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24時間ストライキに遭遇!
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もう3週間も前のことになります。
諸事情でミラノに行くことになったのですが、7月8日に会いませんか?と先方からアポイントの打診をされ、思わず了承してしまったのは。
当時から7月8日は鬼門だと分かっていたのです。なぜかというと、trenitalia(トレニタリア)のストライキがあるから。

イタリアではストライキを行うときは事前に告知をします。
なので6月末には、7月8日のストのことを知っていたのでした。トレニタリアのコールセンターに問い合わせたところ、ストライキは、同日の21時開始、翌9日の21時まで続く24時間ストでした。

ちなみに7月8日の予定は、
ローマ発9時 ミラノ着12時(ユーロスター)   
15時にアポイント  
ミラノ発18時 ローマ着21時半(ユーロスター)  
ローマ発22時半 スポレート着24時(レッジョナーレ)

という日帰りハードスケジュール。

ローマからスポレートの最終電車は、21時以降ストライキ突入後の便なので、最悪、ローマで足止めを食らった場合は、ローマの友人宅に泊めてもらうお願いをしました。

これでストライキが発生しても万事OK。備えあれば憂い無し、で望んだ7月8日。
ストライキで大混乱するイタリアをこの目で見てやろうじゃないの、くらいの勢いでした。

ミラノ 17:30 
夕方の中央駅は、平日だというのに、さながら帰省ラッシュなみのざわついた雰囲気。電光掲示板には、まだどの電車の中止も表示されていませんでした。それでもローマ行きのユーロスターに乗った時は、乗車率110%なのにびっくり。なかには自分の乗るべき後発の電車がストライキと知り、急遽この便に変更した人も多くいました。それらの人々は、座席を予約していないため、とりあえず空席を探して座っていましたが、当の予約者が乗車した際には、その座席を空けなければならず、さながら難民のようでした。
ストライキが行わなければ、後発の電車で、本来予約した席で悠々としていられたろうに、と思うと気の毒ですよね。

フィレンツェ 20:00
私の乗っているこのユーロスター、フィレンツェに停車すると事前に知っていたので、実はある目論見をたてていました。20:13発フィレンツェ発のレッジョナーレに乗ってフォリーニョ(スポレートの隣町)まで何とかいけないものかしら?そうしたらロベちゃんに迎えに来てもらえて、その日のうちに自宅のベットで休める。
ストライキは21時から。20:15の電車なら動いているはず。
ユーロスターのフィレンツェでの停車時間は10分。この10分を使って電光掲示板まで走っていって、わずかな望みをもって見てみました。

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・・・ま、しょせん期待などするだけ損なのです。
掲示板のフォリーニョ行きの項目には、SOPPRESSOの文字が。SOPPRESSOって、廃止された、殺されたっていう意味があるんですが、うーん、ちょっと半殺しされた気分かな。
21時からのストライキにまだ突入してないけど、ま、フォリーニョにつく頃には、ゆうに21時を過ぎているので、想定内でしたが。

ローマ 21:30
無事にローマへは到着。
スポレートへ向かうため、フォリーニョ行きの電車の掲示板の部分を、にらみながら待ちます。今のところ備考欄には何も書かれていません。
友人には「たぶん大丈夫そうだけど、ひょっとしたらお世話になるかも」と一言電話を。

ローマ 22:00すぎ
そして不意に掲示板の板がパタパタとはためき、嗚呼!SOPPRESSOの文字が!!
すごすごと友人宅へ向かうため、A線の地下鉄乗り場へと向かったのでした。

翌日。。。
嵐はまだ過ぎ去っていません。いや、その日の21時までのストライキだから、これからが本番といってもいいでしょう。この日は、朝から友人の勤める革製品のお店に遊びに行って、スポレートに帰る計画を立てていました。
ローマ市内の交通機関が、ストライキのため、運行本数を減らしています。
コロッセオ近くにあるその店へは、友人と地下鉄を使って行きました。


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ローマ コロッセオ付近 10:00すぎ
11時半の電車に乗るために地下鉄でテルミニ駅へ向かおうとしました。
でも地下鉄の入り口を見てビックリ!
なんと!!完全封鎖です。そう、朝のラッシュの時間帯は地下鉄を走らせたものの、それ以降はストップしていたのでした。封鎖された入り口を見て、一瞬あわてるbutako。
歩いて駅まで行けるかなー、スポレート行きの電車には間に合うかなーって。

スポレートまでの道のりが地球半周くらい遠く感じました。
(実際は140kmしか離れてないんだけどね)

地図を見たら、しめしめ地下鉄2駅分。距離にして1,5km。
これなら歩けない距離ではありません。

こうして10時過ぎに駅に着き、またドキドキしながら掲示板を見ていたら、この便は無事に発車することが分かりました。そうなると、SOPPRESSOの憂き目に逢っている人に対して、妙な優越感が。
おかしいですよねぇ、この心理。自分がどうしたわけでもないのに。ただ,ただ運が良かっただけなのです。

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駅の普通のホームからは500mも離れた2EPホームを目指します。(この酷暑のなか、イジメです)
構内途中にはBarbiera(理髪店)を発見。利用者、結構いるみたいですよ~。
女性も利用できるよ、と理髪店のご主人。

駅員さんが途中にいたから、気さくに話しかけてみました。
「今回のこのスト、何を要求しているんですか?」
「うん、まぁ、3年前から雇用契約がまったく更新されていないからね、そう、更新を求めているんだよ」

へぇ。
契約が更新されていないので、賃上げもストップしているのだとか。
なるほど、自社がそうだと、結構やるせないかも。
でもこの経済危機のご時世、3年間現状維持できているだけでも有り難い気もしますがねぇ。

そして無事乗車。
クーラーもちゃんと効いている2等車で、定刻どおり列車は発ち、無事私をスポレートまで送り届けてくれたのでした。この日ほど、スポレートが愛しかったことはなかったです。なんか、ホッとしたというか。
駅まで迎えに来てくれていたロベちゃんの顔を見たら、二重に安心しました。

公共機関のストライキは、もううんざりですよ。
これからは、ストの日が分かったら、スポレートの町を一歩も出ないことにしようっと。

                                               butako

*ストライキの後、trenitaliaに勤める友人と話したところ、一時金35ユーロが会社から支給されたそうな。
一応やらなかったよりマシ?でもストが生んだ被害総額を考えると、複雑です。
しかしまぁ、労働者の権利が強い国ですね、イタリアって。
by butako170 | 2010-07-11 22:51 | その他
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