カテゴリ:ヴァルネリーナ valnerina( 10 )
谷で一番美しい教会 Vallo di Nera
こんにちは。
イタリアは毎日少しずつ日の入りが遅くなっており、6時くらいまで明るくなってきました。
カーニバルも終わり、あとはイースターを待つだけ!

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ゴールデンウィークのお問い合わせも多いです。
今回は去年の4月末に訪問したネリーナ谷にある村Vallo di Neraのご紹介。
一足お先にGWのムードを感じで下さいネ。

Vallo di Neraはネーラ川のある谷という名前の村。
ここはイタリアで美しい村に加入している人口400人の小さな村です。

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この村は、イースターの朝食を無料で振る舞ってくれるという粋な計らいのため、何度か行ったことがあります。(ただし去年から無くなってしまい、とっても残念ですが。)
小さくて、30分もあれば村の小道という小道を見て回れるくらいのスケール!

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この町なかには、谷で一番美しいと言っても過言でないフレスコ画の残る教会があります。
サンタ・マリア教会と修道会(12世紀)
フランチェスコ派の修道院として長らく使われており、17世紀に現在の名前になりました。

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ファサートはスポレート・ロマネスク様式でバラ窓も一つしかないシンプルな外観(ピンク色の石がそれを緩和していますが)ですが、中に入ると一転。
なんと素晴らしい装飾でしょう!
14、15、16世紀のフレスコ画で覆われています。

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祭壇と後陣に描かれているフレスコ画ですが、1381年(?)にCola di Pietro da CamerinoとFrancesco di Antonioの手によって描かれています。近年に修復済だそう。

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聖母と聖女カテリーナ、聖フランチェスコ、そしてエジプトからの脱出や上部に描かれている被聖天の聖母。後陣の上部には、キリスト降誕やマギの訪問、受胎告知などなど需要なシーンがてんこ盛り。
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(写真は被聖天の聖母)

建物の横壁面にも本当にたくさんのフレスコ画。
特に面白いのがこのProcessione dei Bianchi…白装束の行進とでも訳しましょうか。
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フィレンツェを皮切りとして白装束の兄弟会が出現し、1399年に一大ブームが訪れたそうです。
恒久平和と罪の告白を流布させるのが彼らの活動だったそう(ミゼリコルディア兄弟会みたいなものでしょう)。
詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。

彼らの身にまとっているのは白装束。
でも顔は隠されてはいませんね。
ユリは純潔、赤いバラは聖母マリアの象徴などなどメッセージも含まれています。

このフレスコ画はCola di Pietroの手によって1401年に描かれたもので、ローマへ向かう途中にこの場所へ立ち寄ったのでしょうか。

緻密な壁画が4つの壁面にたくさん描かれていて、静寂のなか、じっくり見ていると知らない間に時間が過ぎてしまいます。
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Vallo di Neraでつかの間の休息。
そんな旅もいいですよね。

butako170

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by butako170 | 2015-02-21 03:54 | ヴァルネリーナ valnerina
初夏の涼を求めて 水の村ラシッリャ村へ!!
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こんにちは。
暑さもやっと本格的になってきたイタリアです。
また追って正式に告知したいのですが、

7月7日(日)NHKのBSで『地球アゴラ』(17時~17時40分)に出演することが決まりました。

“世界の珍味”をテーマに世界に散らばるアゴラー(現地に住む邦人)に、生放送でインタビューしようという番組です。イタリアの珍味は、ラルド・ディ・コロンナータ!
以前のブログで取り上げられたのが、目に留まっての採用でした。

また追って連絡しますね!

さて、暑い夏のウンブリア周遊でおすすめしているのが、ヴァルネリーナ(ネリーナ谷)地方です。アペニン山脈沿いにある渓谷なので、若干涼しい。
特に1400mの高地にあるカステッルッチョは、広大な大平原に5月末~7月半ばまで、お花畑が出現します。気候は夏の間は冷涼で、いわゆる避暑地ですね。

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そして同じネリーナ谷にあるラシッリャは、村じゅうに湧き水が流れていて、清らかで美しい村。
当然、水辺は涼やかで、夏にリラックスしに来るのにはもってこい。
(方や、反対側のウンブラの谷は、アッシジやべバーニャ、モンテファルコなど観光には事欠きませんが、かなり夏は暑いので、体力勝負です)

先日、K子さんと訪れたのは6月の半ば。
水量が豊かで、耳に心地よい川のせせらぎが聞こえます。
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もう、これだけで十分涼しいですよね。

