古代ローマの聖地バレストリーナPalestrinaと金職人
永遠の都市ローマ。
古代ローマ時代からバロックに至るまで素晴らしい芸術品がザクザクあるので、ローマを見尽くすには数ヶ月(数年?)かかると言われます。

実はローマ周辺にも見所のある街がたくさんあるのですが、あまりにもローマがすごいので、その影に隠れがち…。
(以前、フラスカーティを取り上げました。ここも良かった。)

今回取り上げたいのは、古代ローマにおいて、サンクチュアリとして聖別された街パレストリーナ:Palestrinaです。

ローマの東南に位置していて、フラスカーティから東へ20kmほど行ったところ。
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あいにく訪れた日は大雨だったので、霧の中にその壮大な街の姿は隠れてしまっていました。晴れた日のパレスティーナから50km離れたティレニア海が見渡せるんだそうです。
霧で海どころか眼下に広がる街も見えないわー。
(晴れの写真は他のサイトから拝借したものです)
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街のカタチは扇形をしていて、階段状に高くなっています。
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さてさて、そんなパレストリーナですが、ラッツィオ州ローマ県にあり、人口およそ2万2000人の街。古代にはプラエネステ:Praenesteの名で呼ばれたラティウムの都市で、フォルトゥーナの神殿で知られていました。古代ローマ時代には、丘陵地にあるため夏涼しい…ということで富裕層の避暑地となり、中世には有力貴族であるコロンナ家が拠点とし、17世紀にバルベリーニ家の手に渡たり、かのウルバヌス8世を輩出し、街は非常に栄えました。(ウィキペディア参照)
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古代ローマ時代とバロックの華やかさが共存するユニークな場所です。
フォルトゥーナ神殿は高台に舞台装置のようにそびえ立っていたようで、神託を受けるのにふさわしいですね。
その神殿を取り込んだかのように、バルベリーニ宮殿が建っており、現在は考古学博物館や神学校として使われています。

なぜこのたび、パレストリーナを訪れたかというと、実は、11月の阪急梅田イタリアフェアで知り合ったエトルリア金細工職人のマッシモ・チェレット氏がここ出身だから。なんと「バルベリーニの家庭用礼拝堂として使われているサンタ・ロザリア教会の一部が俺の工房の一部なんだよ」というので、それでは工房とマエストロの技を拝見しようと、思い立ったのでした。
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マッシモの工房は、気品のあるクリーム色と石を敷き詰めたような壁、天井はわらの風合いが残る見たことのないもの。なんでもかつては、石灰にわらを混ぜ込んで天井を固めていたのだとか。
そして、エトルリア式の金の溶接は、本当に素晴らしい。

手順といいますと…
・金板を細かく切って、そこにバーナーで熱し、小さな粒にしていきます。
・その粒を大きさごとにふるいにかけていきます。
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・指輪やオブジェに金粒を接着し、それにある溶液をつけて、
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再び熱をあてると…。
(吹いているのは、空気を送って、バーナーの火が直接当たらないように調節しています)

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あら不思議。その溶液のおかげで、接着した玉は本来ならば高温で溶けて一体になるところが、独立して残っています。
この技法はグラヌラッツィオーネ(粒金加工)と言い、なんとエトルリア人の技法だそう。
さかのぼること2千年以上!!

マッシモのサイトCerettiに掲載のYoutube(3:40〜)その様子が見れますので、是非、のぞいてみて下さい。
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1950年創設のチェレッティでは、先代が古い資料を読んで試行錯誤のうちにたどり着いた技法だとか。摂氏1000℃以上もある高温をブロックするなんて、どんな成分が含まれているのか、不思議ですよね。
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チェレッティの粒金加工を施した装飾品は、世界に1点もので、しかもここだけにしかない技法。日本の百貨店のフェアでも、高価にも関わらず、人気で、すぐに品薄になってしまいます。

その工房の隣には、アルティコロ・ノーヴェ: Alticolo 9という街の散策をサポートしてくれるオフィスがあり、街の地図や特産品を販売しています。フランスと縁のあるパレストリーナには、ジリエッティ: Gigliettiというユリの紋章をかたどったビスコッティが名産品。
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リングア・ディ・ガットみたいに、さっくり上品な味わいで、紅茶と合いそうです。
(Foto:glocaltaste.comより)

そしてこの日は特別にサンタ・ロザリア教会 Chiesa di Santa Rosaliaを案内して下さいました。
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バルベリーニ家一族の礼拝堂ということですが、バロックの彫刻と絵画がドラマチックにあしらわれています。
ここは写真厳禁。
Alticolo 9 にて、有料でガイドしてもらえます。
家紋の蜂が、これでもか!というくらいにあしらわれていました。
この教会だけで500匹以上描かれているのだとか。

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そして、礼拝堂奥の棺の間から発見されたのが、なんとミケランジェロの『ピエタ像』です。なんでもバルベリーニ家のコレクションだったものが何世紀も倉庫で埋もれており、1900年代初期に発見されたのです。
現在は、フィレンツェのアカデミア美術館に所蔵されています。

なんとも面白い滞在でした。
わずか2時間ほどしかいませんでした。大雨のため、高台から見渡せる美しい景色も、壮大な扇型の街並みもおあずけとなりましたが、またの機会に取っておきましょう。

2015年はローマの周辺都市を巡る旅も企画したいなぁ。
近くにはフラスカーティもあることですし。
なんて、帰り道、思ったbutakoなのでした。

                        Butako170

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by butako170 | 2014-12-19 03:52 | 報告
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