IE9ピン留め
明日(木)から神戸新聞掲載のお知らせ

お詫び:神戸新聞夕刊ではなく朝刊でした。
夕刊を買ってくださった方、すみません。

年末年始をはさみ執筆していた記事が、5回にわたって1月26日(木)から神戸新聞朝刊の暮らし面で掲載されます。神戸新聞購読されている方、関西圏に住んでいる方(キヨスクへGo!)方は、ぜひともご覧くださいね。

神戸新聞 暮らし面
記事タイトル:マンマの国から ~イタリア・エネルギー事情~ 

始末の精神で節約生活を送るイタリア人の涙ぐましい努力、あっと驚く創電民宿、エネルギーの地産地消や新型太陽熱エネルギーについて触れている部分もあり。
分かりやすく現地の声を盛り込んでレポートしています。

エネルギーも、食と並んで私たちの暮らしを支える大切な要素。
循環型の暮らしを考える上で、欠かせないテーマだと思います。
イタリア人のエネルギー観とはいかなるものか?! 興味津々ですねぇ。

                                     粉川 妙
# by butako170 | 2012-01-25 19:19 | 報告 | Trackback | Comments(7)
秋のシチリア旅行②

ピッコロ・ナポリ…。

パレルモに行けば、かならず立ち寄るトラットリアは、シチリアなのにナポリ?!っていう変テコな名
前がご愛嬌です。

なんでも1950年代、パレルモで有名なグランデ・ナポリにちなんで、この名前をつけたそう。
最初はピッコロの名の通り、小さな小さなトラットリアでした。

ポリテアマ劇場から歩いて5分くらいでしょうか。
新鮮で豊富な近海の魚を食べさせてくれる、パレルモ家庭料理の店です。



意外とネクタイ締めたビジネスマン風のお客も多く、また旅行者と思しき人たちもちらほら。
(入店したっての際はお客はまばらでしたが、2時くらいになると一杯に)


朝から市場巡りでお腹が減っている私たちは、熱々のパネッレをつまみに、冷えたカタラットで乾杯です。パネッレとはヒヨコマメの生地を薄く延ばして油で揚げたもの。
豆のほんのりとした甘みと、独特のソフトな食感が病みつきになります。
ワインのチョイスもいいですね。
シチリアの地元品種を丁寧に作られているため、洋ナシやシトロンの繊細でこまやかな香りがあります。

ここにきたら是非食べたいのが、イカ墨のパスタ。
おはぐろ状態になろうが、墨が服に飛ぼうが、これははずせない!
イカと墨だけで、どうしてこんな旨みが出るのか、と思うくらい深い味わい。
それがスパゲティにネットリと絡んでいるので、麺のもっちり感とソースの味わいが、同時に口のなかで味わえるのです。

しばしば言葉も交わさずに食べる3人でした。


そしてパレルモ風イワシのブカティーニがやってきました。
サフランの華やかな黄色をまとって、やってきました。
新鮮なイワシがふんだんに入っていて、想像よりもさっぱりしています。
フェンネルの葉の爽快感と、イワシのコク、そして干しブドウがいい味出してます。仕上げには、ニンニクとともに炒ったパン粉がふりかけられていて、香ばしさを演出。

ソースが個性豊かなので、麺も太目のブカティーニくらいがちょうどいいのです。
麺とソースの関係は、あくまでも同等に。繊細な麺には繊細なソース、大きい(太い)麺には力強いソースを!
これは南北に長いイタリアのどこの地域でも貫かれている法則。
先人たちがいろいろ試しながらたどり着き、定着し、やがて伝統料理と呼ばれるようになったのです。


セコンドはもうお腹一杯!ということで、1皿だけカジキのインボルティーニをオーダーし、一切れずつ頂きました。
カジキの身の中に巻いてある餡(パン粉とパルミジャーノと干しブドウ)が悩ましい。
ごく薄味で、素材のおいしさを十二分に引き出していました。

ドルチェにはカッサータ。
甘み控えめで日本人好みでした。
ペコリーノ大国シチリアでは、カッサータやカンノーリは、かならず食べたいドルチェです。
さぁ、エネルギーをチャージしましたよ。今晩の宿のマルサラ郊外のアグリツーリズモ目指して、ドライブと行きましょうか。