また、村は現在、急ピッチで整備がすすんでいます。
過疎化による廃屋の増加と97年の地震の爪あとで、大分寂れてしまいましたが、ここ数年で、見違えるほど復旧がすすみました。

この昔の水車小屋は、ウールの洗浄や絨縮作業を水力で行なった工場です。
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フォリーニョ在住の男性が買い取り、復旧作業をしていました。修復後は、当時をしのぶ大切なモニュメントになるでしょうね。

また6月初旬に行なった村の『織物祭』も大好評!!
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村じゅうに、1950年に織られたベットカバーを民家の窓から吊り下げて、こんな風に町中をデコレーション。
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このベットカバー、購入したかったのですが、これは非売品です。
工場生産が大量に出回る現在、昔の機械織りで作った複雑な織物は、もうどこを探しても見つからないそうです。
ビビットな色使いと柄が素敵ですよね。

ほかにも、村のあちらこちらで、編み物や織物のデモンストレーションが行なわれていて、とっても面白かったですよ。
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K子さんと行った際、1年前、お会いしたリケッタさんにお会いしました。
79歳というのに、非常に快活!
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なんと今回は初めて彼女のお宅にお邪魔しましたよぉ!!

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そして村の織物祭の時のビデオを拝見しました。

なんと彼女は、ロッチャータ作りのマエストラ!

ロッチャータとは、ほうれん草やチコリを挟んだ薄皮のパイで、蛇のようにぐるぐるとねじっています。

スポレート方面ではフォリャータと呼ばれていますが、小麦粉を水で練って作るので、貧しい山村の知恵のレシピだといえます。

こうして、かつては暖炉の火で調理されていたとか。

「6月初旬のフェスタでは、私が音頭を取って3時間もロッチャータを作り続けたわ」とちょと誇らしげに話すリケッタさん。

そうでしょう、不便ながらもこの村に住み続け、伝統料理を今も普通に作り続けるスーパーノンナです。

『もてなし』好きの雰囲気が、彼女の言動からにじみ出ています。

次回は、事前に連絡くれたら、ロッチャータをご馳走するわ!
と笑顔でお別れしましたが、彼女の懐の深さと愛情に、心が温かくなりました。

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夏のウンブリアのイチオシスポットは、水の村ラシッリャですよ~!

                   butako

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by butako170 | 2013-06-22 18:34 | ヴァルネリーナ valnerina
双子の教会 San Salvatore @Campi di Norcia
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ネリーナ谷にぽつんとたたずむ可愛い教会。谷で3本の指に入るお気に入りの教会がカンピ村の聖サルバトーレ教会です。
先日、聖サルバトーレ教会(1115年)に関するシンポジウムがプロローコ・カンピとノルチャ市の共催で行われ、たので、その様子をちょっぴりレポートします。
プロローコとは地元を愛する人たちで作られているボランティア団体で、街の活性化のために、行事などをオーガナイズしています。
シンポジウムは、カンピ村のバッソ(低い)にある聖サルバトーレ教会の脇を過ぎて、カンピ村アルト(高い)の教会で行われます。

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カンピ村はこんなところ。
山の高台にある村で、とっても眺めがいい。
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この男前は、わが夫ロベルト~♪
シンポジウムが始まる前に、地元の聖アンドレア教会を見学です。
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この教会、なんか違和感がある…と思っていたら、なんと二廊式の教会でした。
普通教会って、一つしか広間がない単廊式か、その両脇に側廊が着いている三廊式が普通だと思っていたけれど、ここは二廊式。

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その違和感は、実はあとで認知することになるのですが、ここでは割愛。
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この教会の面白いところは、田舎のバロック式の天使の像でございます。



なんだか中国風の派手な着衣の天使がいたり、全然、動きが滑らかでない天使がいたり、とりあえず『バロック式』にがんばってしているんだけど、どこか幼稚で田舎臭さが抜けないところがいい。




キャー天使、可愛い!!っていうより、何、こいつら?!って思わず、彼らの不敵さにたじろいでしまうそんな彫刻でございました。



ローマや有力な町であれば、有名な彫刻家を呼べるのでしょうが、谷の奥のカンピ村にはそんな財力もなく、よってローカルな作家に依頼したのでしょうね。


でもその未完の風合いが素敵です。

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そしていよいよシンポジウムのあるMadonna della Piazza教会へ移動。ここの16世紀のフレスコ画は最高に美しい!!
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見とれつつ聖サルバトーレ教会のシンポジウムを拝聴。
FAIという団体が、会自体を仕切っていました。
FAIとは、Fondo Ambiente Italianoの略で、イタリアの文化および自然環境を守るためのファンド(基金)。
自分たちの街の文化財を守ろう!とミラノ発祥の文化財保護団体ですが、各州に支部があり、積極手金に活動しています。
こんな基金、日本にもあればいいのにな!
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特に面白かった演題はChieti Pescara建築大学のStefano D'Avino教授の演題。
ヴァルネリーナの二廊式の教会についての考察を述べていました。
なんでも二廊式というのは、ギリシャ正教の影響だそう。ギリシャ正教会では、洗礼者と未洗礼者を分けたことから、廊が2つになったということ。

