カテゴリ:サローネ デル グスト( 3 )
サローネの報告  ②トリノ周遊 
トリノ周遊   ~これぞ北部!ガッツリ、こってり トリノ料理~

 トリノのあるピエモンテ料理、実は一度イタルクックの研修旅行で、厨房でレッスンをしたこともあり、おぼろげながら覚えていました。
でも習った先生の好みのためか、あまり「どっしり」したイメージがなかったのです。是非、一度しっかり食べてみたい…そう思って、フリーを利用して街のレストランに食べに行きました。
 
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 向かった先は、ristrante monferrato(リストランテ・モンフェッラート)。ポー通りを東南へ行き、ポー河を渡ったすぐの路地を入ると、リストランテはありました。
開店前の8時前に着くと、あいにく今日は予約客でいっぱい、と言うではありませんか。
それでは…とあきらめかけたとき、支配人らしき角刈りのオッチャンが来て、入れてもらうことが出来ました。

旅の疲れもあり、軽めの一皿を所望すると、

温かい前菜の盛り合わせが、いいですよ。パプリカやズッキーニがあるから」と勧められて、無難にそれを頼みます。

そしてセコンドには。。。

butakoがメニューを睨みながら考えていると、今しがた入って来たご婦人が「ボリート・ミストはあるんでしょうね。わたしゃ、これを楽しみに来たのに」と言えば、「もちろんですよ。この店のスペシャルですから」と答える会話が聞こえます。

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 よっしゃ、ではセコンドはボッリート・ミスト(様々な部位の肉をブロードで茹でたおでん風な一品)に決まり!
北の冬の定番にありつけることになり、がぜん気持ちがはやります。

 まずは軽めの前菜…
香草風味のラードが薄く切って出されたので、それをグリッシーニに巻きつけ、食べ始めます。ラードがうまい。トリノ名物であるグリッシーニのポリポリした歯ごたえも良いですな。
でも一人分にしては、ちょっと多めでは。
ドルチェット種の地ワインとともに、平らげました。

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 食べ終わると同時に「温かい前菜の盛り合わせ」が登場。パプリカのバーニャカウダソース添え、揚げポレンタ、ズッキーニの肉詰め、エメンタールチーズのパイ生地入りなどが盛られています。

これのどこが軽めなんじゃい!!
パプリカやズッキーニの炒め茹で(イタリア中南部の料理)を想像していたbutakoにとっては、かなり予想外なものが出てきました。
でもここは北部。先入観を持っていた自分自身を恥じつつ、気を取り直していただきます!

パプリカのバーニャカウダソースは、アンチョビがしっかり効いた濃い目の味。これで生野菜を漬けて食べると、うまいだろうな…と思いつつ、グリルしたパプリカを頬張ります。
ポレンタはセモリナ粉をまぶしてフライしたものですが、レモン風味で甘い味つけだったのが印象的。ポレンタを食べるも北部の特徴ですよね。

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 パワフルな前菜を食べ終わった頃には、ちょっとくらくらしてきました。
でも、気をしっかり持たねば。セコンドは、お待ちかねのボッリートがやってくるのですから。

と、角刈りのオジチャン、3種類の色の美しいソースと小さな陶器の壷をbutakoのテーブルに置くと、ワゴンを押してやってきました。その上には、なんとテンレス性の巨大シンクが登場です。まるでおでん屋さんみたい!
そして…
 「これは、牛の舌。そしてこれは肩肉、腿肉、しっぽ、心臓、腸、そしてコテキーノ(ブタ肉のソーセージ風)」。目の前で指差しながら、説明してくれる様は、迫力満点。
こんなに牛のいろんな部位を食べつくすこの地方の人たちって、ホルモン好きの関西人と似てませんか!とたんにトリノ人に愛着が湧いてきました。

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 でもbutakoのか弱い胃は、疲労とさっき食べたモノで飽和状態。もう1mmの隙間も空いていません。
さて、どうする。。。butakoのメンツにかけて、ここで引き下がるわけにはいきません。

「すべての種類を、ちょっとずつ。一口ずつでお願いします」

 情けない…しかし仕方がありません。こうお願いしてサーブしてもらいました。オッチャンはシンクの中からそれぞれの塊を取り出し、まな板の上でスライスしてくれます。「一口ずつ」と頼んで盛られてきたのがこの大きさ。(もう、腹をすえて食べるしかない)