Piccolo Napoli
住所:Piazzetta Mulino a Vento, 4 (Corso Scina'), Palermo
tel: 091/320431
平日はお昼のみ、土曜日は昼夜。日曜定休。
# by butako170 | 2012-01-24 08:57 | 旅行記 | Trackback | Comments(0)
秋のシチリア旅行① 

遅くなりましたが、この10月に訪れたシチリア旅行の報告をします!
今回の旅は、いままで未踏だった島の西側に行くこと。
フェニキア人が技術を伝えたという塩田と風車があるトラーパニ、かつてヴィーナスに捧げた神殿が残る天空都市エリチェ、そして島の州都パレルモ、ギリシャ神殿郡の残るアグリジェント。
4泊5日の駆け足でしたが、ワイナリーも2軒周り、すごく楽しい旅でした。

キーワードは『食い倒れ』!
酒豪の東北女2人(Kちゃん、Aさん)とソムリエ関西女butakoの和やかなコンビで、さぁ、参りましょう~♪

まずは、東西の文化がクロスする都市パレルモです。
初日の朝は、バッラロ市場から~♪

butakoたちの泊まるローマ通りのホテルからは、道具街を通って市場まで向かいます。
おや、狭いアルミ食器の店の中では、おじさんが実際に料理用の型を作っていますよ。
こうやってアルミの板を延ばして、輪っかにするのね。
下町情緒あふれる、パレルモの日常。


まさに色の洪水です。旬の野菜がたくさん並びます。


オリーブを塩水でつけたものをオリーブオイルで和えています。
さまざまな大きさや種類がありますね。
大粒でつやつやしていて、おいしそう。おつまみに良いですよ。


旬のイワシの内臓を取るおじさん。素敵な笑顔に、思わずパチリ。
色とりどりのこの食べ物は、マジパン細工です。
精巧にできてる!
マルトラーナ修道院で発明されたお菓子で、「フルッタ・ディ・マルトラーナ」と言います。
冬、果実のない時期に、お客様に果物に見立ててこれを出したのだとか。


グリルにして美味な、カポーネという魚。
1kgたったの5ユーロ!!!
近海の旬の魚が、格安で買えるお魚天国パレルモです。
内陸に住むbutakoにとってはうらやましい限りですね。


この時期の野菜の旬は、フェンネルとチーマ・ディ・ラーペ(菜の花みたいなの)。
一品勝負の出店、潔し。


途中から雨も降ってきましたが、私たちの興味は尽きることがありませんでした。
イタリアは不景気と言われていますが、まだまだ市場は元気です。
いや不景気だからこそ、新鮮で安い市場が人気なのだと思います。

買い物に来ているのが、男性ばかりなのは、やはりシチリアだと思いました。
男性優位のシチリアでは、一家の長である父親が財布も握っています。なので、当然買い物も男性の仕事、なのが伝統スタイルです。

でもそろそろ観光でもしましょうか。
なんせ、今回は駆け足の旅。パレルモは半日だけしか滞在しません。


『クアットロ・カンティ』と呼ばれる四つ角は、街のど真ん中。
マクエダ通りとヴィットリオ・エマヌエーレ通りが交わる場所。

渋滞か!?と思いよくよく見てみると、警官の手旗信号。
交差店内に観光用の馬車も侵入してきて、なんだかグダグダに乱れてますよ~。
大渋滞、割り込み、三列駐車は当たり前のシチリア。
シチリアは初体験という友人2人は、あまりの車のマナーの悪さと街の喧騒に、唖然としていました。
このカオスも慣れたら、パレルモの個性の一つとして甘受できるもの。
雑然とした街の空気を感じると、ああ、パレルモにやって来た…なんて懐かしささえ、沸いてしまうのです。


雨に濡れぼそつカテドラーレ。

次回は、パレルモで5本の指に入るおいしいトラットリアでの昼食の様子です。

                             butako
# by butako170 | 2012-01-17 05:34 | 旅行記 | Comments(4)
あっと言う間に10日過ぎた2012年
もう10日過ぎちゃった、2012年。
このところ一つの仕事にかかりっきりで、ほとんど家に缶詰状態でした。
昼と夜が逆転!
家を一歩も出ない日が3日間!

