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リグーリア2日目 チンクエテッレの銘酒「シャケトラ」
2日目。

海に面したホテルの窓を、勢いよく開ける。
期待していた青空…とは裏腹にどんよりと厚い雲(涙)

自称ハレ女を豪語していたbutakoですが、イタリア全土をすっぽりと覆った雨雲の威力には勝てませんでした。

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こうなったら外での撮影は無理。
雨プログラムを考えなければなりません。

かねてから知りたかったチンクエ・テッレのデザートワイン「シャケトラ」のカンティーナを見学しよう!
butakoとMaxの意見は一致。
ホテルのご主人からカンティーナ情報を収集します。

とにもかくにも「チンクエ・テッレ国立公園の事務局を訪ねる」のが有利ということが分かり、早速リオマッジョーレへと雨の中、向います。
途中、車道から望むビュー・ポイントを地図にマークしつつ…

(写真はグラスに注がれたシャケトラ)

やっと事務局に到着。

挨拶もそこそこに、こちらの意図を汲み取ってくれた事務所の方々の対応がすばやい!
行ってすぐに、リオマッジョーレのカンティーナ<POSSAポッサ>へと案内してくれました。

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主人はサムエレ・ハイディSamuele Heydi氏。まだ40代くらいの若い作り手です。
カンティーナに入った途端、岩盤の一部をさらしたままの壁に、釘漬けになりました。
その壁には、彼のワインがオブジェとして飾られていてとってもステキ。

ここでチンクエ・テッレのワイン事情をお話しましょう!
まずチンクエテッレ・ワイン協会は300の生産者、15のカンティーナから成っています。


この界隈で作られているのは圧倒的に白ワイン!
チンクエ・テッレ(DOC) ブドウ品種:ボスコ、ロッセーゼ、ヴェルメンティーノ、アルバローラなど。
ヴェルメンティーノ(DOC) ブドウ品種:ヴェルメンティーノなど

ブドウの特徴としては、ボスコはミネラル分、ヴェルメンティーノは香りを担っているそうです。

そして、魅惑のデザートワイン「シャケトラ」!(DOC)ブドウ品種:ボスコ、ロッセーゼ、ヴェルメンティーノなど。

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サムエレさんのシャケトラは、ボスコとロッセーゼというブドウだけを使っています。
本当はロッセーゼ100%で作りたいそうですが、ブドウの房がとても短く(粒は普通)取れる量が限られているので、やむおえずブレンドしているのだとか。

このカンティーナだけで、大体年間3000~10000Lのワインを産出しています。(平均5000L)
畑が崖にへばりついているため、ブドウの産出量はわずか。
一つの作り手からたったこれだけしか作れないんです。

そしてあまり市場に出ないのは、その量が少ないためこの地域だけで消費してしまうからでしょうね。

ここではシャケトラの味見はさせていただけませんでしたが、作り方はバッチリ聞いてきましたよ。
おおまかに説明すると…

①ブドウを収穫したら、手で悪い実を除き、2ヶ月間干す。
 (彼の場合は家の中の風通しの良い部屋で陰干し。)
②手で房からはずし、手でつぶす。
③スチール製の樽に詰めて、20日間ブドウの皮と共に置いておく。
 (毎日数回、手で中身を混ぜる。)
④ 皮を除いてスチール製の容器に入れ、1~3か月フェルメンティション。
⑤ だいたい6月ごろ、桜の木の樽に詰める。
 最低1年熟成させると、芳しいシャケトラの完成です。

中世からチンクエ・テッレの名を国内外に知らしめたのは、このシャケトラがあったからこそ。
非常に珍重されたワインだったのです。
作り方を見ても、納得ですよね。

シャケトラはデザート(アーモンド粉のクッキーなど)と共に、チーズの友としても飲むのも良いそうですよ。

初のシャケトラご対面となったこの日。
翌日は、なんとシャケトラの神様と言われている名人に会ってきました!!!

彼の作るシャケトラは衝撃の美味しさ。
まさに寒露の味…
そしてワイン農家のたゆまぬ努力…

ベルルスコーニ大統領や各界の重鎮も訪れたというこのシニョールのお話は、本誌に掲載予定です。

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(晴れていたらこんなに美しいリオマッジョーレ)

                                           butako
by butako170 | 2009-03-14 06:32 | 旅行記
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