しかし、当のギリシャ正教会では、上記のように縦に2つに分かれているのではなく、教会内の入り口付近と置く側の横割りですよね。入り口付近のスペース(啓蒙所:けいもうじょ)は未洗礼者のためのスペースで、一方、洗礼者は聖所と言われるその奥側でミサを受けたそうです。
なので縦割りの二つの廊ってなんともユニーク。

このような二廊式の教会は、ネリーナ谷には、なんと18箇所もあるそうです。

さて、すっかりお勉強したことだし、あとはカンピ村の屋台でものぞいてみよう~!
(結局、地ビールを買っただけでこの日は退散いたしました。)

                                butako


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by butako170 | 2012-08-15 18:48 | ヴァルネリーナ valnerina
カッシャの地元のお祭りは料理対決?!
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有機アグリ探訪の1泊2日の夜に行われたイヴェントが、こちら『Palio delle Frazioni di Cascia』です。今年でもう4回目くらいかしら。
カッシャ市の周辺の村(Frazioni)が、郷土料理を持ち寄って対決(Palio)するというもの。

顔ぶれは毎年決まっていて、8村でしたか。シルヴァーナの住むチヴィタ村ももちろん参加していて、初年度のチャンピオンです。今年は、骨付き豚肉のぶつ切りとジャガイモを煮込んだPatate un umido con spuntature di maiale。
例の高原で採れたねっとりおいしいジャガイモを使って。トマト風味の豚骨味とあいまって美味♪

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17時くらいから、カッシャの広場では、各村がその準備に大わらわ。観光客たちは、その様子を興味深々で眺め、素材を触りに行き、写真を撮り、質問を浴びせかけます。村の人たちは、皆、忙しいなか丁寧に応答してくれます。
*写真は、レシピの書かれた紙を熱心に見るローマからの観光客

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21時。広場は、対決を待ちわびる人たちで溢れています。村の代表者は、中世の格好をして、村の旗を持って入場です。ここでもコスプレ好きのイタリア人の特性が見て取れますね★

各村の映像付の紹介があり、その後審査員による試食になります。各村の紹介で、村の人数を述べるくだりがあるのですが、ある村などは、冬の住民は10人、夏は200人!!!!どんだけ夏と冬で違うねん!
そう、出稼ぎでローマに行ったきりの人々が、ヴァカンスを過ごしに帰ってくるというパターンがほとんどなのです。いまやローマ人となった人々にとって、故郷の谷はどんな風に写るのでしょうね。

料理学校の先生3人が、各村の料理を試食し、審査します。

特に印象に残っているのは、
・フリッタータのトマトソース煮込み(トリッパに見立てた料理)
・バッカラをレーズンとトマトで煮たアグロドルチェ
・ファッロと数種のマメの煮込み
・フォイヤータ(ストリーゴリという野草を生地で巻き焼いたもの)
でした。

でも勝者は『ジャガイモとマメのズッパ』。by Atri村
メチャ、素朴。。。きっとすっごく美味しかったのでしょうね。

ジャッジが下された後は、大量に作られたこれらの料理の試食が一般人も許されます。でも、人でごった返しているので、あまり食べる気が起こらなかったのですが、いくつかの料理を味見することができました。

そもそも、その日の昼食は、シルヴァーナの作った茄子のパルミジャーナ(ゆで卵入りで美味)と、彼のいとこが作った唐辛子の利いたパルミジャーナと両方頂きました。
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いわゆるパルミジャーナ対決ですね。
対決のおこぼれに預かるのも悪くないですね。

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高原で取れた親指ほどの茄子を使ってのパルミジャーナは、特別な味。そして、この日は、イタリア人のみならず、フランス人、インド人、butakoも混じってのにぎやかな昼食でした。

みんなで囲む食卓は最高!
シルヴァーナ、いつも誘ってくれてありがとう。

                                               butako
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by butako170 | 2010-08-29 17:10 | ヴァルネリーナ valnerina
有機認証機関ICEAに半日密着!!
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イタリアはウンブリア州の有機(Biologico)のお勉強は続きます。
昨日は、有機酪農家のルイジーノさんにお話を伺いましたが、今日は有機農家のシルバーナさんの畑に同行しました。おりしも年に一回視察にやってくる有機認定機関であるICEAの監査の日だそうで、認証機関に興味があったbutakoにとっては、すっごくラッキーです!

