アルプスの麓のチーズ工房 カステルマーニョを巡って【2】
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さてさて、お待ちかね昼食タイムです。
チーズ工房の2階は、山小屋風のキッチンになっています。
調理もできる薪ストーブもあって、ぬくぬくしていて幸せ。

今日はジョルジョの親友が誕生日なんでランチを共にする…ということで友人のリカルドが来ていました。
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なんと主賓みずからが作ったインサラータ・ルッサ。ロシア風サラダという名前のこの一品ですが、イタリアどこでもお目見えします。
リカルドがマヨネーズも手作りした…というサラダはなんとも美味で。
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そしてグアンチャーレとサラミをスライスしたものが出てきました。(赤いソースはペペローニのサルサ。リカルド手製。パンに塗ると激ウマでした)

プリモピアットは白眉でしたよー。
キョッキのカステルマーニョ和え!!!
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牛乳にカステルマーニョ(4ヶ月熟成の浅めのもの)を1晩浸けておきます。
あとは湯であがったキョッキを絡めるだけ。
黒こしょうをアクセントに。
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これがすごく美味でした。
ニョッキの甘みとホロリと崩れる食感を、やや酸味のあるトロリとしたソースが絡んで、噛めばその旨さが一体になります。シンプルにして究極に美味しい一品ですね。
(写真はニョッキを和えるジョルジョ)

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そして薪ストーブでコトコト煮込んだ豚の首肉は、ほろりと繊維が崩れておいしい!
チコリの茹でたもの、ローストポテトと完璧な付け合わせ。もうお腹一杯!というくらい食べました。

しかしここはピエモンテ。最後にとっておきの1皿が。
そう、チーズの盛り合わせです。
フランスの影響を受けているピエモンテ州では、チーズの盛り合わせをデザート前に出す週間があるのです。
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ここでは、なんと熟成違いのカステルマーニョ。8ヶ月、18ヶ月、30ヶ月というこの贅沢。
8ヶ月はやや酸味が残るものの、すでにボソッとした食感はもう少なくなってきています。さっぱり食べれます、美味。
18ヶ月は酸味と熟成具合のバランスが絶妙です。これぐらいの熟成だと、エキゾチックな香りのする白ワインか軽めの赤ワインが良いかも。
30ヶ月は、青カビの花がパァと開いた美しい色彩。グルメが唾を飲むこれぞ『青カビ入りのカステルマーニョ』です。
味は旨味がギュッと詰まった感じ。まるで酒粕のような芳醇な香りに強烈な旨味。やや刺激のある青カビ。一口食べるたびに、ボディーのある赤ワインをグラス半分くらい飲めちゃうインパクトがあります。
3種食べ比べ(しかも青カビ含)なんて、普通じゃ食べられませんよね。

ここでジョルジョが面白い話をしてくれました。
「この青カビは、注入して入れるものではなく、熟成の途中で勝手に育成していくものなんだよ。
だから、カットしてみるまで青カビ入りかどうかは、分からない。
今でこそ、カステルマーニョの青カビ入りは珍重されているけれど、かつては、ホールで購入して青カビ入りだったら『不良品』として送り返されていたんだよ」

へぇ、今じゃ垂涎の的なのにねぇ。d0033983_2402054.jpg

チーズの王様を満喫した後は、自社製のジンのリキュールでディジェスティーボ。
独特の清涼感のあるジンの香りと35%のアルコールで、どんだけ食べても、しっかり消化してくれそうなリキュールです。

食事中、いろんな話をジョルジョとしました。
もともと彼は会計士だったか別の仕事をしていて、1980年代に当時のカステルマーニョ市長だった友人に、カステルマーニョのチーズを復興してほしい、と相談を持ちかけられました。
情に厚く、また行動力のあったジョルジョは、そのプロジェクトに乗り出します。
クーネオの自宅とカステルマーニョの別宅を行き来する生活が続きました。

晴れて、カステルマーニョはDOPに認定され(1996年)、知名度もぐっとあがったのですが、DOPに指定された地区がチーズを伝統的に作るグラーナ渓谷以外の平地にも及んでいたため、それを好機に縁もゆかりもない大企業がカステルマーニョ作りに参画したので、「ほんまもの」のカステルマーニョと見分けがつかなくなりました。
大企業は、乳の大量に出る牛を飼い、また熟成も温度管理されたセラーで行うのです。
味の違いは明確です。

そこで、ジョルジョはスローフード協会のプレシディオ品として、「カステルマーニョ・ダルペッジョ」を登録し、他と一線を画したのでした。
標高1700m以上で産み出され、夏場はアルプスの花を食べて乳をだすダルペッジョの美味しさといったら、格別です。
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(写真は村人と旅人の安全を守る聖地教会)

守るべき味、守るべきやり方を絶やさないように、DOPと差別化するためにもスローフードのプレシディオを取り入れるのが最適だと思った…とジョルジョ。
大手が条件を合わせて参入するDOPの弱点を知ると共に、一つの解決策を目の当たりにしました。

それにしても美味しいチーズでした。
ダルペッジョのカステルマーニョを食べると、そうでないカルテルマーニョが食べられなくなっちゃいますねー。 

いろんな思いを胸に、アテンドしたお客さまと共に山を後にしました。

                               butako170
カステルマーニョを巡って【1】はこちら
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by butako170 | 2014-12-13 02:45 | プレシディオ・食材
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