どの肉も適度な歯ごたえとうまみがあり、美味。
脂っこい腸やコテキーノは、サルサ・ヴェルデ(パセリの酸味のあるソース)とともに食べると、さっぱりして良いですね。

また肉の味に飽きると、陶器の壷に入った西洋わさびのすりおろしたものや、モスタルダ(果物の辛子入りコンポート)と食べるといいでしょう。赤いソースはトマト入りといわれましたが、イマイチ不明。付け合せは小指ほどのニンジンとズッキーニ、ジャガイモのピューレが。

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 全体的にお肉&穀類タップリで野菜の少ないピエモンテの冬の料理。ちょっと胃に堪えましたが、やはり厳しい寒さに対抗するにはこれくらいのパワフルな料理が必要なのでしょう。
またフィアットなどの工場で働く労働者の肉体維持にも、いいのかもしれません。

失礼ながら、ちょっと甘く見ていたピエモンテ料理。

本当にこの料理の真髄が知りたいなら、体力を十分に蓄えて、そして真冬に来るのがいいのかもしれません。

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 そうそう、デザートを食べなかったので、その翌日いただいたトリノ名物「ビチェリン」を紹介。
ビチェリンはエスプレッソとチョコレートを混ぜ、最後に泡立てていない生クリームを注いだ飲み物。ビチェリン産みの親というCaffe al Bicerinで飲んできました。

上の白いクリームと下のチョコカフェが2層になっていてきれい。小さいスプーンで適度に上下を混ぜて飲むと、甘さと苦さと相まって、すごーーく美味しかったです。ホットチョコレートよりも軽めで、甘すぎないのがいいのかも。

                                        butako
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by butako170 | 2008-11-05 23:36 | サローネ デル グスト
サローネ報告  ①トリノ周遊
トリノ周遊  ~職人のスイーツと王宮の文化香る街~

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トリノ…かのサヴォイア家の君臨した高い文化を誇る北部随一の街。

トリノチョコレート菓子、ワインの王様『バローロ』の名産地に接する食の街。

トリノフィアット社をはじめ、イタリアの産業を牽引した工業都市。

あなたはトリノにどんなイメージを?
とりあえず、仕事前の半日フリータイムを利用して、街に繰り出すbutako。2年前のサローネでは、会場周辺のリンゴットには滞在したものの、結局トリノの街は観ずじまいでしたから。

(写真・右は王宮Palazzo Reale)

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 さてさて、街歩きを始めるには、街の中心地サンカルロ広場からはじめるのがよろしい。トリノの中心地は京都のように碁盤の目に区画されているので、とっても分かりやすいのです。

トリノ駅から、ローマ通りをまーーすぐ北東方向に直進すれば、サンカルロ広場に至ります。今回butakoの宿はサンカルロ広場に面したホテルだったのでアクセス抜群。
(写真はホテルから見た朝一の広場)

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この広場の一角にあるバール「カフェ・サンカルロ」は、ホットチョコレートの名店。
早速生クリームのたっぷり添えられた代物を注文してみました。

ううむ、濃厚。。。
脳天を直撃する甘さ、まったりとしたとろみ。
そしてほのかな苦味。
これぞ本場のホットチョコです。

 トリノはチョコレートの街と名高いのだけれど、実は、イタリアに初めてチョコレートがもたらされたのがこの地だったそう。

中南米原産のカカオは、大航海時代の1528年、アステカ帝国(現在のメキシコ)を征服したスペイン人コルテスによりヨーロッパに運ばれました。長い間、スペイン王家や貴族に独占されていたのです。
スペイン王カルロス5世が、サヴォイア公のフィリベルト・エマヌエーレに、戦争の功績を称えてチョコレートを贈ったのがその始まり。

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 その後、150年間あまりは、サヴォイア家の特権階級だけに許されていたのですが、1678年、王家から初めて、「今から6年間、一般にチョコレートドリンクを販売することを許可する」という特許がチョコレート職人アントニオ・アッリに与えられました。
 
 これをきっかけに、チョコレート職人が集まり、トリノの中心地に多くのチョコレート店ができたのです。ついには欧州で「チョコレートの都」と注目され、18世紀にはヨーロッパ中から、技術を習いに職人がやって来たそうな。

(写真は、広場の回廊の床にはめてある「金の牛」。踏むと幸運が訪れる…とトリノ在住の友人から聞いていました。案の定、修学旅行生たちも我先にと踏んでます、っていうか踊ってるのかな?)