シルヴァーナさんの過去の記事をリンクしますので、興味のある人は見てね↓
ロヴェイア サフラン  サフラン祭り

実はイタリアは有機先進国。
世界でも第四位程度の規模で、上位にオーストラリア、中国、アルゼンチンと国土の大きな国が占めているのに大して、日本の8割程度の広さしかないイタリアが4位に食い込んでいること事態すごいことなんです。
ドイツやイギリスよりもその歴史は短いものの、現在は、圧倒的に有機農産物の生産量が多いイタリア。もっとその実態が知られてもいいのですよね。
詳細はJETROのレポートがよくまとめられていて◎

有機農法をきちんと行っているかを調べるのが、認証機関のお仕事です。イタリアには17の認証機関が存在しており、イタリア国内をくまなくチェックしています。(各州に支部がある)

シルヴァーナさんと義理の妹のジェルトゥルーデさんの所は、ICEAという認証機関に登録しています。
本日はそこのアントネッラ女史が、ご訪問~!

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butakoの「認証作業を見学したい」という要望に関しても、快く応じてくれたアントネッラさん。(写真左)

まずは、資料をbutakoに見せてくれ、こういう基準で私たちは、審査しているのよ~と説明してくれました。
どうやら、牛の基準を図るUBAという基準を説明してくれているらしい。Unita Bovine Adulte equivalenti (UBA)というのですが、家畜小屋の立地や飼料の内容などを点数化し、マイナス2~2までだったら要注意だそうです。

じゃあ、お勉強はここまで。
さっそく家畜小屋に行きましょう!
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え、シルヴァーナったら、キアーナ牛も飼っていたの?
知らなかった~。

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そして、飼料を保管している納屋にも当然監査が入ります。




一つひとつの袋の口を解いて、内容物をチェック。ファッロや大麦などが入っています。








飼料のチェックが終わったら、おもむろに地図を出して
さぁ、これから、畑を見るわ!

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butakoがなにげに撮ったのが、こちらの地図ですが、シルヴァーナさんの畑がぜんぶマークされていて、一目瞭然になっています。


高山だから、わずかな平地を耕して畑にします。だから、ポー河平原のように何ヘクタールもだだっ広い畑・・・というわけにはいきません。

パッチワークのようにつぎはぎだらけの土地に、ここは麦、ここはロヴェイア、ここはサフラン、ここはエルバ・メーディカ(家畜に与える薬草)という風に植えつけていくのです。なんとシルヴァーナさんとジェルトゥルーデさんの畑は、全部で60!!!! どの畑も本当に小さい!!!

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60箇所すべての畑をチェックするわけにはいかないので、主たる農作物が取れる畑を5箇所ほど回りました。四輪駆動車でないといけないような山道もあって。。。

本当、楽じゃないですネ。高山農業。

9時半頃家を出て、全部見終わった頃には、正午になっていました。butakoは、このあと、近くにある有機農業のアグリツーリズモで昼食を取ることになっていたので、視察にはお付き合いできませんでした。
その後、17時ごろ、自宅に着いて、シルヴァーナにお礼の電話をかけたところ、まだアントネッラ女史と資料作りのためのヒアリング作業をしている真っ最中でした。
いったいどれくらいかかるのだか。
いくら年間1回だとはいえ、丸一日もかかってしまうなんて、有機も楽ではないですね。

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でも消費者は、商品のパッケージに書かれていることを信じるしかないので、しっかり認証してくれないと困りものです。

そうそう、作り手の調査員が馴れ合いにならないように、ICEAウンブリアの場合は、毎回、担当地区が替わるんだそうですよ。担当員は6人いるそうなので、6年に一度、アントネッラさんと会えるというわけか。
また、視察結果が思わしくない農家には、年二回の訪問だそうです。
健全で、ウソのない有機が、やはり第一条件ですものね。

