペルージャのT子さんと繰り出したのは、まずはタベルナ(食堂)。
腹が減っては戦はできぬ…って戦をするのは、butakoたちではありませんからねー。
(コルサ・ディ・アネッロはどうやら戦いのようです。)

半地下になっているタベルナは、間接照明でとってもムーディ。
まるで洞穴にいるみたいです。

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私たちは、地元でよく食べているManfricoliとTronchettiをオーダーしました。

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マンフリーコリとは角が四角く切ってあるパスタで、水と小麦粉のみを使ったシンプルなパスタ。
スポレートで言えばストランゴッツィと酷似しています。
ただ切り方が少し違うみたい。マンフリーコリのほうがより角ばっている気がしました。

もっとも家庭によって切りかたも違うので、一概には言えないのがイタリア伝統料理の奥深いところですが…。
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そしてトロンケッティは、ジャガイモ入りのパスタです。
ジャガイモを練りこんだ生地をかなり太目の棒状にのばし、小さくきっていくもの。
もっちりとした食感、結構お腹にたまります。
ミートソースに絡んで、ネットリ美味。
サルデーニャ名物フレーゴラという大粒のパスタと食感が似てる感じ。
トロンケッティは、8年ほどウンブリアに住んでいてもまったく聞いたことのない料理で、非常に興味を惹かれました。
ネットなどで調べてもヒットしない謎のパスタなのです。

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そして牛肉のプンタ・ディ・ペッティ(胸の部分)は、ジューシーで少々堅いですが、お肉の味が満喫できる一品でした。
中世の料理が出るのかな、と思ったのですが、そうではなかったですネ。(大航海時代以降のトマトがたくさん登場していましたし)
地元の人が食べ続けているナルニ料理を堪能しました。

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チェントロでは、あちこちで太鼓の力強い音とファンファーレが聴こえてきます。
市庁舎のあるプリオーリ広場では、すでに行進が始まっています。

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このコルサ・デル・アネッロは、ナルニ市内のMezuleメズーレとFraportaフラポルタ、 Santa Mariaサンタマリアの3つの地区で戦います。
去年の優勝チームから、コルサが行なわれる2km先の競技場まで、練り歩くのです。
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貴族や皇女の格好をした女性が、競技の勝者に与えられるトロフィー代わりのリングを持っていますね。このリングが多いと過去の優勝経験も多いことをあらわしているのです。

祭は、もともとは中世の頃行なわれていたそうです。
コルサ・ディ・アネッロとは、槍を持った騎士たちが、馬に乗りながら、吊るしたリングめがけて槍を突き刺すという競技で、多くのリングを槍にさした騎士が勝者となります。
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ほら、この兵隊が持っているのが、競技に使われる槍です。

祭は長らく行なわれていませんでしたが、1969年に復活し、それ以降行なわれています。
走りながら直径7cmのリングに槍を突き刺すのは、至難の業ですよね。

同じような競技は、ウンブリアの各地で行なわれています。
フォリーニョのクインターナなどがそうですね。
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王侯貴族の行進の後から、やってくるのは、庶民たち。
彼らも中世の風習通り、貴族の後からついていきます。貴族たちがファンファーレの音に対して、彼らはラッパや歌で、加勢しています。
なかには、ニューハーフみたいな人もいて面白い。
たぶん中世の頃も居たんだろうなぁ、と想像しちゃう。

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競技場は、多くの人たちでごった返しています。
自由席は18ユーロなり。
上のほうの席が障害物がなくて良いかも。
私たちが到着した3時頃は、すでに多くの席が埋まっていました。

お待ちかね、3地区の貴族たちの入場です。
その後に平民たちも入ってきました。

そして3チームの馬たちが、会場に慣れるために助走にやってきました。
会場は大いに沸きます!
立ち上がって歓声を送る人たちはたいてい、チームカラーの服を着ていたりして、誰がどこのチームの観客か一目瞭然。

