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ピエモンテのワイナリー② 『マルヴィラ』
ランゲからロエロへ行くには、タナロ川を越え、北上すればいいんだよ。地元の人なら当然分かっている土地勘が、旅人であるbutakoたちには欠如しています。カンティーナ・マルヴィラのあるロエロの村Canaleをナビに入れたら、なぜか正反対の村を指していて、そうとは知らずに大間違い。1時間も約束の時間に遅れてしまいました。

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(眼下に臨むカンティーナの風景)

それでもマルヴィラのオーナー、マッシモ氏は嫌な顔ひとつしないで、待っていてくれました。
醸造部分の見学は、時間も遅かったので割愛して、早速、試飲を開始。
白を5種類、赤を7種類ほど。
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(写真:全種類試飲させてもらいました。魅力的なラベルは、タロットカードをモチーフにしているとか)
FavoritaDOCは、ヴェルメンティーノ種のこの地方での呼び名です。個人的には、サルデーニャの南国の太陽をたっぷり浴びた果実香の凝縮しているヴェルメンティーノのほうが好きかなぁ。でもこれも丁寧に作られていて、アペリティーボには最適だと思いました。
白でのお気に入りは、なんと言ってもアルネイス!! ピエモンテの土着品種です。かつてはネビオーロの混醸用として使われていた二級酒でしたが、トリノ農大学の研究と生産者の努力のおかげで、1980年代には、単一でのワインとして評価されるようになりました。フルーツ系でライム系や白い果実の香り、適度なボディがあります。
アルネイスのうちの、レネジオは素直で洋ナシの芳香がして良かったし、トリニタは10%を木樽で6ヶ月熟成したものとブレンドしているので、黄金色が美しく、ボディも厚みがあり安定していて◎。

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他の白も秀逸で、ランゲ・ビアンコ“トレウヴェ”2004年はシャルドネ(40%)、ソーヴィニオン・ブラン(40%)、アルネイス(20%)の良いとこ取りで、おまけに10ヶ月の樽熟成だから、アンズの甘い芳香と酸味(フレッシュ感)と適度な熟成感が三味一体になっています。これは友人がいたくお気に入り、5本も買っていました。
(写真:階段の上にあるのがカンティーナ。試飲が終わったのが20時。日も暮れかけていました)

白ばかりに文章を裂いてしまいましたが、赤ワインも負けていません。
なんせここはネビオーロの一大産地。ロエロDOCGのお膝元ですから。
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マルヴィラのロエロはすべてリゼルバで、どれも最低24ヶ月は木樽に寝かせています。ロエロDOGC Riservaの規格が、木樽熟成最低6ヶ月であることを考えても、その4倍の期間も熟成させているのですね。

マッシモさんが、「昔ながらの伝統的な作り方をしているんだよ」、とすすめてくれた2006年のRoero Riserva MOMBELTRAMOが、好感が持てました。クワの実やカカオ、シナモンなどのスパイスの香りもしていて、力強い、でもタンニンが樽熟成の間に、丸みを帯びていました。
またバルベーラ ダルバの2003年も頂きましたが、この年は酷暑で、イタリア各地ではブドウの実が収穫前に焦げてしまったようですが、ロエロ地方ではプラスに作用した年・・・と言っていました。バルベーラは酸味のある赤ワインですが、この年のは酸味も抑えられていて、甘ささえ感じます。

まるで自分の子供の成長期を話すように、マッシモさんの話は留まることを知りません。情熱を込めて、ボトルごとに説明をしてくれました。

先だってのモンフォルテの2006年のバローロのタンニンは、私たちには渋すぎた、と言うと、それはモンフォルテのクリュ(畑)の地質から来るもの、と説明してくれました。ネビオーロを理解するためには、最低1000本は飲まないといけないヨ、とお茶目にアドバイスしてくれました。
クリュごとに、違った表情を見せるネビオーロなので、本当、たくさん飲まないと見えてこないものがあるんだろうなぁ。

まめにサーブしてくれた助手のカレンさんにも感謝。
忘れられないカンティーナ訪問になりました。

試飲の後は、同じ敷地内にあるアグリツーリズモVilla TiboldiへGO! ビルゲイツがお忍びで訪れた同施設内のレストランに、予約もばっちり入れているので、ゆったりと夕食を取ることにしましょう。

                                butako
by butako170 | 2011-07-02 23:15 | ワイン
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