次回の記事は、有機アグリの食い倒れプランツォ(昼食)です。
                                                 butako
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by butako170 | 2010-08-24 05:13 | ヴァルネリーナ valnerina
チヴィタの酪農家 ルイジーノ 
今週末は、1泊2日でヴァルネリーナの谷とリエティ方面に行ってきました。
何回かに分けてレポートしたいと思います。旅のテーマは、ズバリ『有機』。有機農法でがんばる農家、農家の様子をコントロールしに来る認定組織のお仕事の一端などをご紹介します。ウンブリアの有機のこと、少しは分かるかなぁ。
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チヴィタ村は、ヴァルネリーナの南東に位置するカッシャ市のfrazione(村)です。標高1200mという高山にも関わらず、農業に携わる人がほどんどな村。村は30家族で構成されていて、その半数は30歳以下という、寒村には珍しい若者の多い村なんです。
butakoは、3年前からチヴィタ村のシルヴァーナさんと知り合い、彼女の動きに注目しています。彼女は、サフランを400年ぶりにこの地に復活させた立役者で、野生のグリンピースをスローフード協会のプレシディオ認定品にした行動派の農家です。

今日は、シルヴァーナの紹介で、チヴィタで有機酪農をしているルイジーノさんに突撃インタビュー。
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羊は500頭、牛(肉牛)は15頭飼っています。
まずはその小屋へ訪問たいがいの牛は、放牧中ですが、こうして出産したばかりの牛は小屋の中に残っています。右手に見えるホルスタインの子供は、乳牛用に買ったもの。

500頭の羊は、毎日300頭分搾乳し(毎日お乳が出るとは限らないので)、15個のペコリーノとリコッタチーズを作ります。搾乳は朝、晩の2回。一回目の乳搾りが済むと、放牧されます。
夏休みに入って、もっぱら放牧の仕事は3男坊(10歳)の仕事なんだとか。ルイジーノさんには7人の子供がいるそうですが、どの子も屈託のない笑顔を向けてくれます。
7人7様で、なかには三男坊のように、羊飼いに興味があり、自発的に手伝ってくれる子もいるんだ、とルイジーノさん。とてもうれしそうに語ってくれました。

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チーズ工房は意外なほど清潔でした。なんでもASL(衛生局)が決めた基準をきちんと満たしていなければならないからです。
毎日一回のチーズ作り。羊を放牧しながらの作業はなかなか大変ですね。
ASLの規定によれば、チーズの副産物のホエーは、普通に捨ててはならないそうです。それなりに処理を施してから捨てなければなりません。。
ルイジーノさんは、ホエーは捨てずにブタの飼料に。
そう、谷の生活は何でもリサイクルなんです。無駄なものなど、一つもありません。

もともと30頭くらいの羊を飼っていたルイジーノさん。
若い頃は、出稼ぎにローマに行き火夫の仕事をしていたそうです。
6年ほど前に、酪農家に一本化し、ずっとチヴィタの町で牛や羊を飼っています。

Q.有機酪農を目指したきっかけは?
A.もともと、この辺は大地も汚染されていなかったから、どうせやるなら有機酪農にしようと決めていたんだよ。でも地元での有機の認識が低いから、肉屋に「これ、有機です」って売ったら逆に変な目で見られちまう。
だから、有機なんだけど、有機って言ってないんだ。
まだまだ意識が低いんだな。

え?今、有機が伸びているの?
この谷ではそんなんじゃないよ。もっと有機のよさをPRして、消費者が増えないといけねえや。

飼料の関係もあるから、当然、農業も有機でやっていて、それは10年くらい前から、はじめた。きっかけは、噂なんかを聞いて、へぇ、そんなのが流行ってるのか、じゃあやってみよう・・・って感じだよ。


Q.有機の認証機関はどこにしているんですか?
A.IMCだよ。年に一回、チェックに来るよ。

Q.今の生活で潤っていますか?儲けは十分にありますか?
A.いや、儲けなんてそんなにないよ。家族9人が食べて行けているくらいだよ。
幸い、農家っていう仕事は食いっぱぐれがないから、いいよな。
しかし、チーズ工房を作る際も、すごく苦労したんだ。市も、建築家も、測量士もきちんとした仕事なんかやってくれやしない。みんな適当なんだ。
そのおかげで、地盤のゆるいところに建ててしまい、4メートルも沈下してしまった。結局、追加金を払って直すのはこちらだから、たまったものではない。
皆、やれ、やれって勢いは良いけど、人事で適当なんだ。市もかなり官僚的だしねぇ。


Q.モチベーション下がりますね。
A.そうだな。でも結局、7人の息子たちを食わせないといけないし、俺にはパッションがあるからね。
(56歳のルイジーノさん、かっこいいなぁ)


Q.チーズの評判はいいですか?
A.おかげさまで。よく売れているよ。
まだASLからエチケットが届いてなくて(もう2年前から申請しているのに)、つくづく官僚体制に嫌気がさしているけどね。だから、自分で売りに行っているよ。
1kg10ユーロだ。