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そして競技開始です。
1回の競技には2チームずつしか参加できません。
1セットずつ総当り戦で、それが3セット繰り返されます。
走者は1周半走るのですが、半周ごとにリングのあるポイントを通過します。
その際、リングを槍に突き刺しながら走りぬけます。
(詳しいルールがあるのですが、複雑なので割愛)

1ポイントごとに15点加算で、45点満点。
トラックの一定の枠内で走らなければならず、枠からはみ出れば減点です。

実際競技が始まってみると、馬の走りが間近で見れて、思った以上に臨場感があります。
芝生を蹴散らしながらカーブを回る馬の姿にエキサイティングしますね。
butakoたちは、ステファノの地区である『サンタ・マリア』を応援しました。2年連勝している地区なんですって。三連覇なるか?!

そしてリングをさすところは、残念ながら遠すぎてよく分かりません。
こりゃぁ、双眼鏡がいるなぁ。。。
しかし周りを見ても、すごく熱狂的な割には、双眼鏡保持率5%未満。
少なすぎて、笑っちゃいましたが、皆さん、見えてるつもりで、大興奮。

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あとからきちんと得点も発表してくれるので、まぁ、問題ないのですが。

私の座席の後ろのオチビさんたちが可愛くて、思わず激写してしまいました。
わけも分からずに「Dai dai dai...ダイ、ダーイ」と叫んでいます。

いつも大人しいらしい(ステファノ談)ナルニ人たちも、この日ばかりは大騒ぎ。
勝った地区の人々は、誇らしげに1年を過ごすんですって。

さて気になる結果ですが。
サンタ・マリアは、2走者目が散々で最下位。
2位がトラポルタで、1位がメズーレでした。
いやはや、残念だぁ。

来年は双眼鏡片手に、お弁当と冷えたビールもって来なくちゃ。
ちょっとはまってしまった中世祭りでした。

                                butako

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by butako170 | 2013-05-13 21:00 | イタリアの中世
カネデルリ(クヌーデル)
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昨日から、カネデルリの仕込みをしていたら、やけにロベちゃんの機嫌がいいの。
散歩の途中、友人に会うと、「明日はカネデルリなんだ」と言い回っていたよう。
おらが村のスポレート人は、「へぇ!」みたいな反応だったのですが、ドイツ留学の経験のあるバルバラなどは、「あれは、重いから嫌いよ」と。

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私達夫婦の無二の親友フランチェスコは、チロル地方にスキーで毎年行っていたらしく、「まぁ、具にもよるけど美味しいよ」との意見。
そのフランチェスコも交えて、本日はわいわいとカネデルリランチです。

このカネデルリ、なんでもトレンティーノ州のサイトによると、こんな伝説があります。
ランツクネヒト(ドイツの傭兵)が、チロルを通りかかった際に、貧しい農家に押し入った。
農夫の妻と娘たちしか家におらず、彼女らに向かって、「直ちに食べるものを用意しないと、家に火を放つぞ」と脅したそう。
そこで妻と娘たちは、古いパンとスペック、チーズで団子を作り、沸騰した塩水にこの団子入れて即興で一品を作った。
カネデルリは思いのほか美味しく、兵士達は満足し、家は焼き討ちから免れたそう。

しかしランツクネヒトが編制されたのは1490年代なので、もうルネッサンス。。。
それ以前にカネデルリは存在していたので、ちょっと時代が合ってない、よね。

さてさて、実は今回カネデルリが『中世の食事会』で取り上げられたのは、取材旅行で訪れたチロル地方のCastello d'appianoの古い教会の壁画に、団子を食べる下女が描かれていたからです。
イエスが誕生した華々しいシーンなのに、下女は一心不乱に団子を食べてます。
そんなつまみ食いの様子がかわいらしく、是非、カネデルリは、メニューにいれなきゃね、といった流れだったのです。

カネデルリ=クヌーデルはドイツ語で団子という意味なので、団子に丸めた肉などもこの範疇です。
だから肉団子バージョンやジャガイモを使ったニョッキバージョン、中にアンズなどを入れたドルチェバージョンもありなわけ。

d0033983_18103049.jpgそれでは、気になるカネデルリの作り方です。
材料【4人分】
乾燥したパン140g、残り物のチーズ40g、タマネギ中(半分)、バター大1、牛乳70cc、スペック30g、卵2つ、小麦粉60g程度、パセリ大2、ナツメグ少々、塩、コショウ、ブロード1.5L、パルミジャーノ少々

