アブルッツォでディープな羊料理 前編
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 先週末、隣の州アブルッツォに行ってきました。
山の師匠ジョバンニが所属するCAI(Club Alpino Italiano:イタリア登山クラブ)のフォリーニョ地区のメンバーと共に、山へ登ってきましたよ。

思えばブタブタ製薬時代から、山好きの先生に連れられて富士山に登ったり、栃木の山々を歩いたり…と、別に登山好きでもないのに、不思議と山に縁があるButako。今回もジョバンニが「登山した後、羊飼いの住む山小屋でコテコテのアブルッツォ料理を食べるんだ」と言うので、二の返事で同行をお願いしたのでした。
(旦那ロベは快承。一泊二日の日程だったので、ジョバンニと二人っきりじゃないだろうね…とさすがに念は押されましたが。)

土曜日夕方、アブルッツォ州のテラモに到着。
ここで明日の登山を一緒に行う、CAIテラモ支部の責任者の人と落ち合います。一通り打ち合わせをした後は、お待ちかねの夕食です。
「今晩はこの界隈で有名なマッツァレッレという料理を食べに行こう!」とジョバンニ。この近くの村でサグラ(収穫祭)があるらしいのです。サグラは、地元色たっぷりのお祭り。安くて美味しい郷土料理が食べられるローカルなイベント。
一同、はやる気持ちを抑えつつ、開催地カプラフィーコ村に行ってみたのですが…。

「あ、お祭りね、ありますよ。でも一ヵ月後。」
あまりにも静かな村。不振に思ったButakoたちは、村のオバチャンに尋ねてみたらこんな顛末。トホホ…
ジョバンニの早とちりで、来月と今月を見間違えていたのです。

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 がっくりしながらも、我らが隊長ジョバンニは、第二候補のトラットリアにすぐに方向転換しはじめました。ホテル兼トラットリアは、かつてジョバンニが電力会社の技術職として活躍していた頃、よく利用した馴染みの一軒。
 
 まず料理を待つ間に出てきたのが、青唐辛子。アブルッツォではテーブルにはいつも生の唐辛子が置いてあり、各自削って好みの辛さに調節するというのです。また、唐辛子のオリーブオイル漬け(さながらラー油のよう)もありました。唐辛子の旬が過ぎると、こうやって保存食にして一年中、テーブルに唐辛子を欠かさない彼ら。

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 皿いっぱいに盛られてきたのが、「サニェ エ ファジョーリ」というご当地パスタ。サニェは、硬質小麦で作られたうどんのような麺です。3,4cmくらいの長さで、強いコシがあります。これにたっぷりのインゲン豆のソースで煮込んでいただきます。
仕上げにペコリーノチーズをタップリふりかけ、好みで例の唐辛子を削って入れます。素朴ですが、しみじみ美味しい田舎料理。ペコリーノのコクが、味に深みを出し、唐辛子がいいアクセントになっています。

イタリア半島のふくらはぎよりも下に位置するアブルッツォ。コショウではなく唐辛子を多用し、麺も硬質小麦100%を使うのは南イタリアの特徴ですね。マルケ州から少し南下しただけの州なのに、食文化はモロに南部圏内です。それがとっても興味深い。

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パワフルプリモに、息も絶え絶えしながらようやく皿を平らげると、お待ちかねのセコンドがやってきました。
「アニェッロ イン ポルケッタ」は、羊のモモの部分にフェンネルやローズマリーなどのハーブをすり込み、糸で巻き、オーブンで焼き上げた料理。
 ブタのポルケッタやウサギのポルケッタは中部地方の特産ですが、羊のポルケッタとはさすが羊の放牧が盛んなアブルッツォらしい。
お味のほどは…独特の臭味もなく、ハーブの香り高くて美味。

そして、お待ちかねの「マッツァレッレ」が運ばれてきました!
羊の内臓(コラテッロ)を縦長に切って、レタスまたはビエタの葉で巻き、そのうえブタの網油で包み、羊の腸で縛るいわゆるインボルティーニ(巻くの意味)です。
手の込んだモツ料理は、地元でもとっておきのご馳走。
口に入れると、野菜の素朴な苦味が内臓の強い風味をうまくマスクしています。これは絶品…。
いままで食べたことのない力強い、でもホッとするような味でした。

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 セコンド2品は、ここの調理場を仕切るイタロシェフが取り分けてくれました。彼の作るマッツァレッレはおばあちゃん仕込み。
この味を求めて、遠くからも駆けつけるファンもいるのだとか。今は亡き母が作ってくれたマッツァレッレの味にそっくりと言いつつ、食べに来てくれるんですって。

イタロの両親が始めたホテル・トラットリア。現在、厨房にはイタロと母、妻が立ち、祖母から受け継いだ地方料理の数々を守っています。






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本当にその晩は、お腹がはち切れそうなくらい食べました。アブルッツォ料理の根幹に触れた料理ばかりを賞味できて、幸せ~。…って、イタリアに来るまで、Butakoがマトン嫌いだったなんて、本当に信じられません。
 明日は羊飼いの料理するディープな煮込み料理。
 ワクワクしながら、その日はすぐに眠りに落ちてしまいました。

(写真:大皿いっぱいに盛られたマッツァレッレは大迫力)
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by butako170 | 2008-07-06 22:33 | 旅行記
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