でも、今日、その仕事がひと段落したので、明日からは日課の散歩を始めます。
そうそう10日間で、半日だけ外に出たよ。
例の100%自家発電アグリの冬の様子を見に行ってきたのです。
夏も快適だったけど、冬も暖房もちゃんと聞いてて、快適&エコライフ。

後日、お知らせしたいと思います。

画像だけだけど、とりあえずどうぞ~。
10日ぶりの更新。更新できなかったので、楽しみにして下さっていた人、すみませんでしたネ。


最近、外気は冷たいけど、いい感じに晴れてます。
明日も晴れてね★


                                butako

# by butako170 | 2012-01-10 08:27 | ウンブリア地元ネタ | Trackback | Comments(0)
今年もよろしくお願いします。
今日は大晦日。まだ19時だというのに外から爆竹の音が聞こえてきます。
去年の実家で過ごした大晦日とは打って変わって、今年はイタリアの年越し。
仲間と食べて飲んで、踊って、明け方まで騒いで。。。

これはこれで、楽しいものです。
日本はもう新年を迎えて3時間経ちましたか。
イタリアはあと5数時間ほどで年越しです。

最近気になるアーティスト。
岡本太郎氏。
彼のピュアで一生懸命な生き方に、共感を覚える今日この頃でした。

「この人生は即ち夢だと思う
だからあらゆる夢を活かすために
あらゆることをやるべきだと思う
自分がこうだからダメだとか
ああだからダメだとか
自分はコレが得意だ
何てことは抜きにして
それを越えて
やらなければならない」

岡本太郎

皆さん、良いお年を。
2012年もよろしくお願いします!!

                          butako
# by butako170 | 2012-01-01 03:18 | 報告 | Trackback | Comments(2)
義理の母への想い
チャオ!クリスマスもつつがなく終わり、指折り数えるお正月♪
いかがお過ごしでしょうか。
今回のクリスマスも、あまり特別なことがなかったので、ついついブログを更新しないまま、過ぎてしまいました。

いっそのこと、クリスマスネタをスルーして、別のことを書こうと思ったのですが、あえて書くことってあったかな?と思い巡らしてみると、クリスマス前に義母と作る恒例の「アットルタ」というパイの話をしようと、話題の標準がピッタリと合いました。

スポレートに伝わるクリスマスの伝統菓子「アットルタ」。
パイといっても、サクサクの層になっているものではなくて、薄力粉と卵、砂糖、赤いリキュール(アルケミス)などを混ぜ合わせた生地に、リンゴを主体としたフィリングを包み、焼いて仕上げます。

毎年、マンマ(義母を私はこう読んでいます。以下、マンマで統一)と、近所の友人マルチェッラ、私の3人で共同作業。

マルチェッラは生地打ち担当です。
慣れた手つきで、生地をまとめていきます。

カメラを向けると・・・いくつになってもお茶目なマルチェッラ!

マンマと私が、その生地をパスタマシーンで伸ばします。
取っ手を回して、生地を押し出すタイプなので、1人ではちと難しい作業ですね。
よーくのびた生地の中央に、マンマがフィリングを載せ、両端を中心に向けて折ります。


このフィリングが絶妙の味なんです。
りんごといいながら、黒っぽい色なのは、カカオを入れているから。
クルミ、松の実、レーズン、カカオパウダー、シナモン、チョコレートがたっぷり入ったリッチな餡です。でもリンゴのおかげで、甘すぎることはありません。
マンマの味付け、今年も絶妙だった!


もうかれこれ5回目のこの作業。
ロベルトと付き合い出して、マンマの作業を手伝うようになったので、もう5回もご一緒しております。

しかし今回は、なぜかマンマにお礼が言いたくなってしょうがなかった。
なんのお礼って?
いつも私たちの幸せを祈ってくれてありがとう、
いつも私に良くしてくれてありがとう・・・ってことかな。

でも、言葉にするのがとっても勇気が言ったので、少し遠まわしに
「マンマが義理の母で、本当によかった。あなたはとっても素晴らしいお姑さんよ。子は親を選べないのと同じように、嫁は姑を選べないけど、私はマンマが姑でよかったなぁ」
と思い切って言ってみました。
(写真:イヴを誘惑した蛇をかたどって、ぐるぐると巻いた形が愛らしい。
仕上げに、アルケミスとグラニュー糖をふって仕上げます。)