①パンを1cm各に切り、牛乳をしみこませ、20分ほど置いておく。(まだパサパサならば牛乳を足す)
②タマネギはみじん切りにして、バターで炒めて冷ます。
③①にタマネギ、刻んだスペック、パセリ、卵、塩、コショウをして、チーズを加えて、形成して、小麦粉をはたく。熱いブロードで15分ほど茹でる。
④皿に盛り、ブロードをかけてパルミジャーノをふって食べる。

パン粉や日本の食パンで美味しくできましたよ~。
                                                butako
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by butako170 | 2011-01-16 17:54 | イタリアの中世
北イタリア中世の宴 を終えて
1月8日(土)17時から、隅田川の見えるギャラリーカワウソで、『北イタリア中世の宴』が開催されました。
企画は、中世美術専門の金沢百枝先生。

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中世好きの方~大学の先生方、歴史家、出版関係者などが集いました。
事前にメニューは知らされていたものの、どんな味だろうと皆さんワクワクされていた模様。
ここで、簡単にメニューの紹介をしますと。。。

*アンティパスト
・中世居酒屋風イワシのスカペーチェ(オニオンのせマリネ)
・オレンジのマリネ(オリーブ油であえた)
・スペックのスライス
・ウナギのパイ


ウナギのパイが感動モノ!
バターと小麦粉で練ったパイ生地に、ペースト(干しイチジク、レーズン、シナモン、ショウガパウダー、サフラン、アーモンドミルク)を敷き、ほうれん草を載せ、ウナギを敷いてパイ生地を被せて焼き上げます。
ペーストには、バラ水も入れています。また焼いている途中にもバラ水とレモン水を振り掛けます。
ウナギの臭みを消すためでしょうか。


ペーストの甘みとウナギのこってりが、見事に融和して、すごく美味しかったです。
パイ生地も綺麗にパリッと焼きあがったし、これは絶品でした。

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>>>アンティパストを食べつつ、ここで池上俊一先生のレクチャーが行われました。

『中世料理の特徴』として4つの点をあげつつ説明して下さいました。なるほど、舌だけでなく、頭でも理解しながらの中世料理。最高のシチュエーションです。



スープ*下仁田ネギのポタージュ*
アーモンドミルクとシナモン、カルダモンなどのスパイスが、どこかオリエンタルな雰囲気でした。

>>百枝先生が、今回のレシピ本の挿絵をプロジェクターで投影しながら、説明をしてくれました。当時の風俗、風習、調理法などが克明に分かり、参加者を中世に誘いました。
◆中世での食卓は、ナイフやフォークが人数分なく、隣の人と共有していたんですって。
◆身分の高い人は、そうでない人の4倍食べる必要があったんですって。偉いとたくさん食べられるなんて、食べ物が豊富になかった時代らしいですよね。
◆かつては今のようにガスコンロがなかったので、火から遠ざけたり近づけたりすることで、火加減を調節していました。火加減には、細心の注意が払われ、担当者が付きっ切りだったようです。

プリモ*カネデルリ*
チロル地方で今も食べられているパンで作ったお団子です。団子の中には、刻んだスペックとパルミジャーノ、パセリが入っています。
ブロードをかけ、パルミジャーノを削って頂きます。
サルビアで風味を付けた溶かしバターをかけるバージョンもあります。
能楽の演奏者が、グレゴリオ聖歌を披露。和と欧の融合です。

セコンド*ボッリートミスト* 3種のソースで
牛舌、牛スネ、外モモを香味野菜と共に5時間煮込みました。コテキーノも付けました。

①白いアリアータソース(アーモンド、ニンニク、パン、ブロード、塩)
②ボッリートのための緑のソース(ワイン酢、パセリ、丁子粉末、シナモンとショウガ、大粒の塩)
③カメリーニソース(りんご酢、アーモンド、レーズン、パン粉、シナモン、丁子、塩)
リュートを演奏してくださいました。まるで宮廷で食事をしているよう。