知り合いの羊飼いは、乳を卸しているんだけど、今、1L/60セントまで叩かれている。大手チーズ会社の陰謀だよ。俺は、そうなることが見えていたから、6年前にチーズ工房を作ったんだけど、そのとき設備投資していて良かった。
乳のままだったら60セントだけど、加工すればチーズだけでなくリコッタも作れるし、ホエーはブタの餌にもなるし、一石三鳥だから。もう、羊乳だけじゃ商売にならない時代だよ。


ちょうど、次の日、サルデーニャで羊飼いたちが、乳の買取値が安すぎることに対して、1500人規模のデモを起こしていました。セルジーノさんの言っていたことを痛感する思いでした。

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Q.標高1200mの酪農家の苦労ってありますか?
A.冬が長いことかな。雪や雨で3ヶ月も小屋のなかに羊や牛を閉じ込めないといけない時もあるからね。ここは冬が厳しいから、その苦労があるよ。

帰りにルイジーノさんの自宅にお邪魔しました。
優しいけど芯の強そうな奥さんのナタリーナさんが、リコッタチーズ入りのケーキを焼いていました。上にあしらったそぼろ状のフィリングがおいしそうですね。

後日、お礼の電話をした際、「皆さん、お元気ですか」と聞くと、「神様のご加護のおかげで元気にしとりますよ」という明るい声が聞こえてきました。自然とともに9人家族で暮らすセルジーノさん。苦労も多いけど、すごく人間らしい生活をしているなぁ、と思いました。

                                                  butako
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by butako170 | 2010-08-22 20:16 | ヴァルネリーナ valnerina
新しいカメラの調子は。。。
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久々のヴァルネリーナ!
山の師匠ジャンニと行ってきました。でもほんの3時間ほどの周遊です。
butakoも師匠もちょっと最近忙しいので、1日どっぷりとヴァルネリーナで遊べない。
悲しいですなぁ。

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今回は、2箇所巡りました。
といっても史跡ではなく、野草採りでございます。
私たちは歴史的なモニュメントに目がないのですが、メチャ現実的でもあります。食べられる草ないかしら、と今日の食卓を彩る野草をとります。

さすが師匠と弟子だけあって、師匠の行きたい場所はbutakoの行きたい場所。
過去には、エレモ(隠遁者の祠)やチンタセネーゼ種のブタを飼う農家、サフラン農家、鄙びた教会、お花畑の絨毯など色々連れて行ってもらいましたよね。

でも本日のターゲットは野草なので、まずは、野生のチコリの生える原っぱへ!

そして袋がパンパンになるまでチコリをとり終たところで、次は野生のアスパラガスの生える丘陵へ。彼の秘密の場所に案内してもらい、どっさり収穫してきました。
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ネーロ川が蛇行し、山の緑も鮮やかに燃えています。
天気はいいし、温かいし、袋は野草でいっぱいになったし、もう最高!

半日だったけど、十分満喫した滞在でした。

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そんな新緑に溢れた谷で、一際目立つ木があります。
濃いピンクの花を鈴なりにつけたこの木、イタリア語でなんていうかご存知ですか?

「Albero di Giuda=ユダの木」です。
イエス・キリストを裏切って銀貨30枚で引き渡したイスカリオテのユダの名前がついています。
イエスを売った罪の呵責から、首吊り自殺してしまうのですが、なんでもこの木で首吊りをした、という所以があります。でも種明かしすると、首吊りしたかどうかは定かではなく、もともと「ユダヤの木(ユダヤ地方に自生する木)」と欧州では言われていましたが、いつの間にかユダヤ→ユダの木と言われるようになったそう。

そういえばジャンニがユダの木を谷で見るようになったのは、ここ20年くらい・・・と言っていました。もともとはこの地方に自生していなかった新参者なのでしょう。
日本名はセイヨウハナズオウ。マメ目ジャケツイバラ科です。

師匠が「この花、食べれるんじゃよ。コリッとした歯ざわりがあって、なかなか面白い」というので 
彼とともに採取してきました。

で、自宅でサラダにしてみたのですが。。。
色はご覧の通りかわいらしい。でも何だか食べている途中で舌がピリピリしてきた!
何だろう、この刺激物質は。
もしやユダの呪い?!
なーんて。