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さて、ホットチョコレートを飲み終えてつかの間、サンカルロ広場から徒歩3分のところにある、チョコレートの名店(ドリンクではなく)にも、ご案内しましょう。

グイド・ゴビーノguido gobinoもトリネーゼのおススメの店。
 感じのいい定員さんが、店に所狭しと並ぶガナッシュを試食させてくれました。
いろんな種類があって、見ているだけで楽しいチョコたち。

ちょっと変り種は
 ・Box Ganasceの中のひとつ
  「キニーネのプラリネ」(キニの樹皮から生成した粉末。独特のほろ苦さがたまりません)
 ・「塩のプラリネ」(アドリア海のCerviaチェルヴィアのあら塩が入った逸品。
  2008年に受賞した渾身の作。実際、塩と甘さの加減が絶妙。)

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 塩のプラリネは、チョコ柿の種にも通じる美味しさがありました。3€ほどの小さいお土産用のチョコがあるのも、うれしいところ。もちろん、IGP(保護指定地域表示)のヘーゼルナッツが入ったジャンドゥイオッティもはずせません。
 後日ネットで調べてみると、日本支店もあり通販で購入できる模様。

さて、食べた後は腹ごなしと行きましょうか。
パラッツォ・レアーレ(王宮)を見学しようと中に入ると、昨日から期間限定で公開が始まった「王家の台所」というツアーがありました。
当時使っていたサヴォイア家の調理場が見学できる…という生唾ものの企画です。
すぐにこのツアーを申し込みました。

 残念ながら、館内はすべて撮影禁止というので、映像は無しで。
 北の地トリノに必須のリスカルダメント(集中暖房)のためのボイラー室の巨大さに驚き、木炭で熱を取る10口以上のコンロに圧倒されました。
蒸気を送って出来上がった料理を保温する箱型の入れものや、お皿を洗うための巨大なバスカ(シンク台)、王家の富を象徴する特大のワイン貯蔵庫。
材料を保管する冷蔵庫兼氷室など、19世紀に使用されていた当時のまんま保管されているのには驚きました。

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ここで何百人にも及ぶ豪華な夕食が、何十人ものコックによってしつらえていたのでしょう。
シェフは各セッションごとにおり、(アンティパスト、プリモ、ドルチェなど)、その下に数人のコックが補助していたのです。
 見学していて、興奮してしまいました。
当時、イタリア北西部とフランス南東部にまたがっていたサヴォイア家なので、イタリア語とフランス語が調理場で話されていたに違いありません。

 その後、王家の館も見学しましたが、ガイドもなくイマイチだったので、割愛します。
その代わり、博物館内のバールで飲んだカフェを激写。

イタリアの7不思議(?)の一つ『聖骸布』が安置されているドゥオーモを見学し(レプリカを見ました)、街で一番高い塔『モーレ・アントレッリアーナ』にのぼり、秋のトリノの風に吹かれながら半日観光を終了しました。
 
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眼下には、整列としたトリノの美しい街が、夕闇のなか、宝石のように瞬いています。
晴れていたら見えるはずのアルプスの山々を遠くに想像しながら、これから過ごすトリノの一週間に期待を馳せていたbutakoなのでした。

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by butako170 | 2008-11-03 17:41 | サローネ デル グスト
サローネ報告 はじめに
 おひさしぶりです。先週の水曜日、トリノから、わが街スポレートに帰って来ましたよ。いやーピエモンテ州サイコウ!楽しかった~。奥が深かった~。
これから4回に分けて、サローネの報告を行いたいと思います。

その前に、なぜbutakoがトリノに?…というのをご説明しておきましょう。

トリノで行われる2年に一度の食の祭典 『サローネ・デル・グスト』をご存知の方も多いはず。
スローフード協会がトリノ市とピエモンテ州と共催しているのですが、なにせイタリア国内外からの出店ブースの数が多く、期間中に行われるワークショップの質が高いことで有名です。(2008年は10月23日~27日)

今回はスローフード播磨のメンバーの いっぷくせんべいの有元さん が、自慢のせんべいをサローネで焼くというので、その通訳やもろもろのお手伝いのために、butakoも参加させていただくことになりました。

ということで、トリノでの報告ですが、一回目の今日は、初日のフリーを利用して周遊したトリノの町についての報告をしたいと思いまーす。

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by butako170 | 2008-11-02 22:03 | サローネ デル グスト