チーズ*パルミジャーノ・レッジャーノ*30ヶ月
*アチェト・バルサミコ・トラディツィオナーレ・ディ・モデナ*30年

バルサミコ酢はモデナの作り手Acetaia San Matteoのものを。トロリとしたバルサミコ酢は、酸味がまるくなってお酢というよりもソースです。プルーンのような香りもして、魅惑の味です。

ドルチェ*リンゴのパスティッチョ*
リンゴのトルタ。オリジナルレシピは、洋ナシを丸ごと使います。

皆お腹いっぱいになったかな?心配そうにbutakoが問うと、皆さん満足そうに「もちろん」と。
そして、立ち上がって、butakoに拍手を送ってくれています。
今回、盛り付けを手伝ってくれた真さんも、となりでニッコリ笑っていました。

長い長い準備を経て、中世の宴が終わりました。
前日は、午前2時までかかって百枝先生と調理を行い、当日は、新潮のSさん、カワウソの萬田さん、骨董屋のTさんなどと協力して会場を作り、真さんのヘルプで盛り付けも完璧でした。

参加者の皆さんも、会を盛り上げるべく、中世の衣装で来た方や、演奏を披露した方、飲み物を差し入れた方など、皆の想いが終結した宴でした。
そして一番の功労者は百枝さんです。
企画&準備、本当にお疲れ様でした。
こんなに盛り上がった会になったのも、ひとえに百枝さんの力量と人徳のおかげです!
そしてさりげなくフォローしてくださった新潮社のSさんにも支えられました。

写真がほとんどなくて申し訳ないですが、こんなもんで、大体、分かって頂けたでしょうか~☆
                                             
butako
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by butako170 | 2011-01-13 03:32 | イタリアの中世
バルサミコ到着!
すみません、昨日、一日中、カメラとPCをつなぐコードを探していたのですが、本日、やっと見つかりました。
なので、送られてきたバルサミコを、アップすることができますよ。
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なーんと、サンドラ、オーダーしたバルサミコ以外にも、ミニバルサミコ(12年モノ)とイチゴジャムまで送ってくれました。
なんとも心が温かくなります。
中世の料理の会、ちゃんと写真に納めたものを、サンドラに送ってあげよう。

そしてお目当てのバルサミコ。
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おー、これが30年ものの、バルサミコですかぁ。
かなりトロッとしているんだろうな。

前回、味わった時は、尖った酸味はなく、まろやかで深い味わいでした。
今回、参加される皆さんに、是非味わって欲しいです。

さて、明日はすっかり機上のブタ・・・なbutakoですよ。
                                                    butako
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by butako170 | 2010-12-09 23:13 | イタリアの中世
アチェト・バルサミコDOPを求めて
バルサミコ酢なら、イタリア中どこででも見つかるのですが、トラディッツィオナーレ・ディ・モデナと名のついたDOPを探すのは一苦労です。
スポレートのような3万人規模の小都市では、至難です。

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スーパーで売っているバルサミコ酢との違いは、カラメル色素を入れていないとか、いろんなことが挙げられますが、製法が、まったくもってちがいます。
詳細は、以前私の執筆したアマレーナの記事を添付するので、興味のある方はご覧下さい。

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旅立ちも迫っているので、まずは我が町スポレートの食料品店をあたってみました。



とうぜん普通の食料品店に一本50~100ユーロもするような高級なお酢は売っていませんよね。


いろいろ探し回っても空振りばかり。そこで11月末にオープンしたばかりのこだわりの食材店La Provvidaにどうやらあるらしい・・・というロベちゃん情報を元に、行ってみることにしました。

実はこのお店、オープンする前も、食料品店でした。
どうやらこの経済危機で、以前のお店は2年ももちませんでした。あらたに隣町のフォリーニョ人が、仕切り直しです。

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どうです、このバンコのすごい品揃えは。
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地元ノルチャのサラミから、エミリア州ジベッロ村のクラテッロ、珍しい北部のチーズまで、高品質な品揃えです。

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夏トリュフ。

左手の5つ入っているものは、なんと、たったの10ユーロ!!!!!