「そうかい!」一瞬、マンマはすごくうれしそうな表情を見せて
「私は義理の娘は皆可愛いし、自分の娘のように思ってるわよ」と言いました。

ま、すぐに別の話題になったけど、私の中ではちょっとスッキリ。
普段思っている感謝の言葉も、きちんと声に出さないと、相手に伝わらないものね。
それに人間、明日はどうなるか分りません。
あの時、言っておけば良かったな、と後で後悔するよりは、恥ずかしくても言ってみるのが大事なのです。

今年は、大震災があったから余計にそう思うのかな。

さてさて、きれいに14個のアットルタが焼けました。
マンマの息子たち4人と親戚、親友にクリスマスまでにプレゼントするのです。

蛇の尻尾を切りながらまず一片、胴体に達してまた一片。
こうしてちょっとずつ、食後の楽しみとして食べられていくヘビ(アットルタ)。
butakoの家では、今朝、完食致しました~!

マンマ、来年も一緒につくろうね。

                                  butako
# by butako170 | 2011-12-29 07:56 | イタリア年中行事 | Trackback | Comments(2)
師走のスポレート

数日前から寒波がやってきました。
長らく停滞していたアフリカの偏西風シロッコが、ようやく重い腰を上げたせいで、ジメッとした雲が取り払われて晴れたはいいけど、寒気団が代わりに居座ってしまいました。


ほら、スポレートからもマルターニ山が白く雪化粧しているのが見えるでしょ?
スポレートの今のこの感じは、宇都宮の季節風「男体おろし」が吹きすさぶのに似ています。乾いたでも、骨を縮み上がらせるような冷たい風。
家でデスクワークをしようと思ったけど、暖房をつけてもなかなか家が温まらない。
それでは、暖房がしっかり効いた図書館にでも行って作業することにしよう。


さてさて、来年の4月に日本で、ブタをテーマにした講演会をするので、そのための論文をまとめています。
構想は頭のなかでは出来上がっているけど、具体的な文献やエピソードを抑えなくてはなりません。

とりあえず、今まで買い貯めてきた本に目を通す。。。
いやぁ、イタリア語だからついつい本気で読まなかったのよねぇ。


こんなにイラストや本の表紙が満載なのに!!
そうなんです、救いはこんな風に、挿絵が可愛いブタちゃんなこと。

中世のブタは、可愛いとはいえない、精悍な風貌ですけどね。
どちらかといえばイノシシに近い感じで、牙をもつブタも多かったみたい。街中で飼っている場合も多々あったので、小さな子供などはブタに襲われることもありました。
そのブタを動物裁判にかけたりしていた、そうな。

ブタを取り巻くいろんな逸話、いろいろあります。
図書館での作業は、かなーーり集中してできることが判明したので、これからは通いたいと思います!なんせ暖かいしね。

                        butako
# by butako170 | 2011-12-21 08:11 | その他 | Trackback | Comments(4)
朝ごはん、何食べる?
いきなりですが、皆さんは朝食に何を食べますか?
ご飯にお味噌汁、納豆や焼き魚がつくジャパニーズスタイルか、はたまたトーストに卵、コーヒーといったブリティッシュスタイルか?

イタリアでは甘いものを食べます。
いわゆるコンチネンタルスタイル。

この前アテンドした方から、僕たちが食べたもの、イタリアでは何て呼ぶの?
という質問がありました。

これらは、パスタやパスティッチーニと呼び、パイ生地の菓子やケーキの総称です。
クロワッサンのことは、コルネットと呼びますね。ジャム入り、クリーム入り、何もなしから選ぶことになります。


さてさて私たちが朝食を取った場所、それはシエナで有名な老舗バール&パスティッチェリア(製菓屋)のNannini(ナンニーニ)。
ここの店は、イタリア中に知られています。名店ということもあるでしょうが、娘ジャンナは有名なロック歌手、息子アレッサンドロは元F1レーサーという有名人を輩出したことが大きいです。

それはさておき、午前7時半。また人は少ない店内ですが、朝食用の焼き菓子がたっぷりとショーケースに用意されていました。
このてんこ盛りのドルチェを見ていると、朝のお腹がグゥーと途端に鳴り出します。
寝起きの頭に糖分を補給し、目覚めさせることにしましょう。


