イタリアの老人ホームで食べられているモノ
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かれこれ3年になるでしょうか。
愛知県で企業・福祉コンサルタントを営むOさんご夫妻とは、私がこの仕事を始めた当初から続いています。

今回はフィレンツェのミゼリコルディア兄弟会という福祉施設の視察に行ってまいりました。フィレンツェ人にミゼリコルディアと言えば「ああ救急車のことね」と二言目には帰ってくる有名な組織。
そう、13世紀からカトリックの兄弟会として、病人の運搬やお葬式などに携わるボランティア組織だったのです。現在は、年間2万7千800回も救急車を走らせております。
救急車だけでなく、診療所や老人ホーム、障害者施設など多岐にわたる社会サービスを提供しているのです。
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実はミゼリコルディアを訪れるのは二回目。
ドゥオーモの鐘楼の隣に建屋があるのも、その歴史を感じさせますよね。
館内は救急車の出動を待つボランティア人員が、電話交換手の近くでたむろしています。

そのミゼリコルディアの3階会議室からの景色。
ドゥオーモのクーポラやジョットの鐘楼がよく見える!!

そして視察の長い一日が始まりました。
内容は割愛しますが、前回も非常に充実していたランチを取り上げたいと思います。
『ヴィッラ・ボボリーノ』という自立している人対象の老人ホームのランチが、すごい!!
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本日、館長やスタッフと共に頂いた食事はこちらです。
まずトスカーナ風アンティパストが出てきました。
地酒キャンティを飲みながら食べると、ああ、フィレンツェに来たんだなぁ、と実感するラインナップです。

特に鳥レバーのパテは、ハーブがきいていて、リッチな味わい。酢が入るウンブリア風とは違います。

そして人参のスフォルマート(スフレ)。
野菜と泡立てた卵をあわせてスフレにするのは、中世から続くフィレンツェならではの一品。人参の甘みが凝縮するやさしい味でした。

そしてボレンタの上に載っているのは、薫り高きポルチーニのソースです。
秋を感じますねぇ。

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次にプリモ(第一の皿)がやってきます。
パッパ・アル・ポモドーロは、文句なしの出来栄え!入居者のために大なべで作ったのでしょうね。固くなったパンを再利用する貧者の料理『クッチーナ・ポーベラ』です。これもフィレンツェ近郊のティピカルな料理。
バジルの香りとトマトの酸味が食欲をそそります。
良質の地元のオリーブオイルをかけて、召し上がれ。

「次はメインですかね」なんてOさんと話していたら、やってきたのは第二のプリモです。
ちょっとビックリしたけど、うれしさが勝ってしまいました。皆大好き、ラザーニャだ~!
パスタ・アル・フォルノ(オーブンで焼くパスタ)=ラザーニャは、国民的食べ物と言っても過言ではありません。
日曜日の大家族が集う昼食には、ラザーニャはシンボル的なお料理だと言えますネ。
大きな天板で焼き上げた生地を、切り分けるのが、家族を象徴する儀式だと言えるかもしれません。
ミートソースとベシャメルソースの相性、ばっちり。
少しトロリとした緩みのあるソースが、口で溶ける!

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そしてメインにやっと入りました。
結構お腹いっぱい。
そこでやってきたのは、太めに切ったロースト・ビーフ。
お肉は毎日新鮮なものを精肉店から運ばせる、というだけあって、肉質の良さが光っています。かみ締めるほどに、ジワリと広がるうま味。
キャンティとの相性は折り紙つきです。

そして二口分だけ小皿に盛られているのは、トリッパ・アッラ・フィオレンティーナ(フィレンツェ風ハチノスの煮込み)です。
香味野菜のソフリットが、煮込みのベースをしっかりと作っているのがわかります。溶けるように柔らかいトリッパ。貧しさゆえに、牛肉を口に出来なかった庶民が、生み出した内臓料理です。

butakoはあまりのおいしさに、すべて完食致しました。
周りを見渡しても、全部食べてたのは私ぐらいのものでしたネ。

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そして「これぞトスカーナ!」という秋ならではのドルチェが、butakoを唸らせます。
スキアッチャータ2種盛り!!
いつの日か、この2種盛りを食べてみたかった…という夢が、まさか老人ホームで適うとは、面白いものです。

白いスキアッチャータは、スポンジケーキに粉砂糖を振りかけただけのもの。年中、フィレンツェでは頂けます。
しかしブドウの入ったスキアッチャータは、ワイン用のブドウを収穫する今の時期だけ。地元のサンジョベーゼ種というブドウを使っています。
ブドウの種は取らないので(これは半分は取って半分は残しているそうです)、ブドウの種がガリガリ噛むたびにして、とっても賑やかなトルタなのです。


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以上が、夢のようなランチでしたが、まさかこのボリュームを入居者が食べられるはずはありません。彼らは、前日にメニューを知らされ、2種類のプリミとセコンディから、1つずつ選ぶことができます。それを集計して、調理担当者は、お肉の発注をかけたり魚を解凍します。
当日の朝、各人、メニューの変更が必要ないか、もう一度チェックをします。

食事の時間。。。老人たちは自分の決まった席に座ります。
130人全員の食事が、給食用の大きな手押し車(数台)にオーダーどおりに並べられ、短時間で効率よく給仕されていきます。熱い料理は熱いままで、供されるのです。

入居者に食事の選択の自由が与えられているとは、まずもって驚いてしまいました。130人もいれば、皆同じメニューのほうが、どんなに効率がいいでしょうか。

でもそこは食の国イタリア。
効率をけっして優先させたりはしません。
何歳になっても、食は生活の楽しみの一つです。
自由に選べて当然ではないでしょうか。

思わず、感動してしまったbutako。
ボボリーノでは、食事だけでなく、ディ・サービスの遊戯や機能回復などについても、様々な工夫がされていました。
仕組みではなく、人を見て介護している…と感じましたねぇ。

施設のレポートはOさんにお任せするとして、私は気になる食について、報告をしてみました~。イタリアの懐の大きさを垣間見る思いでした。

butako

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by butako170 | 2012-09-28 06:41 | 旅行記
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