さすが、地元ならではの目玉価格です。

こんな感じでこだわりの品々がズラリ。
これなら、DOPのバルサミコもあるかもしれない!期待が高まります。

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そして、お酢のコーナーを見つけた!化粧箱に入っています。
よく中身を確認すると、DOPと書いてありました。

DOPと一口に言っても、12年モノと25年モノに分かれます。25年以上経っているものは、“エクストラヴェッキオExtravecchio”というのですが、さて、こちらに置いてあるのは何年もの?

聞けば、25年モノで75ユーロです、との返事が。
末端価格で75ユーロなんて、お買い得!さっそく購入しました。

喜び勇んで家に帰ったのですが、どうも引っかかることがあります。
この箱、赤いよね。確かエクストラヴェッキオって、金色ではないかしら。

しかも箱の注意書きをよく見ると、エクストラヴェッキオは、コルクをカバーしているカプセルが金色で、瓶にエクストラヴェッキオと表示した帯で封をしている・・・とあります。
でも手にしている品のカプセルは赤色。帯にもなにも書いていない。
???????

ということは、これは12年モノで、価格はだいたい40~50ユーロ(注:直売価格です)。
そんなぁ、butakoエクストラヴェッキオが欲しかったのにぃ。価格も割高だし、これじゃぁ詐欺だよー。

あわてて、お店に戻って、事情を説明しました。

お店の人も「確かにあなたの言う通りね。私は、仲介者の言うことを鵜呑みにして、てっきり25年モノだと思って売っていたわ」と侘びを入れられました。

ということで、バルサミコDOP探しはまたふり出しに。

でも、そこではた、と思いました。
なんで、アマレーナの取材の時お世話になったサン・マッテオに連絡せーへんのやろ、ワタシ。
女主人のサンドラに聞いたらエエヤン。

と、遅まきながら閃きました。
で、速攻連絡したら、「あー、今ね、今、運転中なの。ちょっと待ってね。あ、止まれるかな。」とひとしきり慌てた様子の後、
「あなた、そういえば2年前の!取材してくれた!!連絡先も分からなかったので、その後すっかり御礼を言いそびれていたのよ!」と超ハイテンションのサンドラ。

彼女は、全然変わってない。すごく親切で温かくて、協力的。
「分かったわ、急いでいるのね。すぐに送ってあげる。30年もののエクストラヴェッキオがあるから、1本85ユーロのところ、少しおまけしてあげるわ。だってすごくお世話になったし」
と矢継ぎ早に提案してくれました。

このやり取りをしたのが、先週の水曜日。
郵送に要する時間は平均4日だそう。
そして、本日月曜日の午後イチバン、待ちに待ったサンドラのバルサミコが到着したのでした~。

詳細は次回のブログでね。
                                      butako
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by butako170 | 2010-12-07 18:00 | イタリアの中世
中世の食事会 メニュー完成!
メニューが決まりました。

           北イタリア中世の饗宴
************** 前 菜 ****************
中世居酒屋風スカペーチェ(Scapece da tavernaN.61)、オレンジのマリネ
(Arancia marinata)、スペックのスライス(Speck affettato)、
ほうれん草とウナギのトルタ(Torta d’anguilla e spinaciN89)

宴はレモンやオレンジで始めた・・・というアスティ領主の祝宴の記載より、オレンジのマリネ
ヴェネツィア(サオール)を想い出して、イワシのマリネ・タマネギ添え
トレント(チロルのアッピアーノ)とシンクロしてスペック
今回、池上俊一先生がいらっしゃる!!!ので、先生のご専門の中世のウナギ料理について
ポー河流域のポンポーザやラヴェンナ界隈もウナギ有名ですよね