こういうパスティッチェリアやバールでの朝食の注文の仕方には、作法があります。

まずショーケースのパスタを、指差しながら選び、「カプチーノ」などと飲み物も頼んだら、そのままレジに進みます。
お会計を済ませ、パスタが入った皿を持って、カフェマシーンの前にあるバンコ(長い机)で、待ちます。この際、レシートを見せながら「カプチーノね」と言うのを忘れずに。

たいていの人は、パスタを食べながら、自分の飲み物ができるのを待っています。
さ、フワフワのミルクの泡が入ったカプチーノが出来上がりましたよ。
(先にレジを済ませ、パスタを取り、カフェを取る・・・という順番のところもあります)

ナンニーニの熟練バールマン(カフェや飲み物を用意する人)は、無心にカフェを入れていました。
手つきには無駄がなく、立て続けにされるオーダーも間違うことはありません。
優秀なバールマンといえば、なじみ客の好みを良く覚えていて、あの婦人はココアの粉をカプチーノの仕上げに振り掛ける、あの若者はミルクは泡立てずに入れる・・・など素晴らしく記憶しています。

ファーストフード店のようなマニュアルもなく、オーダーメイドのサービスが受けられる!イタリア人同士のバールでのやり取りを見ていると、絆を大切にする気持ちいい人たちだな、と思います。

さて猫舌のイタリア人は、カプチーノもぬるい傾向があるようです。熱々がお好みの人は、「カップチーノ、ボッレンテ!(沸騰してる)」と伝えましょう。
二度三度繰り返して行き、やがてあなたが何も言わなくても熱々のカプチーノが出てくるようになれば、常連になった証だと言えます。
バールの馴染み客になると、なんだかその街の住人になった気がしますよね。

                              butako
# by butako170 | 2011-12-18 03:06 | その他 | Trackback | Comments(0)
心躍る♪ ジャーノ村のオリーブオイル祭

11月は、オリーブオイル圧搾の最盛期でした。
でも12月に入っても、あいかわらず圧搾所(フラントイオ)は、休む間もなく稼動しています。それは、近所のオリーブ林の所有者が持ってくるオリーブを圧搾しているから。

熟したオリーブを搾り、そこから水分を抜くだけで、オイルができるなんて。
油のなかで、唯一非加熱なんですよ。
だから、素材そのものの香りが一番残っているオイルと言えます。

11月から12月初旬まで、オリーブオイルの一大産地であるスポレートでは、各村でブルスケッタやワインを振舞うお祭りが開催されます。
11月の最後の日曜日に訪れたGiano dell'Umbria(ジャーノ・デッルンブリア)でのオリーブオイル祭りの様子はこんな感じでした。(ロベちゃんと出かけてきました)


14時半からはじまる『小枝祭り』。
綺麗に飾られたキアーナ牛が装飾したオリーブの小枝を輿に載せて、街中を歩きます。その聖なる木に連なって歩くのが、ウンブリアの民族衣装を来た楽隊。
農民の歌を歌いながら、聖なる木の行進は続きます。

このオリーブの木は、生命を象徴しているんだよ、とオジサン。
たしかに冬でも葉が落ちないオリーブ。
モスグリーンの落ち着いた緑は冬も変わらず、ウンブリアの大地を優しい色で覆っています。

やはり木への信仰って、どこの地域でも根付いているものなのですね。
ミカンやチョコレートで飾られているので、なんだかクリスマスの木みたいです。

急勾配をキアーナ牛は、必死に登ります。連れてるおじさんも必死。

10分ほど坂を上ると、ようやくムニチピオ広場に到着。
すでに多くの人でごった返していました。


お待ちかね、新モノのオリーブオイルの試食会です♪
これが楽しみで、周りの街からやってきた人(butakoたちみたいに)も多いと思いますよ。


炭火をよーくおこして、それでブルスケッタを焼きます。
こんがり焼けたパンを、地元のおばあちゃんがニンニクを刷り込み、たっぷりとオリーブオイルをかけてくれますよ。


オリーブオイルをかけたら、手でこうしてギュギュと押して、オイルをパンに良く馴染ませます。実はこのひと手間が、ブルスケッタをとびきり美味しくするポイントなんですよ。