その直後に襲われた眠気は、きっと花のせいではなく、春の陽気のせいでしょうね。

そうそう、新しいカメラをこの日から使いました。
Sonyのサイバーショットです。
もちろんイタリアの店で購入。
ちょっと光彩の具合があまり私の好みではない。まだしっくり馴染んでない感じです。
今後の撮影を通して、徐々にカメラに慣れていこうと思います。

                                                  butako
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by butako170 | 2010-04-23 06:33 | ヴァルネリーナ valnerina
ジョバンニーナ! 野草おばあさんとの再会
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ヴァルネリーナの谷にある、小さな村グロッティ。ここに住む今年85歳になるジョバンニーナおばあさんとは、実は去年、山の師匠ジャンニに紹介されて、一度会っていました。

彼女は毎日、野山を駆け巡り、いろんな野草を採ります。
そして村中のみんなに挨拶をし、いつも笑顔を絶やさない元気印のおばあちゃんです。

そんなジョバンニーナに、先週末、会いに行ったのは、きっと私の元気がなかったからかもしれません。
漠然とした不安に押しつぶされそうになり、なにか憂鬱とした日々が続いた先週でした。

彼女に会えば、元気になる。
そして彼女は、私にない何かを持っている。

気さくで、フレンドリー。いつも方言で冗談を飛ばすジョバンニーナは、村の人気者。
10年前に夫に先立たれ、一人暮らしですが、寂しさをまったく感じさせません。
いつも人の役に立とうと、その手を差し伸べている・・・そんな人です。

この日、会いに行くと、素敵な花束と、産みたて卵4つ、よく熟れた黒ブドウ、そしてどんぐり?!(いいえ、ヘーゼルナッツでした)を用意して、私を出迎えてくれました。
あー、ジョバンニーナの贈り物だぁ。
すべて、ここの地のモノ。私を思い浮かべながら、花を手折ってくれたのかしら。

「元気だったかい。会いたかったよう」。
そう、灰色の輝く瞳でそういって、ぎゅっと抱きしめてくれました。

そうそう、これが私の欲しかったものかもしれない。

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歳の離れた友人ジョバンニーナ。

彼女のこの底知れぬ愛情にもっと触れたくて、グロッティ村にしばらく通うことにしよう、と思いました。

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by butako170 | 2009-09-15 05:26 | ヴァルネリーナ valnerina
五月晴れのガーデニング市
足の筋を痛めたため、家で養生していましたが、家で過ごすのにストレスがたまってきたbutako。本日はヴァルネリーナのカステル・サン・フェリーチェ村で開催されているガーデニング市に友人ルチアと行ってきました。

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なんて良い天気!
太陽に照りかえる新緑がまぶしいほどです。
最近雨続きだったため、よけいにこの晴天がありがたいですね。




館内に入ると、そこは花・花・花…
あたり方々に花畑のように鉢植えが配列しています。






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いかにもイタリアっぽい花の配置ですね。→

洋ランのブース、オリーブの木やレモンのブースもあります。

ルチアはこれから庭付きの家に引越しをするそうで、そのために本日はお買い物です。
彼女は真剣に目利きしている一方、butakoは気楽な物見遊山。

butakoも庭があれば、なにか簡単な植物から育てるんだけどなぁ。でも昔からもらい物の鉢植えの花を枯らしてばかりなので、植物を育てる才能がからっきしなのです。

butakoの母が接木でゼラニウムを増やしているのを見て、すごい!と思ったもの。

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でも、サボテンだったら枯らさないかな?



花木の売り場の横には、食べ物を売る物産店が。
こっちも(こっちの方が?)面白そう。


そこでチビタ・ディ・カッシャの野生のグリンピース『ロベイヤ』を栽培する友人たちに再会。


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またリクイリッツィア(Liquirizua)を売りに来ているアブルッツォ州の会社のブースもあったりして、興味深々でした。

リクイリッツィアはカラブリア州が名産地の甘味料です。
その根は歯でガシガシとしがんで、にじみ出る甘みを楽しみます。(サトウキビみたいに)
          
← これが根 (見難いですが)
←左側にあるのがキャンディ。色んな形のキャンディ、また電気のコードみたいなグミ(ラッチ:Lacci)もありました。




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そしてそれを煮詰めてエキスにした塊がこちら。
黒く美しく光ります
カラメルのようにマッタリと甘く、純度が高いかけら。口に入れると独特の苦味とコクのある甘みが楽しめます。アマーロ(苦味)好きにはたまらない~。

その後、味見させてもらったリクイリッツィアのリキュールも甘くて苦くて、本当に美味
これは食後酒として消化を助けてくれそうです。
会場で出合った友人チンツィアは、そのリキュールが大変気に入り、熱心に作り方を聞いていました。リキュールはこのエキスの塊からも作れるそうで、もちろん彼女は塊も購入。

ここにレシピを載せておくので塊が手に入るなら、是非試してみてくださいネ。
(イタリア語ですが)


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リクイリッツィアは喉の腫れや咳にも効くのだそう。
リクイリッツィアとハチミツを混ぜたドロリとした液(ミキ・プルーンのような色と粘度)も売っていて、すごく効きそう。。。

西洋漢方に興味のあるbutakoにとって、勉強になりました!