************** スープ ****************
ポロ葱のポッラータ(ポタージュ)Porrata Bianca al latte di mandorle N.13
ラヴェンナの夜、ポロ葱のスープで体を温めた思い出から

************* プリモ ******************
カネデルリCanederli (チロル地方のパンを使ったお団子状のニョッキ)
同上、アッピアーノの壁画に描かれたイエスの乳母が食べていたお団子の再現

************** セコンド ****************
ボッリートミスト 3種のソースで Bollito Misto
白いアリアータソースSalsa Agliata bianca
ボッリートのための緑ソースSalsa Verde per il bollito
カメリーニソースSalsa Camerini
北の冬のご馳走、ボッリートミストは、中世からもご馳走でした
それを中世のソース3種で


************** チーズ *****************
パルミジャーノ・レッジャーノ(30ヶ月熟成) Parmiggiano Reggiano 30mesi
アチェト・バルサミコ・トラディツィオーネ・ディ・モデナ(30年熟成)
Aceto barsamico tradizionale di modena
べネデット修道士がポー河湿地を干拓し、乳牛を飼い産み出したチーズは9世紀までさかのぼる
カノッサの屈辱で、法王に謙譲されたエステ家のアチェット・バルサミコとともに


*************** ドルチェ ****************
イッポクラッソ(甘いぶどう酒)IppocrassoN149
リンゴのパスティッチョ Pasticcio di mele crudeN97
甘いワインは〆に最適 シナモンと砂糖で甘みと香りを
生の梨のパスティッチョ(中世のレシピ)をモディファイして チロル地方のストゥルーデルに想いを馳せて


飲み物は持ち寄りですかね。
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by butako170 | 2010-12-05 18:29 | イタリアの中世
中世のコショウ
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町にクリスマスのイルミネーションが溢れ、すっかり師走気分になってきましたね。
ショーウィンドにセンスよくディスプレイされている商品を見て回るだけでも、ウキウキしてきます。

イタリアは、ここ2週間ほどアフリカから吹くシロッコ(熱帯風)のせいで、長雨続きです。日本の梅雨みたいに、毎日毎日雨。
雪でも降れば、まだ雰囲気出るんですけどね。

中世の食文化といえば、たしか香辛料まみれと言っていいほど多用していましたよね。
しかも甘辛のいわゆるアグロドルチェな味付けです。

前回のブログで記したレシピには、詳しい香辛料は割愛しましたが、どれをみても、ショウガ、シナモン、ナツメグ、丁子などをワンパターンに常用していることが分かります。
また砂糖や柑橘類との取り合わせも多く、アヒルとオレンジ・・・なんて甘酸っぱいものと肉のあわせ技は、いかにも中世っぽいですよね。

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それにしれも、香辛料っていうイメージは、大航海時代以降のイメージが強いですが、実は新大陸が発見される前にも、ジェノバやヴェネツィアの商人たちがアフリカや中東から香辛料を買い付けていました。なので、すっかり一般市民にも定着してきたわけです。

そしてコショウですが、当時は黒コショウ、白コショウ以外にも、使われてきたコショウがありました。
それが長コショウです!長胡椒、インドナガコショウ、ヒハツ、フィファチなどと呼ばれているのですが、ジャワ原産のPiper officinarumが当時は、むしろ主流だった、そうです。

余談ですが、中世のレシピを勉強するに当たって、私にとってバイブルのような本があります。
それは池上俊一先生の「イタリア」~世界の食文化⑮~ 農文協が出している全世界の食のシリーズ本なのですが、これがすごい!
池上先生の独自の視点から、パスタ文化のイタリアを実に明快に説明しているのです。
長コショウネタもこちらから拝借致しました。

で、長コショウ、ないかなぁ。って思って、友人ミレッラシェフの妹さんの店に、ふらりと行きました。(上の写真がお店の様子です)
本当はDOPのバルサミコ酢が本命だったのですが、こんな田舎なスポレートに、一瓶100ccしか入っていないのに80ユーロ以上する酢など見つかるわけもなく。。。

でも、店の奥に興味深いものを発見。
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スパイスだぁ。

かわいい瓶に入った香辛料がずらりと棚の中に並べられています。
コショウだって、白、黒、赤、ミックス、ペッペ・プッベ・・・幾つあるのかしら。ミペントという珍しいモノもあります。勇んで長胡椒を探すbutako。
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あった~♪
思わず、店長にハグしてしまいました。

これで、中世の胡椒、お買い上げです!