そうやってするのね、と私が話しかけると「そうよ。ちゃんと手を洗ったから心配しないで」と微笑みながら言うおばあちゃん。お茶目です。

ブルスケッタの他にも、いんげんの煮込み、スペルト小麦のスープ、乾燥ソラマメのピュレーなど盛りだくさん。

生産者たちの大盤振る舞いに、ギャラリーはわれ先にと列を作り、料理にありつきます。
こんな時のイタリア人の反射神経と厚顔さには、脱帽ものです。
少しの隙間でも、見逃さず列の流れる方へ、体を入れてきます。
一列に並ぶのが難しいビュッフェや、こういった試食会の時は、陣地取りが肝要ですよ~。

ほらほら、控えめな我が夫ロベちゃんなんか、さっきからずっと同じ所に並んでる。(ガツガツするのが嫌なんだって)関西人のbutakoを見習いなさいって。


この村近辺で採れるオリーブは4種類。
モライオーロ、レチーノ、フラントイオ、そしてサン・フェリチャーノ。
このサン・フェリチーノという種類は、30km離れたスポレートでは見かけないものです。
Colli Martaniというこのエリアで特に作られている種類なんですって。
黄色味を帯びた緑色。味はマイルドで、青臭さは少なめ。

スポレート界隈のオイルに慣れている私にとっては、少し物足りない気がしました。
あの喉を通る時にピリッとする辛味。ふんわりと香る深い草の香り。

存分にブルスケッタとおマメ料理を堪能したbutakoたちでした。
広場で、こうして大勢の人とブルスケッタを頬張って最高!すごく満足したお祭りでした。

でも家に帰る途中に「おいしかったけど、やっぱりスポレートのオリーブオイルが一番やねぇ!」とロベルトと思わず顔を見合わせて言ってしまったことを、付け加えておきましょうか。

                              butako
# by butako170 | 2011-12-05 03:39 | イタリア年中行事 | Trackback | Comments(2)
カンティーナ ADANTI(アダンティ)訪問

ひょんなことから、縁が繋がって、Cantina Adanti(カンティーナ・アダンティ)の醸造家ダニエーレ・パリーニ氏と知り合いになりました。
なんてことはない、友人の友人で、皆で何回かわいわい一緒に飲んで、語っているうちに、すっかりと打ち解けただけでございます。
やはり、同じ釜の飯を食うと、急速に親密になるものですネ。

さて、ダニエレの友人ルカから、「アダンティについて書いた日本の記事があるんだけど、ちんぷんかんぷんで。とりあえず、カンティーナまで来てよ」
と言われて、行ってきました。

アダンティと言えば、モンテファルコ特産の赤ワイン『サグランティーノ』の歴史を担う造り手。
そのお手伝いとあれば、お安い御用です。

今日は、そういえば、師走一日目の日でありました。
でも曇っているせいでしょう。ちっとも寒くはありません。
ただウンブラの谷を、恒例のスモッグがうっすら膜を貼ったように覆っていて、ボンヤリしています。

スポレートから35kmほど北上したフォリーニョで高速を降り、中世の町ベバーニャ村に向かいます。目指すカンティーナは、ベバーニャの城壁の外。
急な坂道を、白いFiatのプントが、エンジンをふかし気味にのぼり、カンティーナへ到着。

ダニエレと、伝説の造り手アルヴァーロさんが出迎えてくれました。
チャオ、元気だった?とニッコリ微笑むダニエレ。
もちろん、かたわらには共通の友人のルカもいます。
そしてダニエレの父アルヴァーロさんは、「いやいや、よく来たね」と大歓迎。
握手した手はがっちりしているのに、なんとまぁ、小柄な偉人だなぁ。



果たして、日本の記事を訳すべく、私とルカ(自称ゴーストライターらしい)が、机に向かいます。ダニエレは、優雅に試飲の準備。
翻訳に取り掛かる前に、ワインで口の滑りを良くしましょう、ついでに脳みそにも活力を送りましょう、ということでしょうか。



まずは、白ワインのグレケットDOCから。
凛とした青リンゴの香り、ビアンコスピーナの花、ミネラル・・・口に含むと、ゆったりとした酸味が感じられます。戻り香に苦味はなく、口の中はサッパリ。
訳しながら、あっという間に3人のグラスは空っぽ。