おやおや。今日はガーデン市の報告をする予定が、結局は食べ物の話に。
やはり花よりダンゴなbutakoなのでした。

                                              butako

結局ルチアはラベンダー4株とレモンの木をお買い上げ。
さっそく植え付けをするそうです♪
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by butako170 | 2009-05-03 02:00 | ヴァルネリーナ valnerina
清流と水車の里 ラスィリャ村
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 ヴァルネリーナ渓谷は全長70km、面積300平方㎞、10のコムーネ(市・郡)で形成され、1万5千人の住人がいます。

(こんな小さい敷地なのに10のコムーネとは、イタリアはまだまだ市町村の統合が進んでいませんね)

今回紹介する村は、人口200人ほどの小さな村ラスィリャ村


ヴァルネリーナの中でも『メノトレの谷valle di menotre』という地域があるのですが、そのメノトレ川にひっそりとたたずむ村をご紹介します。


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 旅先案内はもちろん我が師匠ジョバンニ。「ステキな村があるから」と言って連れてきてくれました。

小さな小さな村にはムリーニ(水車)がいっぱい。
そう、ここはメノトレ川に流れ込む小川が湧き出る水源豊かな村なのです。

村に入るといきなり傾斜を利用して水車がありました。そこに隣接するのは、1970年代くらいまで使われていた工場です。水力を利用して電気を得ていたのでしょう。

近代化の波が押し寄せるはるか昔、この工場は、小麦粉を挽く工場だったとジャンニは説明してくれました。

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水はどこまでも澄んでいて、潔いほど勢いよく水が流れています。


「川のセロリ」と呼ばれる水草がたくさん生えており、美しく透明な水の底には、別の生態が営まれているかのよう。

あたかも水中にもう一つの次元があり、心の清らかな小人が住んでいて、悲しみも苦しみもない平和な世界が広がっているような、ファンタジーを抱かせます。(空想好きbutako)


「この川のセロリ、食べられるんだよ~」と師匠。
食いしん坊butako、さっそく味見しましたが、茎は水菜くらいで、シャキシャキしていて、味は本当にセロリ!これはサラダに入れたら抜群においしいでしょうね。
ここにも小川が。そして古い小麦粉の工場の跡が、ひっそりと時が流れるのを忘れたかのように、たたずんでいました。

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小川の流れに沿うようにして、村の上流に行くと、そこにはお屋敷が。人の住んでいる気配がしたので、きっと夏場にバカンスにやってくるお金持ちの家なのでしょう。

小さな小さな村を散策していると、1600年代のフレスコが残る家に住むご婦人に出会いました。窓越しに少し会話などしてみたりして…。

ご婦人が言うには、
ラスィリャ村にはかつて3000人ほど村人がおり、栄えていた時期もあったそうです。
しかしだんだん過疎化が進み、1997年の地震で村は半壊。さらに村人は減っていったそうです。
d0033983_19152666.jpg Butakoたちが訪れた時は、村はもぬけ状態でしたが、まだまだ復興中の家がたくさんあり、別に仮の住居を構えている村人が多くいるからだそうです。

地震後13年経っても、復興の歩みは遅い…

イタリアの仕事の遅さは周知のことですが、古い町並みをそっくり復興(もはや修復という言葉がぴったり)させるのは、それ相当の専門の職人が必要なため、さらに多くの時間がかかるからです。

地震復興のための公共の財源も限られているので、簡易な現代風の家に改築してしまう民家も多いのが現状。地震後、予算の関係で今風に様変わりしてしまった村が多いなかで、ラスィリャ村は健闘していると言えるでしょう。
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古い建造物を守る苦労は、予想以上に大きいものです。
一方、日本は改築、建て直しの多い国です。しかし近年、古民家の移築や保存なども注目されています。今からでは遅すぎる気もしますが、残っている文化財を守っていくのも私たちの役目なのだと思います。

小川の水を分離するためのコンクリートの仕切り。ユニークで面白い。

butako
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by butako170 | 2009-01-05 19:05 | ヴァルネリーナ valnerina