一方、お目当てのバルサミコ酢はここにもありませんでした。
果たして、手に入るのかしら。                          butako
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by butako170 | 2010-12-04 09:28 | イタリアの中世
中世の料理レシピ本 流し読み・・・
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中世っていつの時代を指すかご存知ですか?
ヨーロッパ史における中世は、476年(西ローマ帝国の滅亡)から1453年(東ローマ帝国の滅亡)あるいは、1492年(コロンブスの新大陸発見)までですが、イタリア史では568年(ランゴバルド人の占領)から1498年(イタリア戦争を始めた仏王シャルル8世の没年)とされています。              
・・・イタリア古寺巡礼P7引用

なんと中世とはおよそ千年にもわたる、長き時代なのですが、この千年は
①中世初期(500年頃~1000年頃)
②中世盛期(1000年頃~1300年頃)
③中世末期(1300年頃~1500年頃)に分けられています。

前置きが長くなったけど、この千年間に食べられていた料理を紐解き、その中からレシピを選び、食事会のためにコーディネートしなければなりません。中世が専門ではないbutakoにとって、「ちょっとハードル高いかしら」と最初はびびっていたのですが、調べ物の基本は図書館だ!と気を取り直しスポレート市立図書館へ駆け込みました。

すると、ありました!!
A tavola nel Medioevo con 150 ricette dalla Francia e dall'Italia 
フランスとイタリアにおける中世の食卓 150のレシピ ~Laterza社~
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中を開くと、まずレシピ番号とタイトルがあり、その下に原本、そして対訳でイタリア語が記されていました。これならば、原文がラテン語でもイタリア方言でも、フランス語でも読めるぞ!
そしてその下には、作者のコメントや注釈が。

作者のコメントには、これがかの有名な中世のソースだ・・・なんて結構、主観いっぱいに書いてあるので、飽きずに読めそうです。
そしてその下には、実際のレシピが記されています。このレシピは、編集者がきちんと再現できるようにアレンジしたものですが、原本になるべく忠実になる配慮がされているようです。

レシピは、およそ17の文献から取られており、それぞれの原本のレシピの末尾に、どの出典かが書いてあります。また原本に書かれた言語から、どれがフランスの料理でどれがイタリアかが大体分かります。

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途中にカラーで挿絵があったりして。
当時の貴重な資料のカラー挿絵、どれも興味深いです。当時の風俗が活き活きと描かれていて、面白いですよね。

この本を見ながら、北イタリアの取材で食べた料理を思い浮かべながら、レシピを拾っていきます。
(意外と現在の料理と変わっていないものもあったりして)
ざっと目に留まったレシピがあったので、ワードにメモします。そのメモのなかから以下、引用しますね。

51)Cormay o lombo di maiale arrosto al vino rosso
豚のアリスタを使う。赤ワインとコリアンダー、クミン、黒コショウで煮る
55)involtini di manzo
薄切り肉を巻いて、串にさし焼く。塩をふって出来上がり。
56 )Lingua di bue arrosto
牛タンを煮て、焼く。
58)Oca arrosto (アヒルのロースト) 北イタリア
中世の諸聖人の日もしくはサンマルティーニ(11月11日)に、アヒル料理は食べられていた。
若いアヒル、酢、レモンもしくは苦いオレンジ、パセリ、ローリエ、サルビア、ローズマリー、ニンニク
59)Pollo all’arancia
鶏肉のオレンジソース(バラ水が必要)
 

61)Scapece da taverna
魚の南蛮漬け。揚げずに、ワイン&酢で茹でて、タマネギとあわせる。作り置きメニュー
63)Spiedini d’anguilla alla san Vincenzo
ウナギをローリエと交互に指し、焼き、アグロドルチェ&スパイスで煮る
64)Trote in carpione ガルダ湖
鱒は、酢水でマリネしたあと、軽く火を通す
魚料理いろいろ:ひらめのオレンジ風味、トンノを塩茹でしただけ、ズゴンブロのハーブ焼き(パセリとセージ)
73)Merluzzo in agliata
バッカラ:塩漬け鱈のアーモンドミルク煮(ニンニク風味)バッカラの形は残っている
74)Seppie al nero
イカは墨とミント、バジル、パセリ、サルビアで煮る
 

