意外にも早く、山の師匠ジョバンニとのトレッキングが実現しました。 週明け、午前10時に連絡があり、「これから仲間と山へ行くけど、一緒に来るか」との誘いが。 もちろんハイと即答して待ち合わせ場所に向いました。 この日butakoたちが向ったのはマドンナ デッレ ステッレという名の「エレモ」です。 エレモとは隠遁者(修道士)の隠れ家だそう。中世からウンブリアには世を捨てて山の洞穴に住む修道士たちがたくさんいたのです。 向った先はスポレートから車で20分の山深いバルネリーナ地方。人口1000人足らずの小さな村々を縫うように車は走り抜けます。山には紅葉が美しく、何とも心地よいドライブ。 そのうち一つ、ロッケッタという村に立ちよりました。「この村の教会は、不思議なフレスコ画があるんだ」と師匠。Butakoに壁画を見せるため、寄り道してくれたのです。でも残念ながら教会は閉館。今回は見送らざるを得ません。 壁一面花で覆われた、詩的な美しさのあるフレスコ画なんですって。 でも収穫アリ。なんと教会の向かいの空き地には野草がたくさん生えているではありませんか。 チコーリアが2種類とラパチョーレという俗称の野草。その見分け方、調理法まで教えてくれました。 山々が織り成す景色にしばし呆然。雲からこぼれる光が、幻想的な陰影を作っています。 あら、子馬が野の草を食んでいます。 「絶好のシャッターチャンスじゃ」 一眼レフのシャッターを無心に切るbutako。 道すがら、ジョバンニはいろんな事を教えてくれます。 「この手前の村はね、昔、免罪符をヨーロッパ中に売って大もうけをしたんだよ。」 「ストランゴッツィ(スポレート近郊の手打ちパスタ)の由来は靴のヒモから来てるんだ。」 「ネーロ川の水源はスケッジーノという小さな村だけど、知ってた?」 目指すエレモに到着しました。 エレモ(隠遁者の住居)に必要なものは『日光・水源・人里』。 なるほど、山すそには小川が流れています。そして3kmほどのところに村もありました。 そしてエレモのある洞穴には、サンサンと太陽が降り注いでいます。 日当たりが悪いと、寒さで隠遁者が死んでしまうということでしょう。暖房も何もない時代、当然のですよね。村が必要なのは食べ物を施してもらうため。 こうして世を捨て祈りに専念する修道士たちを村人は尊敬し、すすんで施しをしたといいます。 さてトレッキングも終盤です。 ジョバンニと友人が、米製のGPSでエルモの位置を記録すると、今回のミッションは達成。 こうして大自然を師匠と共に満喫した夢のような一日は、日暮れと共に終わりました。 (⇒エレモの写真を撮るジョバンニ) Butako
by butako170
| 2007-11-16 02:01
| その他
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