翻訳のやり方は、2段階戦法で。
私が口語でイタリア語に訳し、それをルカがきちんとした形のイタリア語に直しながら、紙に書き写してゆきます。
記事はA4版にぎっしり書いてあって、なかなかのボリューム。

たまに、偉大なるアルヴァーロさんが、近寄ってきて、ルカに話しかけます。
私はその偉人を、ファインダーに収めるカメラを近づけるのですが、手で顔を隠してしまいます。
「なんで、写真、撮らせてくれないんですか!」
「いやいや、インターポール:ICPOに狙われているもんでな」とアルヴァーロさん。
「ICPOって、国際クリミナル・ポッリーノ(鶏の)機関のことだろ?」とルカが突っ込めば、
「そうそう、僕は鶏を大量に捕食するんで、取り締まられているんだよ~」とうれしそうに答えるお爺。
「・・・。」

楽しく書き進めていくうちに、試飲もすいすいと進みます。
モンテファルコ・ロッソ2007年は、バランスがすごい。フルーティさとタンニン、中程度のボディがピッタリと決まっている。これはサグランティーノの特長もうまくブレンドしつつ、万人に愛されるワインです。


そして辛口のサグランティーノ2005年は、強めのタンニンのなかにも、エレガントさがきちんと感じられます。カカオやタバコの香り・・・でもまだ完全に開ききってないので、あと2,3年置くともっと熟成が進み良くなるでしょう。

このサグランティーノの辛口ワインこそ、アルヴァーノさんの偉業の一つなんです。
暴れ馬のように激しいタンニンを持つサグランティーノは、昔から、ブドウを干して甘口ワインにしていました。そうでないと、渋みが勝り、飲めたものではなかったからです。

しかし1970年代から、ブドウのポテンシャルを引き出す造り手がでてきました。
カンティーナ・カプライのマルコ・カプライしかり、そしてアダンティのアルヴァーロ・パリーニさんも、そのなかの1人でした。彼らがモンテファルコのワインを開拓し、辛口ワインとしてのサグランティーノを世に広めた立役者たちなのです。

もともと、紳士服の仕立て屋だったアルヴァーロさん。
パリで店を持つまでとなりましたが、それが旧友のドメニコ・アダンティさんとの縁で、アダンティの醸造責任者になります。
(当時のアダンティのワインがとても不味く、それを批評したところ、「じゃあ、お前が造ってみろ」という経過を辿ったのだとか。いやはや、すごい転身です)

まったくワイン作りは素人。でも味覚が鋭く、幼いとき祖父のワイン作りを手伝っていた経験もあり、暗中模索しながらも、80年から市場にボトルを出すに至りました。
特に彼の作った85年のサグランティーノは、歴史に残る味だったそうです。
今でもモンテファルコの醸造家たちの語り草になっているのだとか。

サッシカイヤなどをプロデュースしたジャコモ・タキス氏とも交信があり、時々助言を仰いでいたそうです。(紳士服の仮縫いなどの際に、タキス氏の家を訪問してたそう)
スケールの大きな話になってきた。

醸造部も拝見~♪ 発酵中のサグランティーノを飲ませてもらった。

熟成庫は、大小のローベル樽が並びます。

ふと目の前を見ると、アルヴァーロさんが笑っています。
会えてうれしかったよ。
日本の雑誌もきちんと取材してくれていることが、きみの翻訳で分かったし。
いや、ありがとう。


と、イタリア式に抱擁のご挨拶。
ワインはブドウが造るんだ・・・と徹底的に、畑のブドウと向き合い、そしてブドウの良さを最大限に生かすワイン作りをしてきたアルヴァーノさん。
その意志は、息子のダニエレにしっかり受け継がれていますよ。

こんなサグランティーノの生き字引みたいな彼の半生。
実は、ルカが口述筆記したがっているのです。
彼の生き方を書き留めれば、ワイン界の宝になるから、と必死に説得しているのに、まだ実現していない。是非、それが叶えばいいのにな、と心から思うbutakoなのでした。

(写真:多数のガイドブックから受賞しているアダンティ。)
気になる雑誌は、WANDS  2010年1月号でした。
                           butako
# by butako170 | 2011-12-02 06:47 | イタリアワイン | Trackback | Comments(2)
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