116 )Civeri di uova
タマネギをカラメルになるまで炒め、目玉焼きを添える
118 )Uova ripieno
ゆで卵の黄身を出して、生卵、酢、スパイスを加え、卵に戻し、糸で縛って元の形にもどし、油で揚げる。酢(Agresto)をかけて食べる。
121)ハーブのオムレツ、オレンジのオムレツ(娼婦風)


レシピを調べあげるだけで丸3日費やしました。
でも、だんだんメニューの方向性、見えてきましたよ~。
                                                 butako
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by butako170 | 2010-12-02 02:10 | イタリアの中世
イタリア古寺巡礼 大好評!
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新潮社からこの9月に発売した新書『イタリア古寺巡礼 ミラノ→ヴェネツィア』が静かに売れ続けています。
当初8000部発行したのが、2週間後に重版して2000部追加。
出版界も厳しいこのご時世、1万部売れたらベストセラーです。

さて、このイタリア古寺巡礼ですが、北イタリアの知られざるロマネスク様式の残る教会を踏破し、丹念に撮影された写真によって構成されている素晴らしい本です。北伊ロマネスク美術の決定本といえるでしょう。

butakoが一押ししたのは、自分が取材のお手伝いとして実際に関わったから。
新潮社の編集者の方と金沢百枝先生と3人で回り、取材の補助をさせてもらいました。といっても、もっぱらbutakoの役目は「車の運転」「イタリア語の通訳」そしておいしいレストラン探しの3つに集約されていましたが。

なかでもおいしいレストラン探しは、意外と重宝されました。
ミラノ→チヴァーテ→パルマ→モデナ→ラヴェンナ→ヴェネツィア→ウーディネ→チロル→ヴェローナと回ったのですが(注:butakoは途中のラヴェンナから参加)、3月と言えども、花冷えで雪も舞っていた北イタリア。
しんしんと冷える教会内での撮影は、想像以上に過酷なものがあります。

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黙々とファインダーを覗いて3時間も集中しているお二人を見ていて、何かできることはないかしら・・・と思いついたのが、食事のコーディネートでした。行く先々で、近場でおいしいレストランをひたすらリサーチ。
地元ネタは地元の人が一番良く知っていますよね。

柔らかく煮込まれたボッリートミスト、ストゥルーデルにヴェネツィアの居酒屋で食べたモレーケのフライ、家庭風の手打ちパスタや野菜たち・・・。
暖かく滋養深い北部の料理が、私たちの体を温め、心の緊張を解いてくれ、精気をふるうことができました。

そしてうれしかったのが、本の末尾に私の名前があったこと!
励みになりました~。

実は、この本が出てしばらくして、金沢先生からこんな提案がありました。
「年明けにでも、中世の北イタリア料理の食事会を開きませんか」
中世の美術がご専門の金沢先生と、食専門のbutakoが絡みまくったプランです。
機会があれば、私お得意の修道院の食もPRできるかもしれません。

させてもらいますとも!
もちろん、調理もbutakoが受け持ちます。
ということで!

さっそく、中世のレシピをただ今勉強中です。
スポレートの図書館で見つけた良書 A tavola nel Medioevo con 150 ricette dalla Francia e dall'Italia 『フランスとイタリアの中世の料理 150レシピ』 Laterza社の紐を解きつつ、メニューの構成を考え中です。

なるべく今回の取材で回った地域に関連する料理を取り入れたい。
北らしい特徴を随所にちりばめたい。
・・・などといろいろ欲が出ますよね。

メニューや食材調達については、これから経過をお伝えしたいと思います。
この作業、大変だけどかなり楽しいな♪
                                               butako
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by butako170 | 2010-12-02 00:54 | イタリアの中世