イースターの過ごし方
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イースターは、イエス・キリストの復活を祝う日で、クリスマスと合わせてカトリック教国イタリアでは盛大に祝われます。この日と翌日のパスクエッタはハレの日です。

スポレート界隈でイースターの日に食べられているものといえば、そう、『Pizza di Pasquaピッツァ・ディ・パスクワ』が定番です。

ウンブリアでピッツァと言えば、ご注意を!ナポリのピッツァではなく、イースト菌で発酵したものを指します。フォカッチャのことをピッツァと呼んだりするのですが、イースターのピッツァは、チーズがたっぷり入ったパンドーロみたいなドーム型の形をしています。

パン種に、卵とペコリーノチーズ、パルミジャーノチーズ、胡椒などを加えて作るのですが、これにサラミやカポコッロを載せて頂きます。
以前の記事を参照してみて。)
地元のワインがすすみます~♪

ほぼスポレートからペルージャ界隈が同じ材料で作られるのですが、ただペルージャのは塊のチーズが入ってさらに美味...しかしバルネリーナの谷の奥(ノルチャやカッシャなど)は違うらしいのです。

なんとピッツァ・ディ・パスクワにチーズが皆無!!
しかも甘く味つけをしている!


というではありませんか。ノルチャなんてペコリーノチーズの産地なのに、なぜ!?
そのピッツァの作るところ、是非見てみたいではありませんか。

谷に住むパイプオルガンの師匠オスカルのマンマがピッツァを作る、ということを聞きつけ、木曜日にオスカル宅に、夫ロベちゃんと見学に行ってきました。

午前10時。近くの村から、ピッツァ生地を練りに来る助っ人のアゴスティーノがやってくると、作業開始です。
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まず湯銭にかけた50個の卵、2.5kgの砂糖、1kgのバターとストルットをよくまぜ混ぜ合わせます。
そしてテルニのメーカーのこのリキュールを入れて、シナモンを振り入れます。
あたりにレモンのようなニッキのような甘ったるい香りが広がりました。
このリキュールが、谷のピッツァをピッツァたらしめている秘薬のようですね。

リキュールが買えない貧しい人たちは、白ワインを入れていたのよ~。
とガブリエッラ。
ここでなぜチーズが入らないのかを聞いてみると
「ノルチャなどはペコリーノチーズの産地だから、日常的にチーズ食べていて、たぶんパスクワの日くらいは食べたくなかったからじゃないかしら」という予想でした。

別に牛乳を温め、人肌くらいの暖かさになったらイーストを加え、よく溶かして、上記に加えます。
それを大きなたらいにあけると、小麦粉およそ9kgを加えました~。

さて、ここからがアゴスティーノの出番です。
オリーブオイルを加えながら、くっつかないように混ぜること30分。
ようやく生地の完成です。

これを4時間ほど発酵させます。

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その間に、オスカルのマンマ、ガブリエッラが手際よく昼食を作ってくれました。
トルテッリー二は生クリームのソースと和えて。朝の労働をねぎらうのに十分なパワフルプリモです。

そしてマッシュルームのミンチ詰め、ミートボール、そして写真にはありませんがスペッツァティーノと3種のセコンドと続きました。
どれも近くの農家から牛肉を分けてもらったもので、お肉の美味しさが引き立ちます。
ガブリエッラの料理はシンプル極まりなく、たとえば、ミートボールは塩とマッシュルームのイシヅキ、ニンニクを刻んで加えたのみ。つなぎもまったく使っていません。
スペッツァティーノも、たいていのマンマがニンニクやパセリ、香味野菜の刻んだものを入れるのにたいして、彼女は、ただオリーブオイルで角切り牛肉を炒めて、塩コショウし、赤ワインを入れて煮込んだだけでした。

でもなぜかウマイ!
大の大人三人が美味しいを連呼しながら食べておりました。

さて食後、いよいよピッツァの釜入れです。
オスカルの家にはピッツァ釜があり、木で熱をおこす本格的なものです。
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そこに十分発酵して気持ちよさそうに膨らんだ生地を、卵液でつややかに化粧をしたあと、投入します。
待つこと30分。

谷のイースターのピッツァの完成です。
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卵50個、小麦粉9kgでできたピッツァは全部で15個。
これを親戚中に配り歩くのだとか。
毎年ガブリエッラとアゴスティーノ合作のピッツァを楽しみにしている人たちがいます。
その期待に応えるためにも、イースター前のはずせない行事になっているのですね。
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(右からガブリエッラ、息子のルイジ、アゴスティーノ)

イースターの日に頂いた甘いピッツァは、塩辛いサルミとの相性も抜群でした。ワインの良き伴奏者となり、イースターを盛り上げてくれたことは言うまでもありません。

                                                    butako
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by butako170 | 2011-04-26 05:49 | ウンブリア料理
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